「………」
ヘリオポリスが、崩壊した。
「っ…!」
昨日来たばかりで、特に思い入れがある訳では無いが、あっさりと破壊されたコロニーの姿を見てレンは恐怖を感じた。
「はぁ、はぁ…!」
それだけでは無い…レンは操縦桿から手を離すと、震える自分の身体を抑えるように抱きしめる。
「ころ、したんだ…僕が…」
先ほどの戦闘で、アークエンジェルを守る為にジンを一機撃墜した…つまり、中にいるパイロットを殺したという事実が、レンを苦しめる。
『──X304ライラプス、聞こえるか?聞こえたら応答しろ!』
するとアークエンジェルから通信が入り、ナタルの声がコックピットに響く。
「あ………はい、こちらX304ライラプス…」
『ストライクと通信が取れた。お前は先に中に戻っていろ』
「分かり、ました…」
ライラプスはアークエンジェルの中に戻っていった…
補給を受ける為にアルテミスに向かうことにしたアークエンジェル。ムウはキラと話した後、レンを探していた。
「全く、もう一人の坊主は何処にいるのかね〜…っと…」
ムウは歩き回っていると、艦の隅っこの誰もいない空間でボーっと天井を眺めながら座っているレンを見つけた。
「いたいた、レン・アスカ!」
名前を呼ぶとレンは身体をビクッとさせてゆっくりとムウの方を向く。
「こんなとこで何してんだ?」
「ふ、フラガ…大尉…ちょっと、一人に、なりたくて…」
「…そうか…何でもいいんけど、マードック曹長カンカンだったぞ〜?自分の機体は自分で整備しろって」
「じ、自分の機体…?」
「今はそういう事になってるって事さ。実際、アレは君ともう一人の子にしか使えないからな」
「…また、戦うんですか…?」
「そうだな。出来るだけ戦闘は避けるように動いてるが、ザフトがこの船を追って来る以上、戦闘になる可能性は十分にある。そうなったらお前たちが戦ってくれないとこの船は沈んじまう…当然、船に乗った皆も死んじまうんだ…」
「そう、ですか…そうですよね…」
レンはムウの話を聞いて視線を落とす。ムウは、レンの身体が震えている事に気付くと、レンの瞳から涙が溢れた。
「!おい、どうした、大丈夫か?」
「うぐっ…うぅ……ひっぐ……どうして…?」
ムウはレンの隣に腰を下ろし、優しく肩に手を乗せる。
「君も、戦うのは嫌か?」
「ち、ちが…いや、戦うのは、嫌ですけど…そうじゃなくて…どうして、こんな事に、なったんだろうって…」
「……」
「ヘリオポリスに来て、ザフトに襲われて、逃げて、助けられて、目の前で人が死んで、アレに乗って、動かして、戦って、人を殺して……どうして、こんな事になったんですか…?」
「それは……」
「戦争、だからですか…?今日起きた事は全部、
「…そうかもな」
「そんな理由でっ…!沢山の人が傷付いて、命が簡単に奪われて、それが当たり前になるなら何で…!何で…!」
『一緒に行こう、大丈夫。お兄さんが守ってあげるから』
「どうして、あの人は僕を助けたんですか…?」
「────」
そう言って少し泣いてからレンは服の袖で涙を拭うと、目元を赤く腫らしながら立ち上がる。
「!お、おい…」
「格納庫に行ってきます…」
「大丈夫なのか?」
「…多分、大丈夫じゃ、ないです…けど…きっとザフトは、待ってなんてくれないから…」
レンは格納庫に行き、ムウはそれを黙って見送ると眉間に皺を寄せて頭を抱え、ため息を吐いた。
その頃、ローラシア級にいるイザーク、ディアッカ、ニコルの三人はストライクとライラプスの戦闘映像をチェックしていた。
「うおっ、はえー…こりゃD装備じゃ振り回されて戦いにならないな」
「パワーも相当あるみたいですし、この速度で一気に接近されてから接近戦に持ち込まれると厄介ですね…」
「というか、もう一機と戦ってるアスランの動き…少し変じゃないか?」
「ちっ、ナチュラル相手に何をやっているんだ…」
「つってもよー、あの2機結構やるみたいだぜ?変形するやつとか見ろよ、正面から向かって来る時のビームの避け方」
ディアッカは何回か映像を巻き戻してライラプスの動きを確認する。
「例えナチュラルだとしてもミゲルの機体が大破に追い込まれたんです。油断せずにいかないと…」
「だな」
「ふん…」
「大型の熱量感知、戦艦のエンジンと思われます!」
アルテミスに向かっていたアークエンジェルは、同方向に向かう戦艦の存在を感知した。
「横か!同方向に向かっている…!」
「気付かれたの!?」
「だが大分遠い…」
「目標、本艦を追い抜きます。艦特定、ナスカ級です!」
「ちいっ、先回りして、こっちの頭を抑える気だぞ!」
「ローラシア級は?」
「待ってください……!本艦の後方300に、進行する熱源。いつの間に…!」
月の本部に向けてダミーを発射したが、敵の指揮官であるクルーゼはアークエンジェル側の動きを読み切り、アルテミスへ向かう一行の前に立ち塞がった。
「このままでは、いずれローラシア級に追いつかれるか、逃げようとエンジンを使えばあっという間にナスカ級が転身してくるぞ……おい、二艦のデータと宙域図、こっちに出してくれ!」
「何か策が?」
「それは、これから考えるんだよ」
アークエンジェルに警報が鳴り響き、再びザフト軍と戦闘になる事に艦内の民間人達が不安を感じていると…
『キラ・ヤマト及びレン・アスカはブリッジへ!キラ・ヤマト及びレン・アスカはブリッジへ!』
コーディネーターの二人を呼ぶ声が食堂にいるトール達の耳にも入る。
「二人とも、どうするのかな…」
「アイツらが戦ってくれないと、かなり困った事になるんだろうな…」
「…ねえトール、私達だけこんなところで、何時も二人に頼って、守ってもらって…」
「出来るだけの力を持っているなら、出来る事をやれ、か……」
トールがそう呟いてサイとカズイの顔を見ると、二人は頷いた。
「ふぅ……」
パイロットスーツに着替えたレンはヘルメットを両手で持って見つめると、キラが入って来る。
「あっ、レン君…」
「キラさん…」
キラもパイロットスーツに着替え始めると、レンは不安そうにキラを見る。
「ど、どうしたの?」
「その…また戦うことになって…大丈夫なのかなって…」
「あー……戦うのは嫌だけど…皆のことは守りたいからさ……ここに来る途中、トール達に会ったんだ」
キラの話を聞くと、トール達は艦の仕事を手伝う事にしたらしい。なんでも、キラとレンに頼り切りになるのは嫌だったとの事。
「皆やレン君が一緒なんだ、僕だって…」
「…そう、ですか…」
「お!やっとやる気になったって事か、その格好は」
すると既に着替えていたムウが入って来た。
「大尉が言ったんでしょ?今この船を守れるのは、僕達とあなただけだって……戦いたい訳じゃないけど、僕はこの船は守りたい…皆乗っているんですから…!」
「俺たちだってそうさ。意味もなく戦いたがる奴なんざ、そうはいない…戦わなきゃ、守れねーから、戦うんだ」
その言葉にキラは頷くと、ムウも頷いた。
「いよっし!じゃあ、作戦を説明するぞ」
作戦は先ず、ムウがメビウス・ゼロで出撃し、隠密先行してナスカ級に攻撃を仕掛ける。二人はムウが敵艦に奇襲するまでアークエンジェルを守る。という内容だった。
「とにかく、艦と自分達を守ることを考えるんだぞ!」
「はい、大尉もお気をつけて!行こう、レン君」
「は、はい!」
作戦を把握し、ムウと別れた二人はそれぞれの機体に乗り込む。そしてメビウス・ゼロがカタパルトに移動する。
「ムウ・ラ・フラガ、出る!戻ってくるまで沈むなよ…!」
そしてメビウス・ゼロは飛び出して行った。
「ローラシア級、後方50に接近!」
「2分後にメインエンジン始動。ストライク及びライラプスは発進準備!」
『ライラプス、発進位置へ!』
ライラプスが発進位置まで移動し、カタパルトに接続される。レンは深呼吸しながら発進する時を待っていた。
「………」
『戦いたい訳じゃないけど、僕はこの船は守りたい…皆乗っているんですから…!』
『戦わなきゃ、守れねーから、戦うんだ』
「……僕は…」
『キラ、レン君!』
するとブリッジから通信が入ると、ブリッジと繋がるモニターにミリアリアの姿が映る。
「ミリアリア!」
『以後、私がMS及びMAの戦闘管制となります!よろしくね♪』
『よろしくお願いしますだよ…』
キラはミリアリアの言葉に笑みが溢れ、レンも少し緊張が解れる。
『ストライクの装備はエールストライカーを。アークエンジェルが吹かしたら、あっという間に敵が来るぞ、いいな!』
「はい!」
「は、はい…!」
そうしてアークエンジェルがメインエンジンを始動させると、ナスカ級とローラシア級も動き始めた。
『前方、ナスカ級よりMS発進…イージスです!』
『ナタル、お願い!』
『ストライクとライラプスは発進だ!』
『分かりました!…ストライク、発進どうぞ!』
「了解!……ふぅ…キラ・ヤマト、ストライク、行きます!」
ストライクが発進し、反対側のカタパルトのレンも操縦桿を握り締める。
『ライラプス、発進どうぞ!」
「……レン・アスカ、ライラプス、行きます…!」
そしてライラプスも発進し、宇宙へ飛び出していった。ストライクが前に行き、ライラプスは後方を見据える。
「後方より接近する熱源3、距離67、MSです!」
「来たわね…!」
「対MS戦闘、用意!ミサイル発射管、13番から24番、コリントス装填。リニアカノンバリアント、両舷起動。目標データ入力急げ!」
「───機種特定、これは…!?Xナンバー、デュエル、バスター、ブリッツです!」
「何っ!?」
「─奪ったGを、全て投入して来たというの…!?」
新たに参戦して来た3機のガンダムにブリッジが騒然としていると、ストライクとイージスが接敵し、ライラプスは変形して後方3機に向かって突撃した。
「れ、レン君!?」
「敵MS群、散開!」
「迎撃開始!CIC、何をしてるの!?」
ナタルが敵として現れたガンダムに一瞬動揺したが、マリューの声で直ぐさま指示を出す。
「!レーザー照準、ライラプスに当てるなよ、いいな!?」
「はい!」
ミサイルが発射され、レンはミサイルが自身を追い越し、散開した3機に向かって行くのを見ながら考える。
(散らばった…どれを狙おう…?)
『とにかく、艦と自分達を守ることを考えるんだぞ!』
(船を守る…なら…)
レンは操縦しながらライラプスにある他のガンダムのデータを少し確認し、散らばった3機をそれぞれ拡大して見ると…バスターの方に機体を向けた。
「あの火力は危険…!」
「おいおい、アイツこっち来てんだけど!?」
「ニコル、戦艦の注意を惹け!あのMSは私とディアッカがやる!」
「分かりました!」
バスターに向かって行くライラプスを見たイザークは指示を飛ばし、ブリッツがアークエンジェルに向かって行く。
「このっ…!」
ディアッカは近付いて来るライラプスに向けて左腰のビームライフルを連射するが、ライラプスはそれを避けてバスターに突っ込む。
「うおっ!?危ねぇな!」
バスターとライラプスがすれ違い、翼となった対艦刀を避けて再びライラプスを攻撃する。
「本当に速ぇなってか、映像より速くねぇか…?」
因みに前回はパイロットスーツを着ておらずGがマトモに掛かっていた為全速は出していなかった。のでライラプスは今初めて全速で飛んでいる。
「!もう一機…デュエル…!」
「ええい、ちょこまかと…!」
デュエルがバスターの加勢に現れ、ライラプスにビームライフルを放つ。
「一旦距離を取って……そこからどうしよう…?ライラプスは近接主体だし、レールガンは…あんまり意味ないよね…どうにかして接近しないと…!」
ライラプスは転身し、2機に向けて突撃する。するとバスターは肩に搭載されたミサイルを一斉に発射。ライラプスは機体を上に向けて上昇するとミサイルもそれを追う。
「くうっ…!」
変形して急停止しながらビームハンドガンを両手に持ち、前回と同じようにミサイルを迎撃するライラプス。するとバスターが両腰の武器を連結させて超高インパルス長射程狙撃ライフルにするとライラプスを狙撃する。
「当たれっ!!」
「!危なっ…!」
「そこだあっ!」
なんとか避けたが足が止まったところをデュエルが更に追撃すると右手に持っていたビームハンドガンが撃ち抜かれ、爆発する。
「くっ…けど…!」
「何っ!?」
レンは怯みながらもライラプスを動かし、残った左手のビームハンドガンをデュエルに撃ちながら接近する。イザークは下がりながらビームライフルを撃とうとするが…
「させない…!」
その動きを見たレンは即座に右肩のレールガンをデュエルに向け放つと、ビームライフルが撃ち抜かれ爆発する。
「くっ、このぉ…!ナチュラルがっ…!」
イザークは即座にビームサーベルを持ち、ライラプスに特攻するとライラプスは左手のビームハンドガンを投げ捨て、両腰のビームサーベルを抜いた。
「接近戦ならっ…!」
「やあっ!!」
ライラプスとデュエルがビームサーベルを振るい、デュエルは盾も駆使して接近戦を繰り広げる。
「おいイザーク!これじゃ援護出来ねーぞ!」
『こんな奴、私一人で十分だ!お前はアスランとニコルの方に行ってろ!』
「ああもう、気をつけろよ!」
イザークの言葉を聞いたディアッカはアークエンジェルの方に向かう。
「あ、狙ってた方が…!ぐっ…!」
「貴様の相手は私だっ!!」
その後、再び対峙していたキラとアスラン。アスランがキラを必死に説得しようとしていると…
『アスラン、大丈夫ですか!?』
「っ、ニコル!?」
「!X207、ブリッツ…!」
そこにニコルが駆るブリッツが現れ、ストライクを攻撃し始める。更に…
「何やってるんだアスラン、ニコル!頭を抑える!」
バスターまで現れてストライクを狙う。
「くっ…!?」
「ストライクの援護は!?」
「この混戦では無理です!」
「前方、ナスカ級よりレーザー照射感あり。本艦に照準、ロックされます!」
「っ、艦長!」
「ライラプスを呼び戻して!ストライクを援護させるのよ!」
そして前方にいるナスカ級は、アークエンジェルに向けて主砲を放とうとしていた…
『レン君、キラが囲まれてる!』
「っ!」
ミリアリアの言葉を聞いたレンはキラが居る方に目を向けるが、デュエルが向かって来る。
「いい加減墜ちろっ!」
「─っ…邪魔っ!!」
ライラプスは右手のビームサーベルを捨てると背中の対艦刀を握る振り抜く。
「なっ、ぐああっ!?」
デュエルは咄嗟にシールドを構えるが、スラスターで加速した対艦刀はシールドを切断してデュエルの左腕ごと切り裂く。
「キラさんっ…!」
そしてデュエルの蹴って踏み台にし、距離を離すと同時にストライクの方へ飛び、変形して一気に加速した。
「ぐあっ、く、くぅぅ…!アイツ…!」
そしてイザークは自分を足蹴にしたライラプスを睨み、損傷など気にせずに後を追った。そして…
「フラガ大尉より入電、作戦成功。これより帰投する!」
フラガは作戦を成功させ、ナスカ級に損傷を与えた。その事にブリッジが湧き立つ。
「気を逃さず、前方ナスカ級を撃ちます!」
「ローエングリン1番、2番、斉射用意!」
「フラガ大尉に空域離脱を打電、ストライクにも射線から離れるように言って。ライラプスは!?」
「ストライクの援護に向かっています!合流までおよそ50秒!」
ローエングリンが起動すると、アスラン達にナスカ級から指示が出る。
「ヴェサリウスが被弾…!?」
「何故っ!?」
「俺たちに撤退命令…!?」
アスラン達が一瞬動揺した隙にストライクは距離を取る。そしてローエングリンが発射された。
「熱源接近、方位、000。着弾まで3秒!」
「右舷スラスター全開、躱せ!!」
クルーゼが素早く指示し、ナスカ級が動くが、艦の左側が被弾する。
「ナスカ級、本艦進路上より離脱!」
「ストライクとライラプスに帰還信号を、アークエンジェルはこのまま最大船速でアルテミスに向かいます!」
アークエンジェルが帰還信号を放つ。
「あっ…!」
「帰還信号…!?くっ、待て、キラっ!!」
信号を見てアークエンジェルに戻ろうとするストライクを見て、アスランが追おうとすると、イージスの目の前をレールガンの弾丸が横切り、咄嗟に止まる。
「くっ、ライラプス…!」
「レン君っ!」
『キラさん、捕まって!!』
ライラプスはMA形態のまま腕だけ変形してストライクに伸ばし、ストライクはライラプスの手を掴むと、ライラプスがストライクを連れて一気に離脱する。
「大丈夫ですか、キラさん!?』
『あ、ありがとうレン君…あ、バッテリーが…』
するとストライクのバッテリーが切れ、機体が灰色になる。
「ギリギリ、でしたね…」
『うん…助けに来てくれて、本当に助かっ…レン君、前!』
「っ!」
二人が安堵していると、目の前から左腕を失ったデュエルが向かって来た。
「逃すかぁぁぁぁぁ!!」
「っ!」
『れ、レン君、うわっ!?』
向かって来たデュエルを見たレンは変形してストライクをアークエンジェルの方へ投げるとデュエルと向き合う。
「貴様はぁぁぁぁぁ!!」
「───邪魔って言ってるでしょ…!」
「なっ…!?」
ライラプスはビームサーベルを振ろうとしていたデュエルを右手を左手で掴み、右手でデュエルの首を掴んだ。
「こい、つぅ…!!」
するとギチギチと音が鳴り始め、ライラプスの左手がデュエルの右手を
「鬱陶しい…!」
そのデュエルの頭をライラプスは首を引きちぎって胴体と分離させる。デュエルの頭を投げ捨てると、対艦刀を引き抜き、デュエルのコックピットに向ける。
「コレで…!」
「やめろぉぉぉぉぉぉ!!」
するとイージスがライラプスに向かって来る。ビームサーベルを引き抜きライラプスに向けながらスラスターを全開にして特攻するとライラプスはデュエルを手放し、イージスの攻撃を避けた。
「イザーク!」
イージスが盾を構えてデュエルを庇うと、ブリッツがデュエルを回収して撤退していく。
「ちっ…!」
遠くから飛んで来るバスターの攻撃を避けながら撤退していくイージス達を見るとライラプスは変形してアークエンジェルに戻っていった…
そして戦闘終了後、ムウはストライクのコックピットから降りて来なくなったキラに声をかけ、コックピットから出すと、ライラプスの方を見るが、ライラプスは既に誰も乗っていなかった。
「もう一人の坊主は?」
「アイツなら直ぐに降りてどっか行っちまいましたよ」
「ふーん…ま、アイツも後で褒めてやらないとな」
「う、ゔぇ…お゛え゛っ…」
そしてその時…レンはトイレで嘔吐していた…胃の中のものを吐き出し、全身から汗を出しながら激しく呼吸すると、先程の戦闘の事を思い出す。
(あの、時…僕、は……デュエルを…!)
先ほどの戦闘…レンはデュエルに対して明確な殺意を抱いていた。バスターを倒そうとすると邪魔され、ストライクの援護に向かおうとした時も邪魔しようとした。それが鬱陶しく感じ、そして…
(あの、時、僕は…何の、躊躇も無く、デュエルのコックピットに、武器を…!)
もし、イージスが間に合わなかったらどうなっていただろうか。対艦刀がデュエルのコックピットに刺さっていたらと、中のパイロットの事を考えると寒気が収まらない。
「はぁっ…はぁっ…
そして再びレンは疑問に思う。どうして、と自分に問いかける。
「
その疑問に答えてくれる存在は、居なかった……
この主人公怖くね?おかしいな!挿絵じゃ可愛く写ってたのになー!!