音葉「裏番組言わない。ぶっちゃけこっちがメインだし」
実はですね、某サイトで書かせていただいた『終焉のPrecious Memorys』というコテコテのラブコメも書こうか視野に入れておりまして…………
翼「………進路決めたら、よし」
二次元が三次元の事情に口を挟むんじゃありません!!
音葉「あ、あはは………じゃあ、本編始まるよ」
覚えていない、ということは記憶喪失なのだろうか。だとしたら由々しき問題だと思う。
マリアートは申しなさそうな表情を浮かべる。
「………名前は覚えてるんだけど、気付いたら公園に倒れてて」
「うーん。あちこちに生傷があるから、公園にくる前に何かあったのかもなぁ………」
「ほ、他に何か覚えてることはある?」
音葉ちゃんが聞くと、マリアートは少し考えながら答える。
「そうだね………頭の中でぐるぐる回ってる、何か暗号めいたものは……………」
「暗号?」
私はそう怪訝そうに言うと、はい、とマリアートも下を向く。
「『Recrstury256』、という言葉だよ」
「レ、レクラスチュリー……?確かに暗号だけど」
「言葉からしてドイツっぽいね………」
マリアートもさっぱりなので、私たちも意味が分からない。レクラスチュリー、レク、ラス……レ、暮らす、注意?256?
いくら考えても、答えらしきものは見えてこない。
「ま、まぁ…………その暗号は何とかするとして…」
このままだと話が平行線になりそうなので、私は棚移しの仕草を取る。
「………え、と。マリアートは多分外国の人だよね」
「え?うん。多分……こんな服を着てるんだから、国は違うよ。自分のことだけど」
「その割には、日本語がお上手だね」
「…………あ、そういえば」
肌は白く、明らかに外国人の少女。しかもまだ小学生か、中学生ほどに思える。しかし、日本語が上手すぎた。
マリアートは、頭を掻く。
「え…と。私、日本語中国語英語ハングルラテン語フランス語シベリア語インドネシア語などなど10か国語話せるみたい」
「それはすごい…………」
「え、それトリリンガルの域を遥かに超えてない?」
音葉ちゃんらしからぬ反応を取ったのを見計らって、私は聞いてみる。
「マリアート。それで、これからどうするの?別にこのままここにいてくれても大丈夫だけど………」
「………うーん。……出ていくよ。迷惑かけそうだし」
マリアートは手ブラのまま、ベッドから立ち上がり、扉に手をかけた。
直後、私は念を押すように言った。
「何かあったら、また戻ってきていいからね?」
私がそう言うと、マリアートはコクリ、頷いた。
「ありがとう見知らぬ人!戻って来るかもだけどよろしくね!」
そう言うと、マリは踵を返し、部屋から出て行った。
☆
彼女が出て行ってからしばらく、私は悩んでいた。
5時を回り、日が少しずつ沈みかけていた。常盤台中学の門限の時間になるが、両者動こうともしない。
音葉ちゃんは無言で紅茶を飲んでいるし、私もいれてもらった紅茶を椅子に座って飲んでいる。
聞こえるのは、紅茶を啜る音だけ。
私の考え事、というのは無論、先ほどのマリアートのことだった。
マリアートはどうも学園都市の人間じゃない気がする。修道服にしたって、外国のもので間違いない。
………ゲストで特別に招かれたっていうのも、あり得ないことだ。その前に何で記憶喪失だったの?
…そして、マリアートはどこから、どうやって入って来たんだろ?
……………んぁーっ!考えればかんがえるほど謎が増える………!
行き詰まった私はゴツン、と勉強机に頭を打ち付けた。その音を聞いた音葉ちゃんは僅かに肩を震わせる。
「マリアート、引き止めておいた方が良かったのかなぁ......」
腕や足至る箇所に生傷があった彼女。転んだ、という概念を遥かに通りこしていた。
安静のためにも、まだ引き止めておいた方が良かったのかもしれない。
私が呟いた時、扉が勢いよく開かれた。
「あ、いたいたアンタ。ちょっといいかしら?」
「…………せめてノックくらいしてよ。びっくりするから」
乗り込んできたのは、まさに隣の部屋の人間だ。昼、散々追いかけ回された御坂美琴と、後輩のルームメイトである白井黒子の両名だった。
何故か私は目の敵にされていて、会う度会う度攻撃されているんだけど………
私はおどけたように頼むが、美琴はスルーすることは分かっているので、深い溜息を吐いて続きを仰がせる。
「で、何の用?つまらないことだったら聞く耳もたないから」
「分かってるわよ。私にとっては大事なことなの」
「いや、大抵そう言う場合は、こっち側にとってはどうでもいいような…………」
言いかけて、私はツインテの後輩から殺意にも似たオーラで睨まれていることに気がついた。
内心落胆しながらも尋ねる。
「はぁ………それで?何の用なの?」
「それはね......」
一瞬間をおいて、美琴は翼に人差し指を向けて言い放った。
「アンタに、宣戦布告をするわ!」
「は、は?」
まさかの事態に私は、目を丸くするしかなかった。
マリアートのことで既にギブアップなのに、さらに肉体戦と来たか。全くこれだからビリ中は。
事情を一切合切飲み込めない私に美琴は嘲笑うかのように言う。
「アンタ、1か月前に学園都市に来たんだったわよね。それなのにいきなりの能力検査でレベル5の、しかも第1位ってご都合主義にも程があるわ。どうにも信用できないのよ」
「
「あ、いやだって私、
指摘され、私は狼狽えながら答える。
私の能力は発火能力。文字の通り、火を起こす力だ。ただレベル5なので、300度以上の熱を持つ。
……実はそれは外面上の話で、本当の能力は別にあるんだけど、1番勝手が良かったのがこの力なんだよね。
知っているのは、学園都市上層部と音葉ちゃん、それから私の親友くらいか。
「超能力者の発火能力者…………一体どんな力なのかしらね。水でも燃焼させられるって言うの?」
「……………いっとくけど、今は貴女なんかに構ってる余裕はないの」
「あ、逃げるんですの?怖いんですのね。やっぱり自分の能力に自信がないんですのね?可哀想に」
毒歯ツインテの言葉が終わらないうちに、私は手中に炎を起こす。
基本、寮の中での能力使用は禁じられているけど、口で言っても分からないなら、こうする他ない。
美琴 黒子「「……………っ」」
摂氏5000度を超える私の炎を見て、2人は黙り込んだ。
真っ黒な笑みを浮かべる私を見て驚いているのかは知らないけど、私も暇じゃない。
「やるなら相手になるよ。でも、
私は炎を更に大きくさせる。
常盤台中学の教師である寮監。基本寮の先生だけど、何の力も持っていないのに、この2人を黙らせる能力と威圧がある。
この間も、後輩がアイアンクローを決められていたのをたまたま見ちゃったし。
この2人を静かにさせるには、寮監の名前を出すのが効果的みたいだ。
「…………くっ………覚えてなさいませ……」
すごすご退場する美琴の後輩。このまま退場願いたかったけど、美琴が今の現状に気付いたみたいだ。
「……あのさ、何かあったわけ?」
「あったけど、貴女達まで巻き込もうとは思わない。これは私と音葉ちゃんの問題だし」
「ふ〜ん…………ねぇ、私たちに言ってみなさいよ。少しは相談に乗れるかもよ?」
「………どういう風の吹き回し?」
私は立ち上がって窓まで後退する。他のことにはほぼ無関心の美琴が相談に、しかも私の………!?
まさか寮監作戦が効果的すぎた!?
「裏があるね……………」
「何生唾飲んでるのよ。違うわよ、純粋に私の『善』の心よ」
「お姉様に善の心なんてありますのほぉっ!!?」
言い終わる前に美琴からの裏拳が飛んできた後輩は、回避することさえ出来ずに倒れる。
意外にこの後輩すごいこと言うなぁ。黒いなぁ。
「ほらほらぁ〜、とっととゲロっちゃいなさいよ〜」
「悪徳商売か………いや、対したことじゃないと思うけどね………」
そんな訳で、夕食の時間になるまで、美琴からの取り調べは続いた。
【Key Word②〜
翼「今回は学園都市の衛生上に浮かんでいる
音葉「まだ学園都市に来て日が浅いのに、知ってるの?」
翼「詳しくは知らない。でも、役割としては『学園都市の侵入者の監視』『犯罪コードの察知』『天気予報』。これが主な役割みたいだね」
音葉「細かく言っちゃえばもっとあるみたいだけど、基本はこんなもんかぁ………」
翼「でもねぇ……最近天気は外れるわ、侵入者は入ってくるわで…………」
音葉「衛生なんだから、しっかりして欲しいよね」
翼「それじゃ、また次回に会おうね」