魔王様は苦労人   作:カサシチ

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 初めてのオリジナルストーリー。

 どこまでかけるかな。


プロローグ

 

 ここは広大な魔王領の中心、魔王城。

 

 とても暗く、壁は黒い。

 そこには中央の椅子に座る魔王に跪く者が八人。

 とても緊張した雰囲気が溢れる。

 

 魔王城の雰囲気と相まって相当怖い。

 

 

 

 中央の魔王が口を開く。

 

 

 私は休む!

 

 

 魔王の声が響いた。

 

 

 

___________________________________________

 

 

 

 私は魔王。そう、魔王だ。

 

 皆が一度憧れた、または恐れた。その魔王。

 

 ……………だった筈だ。

 

 「つ☆か☆れ☆た。や☆す☆ま☆せ☆ろ☆」

 

 「ダメです。もっと働いてください。」

 

 「そんな無礼なことを言うな!魔王だぞ!」

 

 「無礼でもいいから働いてください。」

 

 「働いてるわ!」

 

 そんなこんなで俺を休ませてくれない奴がいる。

 

 俺の筆頭の部下、カールマイン。

 コイツも中々に働いている。だから、今俺に抜けられるのは嫌なのだろう。

 だが聞いて欲しい私は週7、11時間勤務。

 

 そろそろ休まないと死ぬ!

 

 何故こんなことになったのか。

 それは私が魔王になった時、おおよそ半年前ぐらいか。

 

  

 

 

 「新たな魔王様、今この魔王領は最悪の状態です。」

 

 「え?」

 

 俺の手が震えた。

 

 それからカールマインに色々聞いた。

 俺の父は不運だった。

 力がないために何か大規模な政策を行おうとすると各地方の反対にあった。

 

 魔王領は直轄地と他の優秀魔族が収めている領地がある。

 直轄地は魔王とその直接の配下の領地を指す。

 

 例えば俺やカールマインの領地なんかがそうなる。

 

 他の優秀魔族が収めている領地は他家領地と言われる。

 この他家領地は魔王の直接的な支配は及ばない。

 あくまで税収を得るのはそこを支配している魔族。

 

 従属的な魔族なら問題はないのだが、俺の父は弱く、優しかった。

 

 その為、実力を行使することをしなかった。

 その影響で従属的な魔族が少なく政策が行き届かなかった。

 

 さらに、父上の支配していた35年の間に巨大地震が何回も起きた。

 

 挙句勇者の襲来によって優秀な部下を失い、領地は荒らされ、魔王の影響力は地に落ちた。

 

 勇者は何とか退けられたらしいがその際におった傷と過度なストレスによって父は亡くなった。

 

 そしてそのまま私がその後を継いだのだ。

 

  

 

 もう少し、昔話を続けよう。

 

 次は俺の話だ。

 

 俺の名前はヴァルク・アシュレイン。

 

 父の名前はクレイク・アシュレイン。

 

 俺は魔王家系の父クレイクの長男として生まれた。

 ちなみに一人っ子だ。

 

 子供の頃は不自由のない生活を送った。

 

 数多のメイドや執事が身の回りの世話をしてくれた。

 色々なご飯を食べたし、娯楽も得た。

 

 それよりも俺に強く響いたのは父の姿だった。

 俺は歳を重ねるごとに目のクマを増やし、飲酒量も増えた父も見た。

 

 父は俺に当たることはしなかった。

 だが、弱りきっているのは俺にはわかった。

 だから俺は父を支える為、将来の自分の為。

 

 小さな頃から俺の専属執事、マシュインに様々な教育をしてもらった。

 魔術、剣術、基礎的な知識、魔王としての知識、体作り。

 

 その全てにおいて俺は訓練をし続けた。

 

 その結果

 

 「私の勝ちだ。」

 

 「強くなられましたな、ヴァルク様、私は嬉しいですぞ……。」

 

 「な、泣くな、爺。」

 

 という感じで俺はマシュインに勝てるぐらいには強くなった。

 知識的にもマシュインには「何も問題はありませんよ。」と言われるぐらいには成長した。

 

 まぁ、その裏でも地獄の様な特訓したんだけどね。

 そして私が生を預かって20年。

 

 「ヴァルク様、クレイク様が亡くなられました。」

 

 バリン!

 

 「なん、だ、と………。」

 

 思わずカップを落としてしまうぐらいに衝撃なニュースが舞い込んできた。

 

 「とう、様…………。」

 

 俺は三日ほど寝込んだ。

 確かにあまり直接的な愛は貰わなかった。

 だが、尊敬すべき人物であったと思う。

 

 

 「いいかヴァルク、魔王たる者強くなければならない。」

 

 「それ、お父様が言うんですか?」

 

 「そうだな、私は弱い。だが、心で負けた事はない。」

 

 「心……ですか。」

 

 「そうだ、俺はお前より弱い。」

 

 この時の父様は少し笑っていたと思う。

 

 「そんな事……」

 

 「いや、弱い。私はお前より弱いのだ。だが、弱くても絶対に諦められないのだよ。」

 

 「諦められない、ですか?」

 

 父様は上を見上げて優しくも覚悟の目をしていた。

 

 「そうだ、この魔王領にいる真っ当な生き方をしている者を幸せにするっていう野望がな。」

 

 「それは、難しいですよ。」

 

 「難しいさ、俺なんかじゃ、到底無理だ。俺には強さの才能がなかったからな。」

 

 父様は酒をぐびっと飲む。

 

 「俺は強さの才能がなくても、戦いをしなくても領民が幸せになれると思っていた。むしろそうあるべきと思っていた。でも今のこの魔王領を見ると間違いだったのかもな。」

 

 この時の父様はとてもネガティブだった。

 心とか何とか言ってた奴の言葉じゃないと思った。

 ただそれと同時に俺に対して自分なりの覚悟を伝えたんだと思った。

 

 「いや、そんな事ないです。父様は凄いですよ。」

 

 この時の父様に煽られたんだと思う。

 そして、俺もその夢をこの時から見始めた。

 

 その後、父様はフッと笑っていた。

 

 そして俺は父様の後を継いだ。

 

 そして、「新たな魔王様、今この魔王領は最悪の状態です。」

 

 「え?」

 

 という訳だ。

 

 

 そして、そこから跡継ぎの整理をして、一息ついたと思ったけど無限に仕事が舞い込んだ。

 

 そして俺は三日三晩働き続けて約半年。

 

 俺の体は父様になりつつあった。

 

 俺も我慢の限界を迎えたのだろう。

 

 「私は!休む!」

 

 と、本音を部下を招集して言い切った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これは魑魅魍魎が跋扈し、偶に勇者(擬似モンゴル軍)がくる様な魔王領で一癖も二癖もある部下達と魔王領の領民を豊かにするという目標をもった苦労人な魔王、ヴァルクが行くそんなストーリーである。





 
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