音葉「結局…………何者なの?」
1人で町1つ滅ぼせます。
翼「ネタバレ!!」
嘘です。
音葉「嘘かあ…………びっくりした………」
半分嘘です。
翼「半分………えっ、半分!?」
音葉「気になるけど、本編始まるよん!」
【9/6火) PM18:30 学園都市第7学区 霧島蓮の家】
急いで僅か5分。学舎の園を一気に駆けた私と音葉ちゃんは、蓮の家へ転がりこんでいた。
蓮はそもそも学校すらまともに行っていないが、パソコンの腕は相当である。
私が先程蓮に頼んだこと、それはかなり難易度が高かった。理由は、門の監視映像を手に入れるということは、学園都市のサーバー自体にハッキングしなければならなかったからだ。
しかし、蓮は折れなかった。それがプライドなのか、やり遂げ精神なのかは知らないけど。
「難しいことだったけど、よく手に入ったね……」
「はっ。私にかかればハッキングなんてお手の物よ。身体を動かすかのような感じよ」
「………見ない間にとことん堕落してるね………」
音葉ちゃんの呟いた一言に、身体をビク、と震わせるが、確かにその通りだと認めざるを得なかった。
蓮は以前も学園都市の機密情報にハッキングしたり、3台ものパソコンを5分で操ったことから、『
まぁ、呼んでいるのは私たちの間だけだけど。
「で、何でこんな監視映像なんて必要だったのよ?」
「ちょっとマリアートっていう少女のことでね」
「……アンタ、また事件に巻き込まれてたりしないわよね……」
「う、し、しないよ……多分」
私は曖昧に返事をした。そもそもこれは事件がどうかすら分からなかったからだ。
蓮は呆れ果てたように溜息をつくと、昨日や一昨日、今日の様子を調べ始めていった。
10分ほどして、一昨日の深夜10時頃、カメラはあるものを捉えていた。
「ん?これ………マリアートかな?」
「………間違いないね。黒い修道服を着ているから」
「この子がそのマリアート?」
「うん……多分」
「顔が暗いのと横顔だからなのではっきり見えないけど、そうじゃないかな?」
画面に映っていたのは、おどおどした様子のマリアートだったが、後ろを振り返った直後、慌てて中に入っていった。
「あ、あれ?
「おかしいわね。24時間起動のはずよ?」
蓮が首を傾けた直後、それは起こった。
何百を超える修道服を来た集団が、何の抵抗もなしに学園都市に入っていったのだった。
「「「………………」」」
私と蓮、音葉ちゃんは唖然として顔を見合わせた。画面の方へ目線を移すが、もう誰も写っていなかった………
……いや。ありえないことだよ。『
気の所為?
「………蓮、今のシーンもう1度巻き戻してくれる?もしかすれば気の所為かもしれないし」
「巻き戻す必要があるの………?」
「現実みようよ、翼」
「でも…………」
総勢、安く見積もっても100人はいようかと言うほどの軍勢。さしもの私と蓮も話す言葉が無くなってしまうほど衝撃的だった。
「……マリアートは、何かに追われて学園都市に入って来た……?」
「わざわざ1人の少女に100人もの手勢を使うかな………」
私は戸惑うように絞り出す。マリアートはもしかすれば、ただの少女ではないのか?
「その、マリアートって子を特徴付けるものってあった?」
蓮は不意にそう切り出す。大方戸籍でも特定するつもりだろう。
私は頭を回転させる。マリアートの特徴……
「黒の修道服に………肩に五芒星みたいなレッテルがあったかな……」
「………どの道教会関係ね……学園都市には幸いシスターって言うの?教会が少ないから、見つけるのは楽かもしれないわ……」
学園都市には大抵何でも揃っているが、教会はかなり少なかった。そもそも街中にシスターという存在を見たことがない。
蓮は再び3台ものパソコンを同時に使用しながら、
「……3分よ。3分で特定するわ」
「…………恐るべしだね。たった3分で見つけるなんて」
「あら。ハッカー舐めちゃいけないわよ。監視カメラに入ることなんて洗顔するくらい簡単よ」
「どれだけ日常的にハックしてるの…」
あまりの熾烈さに音葉ちゃんも驚きを隠せない。ともかく、今は蓮に感謝しながら、3分待つ。
3分もかかっただろうか。しばらくして蓮がゆっくり呟いた。
「……特定完了よ。第10学区を歩いてるわ。移動中だから、早く」
「………第10………!行ってくる!」
私は蓮の言葉が終わる前に家を飛び出していた。第10学区っていうと、そんな距離はない。
マリアート保護を最優先と考えた私は真っ暗な町の中を疾駆する。
【Key Word紹介は、本日は休止とします。】