刀剣乱舞〜時を繋ぐ音色〜   作:國光麻弥

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お待たせいたしました。
序章から始まった刀剣男士達と歌姫達の物語、その1話目です。
どうぞ、お楽しみください。


第一話

 

時の政府の要請ににより2025年に刀剣男士が送り込まれることとなった。

しかもその数は四十六振り、なぜこんな中途半端な数字なのか主、ユウマですらもわからない。

通常の任務とは異なるとはいえこの数は異常だ。

一体、時の政府は何を考えているのやら・・・

一抹の不安は抱えつつもユウマは2025年に送り込む刀剣男士を1人ずつ送り込むことになった。

「いい?出陣する皆にはこれから通信機器を渡すから。いいかい?絶対に無くさないように!2025年にはないものだから」

そう言って出陣予定の四十六振りにはすでに通信機器を渡している。

あとは誰が先陣を切ってもらうかだ。

先陣を切るのは誰かを皆戦々恐々として思いを巡らせているだろう。

誰を選べばいいのかとりあえずわからないのでくじ引きによって決めることにした。

これには一部からは不満の声も上がったが、厳正なる判断ができるからというユウマの説得に皆渋々納得してもらった。

厳正なる籤引きの結果、先陣に決まったのは藤四郎兄弟の一振り、鯰尾藤四郎(なまずおとうしろう)である。

「主、ありがとうございます。先陣として俺なんかを選んでくれて」

鯰尾は主であるユウマに頭を下げていった。

「いや。君ならこの任務をこなせると思ったからこそ選んだんだ。だから頑張っていっておいでよ」

 

「鯰尾、私も後から行きます。通信機器を使えば簡単な通話が可能可能です。到着次第、合流しましょう」

藤四郎兄弟の兄、一期一振(いちごひとふり)が鯰尾に言った。

 

「はい!では、俺、行きますね!」

こうして鯰尾は勢いよく2025年へと旅立っていった。

 

【鯰尾、着いた?】

鯰尾が目を開くと渡された通信機器からユウマの声が聞こえる。

 

「はい!無事着きましたよ。主」

元気よく答える鯰尾。

未来である2205年とは異なり、2025年には森も少なく高いビルなどの構造物が見える。

【今どこにいるか把握できる?】

鯰尾は辺りをぐるりと見渡す。

鉄棒や滑り台、砂場が見えた。どうやらここは公園らしい。

「えーっと公園ですね!」

 

【ん、よろしい。今のところ敵の反応もなさそうだ。近くに敵がくれば通信機器に搭載されているブザーがなるからね】

ユウマは言った。

時の政府より

「あっ、主、綺麗な夕焼けが見えますよ!」

眼前に広がるのは綺麗な夕焼け空だった。

元いた2205年でも夕焼けを見ることはできるが、高いビルなどの構造物と共に映る夕焼けはそうそう見ることはできない。

鯰尾は生まれて初めて見るその光景に興奮していた。

【いいなぁ。何かに収められる?】

「あっ、じゃあこの端末使いますね!」

とは言ったものの、使い方がよく分からない。

渡された通信機器の説明は一通り聞いている。

見た目こそ、2025年に一般的に流通している携帯電話、いわゆるスマートフォンだ。

通信以外の機能のあるというがそのような説明を詳しくは受けていない。

「えっと、どうやって撮ればいいんだろ、これ」

そうこうしていると、遠くの方から誰かがやってくるのが見えた。

うすいピンクの髪で学生なのだろうか、学生服を着ている少女だった。

「あの、どうかしたんですか」

 

「えっ!あっ、こんな綺麗な夕焼け見るの初めてでカメラに収めようとしてて・・・・・・」

 

「え?どこにでもある普通の夕焼けだと思うけど。じゃあさ、このカメラってとこ押せばいいよ!そしたら上手く撮れると思うから」

 

「ありがとうございます!実は俺、この端末使うの初めてで」

 

「えっ、そうなの?」

彼女は驚いていった。

見た目は自分と同じぐらいか少し幼く見えるこの男の子が使ったことがないなんてことはあまり聞かないからだ。

しかし、きっと買い替えたばかりで使い方を知らないのだろうと思った。

「なら、いろいろ教えてあげる!私、上原ひまり。貴方は?」

 

「えっと、俺は」

その時だ。ビービーと通信機器がなった。

鯰尾は慌てて画面を見るとそこには時間遡行軍(じかんそこうぐん)襲来の文字が表示されている。

そして、ひまりの背後から黒い影が忍び寄っているのが見えた。

遡行軍の一体が刀を抜き今にも襲い掛かろうとしているではないか。

「ひまりさん、危ない!!」

鯰尾はひまりに覆い被さるようにしてその攻撃を避けてみせた。

「えっ、いきなりなになに!?」

 

「くそっ、奴ら隠れてたんですね!」

鯰尾があたりを見渡すと、すっかり遡行軍に囲まれてしまった。

数はそれほど多くはないのは幸いだが、こちらは少女が1人いる。

決して状況はいいとは言えない。

「全く、正気の沙汰じゃないですね!見られたらどうする気なんでしょうか」

 

【あぁ、全く同感だ。とりあえず、すぐ援軍を送るからその場で持ち堪えてくれ!】

 

「ひまりさん。今からいうことを聞いてください」

 

「もしかして最近噂になってる化け物ってこいつらのこと?危ないよ、君!け、警察を呼ぶ?」

ひまりはスマホを取り出し110を押して通報しようとした。しかし鯰尾は切るボタンを押して首を振った。

「ダメです。普通の人には勝てません。大丈夫、こいつらは俺がやっつけます」

 

「そんな!絶対危ないよ!」

 

「大丈夫です、俺を信じてください!」

鯰尾はそういうと服の懐から組紐を取り出して彼女の手首に巻いた。巻いた瞬間に組紐は手首から消えてしまったが、手の甲には何やら紋章が浮き出た。それは夕焼けの太陽だった。

「ねぇ君、今、何したの?」

 

「後で説明します!」

そういうと鯰尾は刀を抜き遡行軍と向かい合った。

遡行軍の数はさほど多くない。4体ほどだ。

ジリジリと詰め寄られているが、慌てず落ち着いて処理すれば問題ない。

えい、と刀を振り先程攻撃を繰り出してきた太刀の遡行軍を意図も容易く切り伏せた。

続いて打刀の遡行軍と向き合うと、刀を振り下ろすよりもはやく切り伏せる。

残るは短刀の遡行軍が二体、よし、簡単に終わらせることができる!と思ったその時。

公園の奥から槍を持った遡行軍がやってきて槍を振り上げ攻撃してきた。

「えっ、あ、新手ですか!?」

刀で受け止め交わしたが、その場から吹っ飛ばされてしまう鯰尾。

このままではひまりさんが危ない!

「はあっ!」

槍の遡行軍が突如として斬られた。

そこにいたのは空色の髪をした優しそうな青年、鯰尾の兄であり、藤四郎兄弟の長男、一期一振であった。

「大丈夫ですか、鯰尾」

 

「いち兄!!」

 

【ふーっ、いいタイミングできてくれたよ。二人とも問題はなさそうかい?】

 

「ええ、この数なら私達で充分です」

「さぁ、突撃ですよ!」

2振りの兄弟刀は周囲にいる遡行軍を次々と切り伏せていく。その姿はまるで兄弟のように息がぴったりである。

「すごい」

ひまりは驚いた様子で言った。

普通の人間じゃこんな動きできっこない。

どおりで警察では手に負えないと彼がいうわけだ。

「これでおしまいです!」

最後の一体を鯰尾が斬り捨て周りには敵はいなくなった。

【遡行軍の消滅を確認。付近にもいないみたいだ。よくやってくれたよ二人とも】

 

「大事ないですか、鯰尾」

「はい!いち兄こそ!どうしてここが」

 

「それは私の「ひまり!大丈夫か!」おっと、来たようですね」

 

「巴!」

走って声をかけたのはひまりと同じ学生服を着ている赤髪の少女だった。

どうやら二人は友人らしい。

「えっ!もしかして、この人が」

 

「ええ、あの方が私の仮の主になった宇田川巴さんですよ」

一期一振は笑ってそう言ったのだった。

 

続く




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