セイウンスカイとバルファルク   作:エドレア

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皆様、日頃よりご愛読頂きまして誠にありがとうございます。

前回ミツネとトゥナの縄張り争いについてお話しましたが夏に来るラギアならどうなのか……ミツネと違って体格ならほぼ互角、属性の相性が不利という劣勢予想。しかしミツネとの予想を覆したトゥナなら……と思う次第であります


駆け巡る一報

 

 

 

 

 

 

「……改めまして、これからご主人のオトモアイルーになるサシミだニャ。名前はご主人からもらったニャ。これからいっぱい役に立つから、どうか殺さないでもらえると助かるニャァ……」

「セイちゃん? 他人のことあまり言えないことやってません?」

「ちょっと脅かしすぎたかも……」

 

 ディゲルから譲られた竜車の中にて。

 怯えるアイルーを前に、ジト目でセイウンスカイを見るエルコンドルパサーと、バツが悪そうに頭をかくセイウンスカイという何とも呑気な空間が広がっていた。

 

 

 

 

 

 一件落着。

 セイウンスカイと別れた四人は無事バルバレにサリナを連れて帰還する事が出来たようだ。遅れてバルバレに帰還したセイウンスカイをエルコンドルパサーが出迎えてくれていた。

 サリナについても、アロイシリーズのハトラが大枚はたいて医者を雇っており一先ず命の危機は脱したと言えよう。医者からはもう少し遅れていたらもたなかったかもしれないと評されており、かなりの危篤状態ではあったようだ。まだ意識は回復していないが、その内目覚めるらしい。サリナよりもそれに甲斐甲斐しく世話を焼くハトラの方が邪魔だと医者は苦笑混じりに苦言を溢していた。

 セイウンスカイ達と臨時でパーティを組んでくれた二人の先輩ハンターも今回の一件で評価が上がったらしい。セイウンスカイに向けて発行されたクエストであるため、直接彼らのランクが上がるような事はなかったが、彼らに向けて上位に上がるための緊急クエストをギルドマスターは準備しているようであった。

 ディゲルも回復薬を使いきって重傷ではあったようだが、命に別状は無い。今回のクエストにおいて、彼らが受けた被害とは怪我の具合程度であり犠牲者はいなかった。総じて、救出任務としては満足される結果と言えよう。

 

 功労者であるセイウンスカイは、再び大手柄を挙げたとしてまた注目が集まる羽目となっていた。唯一、()()()()()()()()退()()()という報告についてはギルドマスターだけが訝しげな顔をしていたが、脅威が去った事そのものは喜ばしい事である。バゼルギウスが飛び去った方角に関しては未知の樹海にいる編纂者へと話を引き継ぎ向こうで対応してもらう手筈となった。

 

 

 

 

 

「で、能力のことを話して連れてきちゃったと」

「ちょうどいいかと思いまして……」

 

 珍しい光景であった。大抵こういったやらかしはエルコンドルパサーの定番であり、決まってグラスワンダーに折檻してもらう流れがお決まりなのだが、今回はエルコンドルパサーが呆れる側である。

 

 セイウンスカイが助けたアイルー(脅したとも言う)はセイウンスカイに連れられて拠点である竜車にまで来ていた。住み家から出た事がない彼は完全にオノボリさん状態であり、見る物全てが新鮮だったようだ。

 怯えるアイルーを刺激しないよう、エルコンドルパサーは努めて柔和に自己紹介をした。

 

「初めましてデスね。私はエルコンドルパサー、セイちゃんのお友達デス! セイちゃんに怖いイタズラされたかもしれませんケド、私はそんなことしませんよ!」

「ほ、ほんとかニャ? 腕をバリバリさせたりしないのニャ?」

「それができるのセイちゃんだけデス。……セイちゃん、無抵抗のアイルーに龍属性使ったんデスか?」

「いやぁ、ちょっと脅かしただけですって……」

「サシミちゃん……君? 本当に嫌なら元いた場所に帰って頂いていいんデスよ。悪いのはセイちゃんなので」

「大丈夫だニャ。いつかは集落を出ようと思ってたニャ。びっくりする旅立ちだけど、いいきっかけだと前向きに考えるニャ。あとオイラは男だニャ」

「……なんかごめんね?」

 

 白いアメショーのアイルー────サシミに平謝りするセイウンスカイ。龍属性による脅しというのは思っていた以上に恐怖を抱かせてしまったようだ。エルコンドルパサーが大げさに持ち上げ我が子のように抱き締めていた。

 

「うニャァ、エルちゃんは優しいニャ。そこのドラゴンヒトモドキよりもよっぽどマシだニャァ」

「もっぺん味わってみる?」

「エルちゃん、ご主人がまた虐めてくるニャ」

「セイちゃん、そういうところデスよ」

「この……調子の良いやつめ」

 

 エルコンドルパサーのおかげで調子を取り戻したらしい。エルコンドルパサーの胸でニヤついた笑顔を浮かべているサシミ。

 一瞬本気で龍属性を出そうか迷ったセイウンスカイだが、どうせこの後こき使えばいいと、自分を納得させるセイウンスカイであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方その頃。

 ドンドルマ、訓練所にて。

 

「キングヘイロー様、替えのお召し物をお持ち致しました……」

「そういうのは自分でやるって言ってるじゃない。気遣いは嬉しいけど、その時間があるなら自分達を高めることに回しなさいな。あと"様"なんていらないわよ」

「キングヘイローさん、ここの計算が分かんないんですけど……」

「貴方だけじゃないでしょう? みんなつまずくところだから、後で私がまとめて教えるわ。私が着替えるまで、授業で習ったところを復習しておきなさい」

「「はいっ、分かりました」」

 

 演習場で汗をかくキングヘイローに二人の人間が畏まる。二人の服装は対称的であり、一人は華美でなくともそれなりの装飾が施された服装だ。もう片方は質素な服を来ており並ぶだけでその貧相さが窺える。

 

「全く、なんでこんなことに……」

 

 尊敬の眼差しを向けてくる二人を前に、キングヘイローはため息をつくしかなかった。

 

 

 

 

 

 半年程前、迫りくる劫火を前に突如として景色が変わった視界にキングヘイローは混乱していた。

 

「え、なに……いったいどういうこと?」

 

 アルバトリオンの計らいにより助かったキングヘイローだが事前の説明などは無い。キングヘイローは当初、自分が夢か幻覚でも見ているのかと勘違いしていた。

 キングヘイローの運が良かったのはエルコンドルパサー同様ドンドルマのすぐ側に転移された事である。偶然にも遭遇したエルコンドルパサーのおかげでここがセイウンスカイの目的である異世界であると知り、エルコンドルパサーの薦めで訓練所に行く事にしたのだ。

 元の世界で義務教育を受けているキングヘイローにとって座学で苦労する事は無かった。しかし、それとは別の問題が今のキングヘイローを悩ませていた。

 

 

 

 

 

(相変わらず鬱陶しい視線ね……)

 

 演習場で武器の鍛練をしていたキングヘイローは屋内に戻る途中、向けられる視線に辟易していた。

 キングヘイローに対し、他の生徒が向ける反応とは大まかに二分される。崇拝にも近い尊敬か、敵対的な畏怖か、である。全くの不可抗力なのだが、それは訓練所に入学している生徒の層とキングヘイローの振る舞いそのものに原因があった。

 

「あの王族崩れ(ロイヤルダウナー)がまた……」

「しっ。聞かれたらどうなるか……」

 

(聞こえてるわよ。ウマ娘の聴力を舐めないでほしいわ)

 

 ひそひそと、物陰からキングヘイローへの影口に興じる他の生徒達。その服装は普段着のつもりだろうが無駄にキラキラした装飾となっており、母親のアパレル業を知るキングヘイローからすればあまりにも下品なデザインであった。当人達はこれをお洒落として着ているのだからキングヘイローとしては目に痛い話である。キングヘイローからすれば知らぬ話だが、彼らは爵位を持つ貴族の三男か四男坊であった。

 対称的にキングヘイローへ羨望を向けるのは比較的質素な服装の生徒達だ。彼らは平民でありその生まれに貴さは無い。彼らもまた、上に兄か姉かを控えている生徒である。

 

 訓練所に入るような生徒というのは、貴族平民に関わらず家から溢れる余剰人員の事だ。基本的に【家】というのは大黒柱となる後継ぎさえいればどうとでもなるので、スペア扱いされる次男を除くと他は食わせるだけ無駄なのだ。

 モンスターの脅威はありつつも、この世界は比較的平和であり戦争などの多く人命が失われる事態にはなっていない。そうなると、発展著しい開拓村であったり安定した生活を送りやすい都市部では人口が増加する。しかし急激に増加するとそれを満たすだけの食料の生産が追い付かない。名目としては独り立ちなのだが実態は口減らしである。ハンターズギルドの訓練所であれば、その広範な経済圏によりどこであろうと身を立てるのに十分なため、訓練所に彼らが殺到することとなってしまった。

 無論、貴族であればある程度は他の職業への口利きができるため平民ほどハンターになろうとする貴族は多くない。しかし、昨今のハンター業の隆盛により自らハンターを志す者も増えてきている。怪物(モンスター)を討つ名誉ほど、男子が憧れるものはないのだ。

 貴族と平民、基本的に彼らはなり合わないでいる。お互い家から放逐されたとて根底に根付く価値観には差がありすぎる。訓練所の中で身分は関係しないとはいえ、お互いがお互いを敵視し合うのは当然とも言える流れ────のはずだった。

 

「キングヘイローさん! えっと、さっきの抜き打ちテストが返ってきたんですけど」

「ミーシャ、淑女がそう大声を挙げて走るものではないわ。急ぐにしても品を保ちなさい」

「あ、そうでした……何度も言われてるのに……」

「これから気をつけていけばいいだけの話よ。貴方には人の話を聞く才能があるんだから」

「……? 普通に聞いてるだけですよ?」

「世の中、思い込みや端折(はしょ)った理解だけで行動する人もいるのよ……」

 

 キングヘイローを慕う少女。傍目には貴族らしい服装をしているのだが、雰囲気は貴族と似ても似つかない。茶色の髪を無造作に後ろ手に縛ったそばかす顔は、どちらかと言うと畑の中で農作業でもしている方がまだ似合っているだろう。

 従順な彼女の言葉に、キングヘイローはいつかの後輩を思い出していた。

 

(カワカミさんなら拳一つでモンスターをどうにかしそうなのよね……)

「それで? テストが返ってきたんでしょう? 結果はどうだったかしら」

「それがですね、なんと80点を初めて越えまして……!」

 

 キングヘイローから指導を受けた結果を上機嫌に話すミーシャ。何を隠そう、この少女は平民上がりの貴族である。父親が成り上がったのではなく、農家の生まれだと思われていた少女が実はとある貴族の私生児であったというありきたりな話であった。今まで平民として生きてきたのに急に貴族として振る舞え、というのは酷だろう。しかしそんな彼女の境遇とキングヘイローの存在は絶妙にマッチした。

 

 キングヘイローの生まれそのものに身分は無いが本人が一流を自称するように、単にレースだけでなく歩き方や食事の作法、言葉使いなどあらゆる部分で努力している。本人は嫌うがアパレル業を営む家の隆盛からしてご令嬢扱いも珍しくはない。そしてそんな少女が明らかに高等教育を受けた振る舞いをするのだ。エルコンドルパサーは持ち前の快活さで無意識に誤魔化せていたがキングヘイローではそういかない。

 ────事情があって表に名を出せない王侯貴族の私生児、そんな噂が立つのは必然だった。

 

「キングヘイローさん、ミーシャったらこれ見た時にね、「これでキングヘイローさんに褒めてもらえる!」なんて言って嬉しそうに跳び跳ねてて……」

「キディちゃんだって自分の答案で笑ってたでしょ! お互い様だよ!」

「はいはい。そんなことで怒らないの。成績は伸びたのはお互い喜ぶべきことじゃない。ね?」

 

 仲の良いクラスメイトと雑談に興じるキングヘイロー。それを忌々しそうに見る貴族の子が幾人かいる。ここ半年で珍しくもなくなった光景だ。

 身分による区別が当たり前のこの世界において、その枠を越えて異なる身分の者と親しくなるのは異端であった。身分を問わない訓練所でも暗黙の了解としてそれは通っていた。しかしキングヘイローにそんな慣習は無い。推定貴族、それも振る舞いから王族も有り得る立場の者が平民と親しげに話すのだ。他の貴族からすれば奇異に映るどころの話ではない。平民側も、最初は明らかに雲の上の人だという認識が先にあった。

 キングヘイローからすれば、ただの文無し後ろ楯無しでしかないので自認としては平民である。ミーシャがキングヘイローを慕うのも、平民を自称する割りに身に付いた所作から貴族として学べる事が多いからだ。

 要するに、ただの勘違いでしかなかった。

 

 また、貴族の中でも男爵や子爵など比較的地位が低く平民との結びつきが強い貴族の子は平民側に同調していた。キングヘイローと平民の接し方は自分達が故郷でしていた振る舞いに近しいものだからである。流石に対等とはいかないが、繁忙期には農民に混じって鍬を振るったり収穫の手伝いをしていた者もいる。キングヘイローが来るまでは、明け透けに平民と仲良くすることすら難しかった。その垣根を払ったのがキングヘイローなのだ。

 

 こうしてドンドルマの訓練所ではキングヘイローの登場により、彼女を好意的に捉える者と嫌悪する者で二分される空気感が醸成されてしまっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「訓練所で身分自慢だなんて、全く……」

 

 キングヘイローはこうした勘違いを敢えて放置させていた。良からぬ事を企む貴族の子への良い牽制になるからである。詳細は掴めないが迂闊に手を出すと痛い目を見るかもしれない────そう思われるようにキングヘイローは振る舞っていた。

 

 演習場での汗を流し、級友との予習に励むキングヘイロー。

 正直な話をすれば、気が休まらない日々が続いている。エルコンドルパサーがいた頃は同郷の友人という事で気兼ね無く話せる相手がいたのだが、彼女が卒業してからは針の筵だ。こちらに傅くか敵視する相手しかいない。対等の相手がいないのだ。

 キングヘイローは今更になって"黄金世代"と呼ばれる友人達の存在が如何に尊い存在なのかを実感していた。

 

「スカイさんも、一体どこに……い……?」

 

 訓練所に隣接された寮の自室でハンター向けの雑誌"狩りに生きる"を手に取るキングヘイロー。他にも転移したウマ娘がいないかと、彼女なりに情報を集めている。

 普段は目ぼしい情報が無く、読む度に落胆を禁じえなかったのだが今回は違う。

 見開きには堂々とセンターを飾る見覚えのあるウマ娘の姿が描かれている。タイトルとして飾られているのはこんな謳い文句である。

 

バルバレにて期待のスーパールーキー! その名はセイウンスカイ! 

 

 キャプションにはダレン・モーランの角からドスジャギィへの狙撃と、バゼルギウス撃退というあまりにも大き過ぎる功績がこれでもかと強調されていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 知らせは届く。

 何処にでも、どこにでも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ベルナ村────

 

「はぐっ……んぐっ……ムーファのチーズ、おかあちゃんのチーズと良い勝負する旨さだべ~」

「す、スペシャルウィークさん! 今月の"狩りに生きる"に、スペシャルさんが言ってたセイウンスカイさんのことが載ってますよ!?」

「うぐっ!? 、ゴクッ、え、えぇぇ!?」

 

 ────チーズを目一杯に頬張るスペシャルウィークの元へ。

 

 

 

 

 

 ユクモ村────

 

「あら……セイちゃんのことが載ってる……」

「ほんと!? それって、私達が帰れるかもしれないの!?」

「それは……まだ分かりませんよ。手掛かりにはなるでしょうけど。それよりまず、ヒシミラクル先輩はもう少し体を動かしましょうね?」

「せっかくの温泉なのにぃ……トレーニングから忘れさせてよ~!」

 

 ────倦怠に耽るヒシミラクルを叱咤するグラスワンダーの元へ。

 

 

 

 

 

 ミナガルデ────

 

「会長! 今月の"狩りに生きる"に……!」

「ああ、目は通してあるよ。嚆矢濫觴、どうやらいよいよ"こと"が動きそうだ」

「そのためにも、まずは……」

「うん。ミナガルデの改革を、急がなくてはな」

 

 ────一計を案じるシンボリルドルフと、それに追随するツルマルツヨシの元へ。

 

 

 

 

 

 ポッケ村────

 

「だからよ! あそこで俺がフルフルの頭をかち割ってれば早めに片がついたんだ!」

「そうじゃ済まないから突き飛ばしたんでしょう。明らかに電撃のカウンターを喰らう羽目になってましたよ」

「ポッケちゃん、カフェちゃん、落ち着いて……」

「つーかタキオンのやつは何やってたんだよ! いっつもフィールドワークとか言いやがって、肝心の狩りに全然参加しねーじゃんか!」

「……おっと済まない。今私に話しかけていたのかな?」

「タキオンさん、読書については咎めませんから……せめてこちらに意識を……雑誌? タキオンさんにしては珍しい物を読んでいますね」

「フルフルについては……あの個体の生態が知りたくてね。ま、それは今どうでもいい。肝心なのは、こうしてスカイ君がやってきたことだ」

「へっ……はぁぁぁ!? それを早く言えよ!」

 

 ────ジャングルポケット、マンハッタンカフェ、ダンツフレーム、そしていつも通りのアグネスタキオンの元へ。

 

 

 

 

 

 ジォ・ワンドレオ────

 

「オグリ、頼むからちょいと食うの抑えてほしいんや。稼いだゼニーが食費に消えると武器も防具も強化出来へん……」

「そ、そんなに食費がかかっていたのか……!? 食べる分は稼いでいたはずでは……!?」

「食べる分はなぁ。それ以外のゼニーが足らんねん……なんか、手っ取り早く稼げるクエストおったらええんやけど……」

「……"狩りに生きる"には載っていないのか? 度々モンスターの情報が載ってるはずだが……」

「ちょい待ち。今月のはまだ読んでないねん。今確認するから……スカイぃぃぃ!?」

 

 ────湖上にて、オグリキャップのエンゲル係数に悩むタマモクロスの元へ。

 

 

 

 

 

 ロックラック────

 

「あの女、クエストにも行かないで何やってんだ……?」

「おいおい、おまえ《流星》を知らないのか?」

「《流星》? なんだそりゃ、お星様にでも願ってんのか?」

「よく見ろ、ガンランス背負ってるだろ。普通ガンランスって言ったら重くて動きが遅くなる武器だけどよ、あいつはガンランスの砲撃を利用して空を飛べるんだと」

「はぁ? ガンランスがそんなこと出来るわけねーだろ。眉唾にも程があるぜ」

「そう思うだろ。でもな……あの霊山龍をソロで討伐した実績を持つのは、あの《流星》ネオユニヴァース一人だけなんだぜ」

 

 ────酒場にて、噂されながらも独り読み耽るネオユニヴァースの元へ。

 

 

 

 

 

 各地に散らばるウマ娘達、それらがセイウンスカイの到来に気付き始める。各々の始まりは異なれど、帰結は一度に向かうように。

 人知れず、セイウンスカイの躍進は世界を動かし始めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここは……」

 

 海を越えた先。

 知らせが届かぬ場所もある。

 

「……洞窟? 町や村の近くではないのかしら」

「……母さん」

「アステラ? 起きたのね。まだ無理をしてはダメよ。傷が深いんだから……」

「そのことなんだけど、多分大丈夫だと思う」

「大丈夫って……」

「アルバトリオンってやつが気を利かせてくれたんだと思う。母さんには分からないかもしれないけど、僕には分かる。ここは────生体エネルギーで満ちているよ。ここのエネルギーを使えば、僕の傷は癒せそうだ」

 

 少しずつ、しかし着実に、時計の針は動き出している。

 

 

 

 

 





名前出してない他のウマ娘も登場予定です

一発ネタの「YAMA育ちのタクトちゃん」が連載できそう。「セイウンスカイとバルファルク」が完結するまで控えるべき?

  • セイウンスカイとバルファルクに集中
  • 二作同時連載してほしい
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