STEINS; GATE ~抗い続けた者たちの執念のエピグラフ~ 作:明治アル蜜柑
今後の方針も決まったところで、まゆりは思い出したように手を叩いた。
「そうだ。あのね、クリスマスパーティーができないから、今ね、お正月パーティーをしようかなって思ってるんだ。かがりさんにも手伝ってもらえると嬉しいなぁ」
「え?いいんですか?私なんかが…」
「もちろんだよぉ。ね、るかくん?」
「うん。一緒にパーティーしましょう!」
三人寄ればなんとやら。ルカ子は男だが……さっそくかしましく話し始めた。
こちらはこちらでやることがある。まずは、萌郁にかがりが見つかったことを伝えなければならない。
SERNに何かしらの情報が伝わってしまう可能性は否定出来ないが、もう今更だ。俺はラインを送る。
『椎名かがりが見つかった』
『嘘っ⁉どこで⁉』
『知り合いの神社に世話になっていた。千葉との県境の山道で倒れていたそうだ。だが、それ以前の記憶を失くしている』
『そんな近くに⁉驚きだね!こっちもあれから、椎名かがりを捜しているって連中を探ってみたけど、裏がとれない。もしかしたら結構大っきい相手かも』
『そっちに関しては引き続き追ってもらえると助かる』
萌郁に関してはこれで大丈夫だろう。だが、かがりを捜しているという連中の話がどうしても気になる。萌郁は分からないと言っているが、それも怪しいところだ。SERNのラウンダーは何かを掴んでいるのかもしれない。
動向を探るためにも、萌郁とはある程度やり取りをし続けるべきだろう。
それと、かがりが倒れていたということもだ。どうしてそんな場所で倒れていた?それも、大切なうーぱひとつだけを手に持って。
……考えられるのは、何者かの手から逃げ出してきた可能性だ。
「ルカ子。ちょっといいか?」
「はい。なんでしょう?」
「かがりさんをなるべく神社の外に出さないでほしい」
「え、どうして……ですか?」
「…理由は聞かないでくれ。頼む」
「はい……分かりました。岡部さんがそう言うなら」
これで納得してくれるとは、さすがはルカ子だ。俺の事を信頼してくれてるんだろう。
ルカ子には何も事情を話していない。鈴羽がタイムトラベラーであることも、何も。できればルカ子には、何も知らないでいてほしいんだ。秘密を知ってしまえば、戻れなくなる。話さざるを得なくなるその時まで。ルカ子には普通の生活をしていてほしい。
だが、そんな窮屈な思いをさせるのも、かがりの記憶が戻るまでの間だけだ。記憶を取り戻してくれさえすれば、全てがハッキリとする。