覇気使いのヒーローアカデミア   作:はたやま

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お気に入りの数が偉いことになってる…本当にありがとうございます!

それと前話のあとがきに書いた拳一のプロフィールを一部変更しました。

拳一の目の色青→赤になります


入学〜USJ編
ドキッ!入学初日の個性把握テスト!!除籍もあるよ!?


ピピピピ ピピピピ

 

「んん…朝か…」

 

アラームの音で目を覚ます。寝ぼけた頭をはたらかせて起き上がり、カーテンを開けると多少は見慣れた街が広がっていた。

 

「とは言ってもここに住み始めてまだ1週間しか経ってないんだけどな。」

 

*

 

1ヶ月前

 

「おう拳一、帰ったぞ!」

 

「こんのクソジジイが!!」

 

ジジイが玄関を開けた瞬間に全力のドロップキックをかます。軽く覇気まで込めてみたが個性によって硬化した腕であっさりと受け止められてしまった。

 

「なんじゃ、じいちゃんに会えなかったのがそんなに寂しかったのか?」

 

「んなわけあるかクソジジイ!色々言いたいことがありすぎた結果のキックじゃ!大体なんだよあのビデオ、あんたオールマイトになんてことしてんだ!」

 

「ぶわっはっはっは!さぷらいずと言うやつじゃ!それに一応校長に許可は取ったんじゃぞ?」

 

「どうせ無理やり押し切っただけだろうがよ…」

 

「はっはっは、相変わらずだなお前たちは。」

 

「いつまでじゃれ合ってるんだい、早く中に入れておくれよ。」

 

じいちゃん以外の声が2つ、だがそのどちらもが自分もよく知る人物であった。

 

「センゴクのおっちゃんにつるさん!来てたんだ!」

 

「久しぶりだな拳一、合格の祝いに来たぞ。」

 

「根津から聞いたよ、実技試験は1位だったらしいじゃないかい。よくやったね。」

 

寺本(てらもと)センゴクと洗川(あらかわ)つる。このふたりはかつて拳正とともにヒーローチーム「三大将」を結成し活躍したプロヒーローであり、現在は拳正も所属する(と言っても顔などほとんど出さないが)ヒーロー事務所を構え後進の育成にあたっている。

 

中学3年間の間拳一は拳正とこの2人に様々なことを鍛えてもらっており、恩師として慕っていた。

 

「ああそうじゃ、これを受け取れ拳一。」

 

拳正から手提げの紙袋を手渡される。中に入っていたのはいくつかの書類と通帳、そして1本の鍵だった。

 

「なんだよこれ?」

 

「お前の引越し先の鍵じゃ。雄英は静岡じゃからな、入学の1週間前から向こうに行って一人暮らしせい。」

 

「ずっと家開けてたのってこのためだったのか。」

 

「内装は心配するな。俺の事務所のツテで見つけた家具付きの部屋だし雄英からも近い。」

 

「そりゃありがたいけどそんな高そうな部屋の家賃はどうしたらいいんだ?雄英入ったからにはバイトはできないしする気もないぞ。」

 

「心配せんでも家賃ぐらい出してやるわい。当面の生活費もその通帳の口座に入れてある、確認しとけ。」

 

一人暮らしは覚悟してたからその辺の準備を整えてくれてたのはありがたいな。当面の生活費ってことは多くても数万…いや雑なじいちゃんのことだから10万ぐらいは入ってるかもしれないな。

 

とりあえず確認するか。えーとなになに預金残高が一、十、百、千…………んんん???

 

「……なぁじいちゃん。」

 

「どうした?」

 

「渡す通帳間違えてねぇか?なんか500万入ってんだけど。」

 

「なんじゃセンゴクたちからも餞別してもらったのに足りんのか?あとの分は毎月仕送りしてやるから取りあえずそれで我慢せい。」

 

「ちげーよ多すぎるって言ってんだよ!!!」

 

アホかこの人とうとうボケたか!?…いやそれはない。このジジイは100歳になっても暴れ回ってるに決まってる!そうじゃなくて学生にこんな大金持たすかよ普通!?

 

「そう言ってくれるな拳一、この歳になると金が余る一方でな。孫も同然のお前に小遣いをやることぐらいしか楽しみがないのだ。」

 

「だからって張り切りすぎなんだよじじ馬鹿ども!つるさんもなんとか言ってやってくれよ!」

 

「ちなみにこの中で1番金出してるのはつるちゃんだぞ。」

 

「つるさん!?」

 

「まぁ私もそいつらと同じ年寄りってことさね。それに、プロになって活躍すればそのぐらいの金額が手に入るなんてザラにある。将来のためと思って金の使い方も勉強しな。…そうそう、あんたもうちょっと見た目に気を使った方がいい。顔立ちは男前なんだから着飾ればモテるよ。」

 

「おお、そうじゃな!じいちゃん早く曾孫の顔が…」

 

「それはまだ気が早いだろう。…それはそうと彼女ができたら教えてくれ、もてなすのにいい店を色々紹介してやるから。」

 

「もうヤダこの人たち…」

 

*

 

なんてことがありつつ1週間前から俺は雄英から歩いて15分程のところにあるマンションで一人暮らしを始めていた。

 

駅からもほど近く、商業施設にも困らない最高の立地ではあるのだが…家賃を聞いた時ひっくり返りそうになった。払ってるの俺じゃないけども。

 

なんてことを考えながら朝食を済ませ準備をする。今日はいよいよ雄英の入学初日だ。

 

身だしなみを整え、真新しい制服に袖を通す。前日に準備した鞄を引っさげたら準備よし。

 

「よし、行ってきます!」

 

いざ、憧れの雄英高校へ!

 

*

 

さて実技試験の演習場を見ればわかる通り雄英の敷地面積はとんでもない。それは本校舎にあっても同じで学校に到着してから教室に着くまでだけでもかなりの時間がかかる。つまり何が言いたいかって言うと──

 

「あっぶね、遅刻ギリギリになっちまった。」

 

マンションの立地の良さが仇となって油断した。余裕を持って出たつもりだったが校舎内の移動時間までは頭に入ってなかったよ全く。ワンチャン1番最後だとしたらクラスメイト全員に注目されそうだな。

 

「1-Aは…ここか。」

 

「プレゼント・マイクの言ってた通り受かったんだ!そりゃそうだ、パンチ凄かったもん!」

 

「あのっイエっ!僕は君の直談判でアノソノ!」

 

何とか教室を見つけ出した…しかしなぜか入口で見知った顔がわちゃわちゃしている。

 

「おーいお二人さん、入口塞いでると迷惑だぞ。」

 

「あっごめんな…あー!」

 

「さ、猿渡くん!君も受かってたんだ!」

 

「覚えててくれて嬉しいぞ出久。そっちの名前は聞いてなかったけど浮かぶ子も。」

 

良かった〜初対面の相手が苦手なわけじゃないけど知り合いがいるのはすげぇ気が楽だ。…よくよく見りゃあの時のメガネ君もいるし、あ、透明の子もいる!あとは…げっ、出久と一緒にいたヘド金もいる。まぁこれはかなり楽しい高校生活に──

 

「お友だちごっこがしたいなら他所へいけ。」

 

おっと、騒ぎすぎたかごめんなさ──ん?なんかえらい下から声が聞こえてきたけど?

 

「ここはヒーロー科だぞ。」

 

(((な、なんかいる!?)))

 

「はい、静かになるまで8秒かかりました。時間は有限、君たちは合理性に欠くね。」

 

何だこのくたびれたホームレスみたいな人!?…いやセリフからしてまさか先生なのか?

 

「担任の相澤消太だ、よろしくね。」

 

まさかの担任!雄英の教師は全員プロヒーローって聞いたけど…見覚えのない人だな。

 

「早速だが、各自事前に机の上に配布してる体操服に着替えてグラウンドに出ろ。」

 

うーん、なんだか初日から試練の予感だな。

 

*

 

『個性把握テスト!?』

 

出会って間もないクラスメイトの声が綺麗に揃う。そりゃそうだ、いくらヒーロー科のトップ校とはいえ初日からテストを行うなんて誰も思いやしなかったろ。

 

「入学式は?ガイダンスは?」

 

「ヒーローになるならそんな悠長な行事出る時間ないよ。雄英は自由な校風が売り文句、それは先生側もまた然りだ。」

 

だからって行事不参加はさすがにぶっ飛んでんな…今頃入学式の席は20人分ぽっかり空いてるのだろうか?

 

「お前たちも中学の時からやってるだろ、個性禁止の体力テスト。国は未だ画一的な記録をとって平均を作り続けている。合理的じゃない…まぁ文部科学省の怠慢だな。」

 

この先生かなりの合理主義者っぽいな。…けどなんでだろ、感じる気配はあんまり嫌な感じしないのが不思議だな。

 

「実技入試成績のトップは猿渡と爆豪だったな。中学の時ソフトボール投げ何mだった?」

 

「67m。」

 

「72mでした。」

 

「じゃあ猿渡、()()使()()()やってみろ。円から出なきゃ何してもいい、思いっきりな。」

 

なるほど、元々遠投は得意だし…どうせならあれやってみるか。

 

「フー…」

 

深呼吸をして覇気を纏う、イメージするのは毎日朝練で受けてた大岩の投擲。

 

「見よう見まね、拳骨隕石(メテオ)

 

個性により上乗せされたパワーから放たれたボールはあっという間に遥か彼方へと消えていった。

 

「まずは自分の最大値を知る、それがヒーローの素地を形成する合理的手段だ。」

 

結果 743m

 

クラスメイトから歓声が起こる。じいちゃんの真似して練習してた技だからな、両腕で抱える程度の岩ならぶん投げられる。もっとも向こうはさらに巨大な大岩投げてくるから相殺どころか飛び道具にもならんかったが。

 

「ちっ…」

 

「743mとかマジかよ!」

 

(拳骨隕石…しかも見よう見まねって言ってた、もしかして猿渡くんって。)

 

「なにこれ面白そう!」

 

「個性思いっきり使えんだ、さすがヒーロー科!」

 

口々に色んな意見が上がる。確かに中学時代は限られた授業時間ぐらいしか個性使えなかったしテンション上がるよな普通。…ただあの先生が相手だとそれだけじゃ済まないような気がする。

 

「面白そうか…ヒーローになるため3年間、そんな腹積もりで過ごす気でいるのかい?」

 

案の定不穏な空気、何を言うつもりだ?

 

「よし、8種目トータル最下位のものは見込みなしと判断し─除籍処分としよう。」

 

『……ハァ!?』

 

「生徒のいかんは俺たちの自由…ようこそ、これが雄英高校ヒーロー科だ!」

 

冗談…じゃねぇなこれは、少なくとも相澤先生は本気で言ってる。

 

…いいねぇ、初日から退屈せずに済みそうだ!

 

「除籍処分って、入学初日ですよ!いや、初日じゃなくても理不尽すぎる!」

 

さすがにあの浮遊女子から抗議の声が上がった。言いたいことはわからんでもない。だが先を見据えれば先生の言ってることは──

 

「自然災害、大事故、そして身勝手な敵たち、いつどこから来るか分からない厄災…日本は理不尽にまみれている。そういうピンチを覆していくのがヒーロー。放課後マックでお喋りしたかったのならお生憎、これから3年間雄英は全力で君たちに苦難を与え続ける。」

 

そう、先生の言ってることは正しい。この程度の理不尽なんて実際の事件事故の現場に比べれば生ぬるい。

 

…少なくとも俺は人より少しだけそのことを知っている。

 

「さらに向こうへ、Plus・Ultraさ。…全力で乗り越えてこい。」

 

挑発するように、されど何かを期待するように相澤先生は俺たちに最初の理不尽を投げつけた。

 

*

 

その後順調に種目を消化していき、現在俺は暫定4位の位置に着けていた。

 

現在の最下位は…出久だ。見たところここまで個性を使ってない…いや、使()()()()()()()()使()()()()って感じに見えるな。一体どんな個性を持ってんだ?

 

残りは今からやるボール投げのみ。どんな個性かにもよるが、ここが使い所だろう。

 

「緑谷君はこのままじゃまずいな。」

 

「あたりめぇだろ、無個性の雑魚だぞ。」

 

「君、入試で彼が何を成したか知らんのか?」

 

「無個性?なぁ爆豪、それってどういうことだ?」

 

「馴れ馴れしく話しかけてくんなや!…言葉通りだよ。ガキの頃から知ってるが、あいつは個性が発現しなかった生粋の雑魚って話だ!」

 

…いや、それはありえんだろう。いくら生身の素養が高かったとしても、個性なしで乗り越えられるほど雄英の入試は甘くない。個性の研究については未だにわかってないことが多い、極端に発現が遅れてたって可能性は十分考えられる。

 

「飯田、さっき『彼が何を成したのか』って言ってたけど、出久のやつは入試で何をしたんだ?」

 

「君もあの0Pギミックは見ただろう。緑谷君はあの時、敵Pを1つも稼げていない状況で迷うことなく瓦礫に足を取られた麗日君を助けるため、あの巨大ロボを()()()()()()()()()()()んだ。…反動の大きい個性なのか服の上からでも分かるほどに右腕と両足の骨が砕けきっていたがね。ここまで個性を使わなかったのはそれが原因だろう。」

 

──ははっ、マジかよあいつ。1Pも稼げてない最悪の状況で、()()()()()()ために突っ走ったってのか。ただ審査員に見せつけたかった俺とは違う、完全な自己犠牲…あの時感じたただならん気配は間違いじゃなかったか。

 

「やっぱり出久はすげぇやつだな。」

 

「ああ、彼の精神はヒーローに相応しいものだ。…だがここで結果を出せなければその道も途絶えてしまう。」

 

「はっ、あんなクソカス除籍になって当然だろ。さっさと消えちまえばいい。」

 

「なんだ、随分と余裕がねぇんだな?」

 

「…あ"?」

 

「確かにここまでの出久の結果を見れば、性格悪いのは置いといて雑魚って認識も分からなくはねぇよ。けどさ、その割には随分その雑魚に固執してるようにも見えるんだが?」

 

「何が言いてぇ!?」

 

「ならはっきり言わせてもらうけどよ、そこまで現状雑魚のあいつに固執するのは、お前自身()()()()()()()()()()()()()()って感じてるからじゃねぇのか?」

 

「ッ!!てめぇ!!!」

 

一触即発、爆豪が攻撃態勢に俺が迎撃の構えを取ろうとした瞬間──なぜかお互い個性が発動しなかった。

 

「いい加減にしろお前ら、順位関係なくまとめて除籍処分にされたいのか。」

 

視線の先には毛を逆立たせ目を赤く輝かせる相澤先生がいた。先生に見られていて個性を使えない状況、マフラーかと思っていた幾重にも巻き付けられた細い布、その下に隠されたゴーグル…ああ、そういう事か!

 

「名前は知ってたけど姿は初めて見ましたよ。さすがはアングラヒーローっすね『イレイザーヘッド』」

 

抹消ヒーロー イレイザーヘッド

 

昔センゴクのおっちゃんに聞いたことがある。目で見た相手の個性を抹消し、使用を封じる個性を持ったヒーローがいるって。その男の名はイレイザーヘッド。メディア露出を極端に嫌うため一般の知名度は全くなく、俺もその時聞いた名前しか知らなかった。

 

「猿渡、気性の荒いやつを煽るような発言は控えろ。爆豪、次に侮辱的な言動をとればその時点で除籍処分にするからな。」

 

「うす、すいませんでした。」

 

「なっ!?…クソっ!」

 

「全くこんなところで個性使わせんなよ。俺はドライアイなんだ!」

 

個性強いのにもったいない…

 

恐らくクラスの心がひとつになった瞬間だった。

 

「大丈夫かい猿渡君!?」

 

「平気、なにかされる前に止められたし。それより問題は出久の方だな。」

 

「そうだな、なにか突破口があればいいんだが…」

 

どうやら相澤先生から何か指導を受けているらしく話し込んでいる。発言は厳しいが、俺たちにヒーローとしての現実を少しでも早く教えようとするあたり優しい先生だと俺は思う。それに─

 

「大丈夫だろ、出久ならやれる。」

 

「なにか根拠があるのかい?」

 

「あいつの顔つき、あとは勘だ。」

 

「そんな曖昧な!?」

 

飯田の心配とは裏腹に測定は始まる。そして──

 

「SMASH!!!」

 

強烈な風圧とともにボールは投げられる。その結果は…

 

記録 705.3m

 

「相澤先生、まだ…動けます!」

 

「こいつ…!」

 

「やっとヒーローらしい結果でたよ!」

 

「指が腫れ上がってるぞ、入試の時と言いおかしな個性だ。」

 

(なんだよ…あのパワーは!?)

 

「よし…!」

 

我がことのようにガッツポーズが出てしまう。順位こそ未だ最下位だが、先生の前で課題のひとつを克服して見せた。見込みなしって訳じゃないなら何とか説得して──

 

「これで全員終わったな。じゃあサクッと結果発表するぞ。…ああちなみに、除籍は嘘な。

 

………へ???

 

「君らの個性を最大限引き出す合理的虚偽。」

 

『はぁあぁああああ!?!?』

 

ニヤリと笑いながら先生はそう告げた。いやでもあの時感じた気配は本気でしたよねあなた!?

 

「あんなの嘘に決まってるじゃない。ちょっと考えれば分かりますわ。」

 

見るからにお嬢様って感じの八百万さんがそんなことを言う。そんなことないもん!あの時の相澤先生本気だったもん!嘘じゃないもん!

 

「これにて終わりだ。教室にカリキュラムなんかの書類があるから戻ったら目を通しておけ。それと緑谷。」

 

「は、はい!」

 

「保健室に行ってばあさんに治してもらえ。明日からもっと厳しい訓練の目白押しだ、覚悟しておけよ。」

 

そう言って出久に1枚の紙を渡して先生は去っていった。

 

…やっぱり俺には除籍が嘘だったとは思えない。あの人は多分俺たちを本気でヒーローに育てるために俺たちに半端な気持ちを捨てさせようとしたんだ。そして実際結果を何も残せなかった時はおそらく…うんやっぱり優しい先生だと俺は思うな。

 

ともかく、こうして俺たちA組は誰も欠けることなく最初の受難を乗り越えたのだった。

 

*

 

(なんなんだよアイツ…個性を隠してやがったのか!?)

 

ガキの頃から俺の後をちょろちょろ付いてまわるようなやつだった。ノロマで鈍臭くて、その上無個性の、道端の小石だったろ…

 

『言ってもらったんだ、君はヒーローになれるって、勝ち取ったんだって…だ、だから…僕は行くんだ!』

 

道端の…小石だったはずだろ!!!

 

『ならはっきり言わせてもらうけどよ、そこまで現状雑魚のあいつに固執するのは、お前自身出久に致命的な部分で負けてるって感じてるからじゃねぇのか?』

 

「っっっ!クソがァ!!!」

 

目障りなんだよ!デクも猿渡(アイツ)も!

 

「まとめてぶっ潰してやるよ、クソ共が…!」

 

*

 

「はぁ…疲れた…」

 

「初日から怒涛の1日だったもんなー。」

 

さすがに初日ということもあって今日は半日で放課後となったが、出久はリカバリーガールの治療を受けたおかげでクタクタになっていた。

 

「なんにせよ、初日から除籍なんてことにならなくて良かったな。」

 

「たまたま免れただけだよ…早く個性の調整できるようにならないと。」

 

なんてことを話していると後ろから追いついてくる奴がいた。

 

「怪我はもう治ったのか?」

 

「飯田くん!うん、リカバリーガールのおかげで。」

 

「おーい!お三方、駅までなら一緒に行かない?」

 

「麗日も来た、みんなで帰ろうぜ。」

 

クラスメイトが4人揃っていざ帰ろうとした時、もう1人呼び止める声がした。

 

「猿渡くーん!」

 

「あれ、猿渡君呼ばれてるよ?」

 

「でも、あれ?呼び止めたらしい人が見当たらない?」

 

「なんと!雄英にまさかの怪奇現象が!?」

 

「…あー悪い、3人とも先帰っててくれ。野暮用を思い出した。」

 

「う、うん。わかった。」

 

「また明日猿渡君!」

 

「またな!」

 

3人を見送ってから人気のないところに向かって歩き出す。今だと…中庭が無人っぽいからそこにしよう。

 

*

 

「よし、とりあえず人はいなさそうだな。」

 

実際のところ人がいるかいないかはどちらでも良かったが、せっかくの再会ぐらいは2人きりの方がいいだろう。

 

そして俺は右手をピンと伸ばし軽く腕を上げて…

 

「アイタっ!?」

 

「意外とイタズラ好きなのか?入試以来だな葉隠サン。」

 

何も無い空間に振り下ろすと、そこには透明女子改め葉隠透がいた。

 

「ほんとに私の位置が分かるんだね!完全透明スタイルで挑んだのに!」

 

「言ったろ、索敵は得意なんだよ。それにしてもお互い合格しててよかったな。」

 

クラスにいたのは最初から気づいていたがいきなりのテストがあったりで話すタイミングを見失ってたからけど、改めて入試で見知った奴らがクラスメイトになるのは嬉しいもんだ。

 

「見つけたら1番に話しかけようとしてたのに、もう他の子と仲良くなってるんだもん。」

 

「なんだよ嫉妬でもしてたのか?いつでも話しかけてくれたらよかったのに。」

 

「そんなんじゃなーい!真面目な話がしたかったの!」

 

「え、俺なんかしたっけ?」

 

「入試のとき!…助けてくれてありがとう。」

 

「……」

 

「あの時降ってきた瓦礫が足にぶつかって、もうダメだーって思ってた時に助けてくれて、あの後少しだけポイントが稼げたの。あれがなかったら私不合格だったかもしれない。だから本当にありがとう!…もし猿渡君が雄英にいなかったとしても、次にあったらどうしてもこれだけは伝えたかったの。」

 

「……」

 

「な、なにさ!ずっと黙っちゃてさ!」

 

「ああ、いや…面と向かって誰かに感謝されるなんて初めてだったからさ。」

 

「そうなの?今までも同じようなことしてきたんだろうなって思ってたんだけど。」

 

「中学生になった時には雄英に入るための特訓の毎日だったからな、おかげで友達も少なかったんだわ。」

 

あの時はそう、父さんが死んだ直後でとにかく必死だったから、周りに手を差し伸べる余裕なんてものもなかったしなぁ…

 

「ふーん…じゃあ私が初めてだ!」

 

「初めてってなんの?」

 

「猿渡君に助けられた人の初めて!将来猿渡君が凄いヒーローになったら自慢してあげる!」

 

「なんだそりゃ。…なら俺も、将来葉隠が凄いヒーローになったら自慢してやるよ。『俺は雄英の入試であの葉隠透を助けたんだぞ』ってな。」

 

けど…なぁ父さん、中学の時じゃ考えられなかったけどさ

 

「あはは!いいねそれ!じゃあお互いのこと自慢できるように明日からも頑張ろ!」

 

「ああ、そうだな!」

 

たぶん俺はいい仲間に恵まれたみたいだよ。

 

*

 

「ところで葉隠の透明化ってすげーな、本気出せば服まで透過できるのか。」

 

「え、できないよ。だって今服きてないし!」

 

「………はい???」

 

ごめん父さん、恵まれたのは変なやつだったかもしれない…

 




この話のガープ世代の年齢はワンピースの2年後の時点で考えております。なのでセンゴクの性格もそれに伴いかなり丸いです。

次回は戦闘訓練回、この二次創作は基本原作と同じ流れで進みますがところどころオリ展開にする場面もあります。大筋は変えるつもりはないですが場合によっては死亡キャラの運命が変わるかも???

話の流れ次第でもありますがその可能性もあると頭の片隅に入れていただければと思います。

本筋に関係ない番外編(男子組のギャグ回、葉隠とのイチャイチャなど)と映画の話って見てみたいですか?

  • 見たい!
  • 見たくない!
  • それよりこのマントヤバくない?☆
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