STEINS; GATE ~抗い続けた者たちの執念のエピグラフ~ 作:明治アル蜜柑
「それにしても、るかパパはさすがっすなぁ」
「ん?」
「オカリンが帰って来るまでの間に、話してたんだけど、るかパパ、コミマの常連らしいお。晴海の頃から行ってたんだと」
「……まぁ、あの人ならそういうこともあるか」
柳林神社の神主であるルカ子の父親。息子に巫女装束を着させて神社の手伝いをさせる猛者だ。
「さすがはベテランの戦士っすなぁ」
「戦士がどうしたって?」
まゆりよりも先に、鈴羽が帰って来た。
「るかにいさんのお父さんって、戦士なの?」
なぜ、ルカ子のことは、にいさん呼びなのに、俺はおじさん呼ばわりなんだろうか。まゆりはまゆねえさん、フェイリスはルミねえさん。俺だけがおじさん。別に今さら文句もないが。
「そうだお。それも戦士の中の戦士。歴戦の強者と言っても過言じゃないのだぜ」
「へえ、そうなんだ。でも、るかにいさんの家って、確か神職だと聞いたけど。ああそっか、神職の人も昔は兵士だったって言うよね」
1人で勝手に納得していた。
「確かに、るかにいさんはすごかったし、納得だ」
す、すごかった?何がだ?
「るか氏、強かったん?」
「そりゃあすごかったよ。あたしなんかじゃ全く歯が立たなかった。戦いを嫌っていたからそれほど前線には立っていなかったけど、あたしが知る限り最強の戦士だったよ」
今のは聞かなかったことにしよう。
「つーか鈴羽、こんな時間まで何してたん?は!もしかして、どこかの男とデ、デートとか⁉いけません!そんなどこの誰とも知らない男とのお付き合いなんて、お父さんは許しませんよ!」
「違うよ。そんなんじゃない」
「ほんとに⁉」
冗談で言っているのかと思ったら、意外と本気らしく、ダルの口調はいつもよりも真面目なものに変わっていた。
複雑な親心というところだろうか。
「本当だって」
「だったら、お父さんの目を見ていいなさい!」
「はぁ、父さんがそれ言う?」
「ど、どういう意味なん、それ?」
「母さんというものがありながら、いっつもそこでエッチなゲームばかりやってるじゃないか。ナギサちゃんだっけ?可愛いね、あの子」
娘にエロゲのキャラの名前を指摘されるとか、最低だなこいつ。
「そ、それは……二次元と三次元はあくまで別物ですしおすし」
そういえば、フェイリスが言っていたが、鈴羽はこの時代に来てから、この時代のことを知ろうといろいろと秋葉原の文化に触れていたらしい。
フェイリスが秋葉原を案内している時に、ダルがやっているエロゲのことを聞かれて返答に困ったそうだ。鈴羽はエロゲがこの時代の一般的なものだと思っていたらしい。
「お、オカリン、お助け~!」
「どう見てもお前が悪いだろう」
「ちょ、裏切るなんてひどいお!」
「…………」
鈴羽がジロリとダルを睨む。
「っ、ごほん!と、とにかく、そういうことなら今日は何をしていたのか父さんに言いなさい!」
「な、何って……」
「やましいことが無いなら言えるはずだよ!」
「…………」
鈴羽は俺の事を一瞥してから、観念したようにため息を吐いた。
「……人を、捜していたんだ」
「人……?それってやっぱ男⁉」
「ダル!うるさいぞ!」
「小さな女の子……ううん。今はもう、あたしより年上になっちゃってるか……」
鈴羽の妙な言い方に、ダルと俺は顔を見合わせた。