セイウンスカイとバルファルク   作:エドレア

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平素よりご愛読頂き誠にありがとうございます。

さて春の天皇賞です。いつもながらレース描写難しいと思って書いてます。


天皇賞:春

 

 

 

 

 

 

「ふぅ……」

 

 天皇賞の前日。

 この日、セイウンスカイはトレセン学園にある武道館の一角、弓道場で精神統一を図っていた。

 

 何の変哲もない和弓。それを引き絞り狙いを定める。

 小気味の良い音が的に当たった。それを何を思う事も無くもう一度狙いを定める。

 セイウンスカイは赤龍から弓を受け取った後から自主的に弓の鍛練を重ねるようになった。ゴグマジオスとの戦いではその場しのぎの記憶のおかげで何とかなったが本来弓というのは修練を要するものである。トレーニングの合間を縫って行っているため頻度は差程多くないが着実に経験を重ねていた。

 

 レースの前日に通常のトレーニングは行わない。これはチーム:ドラコ全体の方針である。トレーニング自体は常日頃から行うが、出走間近になってくると徐々にトレーニングの頻度を減らし最終的にはレース前に行わなくなる。これはトレーニングによる疲労をレースに影響させないためと、トレーニング自体が怪我の可能性を秘めているため万全を期してレースに臨むための方針だった。

 

 セイウンスカイの弓の腕前は悪くない。というよりも才能はある方だろう。ただここに至って才能のあるなしはあまり関係が無い。セイウンスカイに言わせれば的に当てるくらい誰でもできるからだ。

 心ここに在らず。無我の境地という概念があるが、弓道におけるそれは究極的には射るという動作すら不要とする。即ち中る前から中る事が分かるのだ。それも無意識に。まるでとんちのような話だが中るか否かという話は優れた弓道家にとって口に出すような話題ですらない。

 セイウンスカイは弓を射ながら弓道とは関係の無い事を考えていた。アドマイヤベガ、それとアステラについてだ。

 

(人間が古龍のお母さんやるなんて、やっぱり難しい)

 

 アステラへの給餌方法が判明して以降、アドマイヤベガはますますアステラへの母性を強めていた。

 基本的にアステラはアドマイヤベガ以外の人間を認識しない。できない訳ではなく受け入れようとしないのだ。抱っこなら誰でもできるが決して甘える事はない。まだ生まれて1ヶ月も無い内であるからして、そういった自他認識が発達していないのだろうという予測を、アグネスタキオンは立てていたがセイウンスカイからするとそれは的外れのように感じていた。

 

(王様は言っちゃえば完全生物だった。そもそも生存に他の生物がいらないんだ。だから誰かと関わりを持つ必要がない。あの子もきっと一緒だ。だから、何かあるんだ、アヤベさんに)

 

 また一つ、的に矢が中る。

 ここに来てセイウンスカイはバルファルクのつれない態度を思い出していた。セイウンスカイもアステラが奇妙な気配を醸している事を感じ始めていたからだ。

 

(王様は生体エネルギーを与えてなかった。だからあの子はあんなに小さい。でも遠くからでも分かる気配の正体は何?)

 

 "龍呼びの声"によるセイウンスカイの感知範囲は飛躍的に広がっていた。鍛練やこれまでの経験から過負荷を起こさずに探索できるようにする加減の程を掴んでいるからだ。

 基本的にバルファルクやイナガミの気配はトレセン学園の外まで行くと曖昧になってくる。しかしアステラの場合はトレセン学園の外にいてもはっきりと分かる程の気配を感じていた。セイウンスカイが趣味である釣りに出掛けても露骨に分かる程の気配である。そればかりか、まるでこっちに来てほしいとでも言うような指向性のある気配を放っていた。

 

(イナガミもタマモ先輩もそんなの感じてないって言うんだよね。……来てどうするんだろ。あんな気配出してたら他の知らない古龍呼び寄せちゃうんじゃ……?)

 

 セイウンスカイが最も懸念していたのはコロンビア首都ボゴタを襲った地盤沈下の真犯人である。赤龍から聞いた話はシャーロットとも共有しており異変があればすぐにでも観測できるようシャーロットのあらゆるコネクションが対応していた。

 

(仮に誰かを呼び寄せる能力だとして……それが何の意味を?)

 

 天皇賞を前に胸騒ぎを募らせるセイウンスカイ。

 本来であれば天皇賞の方にこそ意識を割くべきなのだが、基本的に"龍呼びの声"を用いたラップ走法という事で概ね対策は終了していた。気を付けなければならない相手はやはり同期のスペシャルウィークである。同じく差しで、菊花賞覇者のマチカネフクキタルも油断ならない。逆にキングヘイローは不参加であった。

 クラシックから主要なレースは共に出走してきた同期三人だが、有マ記念を制したキングヘイローはシニアで方針の転換を表明、なんと短距離G1である高松宮記念に挑戦し見事勝利してみせたのだ。長距離と短距離のG1を制覇するという前代未聞の快挙にトレセン・世間、双方共に大きく湧いた。マイルと中距離も当然狙っており前者は安田記念、後者は宝塚記念もしくは秋の天皇賞を見据えている。

 

「あっ、ずれちゃった……今日はこんなところでいいか」

「考え事ですか、セイちゃん」

「グラスちゃん……」

 

 気もそぞろになったところで矢は大きく的から外れた。それを区切りに引き上げるセイウンスカイ。その様子に外からグラスワンダーが話しかけていた。

 

「考え事ね……悩む程のことじゃないんだ。ただ気になるだけというか……」

「それはアステラちゃんだったり明日のレースだったり?」

「そうだね。でもあんまり考え込むのは止めとくよ。トレーナーさんからはそういうの向いてないって言われてるし」

「その方が良いと思います。何事も邪念は敵ですから」

「グラスちゃんの言う通りだよ。今日はこの辺にしとくから、また明日ね」

 

 去っていくセイウンスカイ。グラスワンダーも武道を嗜む身であり弓道をセイウンスカイに教えたのは他ならぬグラスワンダーだ。とはいっても師匠と弟子のような凝り固まった関係ではない。元々友人同士でもあるし、セイウンスカイは持ち前の要領の良さで指導する暇もなくあっという間に習得したからだ。

 ただグラスワンダーはセイウンスカイの様子が気になっていた。

 

「セイちゃん、色んな責任を背負って苦しくないですか……?」

 

 悲哀にも似たその呟きがセイウンスカイに届く事は無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 京都 芝 3200m 天候:晴れ 場バ:良

 

 天皇賞当日。

 セイウンスカイはいつも通りゲートに入りその時を待っていた。

 デビューから数えて七戦目、苦手なゲートに気後れする事は無い。調子は可も無く不可も無く、つまりは普通だ。

 そしてセイウンスカイとは対称的に静かに闘志を秘めるスペシャルウィークの姿をセイウンスカイは捉えていた。今のスペシャルウィークはセイウンスカイが遠目に見てもはっきりと分かる程の絶好調である。さてこれをどうしようかとセイウンスカイは思案していた。

 

(困ったな。ああいう感じで来られるとラップ走法使えないんだよ……)

 

 元より懸念はあった。スペシャルウィークの戦績は安定しない。ダービーでは勝利し菊花賞でも掲示板、しかし有マ記念では六着以下と大敗である。しかしダービーの様子からして、上振れした時のスペシャルウィークはおよそ誰にも寄せ付けない強さがあった。

 

(ラップ走法でやるようなことって漫画とかで言うデータキャラみたいなものだし。そういうのって大抵主人公(スペシャルウィーク)の想定外の力で負ける噛ませ犬扱いなんだよね)

 

 スペシャルウィークを相手にマーク戦法は使えない。というよりも正確には負担がかかり過ぎるといったところが正解か。

 クラシックではスペシャルウィークとキングヘイローを相手に"龍呼びの声"でマークしていたセイウンスカイだが、鍛練を繰り返している内に離れた位置のライバルをマークするためだけに"龍呼びの声"を使用するのは割りに合わないと感じていた。今ならダービーと同じ使い方をしても暴走を起こさない自身があるが、だからといってわざわざリスクを踏むのは訳が違う。昼行灯に見えて叩ける石橋はしっかり叩いて渡るのがセイウンスカイの流儀なのだ。

 

(キングがいたら潰し合わせられたのになぁ)

 

 およそ友人に向けるには物騒な考えである。マチカネフクキタルもスペシャルウィークと同じ差しだが先輩な分、位置取りはマチカネフクキタルの方が"上手い"。これが何を意味するかというと、スペシャルウィークとマチカネフクキタルが位置取りを巡って激しく衝突するような事が起きづらいと考えられるからだ。同じ程の実力ならともかく、完成された位置取りにわざわざ突っ込むような真似はスペシャルウィークとてしない。むしろスペシャルウィークは好位置よりも悪い位置取りの方が成績が良かったりする。逆境こそ一番に能力が発揮するのだろう。そしてそういう不安定さこそが、セイウンスカイにとって一番の天敵足りうる要素であった。

 

(ぶっちゃけ上振れスペちゃんが私達の中で最強なんじゃないかな。グラスちゃんもその気がある気がするけども)

 

 スペシャルウィークへの対策が無い訳でもない。ただしそれは、スペシャルウィークを一位にさせないための策であってそれがセイウンスカイの勝利に繋がるとは限らないからだ。それに有マ記念のキングヘイローのような、()()()があるとも考えられなくはない。キングヘイローに対して失礼だがセイウンスカイは少なくともそう考えていた。

 

(なるようになれってことだよね。ならほどほどに頑張りますか)

 

 ゲートが開く。

 鬱屈した精神とは裏腹に、セイウンスカイは誰よりも抜きん出たスタートダッシュを決めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(恐ろしいくらい予想通りの展開だな……)

 

 観客席で見守るセイウンスカイのトレーナー、いやドラコトレーナーと呼ぶべきか、彼もまた懸念通りの心配していた。

 大方の予想通りスペシャルウィークはマチカネフクキタルと競り合わなかった。マチカネフクキタルよりも離れた位置、後方外に付けている。マチカネフクキタルも有力バの一人なのだが、困った事にスペシャルウィーク以上に安定しない戦績をしていた。

 

(シラオキ様とか言われても困るよ。そりゃレースに運が絡まない訳じゃないが、だからといって運頼みにする訳ないじゃないか)

 

 マチカネフクキタルが占いに傾倒しているのは誰もが知る事実だ。しかしどうやら自分のレースにすら占いを用いているようで、結果次第ではかなり上振れるらしい。そういうのが一番困るのだとドラコトレーナーは嘆いていた。

 チーム:ドラコはタマモクロスのトレーナーによる指導もあり基本的には理論派の指導だ。一部トレーナーにはウマ娘のフィーリングに任せた精神論指導もあるが、ドラコでそれを採用する事は無い。データ至上主義と言わないでも、出走するライバルやレースの特徴、更には当日の天気や枠番についてきっちり対策を重ねるのがチーム:ドラコの特徴である。

 

(間違いない、スペシャルウィークはマチカネフクキタルをマークしてる)

 

 これも予想通りだった。クラシックで競り合ってきた二人だがセイウンスカイ一人が図抜けている訳ではない。もっと言えば人気が少し低迷しているだけで、経験から言えばマチカネフクキタルが最も強いだろう。同じ差しの先輩としてマチカネフクキタルをマークするのは利に叶っていた。

 

(出走前の対策はスカイと話して決めているけどレースはナマモノだ。現場の事は現場に任せるしかない)

 

 レース展開は菊花賞と似た流れになっていた。少々違うのはセイウンスカイの逃げ切りを警戒して比較的集団が前目についている事だった。ラップ走法はこの春の天皇賞でも有効なようだが同じ手が何度も通用する程レースは甘くはない。更に菊花賞より200m伸びているのだ。スペシャルウィークを始めとする後方脚質にとって巻き返しやすいレースであった。

 

(そろそろラストスパートだ。さぁスペシャルウィークはどう出る?)

 

 間もなく淀の坂を越えていく。依然としてセイウンスカイが先頭だが既に後続が差を詰めていた。しかしここで最も早かったのはスペシャルウィークだった。スパートの加速を始めてから最高速に到達するまで僅か数秒の余裕も無い。あっという間に前のウマ娘達をごぼう抜きにしていく。マチカネフクキタルも遅れてスパートとしていたが加速力はスペシャルウィークが上回っていた。

 そしてセイウンスカイ、彼女に大きな変化は見られない。後続が差を詰め────。

 

(あれ?スカイもしかして意図的に速度を抑えてる?)

 

 セイウンスカイは僅かに外へ膨らんでいた。

 

 

 

 

 

(セイちゃん!そういうとこだよ、もう!)

 

 スペシャルウィークは完全な差し切り態勢に入っていたがここでセイウンスカイの位置に気付く。

 第4コーナーを抜ける頃、スペシャルウィークは先頭セイウンスカイから数えて四番目という位置にいる。スペシャルウィークから見て内ラチ側には追随する二人のウマ娘がいた。これを外から回れば良いのだがセイウンスカイは内側ではなくそれの少し前、二人より外側へと位置を変えていたのだ。

 外差しははっきり言うと勝ちの目が低い。外を回る分内よりはロスが増えるからだ。外で勝つには通常より更に踏み込んだスパートをかけねば話にならない。セイウンスカイの位置取りはそうした外位置を意図的に誘導するような、面倒臭い位置にいた。セイウンスカイがもう少し前にいたりすれば間を縫って行けるのだがそんな事はセイウンスカイも承知だろう。これでスペシャルウィークはセイウンスカイより外を回らなくてはいけなくなった。

 

(賭けだったけど何とかなった。後はここから……!)

 

 スペシャルウィークが自身の策に嵌まった事を"龍呼びの声"で察知しここからスパートを駆けていくセイウンスカイ。意図的にスペシャルウィークの邪魔になるよう目を付けていた二人の後続に合わせて速度を調整していたため先頭だというのにまだ足を残していた。

 

(200m長い分足が長く使えるよ)

 

 これこそセイウンスカイの真骨頂だった。セイウンスカイはそもそもステイヤーなのだ。シニアになってから豊富に鍛えあげられたスタミナは3200mをものともしないタフさをセイウンスカイに与えていた。

 既にセイウンスカイの独壇場。ここでようやくマチカネフクキタルが上がってきているようだが関係無い。

 しかし────。

 

「負けないからぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「やっぱ諦めるわきゃないよねスペちゃん!!!」

 

 不利に立たされてなおスペシャルウィークがセイウンスカイを追っていた。不利なロスに立たされたせいでスペシャルウィークはスタミナをかなり消耗しているはずだが、ここまで来ると最早根性だろう。セイウンスカイは最後までスペシャルウィークに油断していなかった。

 怒涛の追い上げ、執念でスペシャルウィークがセイウンスカイへ迫る。ゴール手前になって二人は並び、そして。

 

《セイウンスカイか!スペシャルウィークか!どっちだどっちだどっちだ!……全く並んでゴールイン!!!》

 

 二人は並んでゴールを駆け抜けていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「写真判定長いね……」

「ねー……」

 

 レースにおいて、どちらが勝ったか分からない際どいゴールは写真判定になる。URAには写真判定員がいるためそちらに判断してもらうのだがかれこれ10分以上も待たされていた。

 完全に並んだ二人の写真はどちらが抜きん出ているとも言いがたい並びであった。基本的に滅多な事では一位同着を出さないのだが、それが有り得るかもしれないと場内はザワついている。

 セイウンスカイとスペシャルウィークは二人肩を抱き合いながらレースの結果をただ待っていた。

 

「どっちなのかね。私自信無いや」

「えぇ!?セイちゃんだって最後凄かったのに!」

「それを言ったらスペちゃんの根性には誰もが負けるよ」

「セイちゃん、心にも無い事言わないでよ。どうせキングちゃんがいないから面倒臭いなとか考えてたでしょ」

「……いやぁ、どうかなー。久々にキングと走って無かったからなぁー」

「わ、わざとらしい……」

「お、お二人さん凄いですねぇ……」

「うわ、フクキタル先輩!……え、目の隈凄いですよ」

「レース前日に今日の結果を占ってまして……色々タンホイザさんとやってたら全然寝れてなかったんです……」

「メイクで目の隈隠してたんだ……そんな事してたら占いの結果なんて関係無いですよ……」

「おっしゃる通り!!!占うならもっと時間に余裕持つべきでした!!!」

「いや、まずは占いから離れましょうよ……」

(この人の声耳に響くんだよ。ヘリウムガス吸ったらワンチャン人間の可聴域越えるんじゃないの……?)

 

 

 

 

 

「あっ、掲示板が光ってる!」

 

 一位同着・セイウンスカイとスペシャルウィーク

 二着   マチカネフクキタル

 

 春の天皇賞で史上初めてとなる同着一位が掲示板を彩っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 5月初旬。

 

 アイルランド・ジャイアントコーズウェイにて。

 

 シャーロット・アーサーは赤龍の死後変化した周辺環境の調査を指揮していた。

 赤龍の死はアイルランド・英国両政府の限られた人間にしか知らされなかったが、それでも知りうる両国の人間には大きな影響を与えた。一部ではセイウンスカイが何らかの方法で殺したのではと邪推する見方があったがシャーロット当人が、それを全力で否定している。

 ジャイアントコーズウェイは自然遺産として観光客を集めていたが現在は立ち入り禁止となっている。シャーロットはここまで露骨な環境の変化を一学者として見逃す訳にはいかなかった。

 

「ここは常に温暖ね。気候にすら影響を与えるなんて」

「気候の変化すらまだ判断はついていません。かなり長い調査になるかと」

「当然よ。一生涯懸けてここを調べ尽くすわ」

「……洞窟についてですが」

「そこは後回しよ。まだ表面的な事だって分かってないんだから」

 

 シャーロットと騎士は調査の指揮に当たりながらも赤龍がいたあの洞窟には触れていなかった。通れるように掘り起こすには時間がかかるという見方もある。しかしそれ以上にシャーロットは赤龍に安らかな眠りについていて欲しかったのだ。

 

(いつか……いつか貴方の事を調べに行くから……もう少しだけ寝ていてね。お祖父様とのお話をお土産に持っていくから)

 

 セイウンスカイから聞いた祖父と赤龍の関係。過去他の人間に聞いていたよりはずっとラフな関係だったと知りシャーロットは思わず自分を恥じた。結局のところ相手もまた生きていた一個の命に過ぎないのだ。それを、いたずらに神格化し崇めるような真似は学者として好ましい意識ではない。尊敬はしつつ学者として挑む心意気を持ち合わせてシャーロットはこの調査に臨んでいた。

 

 しかしシャーロットのその心意気は全く違う形で成就する。

 

「ん?地面が揺れている……?」

「地震?ここで?」

「違うわ……これ洞窟の方から揺れて────」

 

 突如として突き破られる地面。

 シャーロットの眼前には夥しい程のトゲを生やした異形のナニかが姿を現していた。

 

 

 

 

 




アルバトリオン

「へぇ、こっちのあいつは自殺したんだ。良かったよ。世界が違うから道理は無いんだけど調子に乗るようなヤツなら俺が殺してたからさぁ」

「つーわけで苗床頼むわ。まぁこの程度の戦力じゃまだ足りないんだけどね!」
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