と、まあメタ的な理由です。
なら話的にはどんな理由なのか……はですね、晴蓮くんが入ったのは真人の領域内ですので、
弾き出された晴蓮くんと領域内に直接入った晴蓮くんという起こりえない矛盾の衝突の結果、領域内には居るけれどもどこに居るのかは分からないので、領域内の外縁部で尚且つ上に居る事にさせられました。
「(はぁはぁはぁ……逃げないと、早く出ないと
「………僕にはその
晴蓮目掛け融合した改造人間の魂が波濤の様に押し寄せる。
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「………すまない、恨んでくれて良い。だから今は眠れ」
腕を横に一振。その一振で血の池から辺り一面を薙ぎ払う業火へと変わり、真人の術式によって生まれた改造人間は悲鳴とも、叫びとも聞こえる断末魔の叫びを上げ、灰となって消えていく。
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「貴様は邪魔が来るまでに必ず祓う」
「(!? コイツ、
何も喋らず、口を開かず。まるで作業かの様に腕を振り上げると血が持ち上がり、迫り来る改造人間の津波に降り注ぐ。
すると改造人間が凍りつき振り下ろすと同時に砕け散る。
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「(!? 氷? コイツはなんなんだよ!
なんで
複数の魂を一瞬で燃やし尽くす事で、爆発的な攻撃力を持たせ合成した改造人間を二体造り、壁の様に自信の前に置く。
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成る程、『子供の様』か。建人の言った事が頷けるな、間違いなくあの呪霊は
「もう
血液から『分離』させた鉄分を圧縮・凝縮し、凝縮熱で一時的に刀へと打ち上げる。そして同時に『分離』させた脂質も凝縮熱で周囲が歪んで見える程に燃え上がり、更に晴蓮から濃密な死の気配が空間に充満し支配し、晴蓮から放たれる濃密な死の気配は物理的な重圧さえ生まれる。
その重圧で真人は立ち竦み動けなくなり隙が生まれ、そして真人へと振るわれる十数にもおよぶ剣閃が一度に煌めき真人を襲う。
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「あ……」
その声は無意識に溢れたモノだった、真人は『終わった』。と、そう思った時ーー
━
!? 早すぎる! 何故だ、どこでズレた!
晴蓮は最初から知っていた、凡そ三十分。三十分を過ぎれば
だから急いだ、外殻をいつもより比較的柔らかくした分、内側の耐性を上げ継ぎ接ぎの呪霊を確実に祓える様に。
クソッ! 今からじゃ間に合わない!
外殻に亀裂が入る事を感じながらも、攻撃を止めず刀を振り抜くが、外殻に亀裂が入ってきた一つの影が素早く真人の隣に降り立ち、氷のドームを造り数十の斬撃を防ぎ砕けると同時に領域の外殻が砕ける。
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「は? へ? 何が起きて……」
「(加茂先輩の領域の外殻を破壊した!? あり得ない、先輩の領域の外殻は固い……先輩の領域には必殺が無い代わりに先輩の領域の必中は領域内から出る事が出来ないレベルで作用する。
待て……あの呪霊は逃げ回りながら戦っていた……先輩の領域内で逃げ回りながら戦う事は不可能に近い、先輩の領域は戦闘を
先輩は此処であの呪霊を祓うつもりだった、だから戦闘を
「ウスッ!! (なんか来る、師匠が読みきれてなかった一手がきたんだ)」
二人が即座に戦闘へと入れる様に姿勢を取ると、領域の外殻と呪霊が造った氷のドームが砕けていき、呪霊・真人の隣に雪を思わせる様な白い着物らしき衣服を着た呪霊の手が晴蓮へと向けられるのを見た七海は、領域が壊れ外に出てきた晴蓮の前に出て「先輩! 後ろに!」と叫び、「三十秒でいい! 持ちこたえてくれ!」の声を聞いた着物らしき衣服を着た呪霊は急いで呪術を使おうとする。
だが、虎杖が既に
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「いっ……冷ッた! 氷!?」
「独断専行は死にますよ、虎杖君」
虎杖を回り込む様に影……七海が呪霊へと向かい虎杖が殴った氷に
━
「(攻撃してくるまでが速い、戦闘センスが高いわね、油断出来る相手じゃない。
それにもう一人の呪術師も阿吽が如く息を合わせて入れ替わる様に攻撃をしてきた上、私の氷を容易く砕いた………そう言えば真人が言ってたわね、布を巻いた鉈で壁を壊した呪術師が居ると。それなら術式なのは確かね)」
虎杖と七海を観察・思案していると奥から「考え事か? 死ぬぞ」の声と「〈
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「ッ! (領域で術式が焼き切れている筈なのに! 術式の回復が速い! なんて速さ!!)」
僅か三十秒での『領域展開後から術式の焼き切れ』からの回復。生得術式の最終段階であり、呪術戦の極致の領域を展開し、壊れた直後は『呪力が激減』する。
領域は術式そのものや脳にも大きな負担がかかり領域を解除した、または領域が消滅した直後は術者の術式が焼き切れてしまい、しばらくの間術式はほぼ使用不可。
だが、『術式の焼き切れ』は故障というよりはオーバーヒートに近いため損傷している部位が存在せず、術式そのものを治療して短縮することは不可能なのだがーー。
呪霊? だが通常の呪霊じゃない………可能性は……
「やぁ新入り君。邪魔をするとか教育がなってないね」
「呪霊と呪術師は呪い合ってなんぼでしょう? そこに横槍も邪魔もないじゃない」
「うん確かにその通りだ。だから死ね〈百斂〉
手中で血液を圧縮・凝縮し刀を作り、一振すると血が飛び散り無数の赤黒い刃が生成され呪霊を襲うが、「
━
「氷か。君……何?」
「……『誰』、じゃないのね」
「面白い事を言うね君。
呪霊は現象だ、一人とは呼ばない一体と言うんだよ。僕は呪霊を『誰』とは言わない」
「あら酷い。呪霊差別よ、ソレ」
「ははは……莫迦を言う。
呪霊に差別もクソもないだろ、
「そう、やっぱり人間は
「意志疎通の出来る呪霊は珍しい、だからラベリングして飾りたかったけど……まあいいか。呪霊、一欠片も残さず祓ってあげるよ」
「そんな事言われるととても怖いわ。だから、逃げさせてもらうわね」
「させるとでも?」
「押し通らせてもらうわ」
両者は睨み合い互いの動きを警戒する、呪霊は分かっていた、僅か一秒の差が生死を分ける事を。
先に動いたのは…………否、両者同時に動いた! 推定氷の呪霊の腕が斬り飛ぶのと同時に、晴蓮達を囲む様に幾重にも重なった氷の檻で閉じ込められるが、七海が素早く動き氷の檻を全て壊す。しかしその時にはもう既に推定氷の呪霊と継ぎ接ぎ呪霊の姿は無く、勝ったのは呪霊側の逃走だった。
━
「逃げられたか。……
虎杖と七海は周囲を警戒しいる中、晴蓮は名前を呼ぶと、晴蓮の背後からスゥっと真っ白な着物を着た女性が立っていた。
━
「『聞かれる前に言いんす、さっきのはお前様が思っている通り呪霊でありんす。
発生源は
「雪女のお前とか?」
「『
或いは『幼子を連れて現れる』産女、『幼子を増やすために子供を攫う』
雪の中で死に化けて出てくる妖しきモノを見た者、幼子を雪山に連れ去った雪の化物を見た。
人々は雪山に、吹雪の中に化物が居ると思い、それらを人達が話しあい次第に噂となり、噂は流れに流れ
さっきのは
「
確か
………そうだな、自然呪霊とでも呼ぶか、分かりやすいし」
「『その言い方、ある程度は予想がついていたのでありんすか?』」
「それなりにはね」
「『まあ怖い人でありんすね』」
晴蓮と晴蓮の式神、雪女の
━
「うん、彼女は
「『初めてまして、
名前は
「妖怪って本当にいるんだ」
「呪術界では仮想怨霊と呼ばれてるね、実在しないものに対する負の感情が呪いとなって生まれる、例えば『口裂け女』とかが有名かな。
多くの人が恐怖のイメージを抱くものからは仮想怨霊が生まれやすいんだ」
「はー、呪術ってなんか凄いっすね」
「呪術の世界はなんでもアリさ、事象や現象・言い伝えや伝承が力を、畏れを抱かせ負の感情が生まれ、負の呪力が集積・蓄積して呪霊や怨霊が生まれ、その結果が妖怪と言う形で生まれる。細ささめ、ありがとう助かったよ」
「『お気になさらず、
お前様との間に幼子が出来ればそれで良いのでありんす、
「ははは、そうだね。いつか出来ると良いね」
「『では、
雪女、
━
「(呪術は、なんでも……アリ………。なんでも?)!! なんでもアリ! 師匠」
「うん? どうかした?」
「呪術はなんでもアリなんですよね! アイツ、
そして、
━
「勿論遺体を持ち帰るよ、でもそれはあくまで検分の為だ。………彼は体が変わっただけじゃない」
「どう……言う意味なんすか、師匠」
「彼は
………アレを使えば
「魂?」
「うん、
「呪……霊……。呪いとは何か違うんですか?」
「広義的に言えばそこまで大差はない、違いは……そうだね、高専に帰ってから話すよ。今はこの子の対処だね」
「あっ……そう!
「さっき言った通り
「基本的には? ………!! そうだ! 五条先生から聞いたんだ! 師匠は『最優』の呪術師だって、だから師匠ならーー」
「………悠仁君、君は
………あの呪霊の術式は触れた対象の魂を改造させる事で逆説的に肉体を改造させるモノ。
だから
それをしたのは赤の他人だからやった。でも、直接的ではないとはいえ、この子を知っているし何より悠仁君の友人だ。可愛い弟子の友人に手を掛ける事は、流石の俺でもしたくないし、クズになりたくはない。が………
「中身の違う……」
「……確かに呪術はなんでもアリだ。さっき悠仁君が言った通り僕は呪術界で『最優』と呼ばれている。その理由は
「じゃあ!!」
「……
「何が……言いたいんですか」
「仮に、もし仮に魂を入れられたとしよう。
魂が入れ替わった人間を、元の人間と君は言えるのかい」
「魂が、入れ替わる?」
「……僕はね、悠仁君が思う程綺麗な
虎杖は師匠として、親代わりとして全幅の信頼を寄せている晴蓮の告白に言葉を失い、「師、匠……」とだけしか返せなかった。
━
「悠仁君。僕は下道だ、誰かが助かるのなら万難を排し物事に取り組もう。
呪霊を祓う事で誰かが助かるのなら喜んで祓おうとも、呪詛師を排除すれば誰かが助かるのなら喜んで排除しよう、『
あの呪霊の術式で改造された人間は……
僕以外の呪術師であればの話だけどね」
「じゃあ、
「
でもね悠仁君。ソレは彼の生き方に対する侮辱であり、冒涜だ。人の尊厳を破壊する行為だよ、僕はそれ程までのクズになりたくない。
間に合わなかった僕の責任だ、もっと早く来れてたら助かっていたかもしれない。ごめんね悠仁君」
加茂晴蓮にはとても特殊な式神を従えている。そして、その式神を使えば
━
「師匠が言っている事は良く分かんないスけど………俺は中身の違う
だから師匠………謝らないでください、師匠は何も悪くない。俺がもっと早く
もう少し早く気づけたら
「……そうか、ならさ悠仁君。僕と君で二人の死を背負おう、二人の命を忘れないであげよう。
僕と君で一緒に背負おうか、彼らの命を尊厳をさ」
「………ウス。俺、忘れません。
俺も、背負います
晴蓮と虎杖は二人の死を、命を共に背負う事にした。呪術界で呪術師も非呪術師も簡単に死ぬ、非呪術師は気づかない内に呪霊の被害を受け死ぬ。
呪術師は任務で死ぬ。一つは想定していた等級とは違う呪霊に会い死ぬ、もう一つは同じ等級であっても油断をすれば容易く死ぬ。
呪術師は母数が少ないのに死亡率が極めて高い、呪術師は人知れずに、そして非呪術師を守り死んでいく。彼ら呪術師は強いが同時に弱い者達の集まりでもあった。
━
「世界は生きにくいんだ、世界は想像以上に非情で、無情で呪いに満ちている。
だから僕達呪術師は背負い続ける、呪術師で居続ける間は他者の死を、被害者の命を背負い続ける。
本当に、イヤになるほど優しく無い世界だよ」
晴蓮の呟きが、優しく無い世界に消えていく。
━
考察やらで出てくるヤツを参考にしたので当作品には