ブルアカRTA風味 実績『予定外のハッピーエンド』獲得まで 作:Katarina T
疑われながら交流を始めるRTAは~じま~るよ~。
前回は、なんとか無事に先生をアビドス高校まで送ることができましたね。
ここまでの道中は、運が悪いとアビドスにたむろしている不良生徒なんかに絡まれて戦闘が発生し、タイムが加算されてしまう可能性もあったんですが、何事もなくたどり着けてよかったです。
ただ、ちょっとアリシアちゃんの先生への態度が気になるところではありますが、まあ、気になるほど好感度が低いわけでもないみたいなので、今のところは置いておきましょう。
さて、せっかくアビドス校まで来たのですから、このまま校内に突撃したいところですが、その気持ちを抑えて、この場は回れ右しましょう。
なにせ、正式な支援要請を受けてやって来た先生と違い、トウハちゃんとアリシアちゃんは、ただの他学園の生徒でしかありません。
他学園の生徒が来てはいけないというわけではないですが、今はヘルメット団の襲撃の真っ最中。
ただでさえ過疎化が進み、人の行き来も減っているアビドスに、このタイミングで他学園の生徒が訪れたら警戒されるのも当然です。
下手をしたら、トウハちゃんたちまで襲撃グループの一員だと思われてしまいかねません。
当然、トウハちゃんは襲撃に関係ないのですが、怪しいことは怪しいですからね。
なにより、ホシノとの接触は極力避けておきたいというのが本音です。
本編を視聴している先生方はご存知かと思いますが、小鳥遊ホシノ。
今のアビドス校で唯一の最高学年である彼女には、余裕がありません。
普段の飄々とした態度からは想像もできませんが、彼女の内面は、過去に大切な先輩を死なせてしまったことへの自己嫌悪や、アビドスを守らなければならないという責任感などでぐちゃぐちゃです。
それこそ、本来の自分の性格を捨てて、先輩のエミュをずっと続けているくらいにはおかしくなっています。
セッテイガオモスギルッピ!
この辺りの設定を考えた人は、人の心がないのかと本気で疑ってしまうくらいには、このホシノというキャラにはめちゃくちゃ暗い設定が盛り込まれています。
そんな彼女は、このアビドス編最大級の地雷であり、トラブルの発生源です。
なにせ、責任感や自己嫌悪から、自分はアビドスにいなくてもいいと本気で思っているので、自暴自棄ともいえるような行動を平気で取ります。
というか、この後アビドスのために身売りします。(盛大なネタバレ)
その辺りの詳しい説明は後にしますが、そんな生徒なので、マジで怪しいと思った相手には、生徒であっても容赦しません。
徹底的に排除されるか、アビドスに来ること自体を止めさせられます。
トウハちゃんは性格:善性のキャラなので、落ち着いて話をすればまだ何とかなるかもしれません。
しかし、今の時点では怪しまれること自体を回避するのは難しいでしょう。
ホシノに疑われた状態になると、アビドスでの活動に大きな制限が課されるのはもちろん、最悪の場合、アビドス編が終わるまでアビドスに立ち入ることができなくなります。
ホルスコワイ……
そうならないためには、我らがファウスト様のように、何か探し物などの目的があって、偶然出会ったという体で接触するのがベストです。
あくまで、自分はアビドスそのものには興味がないんだよ~~、という態度なら、そこまで警戒されることはありません。
ただし、反対に今のトウハちゃんのように、特に理由もなくアビドスに来たんだよ、という場合は、何か裏があるんじゃないかと勘繰られて、警戒の対象になってしまいます。
ほんとホルスめんどくさい!
でも、そこが可愛い!!
……すいません。やっぱりめんどくさい上に怖いですよ、貴方。
なによりこの子、数あるバッドエンドフラグの一つなんですもん。
しかも、飛び切りヤバい奴の……。
今まで説明したことから分かる通り、この小鳥遊ホシノというキャラとの付き合い方は、慎重にならざるを得ません。
ですので、トウハちゃんとのエンカウントは、せめてメンタルが多少安定するアビドス編の後にしておきましょう。
というわけで、トウハちゃんたちはこれにてサラダバーー!
「……ん?そこの人たち、うちの学校に用事?」
アアァーーーー!!
‐声のした方に視線を向けると、そこには銀色の短髪で、この暑いのに首に青いマフラーを巻いた生徒がいた。彼女はロードバイクにまたがり、首をかしげながら私たちの方を見ていた。‐
‐「君は、この学校の生徒かな?」‐
‐「うん、そう。私はこのアビドス高校の2年生、砂狼シロコ。貴方は?」‐
‐「私?私はシャーレの先生だよ。よろしく。」‐
はい。こちら、皆さんご存じ、本ブルアカのメインヒロインであり、日夜銀行襲撃について計画を立てている砂狼シロコちゃんです。
ああ!!なんでこのタイミングで鉢合わせしちゃうんだよ!!もお~~~~!!
普段ならこの子、もう少し早く登校するはずなのに!なぜ!!
クッソ、生徒の登校時間なんてランダム性が強いとはいえ、この時間帯ならもう全員登校し終わっていると思ってたのに!
え?今日はちょっと遠回りして工業地区までロードバイクを走らせていたから遅くなったって?
それは健康的で素晴らしいですな!?(やけくそ)
はあ……。
まあ、嘆いていても出会ってしまったからには仕方ありません。
幸いにも、この前設定されていたトウハちゃんの個性を生かせば、なんとか怪しまれずにやり過ごせると思いますし、ここは最初に出会ったのがセリカやホシノではなく、まだ話の通じやすいシロコだったことを喜びましょう。
とりま、こちらも自己紹介をしておきましょうか。
‐「シロコさんって言うんだね!こんにちは!僕は明道トウハ!よろしくね!!」‐
‐「ん。よろしく。ところで……先生が来た理由は分かったけど……貴方はどうしてアビドスに来たの?」‐
うーん、この反応……。
明確に怪しんでいるという感じではありませんが、どこか引っかかっているといった様子ですね。
やっぱり、このタイミングでのアビドス組との接触は難しいですな。
だがしかーーーし!
完璧で優秀な走者は、ちゃーんと対抗策、またの名を言い訳を考えているのです!
‐「僕たちはねぇ~~。この学区内を旅しに来たんだよ!」‐
‐「……旅?」‐
‐「そっ!旅!僕は昔っから色んな所に行くのが好きでね!色んな学区に行って、その地区の風景を写真に撮ったり、その地区限定の食べ物を食べたりすることが、堪らなく楽しいんだ!!」‐
‐「ん。確かに楽しそう。」‐
‐「うん!とっても楽しいよ!僕は今まで色んな所に行ってるから、楽しさは保証するよ!」‐
‐「なるほどね。つまり、トウハたちはアビドスに観光しに来たってことだね。」‐
‐「まあ、そうとも言います!ご理解いただけましたか、シロコさん!」‐
‐「……ん。分かった。そういうことなら、アビドスを楽しんで行ってくれると嬉しい。」‐
‐「わ~~!ありがとうございます!」‐
‐「それともう一つ、私のことはシロコでいい。見たところ同じ学年みたいだし。」‐
‐「えっ、いいの!?それじゃあ遠慮なくシロコって呼ばせてもらうね!僕のこともトウハでいいから!」‐
‐「ん。分かった。トウハ。……そっちの子は?」‐
‐「……アリシアです。私はアケミチトウハについて来ただけ。だから、アケミチトウハと目的は同じ。」‐
‐「ん?分かった。」‐
うっしゃ!
どうやらシロコは、トウハちゃんの言った理由で納得してくれたみたいですね。
見たところ、好感度も特別下がっていないみたいですし、警戒もしていないようなので、これにて工事完了です。
それにしても、ここまですんなりトウハちゃんの言い分を信じてくれて助かりました。
これがホシノの場合だと、もっと根掘り葉掘り質問が飛んでくるはずでしたからね。
恐らくシロコも、どこか旅好きなトウハちゃんと似た感性を持っていて、共感してくれたのでしょう。
改めて、見つかったのがシロコで良かったです。
さて、少し脱線しましたが、なんとか軌道修正して、予定通りトウハちゃんたちはこの場で先生たちと別れましょう。
先生をこの場所まで送るために来たことを説明すれば、シロコも特にトウハちゃんたちを引き留めたりはしません。
では、先生とシロコに適当な理由をつけて別れた後は、さっさとこの場を去りましょう。
早くしないとカタカタヘルメット団と鉢合わせになってしまいますからね。
あと、トリニティに戻る前に、シロコに言った言い訳の補強として、何枚かアビドスの風景写真を撮っておきましょう。
こうしておかないと、後日再会した時に、本当のことを言っていたのかと不審に思われてしまうので、忘れないようにしましょう。
さて、十分な量の写真を撮り終えたら、トリニティの自室に帰りましょう。
はい、自室に帰りましたね。
では、ここでこの後の流れについて説明をしましょう。
今後のアビドス編ですが、トウハちゃんたちが介入する機会はあまりありません。
しいて言うなら、最終決戦のホシノ奪還時に協力を頼まれるとか、そのくらいです。
というか、頼まれなくても先生の安全のために参加せざるを得ないんですけどね。
まあ、そこは置いといて、つまりその時点までやることは特にないので、またレベリングを頑張って―――――ん?
何でしょうか。何かイベントが発生しました。
‐今日は久々にアビドスに行ったなぁ!やっぱりあの砂漠はバイクで走ると気持ちいいや!‐
お、どうやらトウハちゃん、以前からアビドスに行っていたみたいですね。
これは良いことを聞きました。
昔から通っていたのなら、先ほどの言い訳にもだいぶ説得力が出てきますからね。
‐まさか先生に会うとは思ってなかったけど、まさか迷子になってたなんて。‐
‐あそこで迷子になると、下手したら遭難しちゃって大変だから、あそこで出会えて良かったよ。‐
ホントそれな!
先生ももう少し準備とかしっかりしてほしいものです。
‐……そういえば遭難で思い出したけど、……あれからもう二年経つのか。‐
‐よし!せっかく思い出したことだし、もう遅い時間だけど様子を見に行ってみようかな!‐
‐もしかしたら今日は目を覚ましてくれるかもだしね!‐
え?なにこのイベント?
なにやら強制イベントみたいで、行き先が固定化されてるんですけど……。
と、とにかくタイムへの影響を少なくするために、手早く進めましょう。
ええっと、目的地はトリニティ地区にある…………総合病院??
というわけで、進められるままに病院までやって来て、受付を通ったのですが、なにやら一つの個室に案内されましたね。
もしかして、トウハちゃんの家族か親戚が入院でもしているんでしょうか。
このゲーム、たまにですけど、そういう設定をキャラに持たせることがあるんですよね。
しかし、もしそうなら今後お見舞いイベントなんかが挟まって、タイムロスになりそうですし困りましたね。
うーーん。
ここは一旦、様子を見ておくことにします。
お見舞いイベント自体も、そこまでタイムロスにつながりませんし、他の面倒なイベントを回避するのに使えたりしますからね。
とりあえず今は、病室にいる人を確認しておきましょう。
‐僕たちが部屋に入ると、そこは前に来た時と変わらず、一定の機械音しか聞こえてこない静かな病室だった。‐
‐やっぱり今日もまだ目は覚めていないみたいだ。‐
‐僕は途中で買ってきた花束を花瓶に移しながら、残念な気持ちになって俯いた。‐
‐「アケミチトウハ。何か悲しそう、大丈夫?」‐
‐「あ、うん。大丈夫だよ。心配してくれてありがとう。」‐
‐どうやら僕の様子が変わったことで、アリシアちゃんに心配をかけてしまったみたいだ。‐
‐僕はアリシアちゃんを安心させるように頭を撫でながら、ベッドで寝ている人に目を向ける。‐
‐あの日、アビドス砂漠を走っている時に偶然見つけてから、一向に目を覚ますことがない。‐
‐正直、赤の他人だけど、それでも目が覚めてほしい。良くなってほしい。‐
‐僕はベッドの上でずっと眠っている、長い緑髪の生徒を見ながら、そう願わずにはいられなかった。‐
――――ファ!!!!???