フレームアームズ・ガール 蒼穹のシーニィ   作:ポメラニアンドロイド初号機くん

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第4話 繰り返す不理解(日常)に、折れないように

シーニィside

 

 ——ヴェールヌイの筐体(亡骸)は修復前に何者かに奪われ、さよならさえ言えないまま行方知れずとなった。

 

「ねぇ、ヴェールヌイ………これから僕は、どうすればいい?」

 

 記憶の中に焼き付いたヴェールヌイの面影に問いかけるように呟くが、ヴェールヌイは僕に何も言ってはくれない。

 仕方なく、かつてのヴェールヌイの部屋で彼女の遺品を整理していると、ヴェールヌイからのビデオレターを発見した。

 人間であってもFAガールであっても戦いの中では当然のように傷つくし、時には当然のように終わる(死ぬ)。だからこういう風に、遺書の代わりに身内に宛てたビデオレターを用意するのはそう珍しい事ではない。

 実は僕も、ヴェールヌイに宛てた遺書のような物は常備していたりする。

 ——結局、落ちこぼれの僕ではなくヴェールヌイの方が先に逝ってしまうのだから、神様ってのが本当にいるのなら相当性格が悪いと思う。

 とりあえず、僕はそのビデオレターを再生する事にした。

 

 

 

▷▷▷

 

 

 

『シーニィ、お前がこれを見ているという事は、おそらく私はお前より先に壊れてしまったのだろうな…………』

 

 ——懐かしいヴェールヌイの声。彼女の声を最後に聞いたのはほんの数日前だというのに、もう数年くらい会ってないかのような気持ちだ…………

 

「ヴェールヌイ…………」

 

 もはや溢れてくる涙を止める事はできず、画面を直視するだけで胸が苦しい。

 

『私は、最後まで己の使命を果たせたのだろうか……私は、祖国を守れたのだろうか?』

 

『今だからはっきり言うが、シーニィ……お前にとって私の存在は、きっと大きなプレッシャーになっていたのだろうな……だが、誰がなんと言ってもお前は、私の大切な…………自慢の妹だ。確かに足りない部分はあるが、他者と競うよりも己の個性を伸ばせばいい』

 

『だから、もっと自分を信じろ。戦いや競争に勝つ事だけが強さではない。負けない強さ、守る強さ、諦めない強さなど、強さにも色々ある。いつか私がいなくなっても、お前が自分の道を進む事ができるように、自分なりの強さを手に入れる事ができるように祈っている…………』

 

 ヴェールヌイ…………失敗作でしかない僕を、ここまで信じてくれていたなんて……

 ——ならば、泣いてばかりもいられない。

 ヴェールヌイは最後まで、こんな僕を信じてくれていたんだ…………

 なら、僕もその期待に応えるまで。

 ヴェールヌイの犠牲を無駄にしない為にも、彼女が信じた、僕自身の価値を証明する為にも——、

 ——僕が、ヴェールヌイの意思を引き継ぐ。

 僕は、僕達の故郷(アルザリア)を、守り続ける。

 だから、たとえ心が折れそうでも、守るべき人々から石を投げられようとも、立ち止まって泣いてなんていられない。

 

 

シーニィside 終

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