STEINS; GATE ~抗い続けた者たちの執念のエピグラフ~ 作:明治アル蜜柑
「きょ、凶真さん……っ!」
ルカ子が飛び跳ねて喜んでいる。
「そうだ!我が名は鳳凰院凶真っ‼‼ラボメンナンバー001、このラボの創設者にして混沌を望み、世界の支配構造を覆すマッドサイエンティスト、鳳凰院凶真だっ‼‼」
バッ、とポーズを決めるが、迫力が足りん。らしさが出ていない。そこで俺はあるものが足りていないことに気付く。
「ルカ子っ!」
「は、はいっ!」
「白衣を持てっ‼‼」
「は、はいっ!おか……凶真さんっ!」
「凶真が……凶真が復活したニャ!」
「と、父さん……これは?」
「やったな鈴羽。ようやくオカリンがやる気になったのだぜ」
ルカ子が白衣を持って戻って来る。
「凶真さん、どうぞっ!」
「うむ」
久々に袖を通した白衣は、長らく開発室の棚に眠っていたた、え。ほんの少し饐えたような臭いがした。だが、それがいい。
「そう、これだ!これこそが我が聖なる白銀の鎧!今この時、鳳凰院凶真は復活した!長い眠りから蘇ったのだ!フゥーハハハハハハ!」
「………………」
「………………」
俺の豹変っぷりに、鳳凰院凶真初体験のかがりと真帆は呆然としていた。
「……な、なんなの?殴られたショックでおかしくなったの?」
「思い……出した……」
「え?な、なにを…?」
「鳳凰院凶真……ママがいつも言ってた名前……。いつかきっと、鳳凰院凶真が復活して……私たちの未来を照らしてくれるって……」
「……いや、ちょっとついていけないんですけど」
キラキラと目を輝かせて俺を見つめるかがり。それとは対照的に、遠い目で俺を見つめる真帆。
「おい、そこのロリっ子!」
「……ん?」
「お前だお前!」
「ちょっ!もしかして私の事を言ってるんじゃないでしょうね⁉」
「この場にロリっ子といえば、お前しかいないだろう」
「誰がロリっ子よ!誰が!」
「貴様にはラボメンナンバー009の栄誉を与える!以後、この鳳凰院凶真の手足となり、俺たちのオペレーションに参加するがいい!」
「なんで私があなたの手足にならなきゃいけないのよ。それにそのラボメンナンバーってなに⁉」
「名前の通り、このラボの正式メンバーに選ばれた証だ。光栄に思うがいい」
「光栄にって…」
「それから椎名かがり!」
「ふぇっ⁉ふぁいっ!」
「貴様もラボメンナンバー010だ。分かったな?」
「は、はいっ!」
「ちょっと凶真!フェイリスたちはラボメンにはしてくれないのかニャ⁉」
「ん、んん?」
フェイリスとルカ子が訴えかけるような目で見ていた。
そういえば、2人をラボメンにしたのはα世界線でのことだったか。
「言っていなかったが、お前たちも既にラボメンだ。ルカ子は006、フェイリスは007、そして鈴羽は008!いいな!」
「は、はい…!」
「やったニャ!」
「よく分からないけど……了解した」
ルカ子とフェイリスは喜び、鈴羽は困惑している。
「なぁオカリン。それっておかしくね?それじゃあ004と005が不在じゃん」
「うむ。そのふたつには先約があるんでな…」
紅莉栖と萌郁。萌郁については、俺は許すと決めた。まだ心の整理はついていないが、それすらも認めた世界に辿りつくために、俺はあえて過去に向かい合おう。
「では全員が揃ったところで、改めて宣言する!本日、2011年1月31日をもって、新たなるオペレーションを発動する‼目的は、予定された未来の粉砕!世界の未来そのものを覆す事!それが俺たちの目的だっ!いいな‼」