その血が歩む道すじ:修正版   作:亞忌羅

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 修正版より新約とか新生版とかがいいのかな。


九十一話

 素朴な疑問で、当然の疑問を投げ掛ける。

 ━

「滅んだ理由は悟君が言った『戦闘狂一族』だから滅んだ、彼ら一族はやり過ぎた。そして致命的な事をしてしまった」

「致命的な事?」

「それを話す前に『禍求夜(カグヤ)一族とはなんぞや』。を話そうかな」

「俺が知ってんのは『天の団和(ウチワ)、地の輝夜(カグヤ)』っつー二つの家系が有ってヤベェ術式を持ってる事だけだな」

「うん、それで合ってる。だから昔は御三家ではなく五大家系と呼ばれてた」

「五大家系………二つ聞きたい事が有る。

 一つ目は二つの家系はどんな術式を持っていたのか。

 二つ目は何故御三家になったのか」

「じゃあ一つ目の術式から。

 団和(ウチワ)一族の相伝術式の記録は『火陰遁攻呪術(かいんとんこうじゅじゅつ)』。

 術式の内容は『火の呪術と幻術が使える』術式と書かれていた」

「火は分かるけどさ、幻術とか(セイ)くらいしか使って無いイメージが有るし、火の呪術ってなんか……こう、そこまで強くないイメージが有るんだけど」

 扇さんがソレ聞いたら泣くよきっと。………扇さんなら『これが火の呪術だ!』とか言って見せてきそう。

 

「昔はそれなりに使う術師は居たみたいだけど、攻撃としてではなく遁術……逃げる・隠れる呪術として使われていた記録と、幻術系の生得術式を持った家系も数は少ないけど居たらしい。今じゃ下火どころか幻術を使う呪術師はいなくなった、理由として考えられるのは昔と違って戦う相手が呪術師(呪詛師)から呪霊に変わったからだと思う。対呪霊戦闘は原則祓除だからね。

 それと団和(うちわ)が操る火の呪術は『山をも焼く』らしいよ、人間程度なら骨すら残らず灰になるレベルの火力との記録が載っていた」

「ふーん、じゃあもう一つ。なんで相手が呪霊じゃないの」

「呪術全盛期……平安時代の呪霊は今より段違いに強く、多かった。でも同時に特級に相当する呪術師も多かった、だから呪霊祓除はすぐ終わる。

 その代わり自分の強さや家系の威信を賭けて戦うとなると呪霊が相手ではなく、呪術師と戦う機会が必然的に多くなった。だからまあその、殺伐としてたんだろうね」

 

 話を聞き若干引きながら「家系の威信の……為。なんか、本当に殺伐とした時代だね」と返すと、タメ息と共に「選民思想が強かったんだろうね」と呟くと、五条が「五条と禪院の御前試合が良い例だよな」と付け足した。

 ━

「平安時代に生まれなくて良かったわ、生き残れるビジョンが浮かばない」

「術式が無いと生き残るのは難しいかもね」

団和(ウチワ)の事は分かった、禍求夜(カグヤ)一族の方はどんな術式を?」

禍求夜(カグヤ)一族の相伝術式の記録は『屍脈呪骨法(しみゃくじゅこつほう)』。

 術式の内容は『骨を自在に作れて、固い骨を鎧としたり、抜き出して武器として使ったりできる』術式と書かれてた。

 現段階では団和(ウチワ)禍求夜(カグヤ)どちらもこれ以上の記録は無かった。意図的に消されたのか、それとも滅んだからこれ以上書く必要はないと判断したのか……どっちなんだろうね」

「どちらにせよ禍求夜(カグヤ)と言う厄介な術師が高専襲撃に来るのか、何故こうなるんだ」

 

 夜蛾の弱々しい呟きに「羂索は何がなんでも呪物が欲しいんでしょう。だからあんな一族を見つけ、高専襲撃と言う『戦場』を用意し参加させた。

 恐らく禍求夜(カグヤ)には『自由にやれ』とでも言ったんでしょうね」と答えた。

 ━

「でさ、禍求夜(カグヤ)どんな風に滅んだの」

「前提に有るのが団和(ウチワ)禍求夜(カグヤ)が犬猿の仲だと言う事、だから敵対し合ってて何かあればすぐに喧嘩し(殺し)合ってねぇ……当時の御三家の苦労が見て取れるよね」

「呪術界ってそんな感じなの? 五条家と禪院家も仲悪いんでしょ?」

「色々有ったからな。ま、俺からすれば禪院から一方的に敵視されてる様なモンだけど」

 

 五条の言葉に「今はそれなりに仲良くなったんだし、まあ多分大丈夫じゃないかな」と答える。

 ━

「滅ぼした理由は分かっているのか?」

禍求夜(カグヤ)の考え方、在り方がブッ飛んでてね、御三家もなんとかして考え方を矯正しようとしたらしいけど、無意味に終わった。

 だから御三家は矯正を諦め、族滅を選び決行した」

「一応は頑張ったんだ」

「みたいだね、禍求夜(カグヤ)一族は多くの呪術師を輩出していたから御三家はその戦力を失いたくなかった。だから説得を試み、考え方の矯正を何度も行った、でもそれら全てが徒労に終わり呪術師より上回る呪詛師が多く現れ続けた。

 禍求夜(カグヤ)の術師が呪詛師になる理由は極めて単純なモノ……彼らは戦えれば誰でも良かったんだ、禍求夜(カグヤ)は見境なく強い奴と戦いたがる。

 呪霊に呪術師、更には非呪術師も関係無く強ければ構わない、そして禍求夜(カグヤ)一族はその全てを捩じ伏せてきた。だから自分達の強さに驕り、傲慢で、野蛮な時代が続いた。

 その様を見て呪術界では禍求(カグ)()一族を戦闘民族だと揶揄し、実際に成り果てた末に滅亡したのは皮肉なものさ」

 

 付け加える様に「しかも自分達で元々の名前を変える呪術界でもマジもんのヤベェ一族」と話した。

 ━

「名前を変えた? 名前は『輝く夜』と書いて『輝夜』だと文献では読んだ事があるが、あの一族は名を変えたのか?」

「はい。彼ら一族は学長が言った通りの名前でした、ですがその当時の当主が『我らに輝く夜は無い、我らは(わざわい)を求める夜。故に禍求夜(かぐや)だ』と言い、名を変えました」

「禍を求める夜………」

「取り敢えずヤベェ奴なのは分かった」

「だから硝子には呪霊より歌姫さんのカバーに入って欲しいんだよね」

「呪霊じゃなくて良いの?」

「そっちはなんとかなるし、どうにかできる。だけど禍求夜(かぐや)の術師は歌姫さんたげだと厳しい。だから負傷する」

「りょーかい、私も歌姫さんが怪我するのとか嫌だし」

 

 甚爾が割って入り「なぁ(ハル)、俺もそっち行って良いか? 相手が禍求夜(カグヤ)なら愉しめそうだしよ」と聞き、少し悩み「あっはっは、甚爾さんならそう言うと思ってたので、会……場に行って……。そうか、これが目的か」と叫ぶ。

 ━

「どう言う意味?」

「羂索は禍求夜(カグヤ)の術師が現れると分かれば僕は必ず禍求夜(カグヤ)の為の戦力を用意する」

「それがゴリラか」

「僕の未来視(世界視)を前提で動くならこの行動がベストだ」

「でもアチラ側は硝子が戦える事は知らない、だから硝子を待ち伏せさせる事ができるんだろう?」

「向こうに知られていない硝子と言う戦力を使えば虚を突けるのは確かだ、でも正直禍求夜(カグヤ)相手に今の硝子だけじゃ心許ないし、生徒と歌姫さんを守りながら戦うのなら尚更厳しい」

 

 一通りの話を聞き夏油が「(れん)禍求夜(カグヤ)一族の末裔が現れたのなら、団和(ウチワ)の方も本当に途絶えたのか? もしかしたらどこかに居るかもしれない、もし居るなら私達に……」と呟き「そこんとこどーなんよ」と五条も乗っかって聞いてくる。

 ━

「………傑君が言う通り昔から団和(ウチワ)禍求夜(カグヤ)両家を探してたよ」

「いつから探してんの」

「んー、二年生の時からかな」

「そんな時から!?」

文字が読める(・・・・・・)ってのが嬉しくてね、それに文献とか古文書って読むの楽しいじゃん。だから色々と読み漁ってた。

 それに子供の頃はまだ読めなかったから読みたい欲的な何かが爆発でもしたんじゃない? まあそのお陰で団和(ウチワ)禍求夜(カグヤ)を知れたし、探すきっかけにもなったしね。

 で、その時から探してたけど禍求夜(カグヤ)らしき一族は見つけられなかったけど、その代わりに団和(ウチワ)らしき家系は見つけた。

 けど今の団和(ウチワ)には術師はいない」

(セイ)なら問答無用で術師にしそうなのになんか意外」

「硝子は僕の事をなんだと思ってるのさ」

「外道」

 

 家入の言葉に「……それは、まぁ……うん、否定はできない」と歯切れの悪い答えが返ってくる。

 ━

団和(ウチワ)一族はなんと言うか、愛が重いんだ」

「愛が重い? 何それ」

「そのままの意味だよ。

 彼ら団和(ウチワ)一族は非常に強く深い心優しい一族なんだ、だから家族や仲間など愛するものを失うと悲しみや憎しみ……怒りを爆発させやすい一族でもあるんだ」

「愛が重いのは分かった。でもさ、天の~とか言われてるって事は強いんでしょ? 戦力増強にはもってこいじゃん」

「イヤまあそうなんだけど………団和(ウチワ)一族が怒りを爆発させると特殊な眼が開眼し、同じく特殊な呪いが発現するんだ」

「写輪眼と……なんだっけ」

「写輪眼と呪印、正確には天の呪印(てんのじゅいん)だね。条件が条件だから開眼した団和(ウチワ)の術師って殆どが闇堕ちするんだよね、ただでさえ強い一族なのに厄介な眼と呪いを発現させて呪詛師になるとかさ、困るじゃん?」

「呪詛師になるって事?」

「なる場合もあれば、ならない場合もある」

「ふーん、禍求夜(カグヤ)よりはマシって感じ?」

「比較的ね」

「五十歩百歩か、どっちもヤベェ奴らじゃん」

「否定はできない」

 

 考え事をしていた夏油が「天の呪印(てんのじゅいん)……だから『天の団和(ウチワ)なのか』じゃあ『地の禍求夜(カグヤ)』と呼ばれるのは地の呪印(ちのじゅいん)を持っているからなのか」と口を開き、「その通り、これがまた厄介な呪いなんだよね」と答える。

 ━

「私も文献で呼んだ事はあるが詳細までは知らん、団和(ウチワ)一族はどんな事ができるんだ」

「僕が調べた文献を要約すると『呪術や体術』、使い手は少ないですが『幻術を視認するだけで見抜き跳ね返す事ができる』。

 他には『瞳術(・・)の中でも特に動体視力に優れ、「見切り」に秀でた性能を持っていて相手の動きを先読みしたり、一度見た呪術をコピーする事もできる。

 但し写輪眼ができるのはあくまで学習補助程度で、視認した呪術を自分の術として使用できるかどうかは術者の技量・力量次第。ああ後、僕が個人的に危険視しているのは幻術ですね、団和(ウチワ)の写輪眼は『眼を合わせるだけで相手を幻術を掛ける』事ができるらしくて、反則的な『瞳術』が使えるみたいです。そして天の呪印(てんのじゅいん)は呪力、運動能力の向上に特化した呪いです。

 なので文献には『団和(ウチワ)一族と戦う時は二対一なら後ろを取れ、一対一なら迷わず逃げろ』、が鉄則だそうです。

 この一文だけでもどれだけ厄介で強い一族なのかが分かりますよね」

「何それマジで反則じゃん」

「話を聞けば聞く程恐ろしさが倍増していくな。それでドウジュツは眼で見る事で呪術を使えるからそう名付けられているのか?」

「うん、瞳の呪術と書いて『瞳術』と載ってたね」

「眼を合わせるだけで呪術が使える……話を聞けば聞く程団和(ウチワ)の方が恐ろしく思えてくる。禍求夜(カグヤ)より厄介だね」

「だからこそ団和(ウチワ)禍求夜(カグヤ)が御三家と同等として扱われてたんだよ、まあその後色々有ったけど」

 

 家入の言葉に同調すると「しかも俺の六眼と違って、同じ世代で必ず二人以上が開眼するんだよな」と付け足した。

 ━

団和(ウチワ)の写輪眼は六眼と違って強力な代償(縛り)が有るんだ、文献ではある種の天与呪縛ではないかって書かれていたよ」

「強力な代償(縛り)で、天与呪縛の可能性がある。つまりやべぇ術式なんだ、どんな代償(縛り)?」

「一つ目は開眼する為には一定の条件が有る事、二つ目は団和(ウチワ)の瞳術はとんでもなく燃費が悪い、反転術式並みの呪力が要求される」

「確かにその代償(縛り)なら天与呪縛と言えなくもないね」

「それくらいないと足し引きが釣り合わないから当然と言えば当然かな。でもね、とある条件が整うと写輪眼から更に進化する(深化する)

「何それ写輪眼ってヤツでも反則なのに更にヤバくなるの?」

「うん、文献によると非常に難しい条件だけど、その条件が満たすと開眼する。加茂に有る文献では過去その眼になったのは三人居た事が書いてあった」

「多いのか少ないのか分かんないんだけど」

「それだけ条件が難しい……イヤ、『起こりにくい』。の方が正しいのかな。だから団和(ウチワ)ができて500年の内三人しかいない」

「約150年に一人の割合か」

「数字で示されると多い気がしてくる」

 

 何かを考えていた夜蛾が「団和(ウチワ)一族も、写輪眼と言う特殊な眼を持っていた事も文献で読んだ事がある。だが、一族に関しての情報は載っていなければ、写輪眼の上位の眼と言うモノも高専に有る文献では読んだ事が無い、本当に有るのか?」と純粋な疑問を投げ掛ける。

 ━

「高専に所蔵されてる文献は加茂家が検閲してますから、詳細は記載されていませんね」

「そんな事をする意味はなんだ」

 

 数瞬沈黙し「困るからです、滅んだとはいえ御三家に並ぶ家系が居たと言う事実は隠したいんです。禍求夜(カグヤ)一族も同じ理由で……いえ、禍求夜(カグヤ)の場合は呪詛師関連でその殆どが消されてますね」と答える。

 ━

「御三家のプライドってヤツだよな、くっだらねぇ」

「特に加茂家だね、加茂家は昔から呪術界の監督者を気取ってた、だから徹底的に文献から消した」

 

 五条が一言「マジでくだらねぇ」と言い「その通りすぎてぐうの音も出ない」とタメ息と共に呆れながら愚痴を溢す。

 ━

「書かれてない理由は分かった。何が起きれば進化するのか、そもそも何故滅んだのかを話してくれ」

「元々団和(ウチワ)禍求夜(カグヤ)は犬猿の仲で、何かあればドンパチし合う程度には仲が悪かった。

 それを諌めていたのはその当時の加茂家の当主だった、この当主は呪術師にしては比較的マトモな感性だったらしいですね、呪術界の安定の為に奔走してたらしい」

「へー、昔に(セイ)みたいなのも居たんだ、なんか昔っから腐ってたと思ってた」

「それはそれで間違っていないよ。

 呪術界は閉鎖的な世界だし、呪術が露見するのを嫌がるからどうしても血統主義になるから新しい呪術師の家系には冷たい……忌憚なく言えば蔑むんだよね、その辺りは禪院家が顕著かな」

「あー……なんか分かるかも」

「今の禪院家は昔に比べれば緩くなったとは思う」

「ハルの功績だよな」

「イヤまぁ……なんと言うか、うんまあ確かに昔よりかはマシになったかなし、甚爾さんも里帰り? できる様になったし」

「ま、緩くなったのは事実だな。特に扇のジジイがな、別人みてぇになってやがった」

「あっはっは、そうだね。扇さんも(へい)の人達を昔みたいな『禪院らしさ』は無くなったかな。

 さて、話を戻そうか。えーと、ああ両家の諌めていた後だね。その時は加茂の当主がそれなりに平和的に納められた、それでも前例よりかは……だけどね」

 

 用意していた茶をすすり、喉を潤し続きを話す。

 ━

「それでね、禍求夜(カグヤ)一族はやり過ぎたんだ、だから僕達御三家の内々で禍求夜(カグヤ)一族を族滅する事が決まった。んだけど……当時の加茂の当主が『団和(ウチワ)及び禍求夜(カグヤ)間で一度話し合える場を設けた』、といった事が書かれてて実際に会談の場の事も書かれていた。

 で、平和的に問題を終わらせようとした加茂家が会談の場を用意して話し合わせる為に両家の当主と副当主を集めて話し合いの場を作った………までは良かったんだけど話し合いは『先に手を出したの禍求夜(カグヤ)だ、団和(ウチワ)だ』と、言い争いになって好戦的な禍求夜(カグヤ)の当主が手を出しちゃって、当時の団和(ウチワ)の副当主を殺しちゃって禍求夜(カグヤ)団和(ウチワ)の戦争に発展した」

「うっわぁ……」

「言葉失うよねぇ。それだけじゃなくてね、その行為は最悪の行為だったんだ」

「最悪の行為?」

「その行為は団和(ウチワ)の写輪眼をもう一段階進化(深化)させる条件に当てはまるんだ」

「進化した眼はどう変わる?」

「万華鏡写輪眼と言うモノに変わり、個々人によって異なる『瞳術』が使える様になるといった事が記載されていました」

「その眼ってそんなにヤバいの?」

「スッゴくヤバい、写輪眼なんて比じゃないくらいにヤバい」

「マジで?」

「その眼を開眼したのは誰だ」

「加茂家に所蔵されている文献に記載されている初の万華鏡写輪眼の開眼者は『団和(ウチワ)陰鐃(インドラ)』、その人物の『瞳術』として記載されているのは『天照(アマテラス)』と『加具土命(カグツチ)』の二つ。

 天照は『対象を燃やし尽くすまで決して消えない黒い炎を発生』させる瞳術です。

 使い方は『術を宿す目の視界内に対象を捉える』だけで発動させることができて、その熱量は何をしても消火できないし、一般的な炎さえ焼き尽くすほどに膨大な熱量を有しています。

 ですがその反面、強力故に他の反転術式以上の呪力を消費し、発動する度に血涙が流れるほどの負荷が掛かるらしいですね」

「それ程の縛りが有って安心したよ、そんな呪術が縛り無しに使えるなんて恐ろしい」

「本当にね、縛りが有って助かるよね」

 

 今度は夜蛾が茶を飲み「もう一つの瞳術は何ができる」と聞いてくる。

 ━

「もう一つの瞳術の『加具土命(カグツチ)』は『天照(アマテラス)の黒い炎をコントロールし、形態変化させる瞳術』と書かれていましたが……」

「お前は黒い炎を操るだけじゃないと思っているんだな?」

「はい、団和(ウチワ)の万華鏡写輪眼がこの程度の瞳術ではないと僕は思ってます」

「何故そう思う」

「『片方の瞳術のサポートしかできない』なんて事はあり得ませんよ、もっと他の能力が有っても可笑しくありません。理由は他の開眼者とあまりにも差が有りすぎるからです」

「他の開眼者か、確かその万華鏡写輪眼に成った団和(ウチワ)は三人居たんだったな残りの二人はどんな呪術を使えるんだ」

 

 一息つき「一人は『樋速日(ヒハヤヒ)』と『時量師(トキハカシ)』。

 二人目は「『天之狭霧(アメノサギリ)』』と『国之狭霧(クニノサギリ)』」と答える。

 ━

「それぞれの能力の説明を頼む」

「一人目の方から話していきましょうか。

 一人目の術師は『団和(ウチワ)(マダラ)』の瞳術、『樋速(ヒハヤ)()』は『落雷や激しく燃え盛る炎を発生』させる瞳術です。

 使い方・代償(縛り)は概ね天照(アマテラス)と同じと書かれていました。そしてもう一つの『時量師(トキハカシ)』は詳しくはかかれていませんでしたが、推測するに時間の推移……時を(はかる)、或いは解き放す(剝かす)瞳術です」

「一つ目の瞳術はどんな術式なのかは分かった、言葉のままなのだろう。だが、時間を量や解き放す(剝かす)とはどう言う意味だ」

「これ以上の事は載っていませんでしたが、団和(ウチワ)の『瞳術』は日本神話の神々の名を使い術式として(たと)えています。

 この事から察するにこの瞳術は時量師神(トキハカシノカミ)に由来すると考えられます。時間の推移、計測や調整。時間の管理や吉凶の時期を司る……つまり瞳術『時量師(トキハカシ)』は時間を計る。これら全て時間に関する物事(・・・・・・・・)を差しています」

「時間? ……まさか………加茂、お前はこの術式を時間を操る(・・・・・)と言いたいのか」

「字面や神が司るモノから推測すれば……の、話ですが」

「あり得ん、時間を操るなどあり得る訳が無い」

「もう一つ、推測している術式を考えていますが……こちらも時間に関係していると考えられます」

「……どんな、術式だ」

「もう一つは穢れを禊ぐと言う事も司っているとされています、そして解き放す(剝かす)ともされています。穢れ(・・)を解き放す(剝かす)。穢れを『縛り』と解釈し定義できれば縛りを剥がせる(・・・・・・・)のかもしれません」

 

 座卓を叩き「時間を操り縛りを剥がすだと!?」叫びながら立ち上がる。

 ━

「でも時間を操れる術師なら目の前に居るじゃないですか」

 

 そう言われ言葉に詰まるが「お前は未来(世界)が視えるだけじゃないのか?」と、絞り出し答えを待つ。

 ━

「ある意味では未来を視る事も時間を操ってるみたいなモンですよ、それに隣の過去(世界)に入って『居ないけど居る』と言う矛盾(過去)を無視して世界(時間)移動してますし、僕の蔵識(くらしき)今の(現在の)僕を別次元から呼んでますから、広義的に言えば僕も時間を操ってますね」

「それ……は」

「まあでもあくまで僕の推測ですので違うかもしれません」

 

 歯ぎしりをして「是非そうあって欲しいモノだな」と音をたてながら座る。

 ━

過去(世界)は視たのか」

「ええまあはい」

「どうだった、お前にはどう視えた」

「……時間を操っている様に視えましたね」

「バケモノだな、今程滅んでいて嬉しいと思えたのは初めてだ」

「まあ過去の人物なので問題はないと思いますよ。ただまぁ、今現れたら色々と困りますよね。多分ですが僕より強いですし、しかも僕が術式を使えば使う程コピーされるので」

「今のでヤベェ奴だって分かったわ」

(れん)の拡張術式を全てコピーできる、か。そんな術師を想像しただけでも恐ろしいね」

「本当にねー」

 いきなり現れた禍求夜(カグヤ)の術師、いくらなんでもタイミングが良すぎる。それに、あの時羂索は津美紀ちゃんに呪物を入れていた。それに羂索は……。まさかあり得るのか? そんな事が

 

「それで、だ。その瞳術……時量師(トキハカシ)代償(縛り)はなんだ」

「行使する時間に応じて変わるみたいですが、約三ヶ月から半年の間、瞳術が使えなくなるみたいですね。ああそれと万華鏡写輪眼の瞳術は基本的に反転術式以上の呪力か要求されるみたいですね」

 

 頭を押さえ「高い呪力消費と術式の行使不可期間が有るだけか、縛りとしては緩い気がするな」とタメ息を吐き、「彼ら団和(ウチワ)からすれば重い代償(縛り)ですよ、万華鏡写輪眼だけではなく写輪眼も使えなくなります」と返し、続け様に「それと娜織(ナオリ)と言う人物は団和(ウチワ)の中でも特殊な人物みたいですね」と話すと「詳しく話せ」と続きを促す。

 ━




 なーんでNARUTOのキャラを追加するのかね、風呂敷広げすぎやしないかい?ちゃんと風呂敷を畳めるのかね。
 何より問題なのが増やしたキャラを私が忘れてしまう事である。
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