刀剣乱舞〜時を繋ぐ音色〜   作:國光麻弥

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お待たせしました。
第四話を投稿します。
今回新たにコンビが生まれるのはどんなコンビなんでしょうか・・・


第四話

その頃、本丸では新たに2025年に召喚される刀剣男士の選別が完了していた。

この度任務を拝命されたのは骨喰藤四郎だった。

 

「気をつけて行っといでよ、骨喰。先に兄弟達も向かっていってるだろうから」

 

「あぁ、兄弟には早く会いたい」

そう言って骨喰は頷いた。

「気をつけてね」

ユウマに優しく背中を押され、彼は過去へと旅立っていった。

 

骨喰がついた場所は街の路地裏だった。

彼が辺りを見渡すどうやら何も不思議なものはない。また、幸いなことに誰も周りにはいないようだ。

【こちら本丸、聞こえるか、骨喰】

 

「あぁ、聞こえてる」

 

【そこは商店街の裏路地だ。まずは裏路地を抜け、表に出てみなよ】

 

「しょうてんがい?」

聞きなれない言葉を聞き、骨喰は首を傾げた。

【あーそうか、分からないよね。昔の市みたいな場所だ。色んな店が並んでるんだ】

 

「そうか、そんな場所がこの時代にもあるのだな」

骨喰は言った。

 

【おや、近くに今一期一振がいるよ、会えないかどうか聞いてみるよ】

 

「分かった。いち兄と接触できるなら接触したい」

そういうと骨喰は路地裏から出た。

路地裏から出ると、日が照りついている大通りへと出た。

しかし、道ゆく人は刀剣男士が見えないので人々は骨喰には気に求めずスルーしていく。

(まだ誰も俺を認識できるものはいないのだな)

骨喰は少し寂しい気持ちになった。

この気持ちに覆われたのはおそらく顕現した直後以来だろう。

彼は一度火事で焼け切れたことで記憶がない。初めてユウマに会った時、記憶がないことを彼に詫びた。過去の経験というものがトラウマになっていたのだ。

しかし本丸で兄弟達と出会い、ユウマと交流を深めていったことで過去に対するトラウマは少しは解消された。

「骨喰、来ていたのですね」

と、ここで一期一振が巴と共に骨喰藤四郎に会いにきた。

「あぁ、いち兄」

ようやく自分を認識してくれる対象がいて骨喰は少し元気が出てきた。

「おっ、この前会った鯰尾とは違う兄弟か」

顔を見るなり巴は言った。

「誰?」

 

「私の仮の主の巴さんです、あなたにはまだ仮の主は?」

 

【彼は今、きたところだからね、探してるとこだろ?骨喰】

 

「あぁ、だが誰も俺を気にも留めない。まだいないようだ」

 

「そうですか。なら探すとしましょう」

 

「なぁ、仮の主ってのはどうして必要なんだ?」巴が疑問を投げかけた。

一期一振と出会った後、刀剣達を視認できることが仮の主の条件とされた。しかしそれだけでは自分やひまりがどうして選ばれたのか説明がつかない。どうしてなのか、改めて聞いてみた。

 

「私達刀剣男士は本来なら主、審神者と呼ばれる者達の力が必要です。しかし、今現在、未来では時空の乱れが生じその力が断ち切られようとしています。そうなってしまうと本来の実力が発揮できません」

 

【だから力を繋ぎ止めるために仮の主が必要ってことだ。紋章が浮かぶのはその証。遠い未来、巴ちゃんやひまりちゃんの子孫が審神者になってるかもしれないよ】

 

「そうかなぁ、あたしにはよく分からないけどな」

巴は言った。

 

「いずれわかりますよ。さて、主を探しに行きましょうか」

 

「あぁ、よろしく頼む、一兄」

骨喰は頭を下げ、商店街を探し歩くことにした。

 

一方その頃、偶然にも山姥切国広はこころともに町に繰り出していた。

「あそこにいるのは骨喰藤四郎か」

遠くから骨喰藤四郎が歩いてくるのが見えたので、彼はそう言った。

「あら、国広と同じで刀を差しているわね。国広のお友達?」

こころにお友達と言われて国広はそうではない、と首を振った。どちらかと言うと同僚と言ったところだな、と答えた。

同じ刀剣男士だが向こうは粟田口でこちらは国広、打った刀工がまず違う。

「同じ刀剣男士だ。一期一振もいるようだが・・・・・・あの赤い髪は誰だ?」

 

「巴だわ!私の友達よ!おーい、巴!」

 

「あれ、こころじゃないか!」

巴は驚いて言った。

 

【おー、二人は知り合いだったか。これでネットワークが作りやすいよ】

 

「まさかこんな近くに別の仮の主人がいるとは、偶然ですかね」

 

「全くだ。ところで、お前達はこんなところで何をしている」

国広は言った。

「今し方きたばかりの骨喰が主を探してまして」

 

「つまりお友達を探しているわけね!」

一期一振の説明を聞き、こころは言った。

友達を探すということならばそこまで苦労することはないのだろう。

「いえ、友というよりは主をですな」

ぐいぐいと来るこころにやや押され気味の一期一振をみて国広が助け舟を出す。

「先走るな、鶴巻」と言い、彼女を制する。

 

「もしかして、こころ達も一緒に探してくれるのか?」

巴は言った。

 

「いや俺は別に」

そうやって国広は去ろうとしたが、その腕をこころは掴んで

「勿論よ!それじゃ、主を探しに行きましょう!」

と言った。

やれやれ、またか、と国広は思った。

初めて会った時からこいつには随分と振り回されっぱなしだ。写しには寝床はいらないと言っても寝床は用意され、さらに謎の黒服達に命令一つするだけで彼らはなんでもいうことを聞く。

全く恐ろしい人間だ、と国広は心のうちで震え上がっていた。

こうして3振りと2人は骨喰のために街を歩くことにした。

道すがら商店街についての説明を受けていると、一軒の店の前まで来た。

「ここは精肉店だ。商店街の人は大抵ここで買ってるんだ」

【ふむ、いろんな種類の肉があるな。牛すきでも食いたいね。何か一つ買ってくれない?】

 

「この時代に小判はないぞ、主」

骨喰は呆れていった。

 

【お、そういやそうだったな】

 

「あーこころんに巴!」

と、店の扉が開くと少女が出てきていった。

見るからに快活で活発な少女だと骨喰は思った。

「もしかして、お知り合いですか」

一期一振が言った。

「はぐみよ!私のお友達なの!」

こころが言った。

 

「どうも!北沢はぐみです!お兄さん達、コロッケどうぞ!」

差し出されたのはいま出来たばかりなのだろう、熱々のコロッケだった。

「ころつけ?」

「初めて見るな」

「どういう食べ物なんですか?」

三振りは初めて見る食べ物に少し困惑している。それもそのはずだ、コロッケというものが日本に伝来したのは彼らが生まれてからずっと後のこと。基本的に本丸では洋食よりも和食を出すようにしている。これはユウマが洋食よりも和食を好むからなのと、現代に溶け込む必要のない刀剣には

「あれ?お兄さん達コロッケを知らないの?」

はぐみは首を傾げた。

【ちょっと待って!君、視えてるよね】

 

「えっ?なになに?あ、お兄さんもコロッケ食べたいの?どこに住んでるかわかったらはぐみ、届けに行くよ」

 

【それをいうならどこじゃなくていつって言って欲しいね・・・・・・】

 

「え、どうして?」

 

 

 

「はぐみ、この人とお友達になるのよ!」

 

【こころちゃん、だからお友達じゃ】

と言い出そうとしたその時だ。

ビーッ!ビーッ!と警報音が鳴った。

付近に時間遡行軍がやってきたことを知らせる音である。

どこからやってくるのか、3振りは刀を構えそれぞれの主を守る。

「すまない。急なんだが、こいつを手首に巻いてくれるか?」

 

「え、何何?はぐみにプレゼント?いいよ」

はぐみはそう言って何の躊躇いもなく手首に巻いた。

【何の躊躇いもなく普通に巻いたよ、この子】

何の躊躇いもなく巻く光景を見てただ驚くユウマ。

手首に巻かれた組紐が消えるとはぐみの手の甲に紋章が浮かび上がる。それもこころと同じミッシェルの紋章だった。

「あら?はぐみにもミッシェルの紋章が出ているわ」

 

「本当だー!ミッシェルの紋章だ!ねぇねぇ、これ何?」

 

「説明は後で主からある」

奥の方からきゃーっ、化け物と叫ぶ声がして遡行軍がやってきた。

「数が少々多いようですね」

一期一振が言った。

太刀が3体、短刀、脇差、打刀がそれぞれ2体ずついるようだ。

練度はさほど高くなさそうだが、それでもこれまでと比べると数が多く苦戦しそうではある。

「仮の主が増えたおかげで敵の数も増えたのか」

 

「問題ない。敵は全て叩き切る!」

戦いの火蓋は切って落とされた。

まず太刀達が刀剣男士に襲いかかる。

が、骨喰はその内の一体に乗り大きく跳躍し、振り向きざまに首を切り落とした。

山姥切国広と一期一振は太刀の攻撃を刀で受け止めるとはあっ、と呼吸を合わせ押し返しそのまま切り伏せた。

一瞬怯んだ仕草を見せる遡行軍だったが、骨喰が先行して脇差の一体を瞬時に切り伏せる。

ついで、短刀が打刀と共に骨喰に斬りかかろうとするが、山姥切が素早く骨喰の前に立ち、一太刀で2体を切り伏せ、さらにもう一太刀を打刀に浴びせた。骨喰も残っていた短刀に攻撃を浴びせ難なく撃破した。

残った打刀はあまりの強さに撤退しようとする、が、

「逃しませんよ!」

一期一振が退路に回り込むとそのまま一太刀の元に切り伏せてしまった。

2人の、いや、3人の主はあっけなく破れ去る遡行軍を見て驚くことしかできなかった。

「問題なく片付きましたね、骨喰にも主ができたようですし」

 

【結果よければ全てよしだな。にしても敵ははぐみちゃんを狙ってたのかな】

ユウマは遡行軍の動きが気になるのか訝しんでいった。

「奴らは仮の主になりそうな素質あるものを狙っているんじゃないのか」

 

「ええ、それはあり得ますね」

一期一振が頷く。

「最初にここにきた時、敵は何かを探していて遭遇しました。それが巴さんだったとしたら」

 

「敵の動向には今後も注視した方が良さそうだな、主、皆にそう伝えてくれ」

 

【あぁ、伝えておくよ。そうだ。仮の主人になった三人ともいいかな?】

 

「はい、どうしました?」

 

【何かこう、繋がれるようなものないかな?それがあればいつどこに敵が現れたとか情報を共有できそうなんなけど】

 

「それはとてもいい考えだわ、ユウマ!早速黒服さん達に伝えておくわね!行きましょう、国広!」

 

「いや、奴らに頼まずとも」

が、しかしもう遅かった。

こころは思い立ったらすぐに行動してしまう。

あまりの速さにユウマは驚くしかなかった。




第四話いかがだったでしょうか?
感想、コメント、お待ちしてます。

はぐみと骨喰をコンビニしようと思ったのは天真爛漫なはぐみと感情がない骨喰が対照的でいいなぁと思ったからです。
これからどんなコンビになるのか自分も今から楽しみです。
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