STEINS; GATE ~抗い続けた者たちの執念のエピグラフ~ 作:明治アル蜜柑
「まったく、どこにも捕捉されないようになんて注文つけるから、結構タイヘンだったのだぜ。抜け穴見つけるのに、めちゃ時間かかったんだからな」
こうは言っているが、きっちりやり遂げるところは見事だ。
「さすがだ、頼れる右腕(マイ・フェイバリット・ライトアーム)」
「あ、なにげに懐かしい響きぃ」
「でも、オカリン。本当にいいの?」
「そうだニャ。またそのことで、凶真が辛い思いをするんじゃないのかニャ?」
「かもしれないな……」
「だったら……」
「でも、それでも俺はやらなければならない」
「オカリンさん…」
かがり。
「…………」
鈴羽。
このままいけば、必ず第三次世界大戦は起きる。それは、ここに鈴羽やかがりがいることからも明らかだ。
この先にあるのはひとつの未来。けれど、運命石の扉(シュタインズゲート)へとたどり着くためには、まだ必要な未来(パーツ)があるはずだ。その未来へと導くためには、過去に戻ってもう一度やり直すしかない。
大丈夫だ。
今の俺ならば何度だってやり直せる。
どんなことだって乗り越えて見せる
約束の扉へと到達する日まで。
そのためのメッセージはもうできている。俺がこの世界線に来たのは、きっとそのメッセージの橋渡しの為だ。
もちろんメッセージを受け取った俺がどう考え行動するかはわからない。
それでも、きっとやれるはずだ。
繋いでくれるはずだ。
別の未来へと。
そして過去へと。
「かがりさん……不安ですか?」
「だって……もし、過去が変わって平和な時代が来たら…ママと出会えなくなっちゃうかもしれない…」
「かがりちゃん…」
「心配ない」
「え……?」
「アトラクタフィールド理論では、起こるべきものは必ず起こる。そう決まっている。世界線が変わろうと、君はまゆりに出会うはずだ」
「ほんと!?」
「ああ、俺が保証する」
「ママ!」
「よかったね、かがりちゃん。オカリンがほしょーしてくれたら、安心だよ~。未来でも、きっと会おうね」
「うんっ!」
「おじさん。ありがとう…」
「礼を言われることじゃない。元々は俺が撒いた種だ」
それに、本当に大変なのはここからだ。
「ううん。それでも言わせて。ありがとう」
「その台詞。父さんにも!父さんにもプリーズ!」
「父さんも、ありがと」
「もっと!もっと上目づかいで目をうるうるさせて言っておくれ、マイドーター!」
過去が変わることで、この1年間で俺がやって来たことも無かったことになる。未来を経験したことも、気の遠くなるほどの時間をかけて再び戻って来たことも。それらの経験がすべて無駄になるのかといえば、そういうわけではない。
今の俺と、これから始まるであろう過去の俺。そしてまたその先の未来…
それらの経験が交わる先に、必ず未来へと繋がる扉は待っている。運命石の扉(シュタインズゲート)が。
「ああ、俺だ。なに?いつになったら助けに来るのかだと?慌てるな。今はまだその時ではない。ククク……俺を誰だと思っている?いいか?狂気のマッドサイエンティスト、鳳凰院凶真に二言はない。だから、しばし待つがいい。お前を絡め取るその刻の呪縛から、いつか必ず俺が助け出してやる。ああ……必ずだ」
紅莉栖……いつか会えるその時まで。俺の想いのすべてをお前に捧げよう。
「エル・プサイ・コングルゥ」
「ではいくぞっ!鳳凰院凶真の名のおいて、これより新たなるオペレーション、ヘルヘイムを開始する!ラボメン全員、準備はいいか!?」
その方法に辿りつくために、俺は再び過去を変える。
「「「「「「「オーキードーキー!」」」」」」」
紅莉栖。いつかまた、お前に会うために。
これにて、『盟誓のリナシメント』は終了となります。また長くなってしまいましたが、ここまでお付き合いいただいて、ありがとうございます。
2010年12月15日に向けてDラインを送信しましたので、ここからはスマホの電源をONにした場合の世界線の方に物語の舞台は移ります……と、いいたいところですが、まだもう少しだけこちら側のお話が続きます。
というのも、ここからは、『相互再帰のマザーグース』を番外編として書いていきます。
もう少しだけ、根気強くお付き合いください。その後で、ここまでの世界線の考察を一気に書きたいと思います。
それでは!