またしても投稿が遅れてしまい、申し訳ございません。これもすべて難易度カオスのバティスタくんが悪いのです。そう、きっと。
言い訳はさておき、前回うちのスタンくんが使った術技の解説に移ります。興味ないよ~という方は飛ばして本編をご覧ください。それではどうぞ。
戦闘術技
・空翔斬(くうしょうざん) 消費CC2 斬属性 空中発動可
空高く飛び上がり、渾身の兜割りを叩き込む剣技。空中でも発動が可能。
威力:180(60×3hit) ※スタンの高度が高いほど、hit数が増加する。
・散葉塵(ちりはじん) 消費CC2 斬・地属性 空中発動可
舞う木の葉をも切り刻む、超スピードの連撃を繰り出す剣技。
威力:195(65×3hit)
威力換算:通常攻撃一発=100
非戦闘術技
・ホットカーテン
炎の昌力を薄く周囲に散布し、寒さを和らげる術。ただし、魔物に気づかれやすくなる上、ディムロスが昌術を使用できなくなる。ぶっちゃけ敵がよほど弱くないと使えない。
☆
俺たちが裏山から下りてすぐのことだ。小屋の前で俺たちを待っていたアルバ爺さんと出会った。やっぱりお孫さんのチェルシーちゃんが心配だったのだろう。無事に会わせてあげられて、こっちも誇らしい気持ちになれた。
「おお、チェルシー。待ちわびたぞい。早速で悪いが、ズボンのゴムが切れて困っておってのう。早く直してくれんか」
「えぇ~っ!?そんなことのためにわたしを呼び戻したんですか!?」
「よいではないか。減るものでもないしの」
「もう、そういう問題じゃありません!」
…誇らしい気持ちになっていーのか…?コレ…仲が良いのは良いことだが…。小屋に入っていく二人を見ながら、何とも言えない気分になった。そんな俺とは違い、ウッディさんはそれを温かい目で見守っていた。
「…ああいうのを家族のふれあい、というのだろうな」
「そうですね。二人共嬉しそうだったし。…ウッディさんのところはどうなんですか?」
「私が家族と呼べるのは父だけだからな。接する機会もそう多くはない。…先生たちが、少し羨ましいよ」
「そう、なんですか…。なんか、すみません。言いづらいこと言わせちゃって」
「なに、気にすることはない。外で立ち話をするのもなんだし、私たちも中に入ろう」
確かにこの雪の中立ち尽くすわけにもいかない。俺とウッディさんも小屋に入ることにした。
☆☆
ふぅ~、暖けぇ~!暖炉のぬくもりが、冷えた体に染み渡るぜ~!なんのかんのいっても慣れない雪道で体も疲れていたのか、この暖かさがさっきよりもありがたく感じる。
「あ、そうだ。上着、ありがとうございました。これがなかったら、きっと今頃凍え死んでましたよ、俺」
「なに、構わんよ。なんならその上着、お前さんにやろう。近くの町を目指すにも必要じゃろうて」
「えっ、いいんですか!?すみませんね、何から何まで…」
「ほっほっほ。さっきも言ったじゃろう?困った時はお互い様じゃよ」
じ、爺さん…!思わず熱くなる目頭を抑え、俺は叫んだ。
「…ありがとう、ございます…。俺、アルバ爺さんとウッディさんに出会えて…本ッ当に良かった…!」
「むぅ~、わたしのことはどうでもいいんですか~?」
「え!?あぁ、いや、もちろんチェルシーちゃんにも会えて良かったよ。本当に」
「ふふ、冗談ですよぉ~」
いきなりなんちゅうことを言うんだこの子は…。なかなかいい性格をしてるようで…。まぁいいや、チェルシーちゃんも無事に帰ってきたことだし、俺たちは一度落ち着いて話をすることになった。
「時に小僧よ。お前さん、これからどうするつもりじゃ?」
「セインガルドの首都、ダリルシェイドに向かおうと思ってます。オベロン社に就職するんです」
「オベロン社に、か…。スタンくんはフィッツガルドの出身と言っていたね。出稼ぎ目的といったところかな?」
「えぇ、そんなところです。まぁ俺が都会を見てみたいってのが一番ですけどね」
改めて口にすると、なんとも田舎者感丸出しで恥ずかしいばかりだ。顔が赤くなるのを感じながら、俺は苦笑いを浮かべた。
「それなら、私も同行しよう。この近くのジェノスという町に行かなくてはならないのでな」
「えぇ~!ウッドロウさま、もう行っちゃうんですか!?」
どうやらウッディさんも一緒について来てくれるらしい。チェルシーちゃんは残念そうだけど、こちらとしては大助かりだ。この辺の地理もロクにわからない俺一人じゃあ、そのジェノスとかいう町に辿り着けるかも怪しいからである。
「すまないね。今しがた書簡が届いていてね。すぐに戻ってこい、とのことだ」
「そんなぁ~…」
「これ、チェルシーよ。わがままを言うでないぞ、まったく…。お前はお前で、親父の跡を継ぐ腹を決めんかい」
「…先生には敵わないな」
…な~んか俺、完全に部外者って感じ?まぁ、そんな俺でもウッディさんがついて来てくれるってことはわかってる。空気ぶち壊すようで悪いけど、話を進めてしまおう。
「えぇ~っと、それじゃ俺とウッディさんで、ジェノスって町を目指す、ってことでいいですかね?」
「あぁ、その通りだ」
「へへ、それじゃあまたよろしくお願いしますね。ウッディさん」
右手を差し出す。そう長い距離ではないと思うが、またお互い命を預けあうわけだ。コミュニケーション、超大事。
「こちらこそ、よろしく頼むよ。スタンくん」
ウッディさんも、笑顔で快く返してくれた。飛行竜が襲われた時や、墜落したときなんかは「本当にロクな目に遭わねぇ…」と嘆いたものだけど、こうして出会えた三人とは良い縁を築けたと思う。リーネに里帰りした時は、いい土産話になりそうだ。団欒もそこそこに、俺たちは出立の準備を始めた。
☆☆☆
「ウッドロウさま、必ずまたお越しくださいね。チェルシーは一日千秋の思いでお待ちしておりますぅ~!」
「へぇ、結構難しい言葉を知ってるんだなぁ、チェルシーちゃん」
『お前が意味を理解しているかは疑問だがな』
「…なぁ、俺そんなにバカに見えるかな?」
『冗談だ、許せ』
「お前が言うと冗談に聞こえないんだよ!大体いっつも小言をつらつらつらつらと…!俺になんか恨みでもあんのか!?」
『恨みはないが、我のマスターとなった以上、半端な覚悟では困るからな。スパルタ指導、と言ってもらおう』
「こ…こンのパワハラ野郎ォ…!てめぇ、ジェノスについたら海に放り込んでやろうか!?」
『な、何!?お前、我をなんだと思っているのだ!』
「そりゃこっちの台詞だ!お前こそ———!」
「…あのぉ、スタンさん…、さっきからお一人で何を喋ってるんですか?」
…あ、しまった。
「………い、いやぁ~!飛行竜から落ちた時に有り金全部無くしちゃってね!路銀を稼ぐのに一発芸の練習をしてたのさ!あはは!」
「そ、そうなんですかぁ~。一発芸なら仕方がないですねぇ~。あはは」
「ははははははは…。…………すみませんでした」
もうだめだ。つらい。よりにもよって、リリスよりもずっと年下のチェルシーちゃんに、完ッ璧に変な人を見る目で見られてた…。泣きたい。
「……ウッディさん、お待たせしました。行きましょう。…あの、ウッディさん?」
「フフ…!ハハハ!……っふふ、さて、出発しようか。スタンくん」
あ、あれぇ~…でまかせで言った一発芸がウケちゃったの!?もしかして俺って、結構笑いのセンスがあるのでは…!?
『…そんなわけがないだろう』
…やっぱこいつ、海に投げ込んでやろうかな…。怒りをこらえながら、俺たちはアルバ爺さんの小屋を後にした。
☆☆☆☆
ホットカーテンで寒さをやり過ごしつつ、俺たちは雪山を下山していった。
「どうかな、スタンくん。慣れない雪道で辛くはないか?」
「ありがとうございます。でも、結構新鮮で楽しいですよ」
雪山も中腹に差し掛かって、俺も雪道に慣れてきた頃だ。さっき聞いて気になっていたウッディさんの親父さんのことを尋ねてみることにした。
「…あの、ウッディさん。ちょっとぶしつけな聞き方になっちゃうかも知れないですけど…。親父さんの跡を継ぐの、イヤなんですか?」
「…嫌ではないが、疑問には思っている。私に父の跡を継ぐ資格が本当にあるのか、とはね」
「そうなんですか…。いや、さっきアルバ爺さんと話してた時、ちょっと困ったような顔してたから気になって…。あ、他意はないですよ、本当」
「そうか…君は優しいな。……息子の私が言うのもなんだが、私の父は立派な人物でね。今の私では到底及びもつかないほどの人物なんだ」
「そうかなぁ。俺からしたら、ウッディさんもめちゃくちゃ立派な人に見えるけど」
「…そうだろうか」
「うん、そうですよ!だから、もっと自信もっていいんじゃないですか?それに、親父さんだっていきなり完璧だったわけじゃないでしょ?ウッディさんも、まずは親父さんの仕事を見て勉強してみたらいいんじゃないかなぁ」
って、俺は一体何を言っとるんじゃい!命の恩人に向かって無職(19)が偉そうに!ああ、怒ってないといいなぁ、ウッディさん…。
「そうか、そうだな…貴重な意見だ。参考にさせてもらうよ」
「…やっぱり、ウッディさんも親父さんに負けないくらい立派な人だと思いますよ。俺がおんなじようなこと言われたら、絶対怒る自信ありますもん」
俺がそう言うと、ウッディさんは少し笑った。この人、本当に器がでけぇなぁ…。
「…さて、ジェノスまであと一息だ。油断せずに行こう」
「オッス!」
もう少しで到着か!ダリルシェイドには確実に近づいている…!まってろ、オベロン社ァ!
☆☆☆☆☆
幸いにも魔物と遭遇することも無く、無事にジェノスの町まで着いた。道中、ウッディさんからはセインガルドとスノーフリアの国境にあたる街だと聞いていたので、立派な街だとは思っていた。思っていたのだが———。
「すっげぇ…!こんな都会な町があるなんて…!」
「はは、ハイデルベルクやダリルシェイドはここよりもまだ栄えているよ」
「おお!」
『おい、スタン。子供じゃないのだぞ、あまりはしゃぎすぎるな』
「むぅ、いいじゃないかよ。そりゃ、田舎者オーラ丸出しだとは思うけどさ」
こんにゃろう、人が感動してるって時まで水差しやがって…。俺が恨めし気にディムロスを睨んでいると、ウッディさんが語り掛けてきた。
「スタンくん、その剣は君に様々な試練を呼び込むだろう。だが、それに負けず、その剣にふさわしい人物になってくれ」
「はぁ…、そうですか。わかりました。」
そんな立派なモンじゃないと思うけどなぁ、こいつ
『…おい、ウッドロウとやら』
「ちょ、待てぇ!いきなり呼び捨てにするやつがあるか!」
なんちゅう失礼なヤツだこいつは!俺に対してだけならまだしも、ウッディさんにもそんな態度を取るとは!
『聞こえているなら謝ろう。だが、我の声が聞こえないなら謝る必要などあるまい?』
「そーゆー問題じゃなかろうが!てめぇ本当に沈めてやろうか!?」
「…では、達者でな、スタンくん。機会があればまた会おう」
「あ、はい。ウッディさん、本当にありがとうございました!ウッディさんの方も、お元気で!……おい、ディムロスゥ…お前ウッディさんの爪の垢でも煎じて飲んだらどーだ?あん?」
『おかしい…奴は我の声が聞こえていると感じたのだが…』
「おいこら、無視してんじゃねぇぞ」
まったくこいつは…礼節ってやつが欠如してんじゃねぇのか?…まぁいいか、あとはダリルシェイド方面に向かうだけだ。……一体どっちの方角なんだろうか。俺は町の人に尋ねて回り、ダリルシェイド方面の門の衛兵に声をかけることにした。
今回はGCがありません。正直前回のアレ思いつきだし…。
次回は記憶喪失のあの人と、強欲なお姉ちゃんが登場します。お楽しみに!
次は何とか週一目指しますんで…何卒…。