ガンダムSEED Sirius   作:猪のような

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この作品は、運命に踊らされている!理由は後ほど……


PHASE1 偽りの平和

 

 

 

CE.71年。中立国オーブのコロニー、ヘリオポリスにて。何時もと変わらない日常は、突如として現れたザフト軍の襲撃によって崩れ去った。

 

「う、うぅ……」

 

コロニー内でザフトのMSであるジンが暴れ回り、銃声や爆発音が鳴り響く最中、工業区画を彷徨う少年が居た。少年は泣きそうになりながら…てか泣きながら避難シェルターを探していたのだが…

 

「ここどこぉ…?」

 

少年はそう言って辺りを見渡す。少年は自分が何処にいるのか全く分かっていなかった。というのも…

 

「カレッジの見学に来ただけなのに…なんでぇ…?」

 

少年はヘリオポリスに昨日来たばかりであり、土地勘が全く無かったからである。

 

「マエムラさぁん…どこぉ…?」

 

自分と一緒にヘリオポリスに来てくれた大人の名前を呼びながら、攻撃の音に身体を震わせて歩いていると…

 

「誰かいるのか!?」

 

「ひゃ、ひゃい!?」

 

突然の呼びかけの声に少年はつい反応してしまい、少年の目の前にある横道から地球軍の制服を着た男性が現れる。

 

「へ、ぐ、軍人…?」

 

「子供…!?君、何で避難していないんだ!?」

 

「ひっ、ご、ごめんなさい!き、昨日このコロニーに来たばかりで、避難場所が分からなくって…!」

 

「そんなっ…くっ、格納庫は直ぐそこだってのに…!」

 

「…?」

 

「ザフトの連中に、アレを渡す訳には…まだ格納庫の方から銃声が聞こえる…奪われてはいない…早く行かないと、けどこの子が……ああっ!」

 

軍人の男性は「後で絶対怒られるけど…!」と言いながら少年に駆け寄り、手を差し出す。

 

「一緒に行こう、大丈夫。お兄さんが守ってあげるから」

 

「え、あ……はい…」

 

少年が男性の手を取ると、男性は少年の手を握って走り出す。

 

「あの、お兄さんはどうして此処に…?」

 

「ああ、お兄さん実はここに来たばかりでね、君と同じで迷子だったんだ。けど此処に大事な用があったから、なんとか頑張って来たんだ」

 

「そ、そうなんですね……」

 

「ま、実際は着任挨拶に行く途中で他のパイロット達と逸れた挙句、迷子で困ってる時にザフトが来たからこっちに来ただけなんだけど…」

 

走り続け、やがて銃声が近付き、明るい場所に出ると…

 

「え…こ、此処は…格納庫…?」

 

少年が目にしたのは巨大な格納庫の内部。そこで銃撃戦を繰り広げるザフトの兵士と地球軍の兵士。そして横たわる3()()()M()S()

 

「よし、セーフ!()()()()()は…アレか!!」

 

「え?え?」

 

「付いてきて!大丈夫、君は絶対に守るから!」

 

男性がそう言い、少年は戸惑いながらも、男性の手をギュッと握り締める。男性は左手で少年を引っ張りながら懐の拳銃を右手に持ち、一気に駆け出した。

 

「全く、来て早々こんな目に遭うなんて…!」

 

パンッ!パンッ!

 

男性が持つ拳銃から発せられた発砲音に少年の身体がビクッ!とする。男性は大丈夫と呼びかけながら走る。弾丸が地面や遮蔽物に当たる音が響き、再び男性が拳銃を放つ。

 

「ぐあっ!」

 

「なっ、あのナチュラル…!」

 

「生憎とヒヨッコパイロットの中じゃ一番成績優秀なもんでして…てかアレ?今やったの赤服?奇襲とはいえ良くやれたな……着いた!よしコックピットは開いて…」

 

「死ねっ、ナチュラルッ!!」

 

少年は一瞬強い揺れを感じ、そして何かが肉を抉るような音が耳に入る。

 

「ぐっ…ごはっ…」

 

男性の苦しそうな声とベチャベチャと液体が地面に落ちる音。少年は自分が男性に抱き締められている事に気付く。

 

「お兄さん…?」

 

「なっ、こど──」

 

パンッ!パンッ!

 

「……はっ、隙あり…この子に当たったらどーすんだよザフトめ…ぐふっ…」

 

男性の激しい息遣いが聞こえ、そして少年はゆっくりと離されると…

 

「え…?」

 

少年の目に映ったのは、口から血を流し、汗を流し、少し苦しそうにしながらも優しく笑いかける男性の姿だった。

 

「お、お兄さん…もしかして、背中から血が…!」

 

腰を下ろす男性の足元に血が流れているのを見た少年は慌てる。すると男性は呻き声を上げながら身体を動かし、少年の肩を掴む。

 

「中に、入って…」

 

「え?あ……」

 

少年はそこで自分がいつの間にか横たわるMSの上にいた事が分かる。そして男性の弱々しい力に押されて、コックピットに押し込まれる。

 

「俺の、言う通りに…」

 

「は、はい…!」

 

男性の指示で少年はMSを起動させると、ある文字が目に入る。

 

「G.U.N.D.A.M…?」

 

「そこのボタンを、押してくれ…」

 

「こ、これですか…?」

 

少年がボタンを押すと、男性はMSの装甲の色が灰色から真っ白になっていくのを確認する。

 

「よし…いいか、コックピットを閉じたら、ジッとしているんだ…きっと、俺の仲間が助けてくれる…」

 

「お、お兄さんは…?」

 

「俺はダメだ…もう、長く無い…君に死体を見せる訳には…いかないからな…後、最後に頼みたい事が───」

 

格納庫の至るところに火の手が上がり、爆発が激しくなる。すると反対側に居たMSが動き、立ち上がる。

 

「ストライク…奪われて無いよな…?」

 

「お、お兄さん…!」

 

「コックピットを閉じろ…!」

 

「け、けど…!」

 

「早く!…最後まで、君を守らせてくれ。後それ、任せたよ…!」

 

少年は涙を流しながら、震える手で操作して…そしてコックピットは閉じた。それを見届けた男性がフッと笑った瞬間…男性の身体は炎に包まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

格納庫が爆発し、爆炎の中からストライクとイージスが飛び出して来る。

 

「アスラン!」

 

ザフトのMSであるジンのパイロットのミゲルは、イージスに乗っているアスランに呼びかける。

 

「ラスティとクレテは失敗だ!」

 

「何っ!?」

 

「向こうの機体には、地球軍の士官が乗っている!もう一機は…起動出来ずに埋もれてしまった…」

 

アスランはイージスを動かして格納庫があった場所を見ると、そこは既に瓦礫の山と化しており、最後のMSの姿は見えなかった。

 

「ちぃっ!」

 

ミゲルはジンの76mm重突撃機銃を構えてストライクに発砲する。ストライクは足元を撃たれた事で大きく体勢を崩す。

 

「ならアイツは俺が捕獲する。お前はそいつを持って先に離脱しろ!」

 

重斬刀を抜きながらそう言ったミゲルはストライクに突撃していく。そしてアスランは一瞬ストライクの方を見るとイージスのOSを変更し始めた。

 

「くっ!」

 

一方、ストライクのコックピットには二人の人間が居た。操縦桿を握り、ストライクを動かしているのが地球軍の士官であるマリュー・ラミアス、その横にいるのが巻き込まれた一般人であるキラ・ヤマトだった。

 

ジンの攻撃をなんとか避けたストライクのコックピットが激しく揺れ、キラがマリューに向かって倒れ込んでしまう。

 

「うわぁっ、うぐっ!!」

 

「下がってなさい、死にたいの!?」

 

「す、すみません!」

 

ミゲルのジンは追撃を入れようと再び接近して来る。マリューは咄嗟にフェイズ・シフト装甲を起動し、重斬刀を防いだ。

 

「何っ!?」

 

「このMS…!」

 

ミゲルは重斬刀を防いだストライクの装甲に驚愕し、一度距離を取った。

 

「こいつ…どうなってる!?こいつの装甲はっ!?」

 

「コイツらはフェイズ・シフトの装甲を持つんだ。展開されたら、ジンのサーベルなど通用しない」

 

アスランはそう言ってイージスのフェイズ・シフト装甲を起動した。

 

「お前は早く離脱しろ!いつまでもウロウロするな!」

 

ミゲルから指示が飛び、アスランは再びストライクの方を見ると、飛んでその場を離脱した。

 

ジンが再度向かって来るのを見たマリューは、頭部に搭載されたバルカン砲であるイーゲルシュテルンを放つが、ミゲルのジンはそれを避けて重斬刀を振るう。

 

(!これってまだ…)

 

「ふん、いくら装甲が良かろうが…!」

 

キラが何かに気付いた間にジンはサーベルがストライクを襲い、機体が吹き飛ばされ、建物に激突する。

 

「あっ…!」

 

キラは持ち堪えながらストライクのモニターを見ると、直ぐ近くにキラの友人であるトール、サイ、ミリアリア、カズイを目撃した。

 

「生意気なんだよ、ナチュラルがMSなど…!」

 

ジンはストライクに向けて重斬刀を構え、突きを放とうとした瞬間…

 

ドォォォォン!!

 

と音が響き、キラとマリュー、そしてミゲルは音のした方…格納庫があった場所に目を向けると、瓦礫が爆破によって吹き飛ばされたかのように舞っていた。

 

「何だっ!?」

 

「っ、いけない!!」

 

「えっ!?」

 

キラは咄嗟に飛んで来た瓦礫から後ろにいるトール達を守ろうと横からストライクを操作し、トール達を守る。ミゲルは無防備になったストライクに目を向けるが、瞬間、上から何かが迫って来ている事に気付き、咄嗟にジンを動かしてその場を離れる。

 

再び轟音が響き、ストライクとジンの間に何かが現れた。それは、純白に所々赤が入った装甲を身に纏っており、ジンやストライクに比べて腕が少し長く、鋭い爪を持っている…少し獣のような印象を受けるMS。

 

「こ、コイツは…!?」

 

「……ライラプス…?」

 

マリューはその後ろ姿を見てそう呟く。GAT-Xシリーズの六番目のガンダム。ライラプスが、ジンと対面した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は少し遡り、ライラプスのコックピット。

 

「どうして…どうして…?」

 

少年は操縦席で蹲り、どうして、と繰り返していた。その言葉は果たして何に向けられているのだろうか。自分が巻き込まれたこの状況か、助けてくれた軍人の行動や最期か、その両方か…

 

「うっ…ううっ……」

 

少年は涙を流し、まるで寒さに堪えるように身体を震わせて、モニターいっぱいに映る瓦礫の向こうから聞こえる戦闘音から耳を塞いで逃げる。

 

「助けて…助けて……()()()()()…!」

 

そう言った少年はふと、自分の右手首にある赤いリストバンドに目を向けた。

 

「お兄ちゃん……」

 

───()()!早く帰って来いよ、待ってるからな!

 

「───」

 

少年…レンの頭に、家族からの言葉が響く。自分の帰りを待っている家族の声が…

 

「…帰…らなきゃ…そうだ、帰らないと…」

 

レンは震えた手でライラプスの状態を確認する。

 

「何、このOS…?」

 

ライラプスのOSを見たレンは直ぐにOSを書き換え始めた。素早く手を動かし、高速タイピングでライラプスのOSが変化していく。そして…

 

「よし、これなら…!」

 

OSの書き換えが終わったレンはライラプスを動かそうとするも、瓦礫の所為で上手く動けない。

 

「こうなったら、スラスターで一気に…」

 

そうと決めたレンはライラプスのスラスターを一気に最大出力まで持っていき、そして…

 

「え───」

 

次の瞬間、ライラプスは瓦礫の山から飛び出していた。とんでもない推力にレンの思考は一瞬止まり、そして…

 

「う、うゎぁぁぁぁぁぁ!?」

 

飛び上がってから思考と操作が停止し、逆にスラスターを吹かさなくなった結果、今度は落下し始め、レンは姿勢を制御しながら地面に落下した。

 

「うぐっ、うぅ…び、びっくりし、た……」

 

レンはなんとかなったと一息つこうとした所で、目の前にいるジンを見る。

 

「…ざ、ザフトのMS!?」

 

突然のライラプスの出現にミゲルは戸惑っていた。

 

「さ、最後の一機…?誰も乗っていないんじゃ……いや例え誰が乗っていようと、所詮はナチュラル!2機になったところで!」

 

「え?え?……こ、来ないでっ!!」

 

レンは向かって来るジンを見て慌てて操縦桿を動かす、ペダルも踏むと、ライラプスはそれに応えて振り下ろされた重斬刀を横に移動して避ける。

 

「!速い…だけじゃない…ホバー型か!」

 

ライラプスは地面を滑るように移動しており、正面をジンに向けながら下がっていく。

 

「ど、どうしよう…ぶ、武器を壊す…?こっちの武装は…」

 

「逃すかぁ!!」

 

ミゲルはスラスターを全開にして飛び、ライラプスに迫る。するとライラプスはホバーを停止し、止まってジンを待ち構える。

 

「ハァァ!!」

 

ジンが勢いに任せてライラプスにタックルをかますと、受け止めたライラプスは地面を削りながら後退し、少しよろける。

 

「そこだっ!」

 

ミゲルはその隙を突いて重斬刀を横薙ぎに振り払おうとしたが…

 

ガンっ!

 

「な、こいつ、手で!?」

 

ライラプスは右の掌で重斬刀を掴み、グググ…と力を入れる。ミゲルのジンも掴まれた重斬刀を引っ張るが…

 

「馬鹿な、両腕で動かんだと!?」

 

ジンが両腕を使って重斬刀を動かそうとするが、ライラプスの右手に掴まれた刀身が動かない。ライラプスの片腕はジンの両腕と同等のパワーを誇っていた。

 

「なら蹴りで体勢を…!?」

 

崩す、と言おうとした瞬間。バキンッ!!という音がして重斬刀を拘束していた力が消えた。ミゲルは一旦下がって重斬刀を見ると、刀身が半分ほど無くなっていた。

 

「折れただと!?なんてパワー…いや…?」

 

ミゲルが重斬刀の折れた部分をよく見ると、表面が溶けたような状態になっている。そして次にライラプスの右手の爪に手を向けると、鋭い純白の爪が赤みを帯びていた。

 

「ヒートクロー…?刀身が溶けて細くなったところを折られたのか…ちっ!」

 

ミゲルは折れた重斬刀を仕舞い、重突撃機銃を構えた瞬間…

 

「やめろぉぉぉぉ!!」

 

「っ、何!?」

 

キラがOSを書き換えたストライクを動かし、2本のアーマーシュナイダーを持ってジンに突撃する。ミゲルは銃をライラプスからストライクに向け発砲するが、ストライクはそれを避けて一気に肉薄し、アーマーシュナイダーをジンが銃を持つ右腕と胴体の接続部と、首に突き刺した。

 

「止まった…?」

 

レンが右腕をダラリと下げ、動かなくなったジンを見てそう呟くと、ジンからミゲルが出てジェットパックで飛んでいく。

 

「!不味いわ、ジンから離れて!」

 

「えっ?」

 

脱出したパイロットの姿見たマリューは咄嗟にそう指示を出すが、キラは反応出来ず、そして…

 

「あっ…!!」

 

ジンから光が漏れ出るのを見たレンが声を上げた瞬間、ジンは自爆し、ストライクはそれに巻き込まれて吹き飛ばされた…

 

 

 

 

 

「うっ…うぐっ……?」

 

次にマリューが目を開けると、そこにはコロニーの空が広がっていた。

 

「気が付きました?キラっ!」

 

マリューの側にいた少女…ミリアリアがキラを呼ぶ。マリューは身体を動かそうとするが、痛みが走り、顔だけ動かすと近くに黒髪に赤い瞳の少年…レンが居る事に気付くと、キラが近寄って来た。

 

「あ、まだ動かない方がいいですよ」

 

「あ……」

 

「…すみませんでした。何か僕、無茶苦茶やっちゃって…」

 

「お水、要ります?」

 

「……ありがとう」

 

マリューはキラに身体を起こしてもらい、水を飲むとストライクとライラプスの方が声が聞こえてそちらを見る。

 

「お前ら、あんまり弄るなって!」

 

「何でまた灰色になってんだ?」

 

「メインバッテリーが切れたんだとさ」

 

ストライクとライラプスの近くに居るトール、サイ、カズイの姿を見たマリューは、懐から銃を抜いて構えると、近くに居たレンから「ひっ…!」と声が出る。

 

「その機体から離れなさい!」

 

そう叫ぶとマリューは発砲した。

 

「うわっ!?」

 

立ち上がって銃を向けながらストライクとライラプスの方に歩くマリューをキラは慌てて止める。

 

「何をするんです!?やめてください!彼らなんですよ、気絶してた貴女を降ろしてくれたのは!」

 

するとマリューは次にキラに銃を向ける。

 

「助けてもらった事は、感謝します…でもアレは軍の重要機密よ、民間人が無闇に触れていいものでは無いわ!」

 

「何だよ、さっき操縦してたのはキラじゃんか…」

 

「皆、こっちへ!」

 

マリューは銃を向けて指示を出し、キラ達を一列に並ばせるが…

 

「…っ、あの子は何処へ…!?」

 

レンの姿が見えず慌てて周りを見ると、近くの木の陰からマリューとキラ達を怯えた様子で見つめるレンの姿が居た。

 

「こっちに来なさい!!」

 

「ひっ!」

 

マリューがレンに向けて銃を向けてそう叫ぶが、レンは逆に木に完全に隠れてしまった。「うぐっ…」と指示を聞かない事へのほんの少しの苛立ちと、民間人の少年を怖がらせた事に対する罪悪感から苦悶の表情を漏らす。

 

「……誰か、あの子を連れて来て」

 

そう言うとキラがレンを迎えに行き、少し話しをするとレンはキラの後ろに隠れながら戻って来た。

 

「一人ずつ、名前を!」

 

マリューの指示で一人ずつ名前を言っていくが、レンだけは至近距離で銃を向けられる恐怖でまともに喋れず、キラ達も名前を知らなかった為、聞き出すのを諦めたマリューは話し始める。

 

「私はマリュー・ラミアス。地球連合軍の将校です。申し訳ないけど、あなた達をこのまま解散させる訳にはいかなくなりました」

 

『ええっ!?』

 

「事情はどうあれ、軍の重要機密を見てしまったあなた方は然るべき所と連絡が取れ、処置が決定するまで私と行動を共にしていただかざる負えません」

 

「そんなっ…!」

 

「冗談じゃねぇよ、何だよそりゃ!」

 

「従ってもらいます…!」

 

「僕達は、ヘリオポリスの民間人ですよ!?中立です!軍とか何とかそんなの、何の関係も無いんです!」

 

「そうだよ!大体、地球軍がヘリオポリスにいる訳さ!?そっからしておかしいじゃねーかよ!」

 

「そうだよ、だからこんな事になったんだろ!?」

 

パァン!パァン!

 

マリューが銃を上に向けて二発放ち、文句を言うトール達を黙らせる。

 

「黙りなさい!何も知らない子供が…!中立だと、関係ないと言ってさえいれば、今でもまだ無関係でいられる。まさか本当にそう思ってる訳じゃないでしょう?ここに、地球軍の重要機密があり、あなた達はそれを見た…それが今の貴方達の現実です!」

 

「……そんな乱暴な…」

 

「乱暴でも何でも、戦争をしているんです!プラントと地球、コーディネーターとナチュラル。あなた方の外の世界はね…」

 

マリューがそう言い、先程の発砲で頭を抱えてしゃがんでいるレン以外が渋々といった様子で納得し、マリューは頷くと、ある質問をする。

 

「一つ訊きたい事があります…あそこに座っているMS…片方は私とキラ・ヤマト君が乗っていましたが…もう片方に乗っていたのは誰ですか?」

 

「それは…」

 

マリューは立っているキラ達の顔を見るが、その質問を受けたキラ達は一斉にしゃがんでいるレンに目を向ける。

 

「…この子です…」

 

「じょ、冗談でしょう!?この子が、あのMSを動かしたと!?」

 

「嘘じゃねーよ。この子があのMSを動かしてたんだ」

 

マリューは信じられないと言った様子で震えているレンを見る。するとため息を吐き、銃を仕舞うと膝を着いてレンに話しかける。

 

「さっきは怖い思いをさせてごめんなさい…ほら、銃はもう無いから、安心してちょうだい」

 

「大丈夫だよ、この人は僕達を傷付けるつもりは無いから」

 

キラもしゃがんでレンの背中を撫でながらそう言うと、段々と身体の震えが収まり、レンがゆっくり顔を上げる。

 

「あ……」

 

「改めて質問させて欲しいのだけど、あなたの名前を教えてくれる?」

 

「……レン……レン・アスカです…」

 

少年は瞳に涙を一杯に溜めながら、ゆっくりとそう言った。

 

 

 

 




シン・アスカの双子の弟…それだけで素晴らしい事が起こりそうな気がしませんか?因みにレン・アスカ君の性別、性格、血縁関係など諸々の設定は全てルーレットで決まりました。そう、これこそが…Destinyという訳だぁ!
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