(あ~もう。分かっちゃいたけどなんであんなこと言うかなー)
初戦を制したセイウンスカイの次の日。
勝利の興奮はどこへやら、授業の合間の休み時間でセイウンスカイは教室で突っ伏したように不貞腐れている。そんな彼女を心配したり、或いは発破をかけるつもりでいつもの同期達五人が集まっていた。
「え~っと、セイちゃん? デビュー戦突破おめでとう……?」
「スペちゃんどうもー。疑問系になるくらいなら無理して言わなくてもいいのに」
「貴方の今の態度に問題があるのよ、スカイさん。勝者だというのに随分と機嫌がよろしくないみたいね」
「キング~。今いいよ、そういうお小言は。自分でも分かってるって」
「セイちゃんどうしたの。具合悪いの?」
「そういうんじゃないって、ツルちゃん。あいつがさ、バルファルクが悪いんだよ」
「あら、やはりバルファルクでしたか」
セイウンスカイは烈火の如く語り出す。レースに勝って意気揚々とトレセンに帰ってきた時のバルファルクの反応を。
「百っっっっっっ歩譲ってさ! 遠くにいたから音楽が聞こえないのはまだ良いんだよ! あいつダンス見て何て言ったと思う!?」
「セ、セイちゃんが珍しくヒートアップしてマース……」
「ヒートアップするさ! あいつ、ダンス見た時の感想が『その動きでオスを誘うのか』だよ!? ライブの意義を説明しても『多くのオスに健康なメスであることを誇示するための動き』とかさぁ!?」
「うわぁ、健康かぁ。私には耳に痛いなぁ」
「……元々人間ではないのだし、動物的な感想になるのは仕方ないんじゃないかしら」
「それだけだったらまだ耐えられたよ。一番ムカついたのは、『子をいつ産むんだ?』だよ!トレーナーは
「デリカシーが無いといえばそうですね……」
「……はぁ。まぁ言っても仕方ないさ。みんなありがとね。ぶちまけたら楽になったよ」
あっけらかんとした表情を見せるセイウンスカイ。未だ憮然とした気分は抜けていないが一先ずは落ち着いたらしい。次の授業の準備を始める。
「そう言えばその後どうしたの? そのまま別れたの?」
「まさか! 頭に来たからしばらく口聞いてやんないって言ったよ。めちゃくちゃショック受けてる顔してたけど、ざまぁないね」
「えっ」
それは大丈夫なのだろうか。
一人得意気になっているセイウンスカイを除く、五人一同の心情が一致した瞬間である。
やはりだがセイウンスカイはバルファルクと関わってからバルファルクへの認識が麻痺しているように見受けられる。意志疎通ができることと、従来考えられていたよりずっと知能が高いことで勘違いしているかもしれないがバルファルクはれっきとした猛獣であるのだ。必要でないから今は人を殺していないだけで、必要であるならば殺人を躊躇わないのは過去の記録から容易に掘り下げられる。
人類が航空機を発明して100年と少しばかり。加速度的に進歩している航空技術だがバルファルクの領域には至っていない。推定とされるが過去記録されたバルファルクの最高飛行速度はマッハ10。それだけの速度を誇りながら生物としてのしなやかさのおかげで複葉機並みの旋回半径を併せ持つ。加えて速度にあるまじき頑強さ、かつて名誉欲しさに食事中のバルファルクに
バルファルクはどうしようもない。恐らく世界各国が金に糸目を付けずに討伐に尽力すれば、いつかはできるだろう。ただやる意味が全く無い。これが人類を積極的に攻撃する外敵ならもう少し変わったかもしれないが、バルファルクはただ空を飛び生きているだけである。手出しするだけ損しかない。それがこれまでのバルファルクに対する常識だった。
今のセイウンスカイはいつ暴発するかも分からない特大の不発弾の前で火遊びしているようなものである。バルファルクがセイウンスカイにどのような心情を抱いているにせよ、執着しているのは目に見えているのでセイウンスカイの振る舞い一つで惨劇が起きてもおかしくないのだ。
五人の同期達はそういったことを指摘したかったのだが、結局はいつも通りのセイウンスカイに言うだけ無駄だと諦めるしかなかった。
昼下がり。
レースを終えた次の日ということで、トレーニングが無いセイウンスカイはトレーナー室でいつもの昼寝に耽っていた。トレーナーは次走に向けたトレーニングや作戦を練っている。
穏やかな午後。セイウンスカイは自身が理想とする最も有意義な時間を過ごしていた。
しかし、そんなセイウンスカイを邪魔するかのように来客が訪れる。
「……失礼します。セイウンスカイさんとそのトレーナーさんのお部屋はこちらでよろしいでしょうか」
「ああ、合ってるよ。こんにちは。えっと、君は……」
「申し遅れました、マンハッタンカフェと申します。すみません、スカイさんには申し訳ないのですが、タキオンさんから旧理科準備室に来てもらうようにと」
「悪いんだけど、スカイは見ての通りでね。昼寝の後なら行くと伝えてくれないかな」
「すぐ来て貰いたいとのことでして……。恐らく来ていただけないとこの部屋に押し掛けるのではないかと……」
「それはまた……厄介だね」
アグネスタキオンの変人っぷりを理解しているトレーナーは仕方無くセイウンスカイを起こしにかかる。事情を聞いたセイウンスカイは口を尖らせながらも渋々マンハッタンカフェと同行することにした。せっかくの昼下がり、またトレーナー室で延々とうんちくを述べられても困るのだ。
ここでほんの少し、小さな行き違いがあった。アグネスタキオンがセイウンスカイを呼んでいることに変わりはない。ただ、アグネスタキオンは早急に呼んでいる訳ではなく時間がある時に話をするつもりでいた。昼寝の後でも良かったのだ。マンハッタンカフェがわざわざ早く来るよう催促したのは、バルファルク絡みで喧しく話し続けるアグネスタキオンにうんざりして、半ばセイウンスカイにアグネスタキオンを押し付けるつもりであったからである。
たったそれだけの行き違いが、この後ある異変を生むことになるとは誰も予期していなかった。
「……ここが旧理科準備室です。では、私はこれで」
「え。カフェ先輩は来ないんですか」
「先輩なんて付けなくていいですよ。呼び辛いでしょう。……バルファルクに関連した話だそうですから、部外者の私がいても、ね」
(この人も多分タキオンさんに悩まされてるんだろうなぁ)
去っていくマンハッタンカフェの背が疲れたように見えたのは恐らくセイウンスカイの錯覚ではないだろう。
「失礼しまーす。カフェさんに呼ばれて来ま……あれ? いない?」
セイウンスカイが旧理科準備室入ってみたが誰もいなかった。アグネスタキオンはセイウンスカイがもう少し後に来るものだと思って外出していたのだ。
「呼びつけておいて、いないって……。あれ、これなんだろ?」
旧理科準備室はマンハッタンカフェとアグネスタキオンの二人で事実上占有されている。その片側、アグネスタキオンのスペースであろう実験機材が多数置かれた机の上に一際異彩を放つものがあった。
古ぼけた長方形の木の箱だ。側面にラベルが貼られていて内容物を示しているようだが英語で書かれていてセイウンスカイでは読めない。
「これは……もしかして、鱗?」
上から箱を見ると上部は開口されていて、それを透明なプラスチックか何かでラッピングするよう蓋してあり中の物が見えるようになっていた。白いクッションの上に、何かのサンプルと思われる物が入っている。
(なんだろこれ。凄い……気になる)
何を思ったか、セイウンスカイは箱のラッピングを破りだした。本来こうした科学的に貴重なサンプルは人の手で触れられないよう厳重に保管するものである。ましてや人の手で直接触るなど言語道断だ。それくらいセイウンスカイでも知っているはずなのに、今のセイウンスカイは何らかの衝動に突き動かされていた。
(よく見たら光を反射してる……金属なのかな?)
ラッピングを外したセイウンスカイは中の物に顔を近付ける。薄暗い部屋ではあるのだが、その中でも分かるほど鱗は光沢を放っていた。
(鋼だ。鋼が鱗の形をしてるんだ。でも、金属の鱗を持つ生き物なんていたっけ?)
そうして、その疑問に答えを得ようとセイウンスカイは鱗に直接手を伸ばし────触れた直後、セイウンスカイの意識は暗転した。
セイウンスカイが旧理科準備室を訪れる少し前。
アグネスタキオンはどこで何をしていたかというと、あのバルファルクのところにいた。
「スカイ君に嫌われてしまったようだねぇ。でもまぁ大丈夫さ。少し時間を置けばまた話してくれるよ」
『………………』
沈黙を保つバルファルク。しかしアグネスタキオンに対して以前ほどの攻撃的な姿勢は見せない。バルファルクはセイウンスカイ以外の人間と交流するつもりは無いため五十音順の看板を使って受け答えするようなことをアグネスタキオンにはしていないのだが、代わりにアグネスタキオンが大型のiPadにひらがなを表示することでバルファルクに分かるよう状況を説明していた。
「そう落ち込むことは無いさ。むしろ今までが不思議だったんだ。異なる生物が互いにコミニュケーションを取れるようになったからといってそれまでの差異が消える訳じゃない。人間だって、肌の色や宗教が違うだけで殺し合いをしている訳だしねぇ」
独立独歩を行くアグネスタキオンとしてはこの時珍しく、セイウンスカイとバルファルクを慮っていた。とはいえ本当に親切に思っての行動ではない。このままセイウンスカイとバルファルクの交流が断たれてしまうとバルファルクがトレセンにいる意味を失うため、バルファルクの研究が続けられなくなるのを恐れたからだ。バルファルクにはセイウンスカイを説得してまた話せるようにするとアグネスタキオンはバルファルクを慰めていた。
「今朝方面白い荷物が届いてね。手に入れられるよう交渉には苦労したんだ。"鋼の龍鱗"……。龍の鱗とはまた酔狂な名前じゃないか」
あろうことかアグネスタキオンは慰めながらバルファルクに自身のうんちくを話していた。バルファルクが何も反応していないというのに一人延々と話し続けている。マンハッタンカフェにすらあしらわれた手前、他に話せる相手がいなかったようだ。
「君が根城にしている山の一つ、エベレストから見つかったものでね。どうやら鱗の持ち主であろう完全な姿を残した抜け殻があるそうだ。信じられない姿だよ、四肢を持ちながらも完全な翼を持つという君とよく似た……」
バルファルクが顔を上げる。アグネスタキオンに反応したのではない。今しがた校舎から一瞬稲妻のような赤い光が見えたからだ。
「どうかしたのかい? また校舎にでも割って入る気か……もしかして旧理科準備室を見ているのかな?」
完全な臨戦態勢であった。バルファルクの体の各所から赤い光が震えている。この謎のエネルギーについてもアグネスタキオンは調べたかったが流石に今のバルファルクにそんなことは言えない。この調子で校舎に突っ込まれでもしたら弁償どころでは済まない事態となるため、アグネスタキオンは可能な限りバルファルクに待つよう伝え急ぎ旧理科準備室へと向かった。
────ああ。イライラする。
────外殻が硬い。
────早く脱がないと。
────動く度に軋む音がうるさい。
────早く、早く。高い山の上へ。誰の目にも付かない場所へ。
────もっと風を呼ぼう。風を翔けよう。
────纏った風は嵐にしてしまおう。邪魔な物は吹き飛ばそう。
────見つけた。白銀の丘。あそこなら良い。
────ああ、ようやく脱げる。
────錆びた体と、おさらばだ。
「……カイ君? スカイ君!? 君大丈夫かい!?」
「へっ? タキオンさん……?」
「君、今の自分の状態が分かっているのかい!?」
「あれ……私……何を……?」
「君、鋼の龍鱗を持ったまま意識を失っていたんだよ!」
アグネスタキオンが旧理科準備室へ戻ってきて最初に見た光景は、黙したまま立っているセイウンスカイの姿だった。当初は普通に来ただけかと思ったアグネスタキオンだが話しかけても反応が無い。よく見るとセイウンスカイは鋼の龍鱗を強く握っていて、そこから赤い火花が周囲に飛び散り旧理科準備室に焦げた痕を作り出していた。アグネスタキオンの実験機材もいくつかは破壊されている。アグネスタキオンは意を決してセイウンスカイに駆け寄り、強引に鋼の龍鱗を奪い取ることで事態は収まった。
「え……そんなことが……」
「スカイ君、君は大丈夫なのかい? どこか体に違和感や怪我は?」
「いや、全然平気です。むしろ実験機材とかの方が……」
「この際物損的な被害はどうでもいい。金さえかければいくらでも修復ができるからね。それよりも君だ。一体何があったんだい?」
セイウンスカイは嘘偽りなく旧理科準備室に入った一連の経緯を話す。マンハッタンカフェに呼ばれて旧理科準備室に入ったところまでは良かったが、セイウンスカイが根拠も無く鋼の龍鱗が入った箱を開けようとしたところでアグネスタキオンの顔が険しくなった。
「カフェの呼び方に問題があった……これはまぁいい。仕方がないからね。何故箱を開けようと思ったか、説明が出来ないということかな?」
「あの……ほんとにすみません。今考えると自分でもおかしいなって思ってて……」
「いや責めているわけではないよ。元々バルファルクとコミニュケーションが取れる君にも何かあると考えていたところだったんだ。まさかこれほどの物とは思わなかったけどね」
セイウンスカイに説明しながらも淡々と破損した実験機材を片付けていくアグネスタキオン。セイウンスカイも共に片付けようとしたが、扱いに知識が必要な物もあるからとセイウンスカイの手伝いを拒否している。やることが無く棒立ちになっているセイウンスカイは、黙ってアグネスタキオンの話を聞くしか無かった。
「加えて鱗の持ち主の記憶を見たという……ここまで来るといよいよオカルトだねぇ」
「自分でもはっきりしたことは分からないんですけど……夢見心地だったというか……。確か夢だって分かる夢は明晰夢っていうんでしたっけ。そんな感じなんです。私は私じゃない別の誰かになっていて空を飛んだり、風を起こしたり……最後は脱皮……なのかな? ともかくそんな感じです」
「飛行や脱皮はまだ生物として理解できるね。風を起こすというのは意味が分からないが」
「本当、そのまんまの意味としか。羽ばたくのとは別に、こう、なんだろ、手足でも動かすような感じで風を起こすんです。その風を体を中心に集めて台風の目みたいな感じにしたりとか」
「話している相手が私で良かったねぇ。こんな話を受け入れられる人間、そうはいないよ」
「荒唐無稽な話だってのは分かってます……」
「まぁ重要な話だが一旦置いておこう。バルファルクのところへ行っておいで。君が鋼の龍鱗に触れた瞬間を察知していたみたいでね。ひどく心配していたようだから早く安心させてやるといい。でないとバルファルクがここを目掛けて校舎に突っ込みかねないからね」
「すぐ行ってきます! 色々とすみませんでした!」
急いで旧理科準備室から飛び出すセイウンスカイ。焦る彼女の様子を尻目に、アグネスタキオンは一人考察を重ねている。
「バルファルクにもあったあの赤い光……。この鱗からも噴出した……。もしや彼女がきっかけになったのか……?」
アグネスタキオンは自身の右手の手の平に負った火傷を眺めて思考に没頭する。セイウンスカイから鋼の龍鱗を取り上げる際に出来たものだ。その右手でもう一度鋼の龍鱗を手に取ってみる。何も起こらない。
もう一度、今度は強く握ってみる。夏場だというのによく冷えた鋼の龍鱗は、火傷に沁みてより痛みをアグネスタキオンに感じさせていた。
「『バルファルク!』」
セイウンスカイがターフへ駆けつけた時、バルファルクはターフから校舎へギリギリ越えるか越えないかと言ったところまで来ていた。
セイウンスカイを見つけたバルファルクの気配が和らぐ。纏っていた真紅の圧力を霧散させバルファルクはセイウンスカイの誘導と共にターフの中央へ戻った。
「『ごめんね、心配させちゃったかな?』」
『心配などというものではない。あからさまに誰とも知れぬ気配が踏み入ってきたのなら、警戒は当然だろう。……そういえば、俺としばらく話さないんじゃなかったのか』
「『……私も冷静じゃなかったんだ。君は分からないから仕方ないけど、ああいう話題は私達人間にとってとても難しいものなんだよ。今度からその話は無しにしようね』」
『貴様の子が見たくて聞いたんだがな。そうか、難しいな。貴様ら二足の価値観というやつは。ところで……』
バルファルクがセイウンスカイの体を嗅ぎ回る。富士山以来のこの行為にセイウンスカイは驚いていたが、やがて嗅ぎ終わったバルファルクが不満気に喉を鳴らした。
『気に食わん』
「『ど、どうしたの? あれ、私もしかして臭い?』」
『ああ、匂うな。誰だか知らんがそれの臭いが濃い』
「『右手が気になるの? そういえばさっき鋼の龍鱗ってやつを握ってたけど』」
『龍の鱗、か』
バルファルクが何か得心したかのように頷く。槍翼を広げたかと思えば尖った槍の部分を反転させて何と自身の体に突き立てた。
「『な、何やってるの!?』」
『俺の鱗だ。肌見離さず貴様が持っていろ』
「『えっと……くれるの? そんなことして痛くないの?』」
『この程度表面を削り取っただけに過ぎん。そもそも何もしなくても飛んでいる内に勝手に剥がれるからな』
「『ずっと持ってろってことか……分かった。お守りにするね』」
『おまもりというのは分からんが離さないならそれでいい。匂いをそれで上書きしろ』
大きな槍翼で削ったにしては小さな鱗がセイウンスカイに渡される。鋼の龍鱗よりかは小さいがその分嵩張らなくて良いかもしれない。
「『わぁー。ちっちゃくてキレイ。私はあっちよりこっちの方が好きかも。名付けるなら……星の龍鱗ってところかな?』」
『星か。貴様ら二足は俺を星に例えるのが好きらしいな』
「『昔から君は色んな人の憧れだったんだよ。ねぇ、知ってる? 流れ星に三回お願い事をすると願いが叶うって昔から言われてるんだ。君に願ったらなにか叶う?』」
『そんなこと知るか。願いなど考えたこともない』
「『今はまだ願い事思い付かないけどさ、もし願い事を思いついたらまた話を聞いてくれるかな』」
『……まぁ、貴様の話なら聞かんでもやらんことは無いが』
セイウンスカイにとってバルファルクから贈られた初めての品である。バルファルクが考えている以上にセイウンスカイはバルファルクの鱗を気に入っていた。
この後セイウンスカイはバルファルクの鱗をアクセサリーに加工できるよう方々に訪ねるようになり、それがきっかけでバルファルクから鱗を贈られたことが物議を醸すこととなるが、本人ばかりは知らぬ話である。
誤字報告助かります。ガンガン感想貰えれば幸いです