「こちらX-304ライラプス。地球軍、応答願います。地球軍、応答願います……うぅ、ダメ…」
マリューからの指示でレンはライラプスに乗り、地球軍へ通信を呼びかけるが、何も返ってこず、ため息を吐いていると、サイ達がトレーラーを運転して戻って来た。
「No.5のトレーラー。アレでいいんですよね?」
「ええそう…ありがとう」
「それで?この後は僕達はどうすれば良いんです?」
「中にあるストライカーパックを…そしたらキラ君、もう一回通信をやってみて」
「はい」
「レン君はストライカーパックの装着を補助してあげて」
「わ、分かりました」
トレーラーのコンテナを開くと複数の武装とバックパックがでてく。
「どれですか、パワーパックって!?」
「武器とパワーパックは一体になってるの、そのまま装備して!」
「えっと…これが右肩かな…じゃあこっちは背中…?」
ライラプスがパックを持ち上げてゆっくりストライクに装着させていく。するとドゴォン!!と爆発音が響き、レンは音の方に目を向けると、爆煙の中からザフトのMSであるシグーと、ガンバレルを失ったメビウス・ゼロが現れた。
「ほう、アレか……」
シグーを駆る白い仮面を身につけたザフトのパイロット…ラウ・ル・クルーゼはライラプスとストライクを興味深そうに見つめる。
「最後の2機かっ!」
そしてメビウス・ゼロを駆る地球軍のパイロット、ムウ・ラ・フラガも2機のMSを確認すると、シグーに向かって突撃し、リニアガンを放つ。
「装備を付けて、早く!!」
メビウス・ゼロとシグーが戦っている間にパックの装着を急ぐキラ。しかしムウの奮闘を虚しく、クルーゼのシグーがメビウス・ゼロの最後の武装であったリニアガンの銃身を切り裂き、ストライクとライラプスに向かって来る。
「今の内に沈んでもらう!」
「お、終わりました!」
クルーゼの発砲と同時にレンがそう叫び、キラは直ぐ様ストライクのフェイズ・シフト装甲を展開し、銃弾を弾く。そしてその瞬間……
ドゴォォォォォォォン!!
先ほどの何倍も大規模な爆発が発生し、その中から白い戦艦が姿を現した。
「新型か…?仕留め損ねたか…!」
「戦艦!?コロニーの中にか!」
「な、何あれぇ…?」
「アークエンジェル…!」
クルーゼは重突撃機銃を現れた戦艦、アークエンジェルはそれを回避すると、マガジンを入れ替えて再びストライクとライラプスに向かう。
「片方はフェイズ・シフトを展開していないな、ならばそちらから…!」
そう言って狙いをライラプスの方に定める。
「伏せて!」
マリューがそう叫び、トール達が伏せるとストライクが皆を守るように立ち塞がる。
「あ、あれ、こっち狙ってる…!?」
銃口が自分に向けられている事に気付いたレンは、側で伏せるトール達を見ると心臓がキュッとなり次の瞬間、ライラプスはホバー移動でストライクやマリュー達から離れた。
「レン君!?」
「ほう、狙いが自分だと気付いたか」
クルーゼはライラプスを空中から追いかけて照準を合わせる。
「えっとえっと、確かこの子は……こうか!」
「逃がさんっ!」
シグーの重突撃機銃から弾丸が放たれた瞬間、ライラプスの上半身が前に倒れ、両手が地面に着き、そしてその瞬間…
ドンッ!
という音ともにライラプスは一気に加速し、シグーの銃撃を回避した。
「何、変形した?」
腕が前足になり、足が逆関節と変形し、バッグパックから頭部を覆うように装甲が変形する。その姿は正に四足歩行の獣だった。
「まるでバクゥだな…!」
ザフト軍の四足のMSの名前を言いながら再び銃撃するクルーゼ。しかし変形し縦横無尽に地面を駆け回るライラプスには掠りもしない。
「いや、この機動性、バクゥ以上の……ちいっ!」
ライラプスの素早さに舌を巻いていると、アークエンジェルからミサイルが放たれ、クルーゼはそれの対処に当たる。するとミサイルの一部がコロニーに着弾し、破壊されていく。
「じょ、冗談じゃない…!」
それを見たキラはストライクを動かし、超高インパルス砲アグニをシグーに向ける。
「待って、それは──!」
マリューが慌てて止めようとしたが、キラはトリガーを引き高出力のビームが放たれ、シグーの右腕を吹き飛ばしたが、そのままコロニーの壁に命中したビームはコロニーに大きな穴を開けた。
「あ、あ……」
キラがアグニの威力の高さに唖然としている内にシグーは開いた穴に向かって飛び、離脱していった。
「あれほどの火力を、MSに持たすとは…」
シグーはコロニーの外へと逃げていき、アークエンジェルが着陸しようとしていた…
着陸したアークエンジェルに乗り込んだストライクとライラプス。キラがストライクの手に乗せていたマリュー達を降ろす。
「ラミアス大尉!」
するとマリュー達に駆け寄って来る軍人達の姿があった。
「バジルール少尉!」
「ご無事でなによりでありました!」
「貴女達こそ、よくアークエンジェルを…お陰で助かったわ」
するとストライクとライラプスのコックピットが開き、中からキラとレンが出て来ると、アークエンジェルに乗っていた人員は驚愕する。
「おいおい何だってんだ、子供じゃねーか。あの坊主達がアレに乗ってたってのか?」
「…っ…!」
「うわっ、レン君…?」
周囲からの視線から逃げるようにキラの後ろに隠れたレン。そんな二人にトール達が駆け寄る。
「ラミアス大尉、これは…?」
「あ……」
マリューがどう説明したものかと二人を見ながら悩んでいると…
「へぇ〜、コイツは驚いたな」
その声て共にその場にパイロットスーツを身に纏った男が現れる。
「地球軍、第七機動艦隊所属、ムウ・ラ・フラガ大尉。よろしく」
「!第二宙域、第五特務師団所属、マリュー・ラミアス大尉です」
「同じく、ナタル・バジルール少尉であります」
お互いに敬礼しながら自己紹介を済ませると、ムウは話し出す。
「乗艦許可を貰いたいんだがね…この船の責任者は?」
「……艦長以下、艦の主だった士官は皆、戦死されました。よって今はラミアス大尉がその任にあると思いますが…」
「えっ!?」
「無事だったのは、艦に居た下士官と、十数名のみです。私はシャフトの中で、運良く難を…」
「艦長が、そんな……」
「やれやれ、何てこった…あー兎も角許可をくれよ、ラミアス大尉。俺が乗って来た船も墜とされちまってね…」
「あ、はい!許可致します」
「で、アレは?」
乗艦許可を貰ったムウは次にキラとレンの方を見て尋ねる。
「ご覧の通り、民間人の少年達です。片方は襲撃を受けた時に何故か工業区に居て…私がG…ストライクに乗せました。しかしライラプスの方は何も分からず、これから訊こうと…キラ・ヤマトと、レン・アスカと言います」
「ふぅん?」
「か、彼らのお陰で先にもジン一機は撃退し、あの2機だけは守ることが出来ました」
「ジンを撃退した!?あの子供達が…!?」
「俺はアレのパイロットになるヒヨッコ達の護衛で来たんだがね。連中は…?」
「丁度、司令ブースで艦長へ着任挨拶をしている時に爆破されましたので、共に…」
「そうか…」
「ですが、一人だけ居ませんでした。どうやら司令ブースに来る途中で逸れたようで…もしかしたらまだ生きているかもしれません」
「あ……」
ナタルのその言葉にレンは自分を助けてくれた軍人の姿を思い出す。そして…
「…その、人は…」
「レン君?」
レンはキラを離し、ゆっくりとムウやマリューの方へ歩くと、マリュー達も近付いて来たレンを見る。そしてレンは懐から日記のような物を取り出すと、ムウに差し出した。
「!これは…」
「フラガ大尉、それは…?」
「ヒヨッコの一人が持ってた日記だ…名前も同じものだし、間違いない。どうして君がコレを?」
「その、僕は昨日ヘリオポリスに来たばかりで…避難場所が分からなくて迷っていたら、それを持ってた軍人さんが助けてくれて、僕をあのMSに…けど軍人は乗る直前に銃で撃たれて…」
「……そうか…この日記は…」
「それは、母親に届けて欲しいと…」
『後、最後に頼みたい事が……その日記、軍の人に届けてくれ、母親に届けて欲しいってね……』
「う、うぅ…」
軍人の最期が再び頭を過ぎるレンは涙目になると、キラ達がレンに駆け寄る。ムウは受け取った日記を見て「そうか…」と呟くと、レンとキラを見つめる。
「な、何ですか?」
「…君達、コーディネーターだろ?」
ムウの発言に周囲は騒然とし、場に緊張が張り詰める。レンがビクリとして再びキラの後ろに隠れると、キラはレンを庇いながらムウを見つめ返し…
「はい」
と言い放つと、銃を持った艦のクルーが銃を構える。レンが怯えると、トール達が二人を庇うように前に立つ。
「何なんだよそれは!」
「トール…!」
「コーディネーターでもキラ達は敵じゃねーよ!さっきの見てなかったのか!?どういう頭してんだよお前らは!」
「……銃を下ろしなさい!」
マリューの指示で銃を持ったクルーは戸惑いながらも銃を下ろす。
「ラミアス大尉、これは…?」
「そう驚くような事でも無いでしょう?ヘリオポリスは中立国のコロニーですもの。戦火に巻き込まれるのが嫌で、ここに移ったコーディネーターが居たとしても不思議じゃないわ…違う?二人とも」
「ええ、まぁ…僕は一世代目のコーディネーターですから…」
「一世代目…!」
「両親はナチュラルって事か…そっちは?」
「あ、ぼ、僕は二世代目です…」
「なるほどね…いや、悪かったな、とんだ騒ぎにしちまって。俺はただ訊きたかっただけなんだよね」
「フラガ大尉…」
「ここに来るまでの道中、コレのパイロットになる連中のシュミレーションを結構見て来たが、奴ら鈍臭動かすにも四苦八苦してたぜ……この日記の持ち主だけは、結構動けてたんだがな…やれやれだな…」
「!大尉、どちらへ?」
「どちらって…俺は被弾して降りたんだし、外に居るのはクルーゼ隊だぜ?」
「「っ!?」」
クルーゼ…その名を聞いたマリューとナタル、他のクルー達は驚愕する。
「アイツはしつこいぞぉ。こんなところでのんびりしてる暇は、無いと思うがね」
その後キラ達は、マリューからの指示で複数のベッドがある部屋で待機していた。キラとレンは疲れからかベッドで眠っている。
「この状況で寝られちゃうっていうのも凄いよな…」
「疲れてるのよ。キラ、ホントに大変だったんだから…レン君も、カレッジの見学に来ただけって言ってたのに…可哀想…」
「……大変だった、か…ま、確かにそうなんだろうけどさ…」
「何が言いたいんだ、カズイ?」
「別に?ただ二人には、あんな事も大変だったで済んじゃうもんなんだなって思ってさ…キラとレン、OS書き換えたって言ってたじゃん?それって何時さ?」
「何時って……」
「キラだって、あんな物の事なんか知ってたとは思えない…レンに至っては昨日ヘリオポリスに来たばっかりだ。じゃあ二人は何時OS書き換えたんだよ?」
カズイの疑問に他の学生達の表情が少し暗くなる。
「キラがコーディネーターだってのは知ってたけどさ。遺伝子操作されて生まれてきた奴等、コーディネーターってのはそんな事も大変だったで出来ちゃうんだぜ?ザフトってのは皆そうなんだ…そんなのと戦って勝てるのかよ、地球軍は?」
その頃、マリュー、ナタル、ムウの三人はこれからの動きについて話し合っていた。
「コロニー内の避難はほぼ100%完了しているということだけど、さっきので警報レベルは9に上がったそうよ」
「シェルターは、完全にロックされちまったって訳か…ああ、けどそんじゃあ、あのガキどもはどうすんだ?」
「えっ?」
「もうどっか探して放り込むって訳にも、いかないじゃないの」
「彼らは軍の機密を見たためラミアス大尉が拘束されたのです。このまま解放する訳にも…」
「じゃあ、脱出にも付き合ってもらうってのか?出てきゃド派手な戦闘になるぞ」
「……ストライクとライラプスの力も、必要になると思うのですけど」
「アレをまた、実戦で使われると!?」
「使わなきゃ、脱出は無理でしょう?」
外に居るのは地球軍でも有名なあのクルーゼ隊。ともなれば、今のアークエンジェルに戦力を出し惜しみする余裕など無かった。
「あの坊主達は、了解してるのかい?」
「今度は、フラガ大尉が乗られれば…」
「おい無茶言うなよ、あんな物が俺に扱える訳無いだろ?」
「えっ…?」
「坊主達が書き換えたって言うOSのデータ、見てないのか?あんなもんが普通の人間に扱えるのかよ?」
「なら元に戻させて…とにかくあんな民間人の、しかもコーディネーターの子供に、大事な機体をこれ以上任せる訳には…!」
「…そんで鈍臭出てって、的になれっての?」
「お断りします!」
そして、キラとレンに再びMSに乗るよう説得に来たマリューだったが、案の定キラに拒絶された。
「僕達をもうこれ以上、戦争になんか巻き込まないでください!」
「キラ君…」
「貴女の言った事は正しいのかもしれない、僕達の外の世界は戦争をしているんだって…でも僕らはそれが嫌で、戦いが嫌で中立のここを選んだんだ!それを…」
「キラさん…」
レンは抗議するキラを見て不安そうな表情をする。
「…レン君、あなたも同じ考えかしら?」
「僕は……」
レンの頭に浮かんだのはあの軍人の姿だった。
『この日記の持ち主だけは、結構動けてたんだがな』
「僕、は……」
すると艦内放送でマリューの名前が呼ばれ、マリューは近くの機械を操作して応答する。
「どうしたの?」
『MSが来るぞ!』
ムウのその言葉に学生達が一気に不安そうな表情になる。
『早く上がって指揮を取れ!君が艦長だ』
「私が!?」
『先任大尉は俺だが、この船の事は分からん!』
「…分かりました。では、アークエンジェル発進準備、総員第一戦闘配備。大尉のMAは?」
『ダメだ、出られん!』
「では、フラガ大尉にはCICをお願いします……聞いての通りよ、また戦闘になるわ。シェルターはレベル9で今はあなた達を降ろしてあげる事も出来ない。どうにか、コレを乗り切って、ヘリオポリスから脱出する事が出来れば…」
「…卑怯だ、貴女達は…!」
「キラ君…」
「キラ…」
「そしてこの艦には、MSはアレしかなくて、今扱えるのは僕達だけだって言うんでしょう!?」
「………」
レンはキラの顔を見た後に、右手のリストバンドを見る。
『早く帰って来いよ!』
『最後まで、君を守らせてくれ』
「……分かり、ました…」
「!レン君…?」
「またアレに乗って…戦えばいいんですよね?」
怯えながらも、どこか決心したような眼差しをマリューに向けながら、レンはそう言った…
「えっと…武装は…」
出撃直前に、レンは先程まで装着されていなかったライラプスの武装を確認する。
「ヒートクローとイーゲルシュテルンは同じ…腰にビームサーベルとビームハンドガンが二つずつ…背中は…二つの大剣…スラスターが付いてる…?後は…レールガンが二つ…」
武装を確認したカタパルトに立ち、発進した。丁度もう片方のカタパルトからもソードパックを装備したストライクが発進する。
「っ…!」
レンはライラプスを変形させ、四つ足の形態から更に腕と足を綺麗に折り畳むと、背中のスラスターが内蔵された対艦刀が翼のように展開され、ライラプスは戦闘機に近い形状になる。
「うぐっ…!?」
「あ、レン君、待って!」
ライラプスのスラスターを全開にするとストライクを置いて一気に加速し、とてつもない速さでジン3機と、イージスに向かって飛んだ。
「オロールとマッシュは戦艦を、アスラン!無理矢理付いてきた根性、見せてもらっ、何!?」
ミゲルは大型のミサイルを持つD装備のジンを駆る二人に戦艦を任せ、自分とアスランでMSをやろうと指示を出したしかし散開する前に、ライラプスが突っ込んで来た。
「避けろっ!」
「ぐおっ!?」
慌てて散開したミゲル達、しかし一瞬反応が遅れたマッシュのジンの左脚がすれ違いさまにライラプスの対艦刀に切断されてしまう。
「くそっ、何て速さだ…!」
ミゲルが自身が駆るジンに装備されたビームランチャーをライラプスに向けて放つが、凄まじい速度で動くライラプスには当たらず顔を顰める。
「オロールとマッシュは戦艦へ、急げ!アスランはもう一機のMSを!」
「ああ、分かった!」
ミゲルはビームランチャーでライラプスを牽制している間に、アスランはストライクへ、オロールとマッシュはアークエンジェルへと向かった。
「はあっ、はあっ…!」
高機動による一撃離脱戦法でミゲルと戦うレンは、ビームランチャーによって破壊されていくコロニーに目を向ける。
「くぅ…やめ、ろ…!」
ライラプスは旋回してジンに向かって突撃する。
「そこだぁ!!」
ミゲルがビームランチャーを放ち、真っ直ぐとライラプスに向かってビームが飛んでいくと、ライラプスは機体を回転させてそれを避け、レールガンを放った。
「なっ、ぐぅ!?」
「やぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
レールガンがビームランチャーに命中し、爆発してジンが怯む。その隙を突いてライラプスは一気に突撃し…
「ぐ、ぐぉっ!?」
ミゲルが咄嗟に上昇するがライラプスの対艦刀がジンの両脚を切断した。そしてライラプスは変形からの急停止、振り向いて落下していくジンに背中からレールガンを肩に乗せるように持って来て構える。
「っ…!」
しかしそこでレンは他のジンに襲われているアークエンジェルに目を向ける。
「あ…行かないと…!」
ミゲルから狙いを外したレンは、再びMA形態に変形してアークエンジェルへと戻って行く。
そしてその時、キラはイージスと対峙していた。キラは先の襲撃でイージスに乗り込んだザフト兵の顔を思い出す。
(まさか、アスラン…?)
そして一方でイージスに乗るアスランも、ストライクに乗っているのがキラなのではないかと疑っていた。
(本当にキラなのか…!?)
ストライクとイージスが交差し、互いに振り返って再び向き合うと、アスランはストライクに通信を入れる。
「キラ、キラ・ヤマト!」
「あっ…!?」
「やはりキラ…キラなのか!?」
「アスラン…アスラン・ザラ!」
「クソッ、マッシュ、オロール!そっちに変形するMSが──!」
「何っ!?」
ミゲルからの通信でマッシュとオロールの2機はアークエンジェルから少し距離を置いて周囲を見渡すと、向かって来る機影…ライラプスを捕捉した。
「コイツっ!」
先ほどの仕返しと言わんばかりに、マッシュがミサイルをライラプスに向いて放つ。ライラプスはMS形態に変形し、ビームハンドガンを持つとイーゲルシュテルンと合わせてミサイルを迎撃するが、何個かのミサイルがコロニーに当たる。
「くっ…!」
右手のハンドガンを戻してレールガンを構えて照準をマッシュのジンに合わせて放つと、左脚を失ったマッシュのジンは回避出来ずに胴体に命中し、爆発した。
「マッシュー!!よくもマッシュを…!ぐぁっ!?」
オロールがマッシュを撃墜したライラプスに気を取られていると、アークエンジェルのゴットフリートがビームを放ち、オロールのジンに直撃させる。
「あ、ミサイルが…!」
しかし撃破直前にミサイルが発射され、あらぬ方向へと飛んでいき、コロニーへ更にダメージを与えてしまった。
「アスラン、どうして君がっ!?」
「お前こそ、どうしてそんな物に乗っている!?」
アスランとキラが言い争っていると…
ゴゴゴゴゴゴ…!
コロニー全体が激しく揺れ始め…そして、次々と地面が割れ、コロニーがバラバラになり始めた。
「不味いわ、レン君!戻って!」
「け、けどキラさんが…!」
「良いから早く!」
マリューはアークエンジェルの近くにいたレンを呼び戻し、ライラプスがアークエンジェルに掴まる。強い風が吹き荒れ、アークエンジェルが揺れ動く。なんとか堪えながらレンがモニターから捉えたのは、遠くでコロニーの外へと追い出されていくストライクとイージスの姿だった…
「コロニーが…!」
一方その頃、ローラシア級戦艦では、崩壊していくコロニーを眺める三人の赤服のザフト兵が居た。
「あらら、派手にやったねえ」
「アスランも勝手に出撃したようですし、大丈夫でしょうか…?」
「アスランなら大丈夫でしょ」
緑髪の髪の少年、ニコルは不安そうに崩壊したヘリオポリスを見つめ、褐色肌で金髪のディアッカは逆に楽観的に見ている。
「けど、アスランらしくも無い…一体どうして…」
「確かに、それは気になるな。あのアスランが勝手に出撃なんて…イザークはどう思う?」
ディアッカはそう言いながら振り返ると、そこには
「さぁ?ラスティの仇を討ちたかったんじゃないのか?」
白い髪の少女…イザーク・ジュールはそう言い放ちながら、崩壊したヘリオポリスをジッと見つめていた……
え?何でイザークが女になってるのって?……コレもDestiny(ルーレット)としか…