刀剣乱舞〜時を繋ぐ音色〜   作:國光麻弥

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お待たせしました、第六話を投稿します。


第六話

 

様々な刀剣男士が過去へとゆく間に宗三左文字の番がやって来た。

「刀は必ず主の元へと帰ると言いますが、僕で本当にいいんでしょうか」

相変わらず後ろ向きなことを言う宗三にユウマはやれやれと言う顔をして

「宗三、そう言わないで。君も暫くは籠の鳥ではなくなるんだから」

と言った。

宗三はいつもこんなことを言ってユウマを困らせている。

と言うのもその刃生に原因があると思われる。

本能寺で焼けた時のことや、今川から魔王と呼ばれた信長に渡り、天下人の元を転々とする数奇な運命にあったことが大きく起因しているのだろう。

籠の鳥であると自称しいつも後ろめたい発言をするのが、宗三左文字という刀剣男士だ。

「まぁ、それはありがたいですが。お役に立てるかは分かりませんよ」

またしても後ろめたい発言をする宗三にユウマは優しく言った。

「それは君が出会う主次第だ。ほら、シャキッとしていっておいで。お小夜も後から行くんだからからね」

 

「では行ってまいります、お小夜も気をつけてね」

 

「はい、宗三兄様、お気をつけて」

弟の小夜左文字の鼓舞する声を聞き身を引き締め、宗三左文字は過去へと飛んだ。

 

2025年

カーカーと、カラスが鳴き、大勢の人々が往来している。

宗三はそんな町の片隅の一角、人気のない路地へとやってきた。

「宗三です、主、聞こえますか」

 

【聞こえてるよ】

ユウマは言った。

【無事着いたみたいだね、君のいるとこは誰もまだきたことがないところみたいなのが気にかかるけど】

 

「それはつまり・・・情報がないと言うことですかね、はぁ、やはり僕は」

 

【そう落ち込まないで。けど、どんなとこかはわかるよ。近くに学校があるみたい。今の時間的には放課後だから、生徒達が家に帰宅するところだね】

宗三は各自に持たされている懐中時計を見やる。

時計は17時30分を回ったところだった。

 

「学校、ですか」

以前ユウマから子供達が通う学びの場所だと聞いたことがある。

ユウマのような人間はかならず

昔で言う寺子屋のようなものらしいが、詳しいことはよく知らない。

とにかく子供の学びの場という知識しかまだ彼にはない。

【宗三、仮の主は君が視えることが重要だからね、化け物は見えてても刀剣男士まで見えてるとなると】

ビーッ、ビーッ!

突然無線機が鳴った。

「時間遡行群接近中」との文字が現れる。

近くに時間遡行軍が接近しているようだ。

 

【大変だ。ここからそう遠くないけど下校中の生徒が巻き込まれてるみたい」

「分かりました、直ちに向かいます。そこまで指示お願いします」

宗三はそういうと駆け足で現場に向かった。

道中、的確な指示をユウマが伝える。

【宗三、次の角を左だ】

「はい」

 

【その次はまっすぐ!】

「はい」

 

【次を右に曲がれば着くよ】

「はい」

 

非常に的確な指示をユウマが行ったおかげで宗三は迷うことなく時間遡行軍の元へ辿りついた。

ついて早々、宗三は物陰に隠れ様子を伺った。

敵は目の前の学生に目を取られているらしく、まだこちらには気がついていない。

数は3体、大太刀と短刀に打刀だ。

白い髪の女子生徒と思しき人物が怯えてうずくまっている。走ってきたのだろう、彼女ははぁはぁと息をあげているのが見える。

敵はさほど多いとは言えないが、学生を守らなければならない。

状況は不利と言える。

しかし何故下校中の学生が襲われたのだろうか。

いや、よそう。

考えるのは敵を倒してからだ。

「さて、参りますか」

背中から切るのは少し卑怯な気がしたが、相手は時代を改変しようとしている輩だ。

そんなことは言っていられる状況ではない。

宗三は後ろから切り掛かると、そのまま相手を飛び越えて残る二体と向き合った。

 

「怪我、ありませんか?」

怪物に怯えていた彼女、倉田ましろは驚きと安堵のあまり宗三の問いかけに声が出せなかった。

いつものように帰宅しようとしていた時、突然後ろから見たこともない化け物に襲われ走ってあげてきた。誰か、助けてと声をあげても助けようとするものはその化け物の見た目から声をあげて逃げてしまっていた。

走り続けたが息が切れ、へたり込んでいると周りを化け物に囲まれてしまった。

だめだ、もうおしまいだ、このまま私は殺されてしまう!

そんな時だ。

後ろから化け物に切り掛かって、そのまま飛び上がると、残る二体の化け物に向き合い、自分に問いかけてきた。

「えっと、そのあの」

混乱しているましろに宗三はふっと笑みを浮かべる。

「大丈夫、すぐに終わらせます。まずはこれを手首に巻いてください」

言われるがままましろは手首に紐を巻いた。不思議なことに紐は一瞬にして消えてしまい、手の甲に蝶の紋章が浮かび上がった。

 

「あの、これは一体」

 

「そのことについてはあとでゆっくり話しましょう」

そういうと、宗三は残る二体の遡行軍と対峙した。

短刀と打刀の攻撃を交わすと、まず短刀を一刀両断してしまった。続いてて打刀が再び切り掛かってきたが、その攻撃を払いのけ、そのまま斜め左から切り裂いてしまった。

あまりの鮮やかな動きにましろは思わず見入ってしまっていた。

【鮮やかな手並みだったよ、宗三】

「いえ、そんなことはありませんよ」

籠の鳥の自分でも退けられたということは今回は練度の低い相手のためか。

もしこれが練度の高い相手であったならば、自分1人ではどうしようもなかっただろう。そう考えると背筋が凍る思いがする。

【謙遜しなくていいから君の強さは僕が1番知ってるから】

 

「はい、ありがとうございます」

そういうと宗三はましろのほうをむく。

「もう心配ありませんよ、立てますか?」

ましろに近づき手を差し伸べて彼は言った。

「は、はい」

ふらふらとよろめきながらも差し伸べられた手を取りましろは立ち上がる。

「初めまして、僕は宗三左文字と言います。あなたは?」

「く、倉田、倉田ましろです」

 

「ましろさん、ですか。僕が視えているということは貴方には特別な力があるようです」

 

「えっ、そうなんですか」

ましろは驚いた。

自分にそんな特別な力があるなどと思っても見なかったからである。

「ええ、普通の人に僕を視ることは出来ません。ましろさん、選ばれた人なんですよ」

 

「選ばれた人・・・・・・そんな、私なんて」

 

「戸惑い、ますよね。分かりますよ。魔王と呼ばれたあの男の手で刻まれた名前から僕は籠の鳥のような生き方をしましたから」

 

「魔王?」

 

「ええ、魔王、織田信長です」

織田信長。

その名前はましろも歴史の授業で習ったことがある。

人は戦国時代に現れた革命児、ともいうが同時に自らを第六天魔王と称した男。

そんな人と出会い、名を刻まれた子の人は本当に人なのだろうか・・・・・・

「宗三さんは人間なんですか?」

 

「いえ、今は人の形はしていますが、本来は刀です。刀に力が宿り人の形を成す、それが刀剣男士という付喪神です」

 

「付喪神」

やはり人間じゃないんだ、とましろは思った。

見た目こそ人だが自分のような特別な人間にしか見えないことを考えると確かに人ではないと思ってはいたがいざ付喪神、神様と言われるとなんだか自分と話をしてもいいのかと思ってしまう。

 

【宗三、すまない。彼女と少し話をさせてもらえるか?】

 

「ええ、どうぞ。ましろさん、主がお話ししたいと」

 

「主?」

 

「はい、僕の大切な人です」

勿論貴方もですが、と宗三は付け加えた。

しかし、誰よりも大切なのは主だ。

自分を顕現させたものこそ、主、入船ユウマなのだから。

【失礼、君がましろさんだね】

 

「は、はい、倉田ましろです。あれ、入船さん?」

よくCiRCLEで見かけるスタッフに顔がよく似ていたのでましろはそういった。

 

【ご先祖様のこと?よく間違えられるんだ。とてもよく似てるんだね。は入船ユウマ、宗三左文字の主さ。こちらの世界は2205年だよ】

 

「み、未来から通信してるんですか」

 

【あぁ、そうだよ。びっくりすると思った。良い反応だね。さて、君にはいろんなことを知ってもらわなきゃいけないんだけど】

そう言ってユウマは一通り説明をした。

未来で何が起こっているのか、何故刀剣男士がここにいるのか、ありのままを全て話した。

 

「す、すごくプレッシャー・・・本当に私で良いんですか?」

 

【大丈夫!大丈夫!何人かはもう仮の主になっているし、繋がるチャットアプリも作ってくれてる、繋がってごらん】

ましろは言われるがままアプリを起動し、そしてチャットを始めて見た。

 

ましろさんが入室しました。

 

たえ あ、ましろだ

 

ましろ たえ、さん!?

 

さーや えええ!?ましろも?びっくりなんだけど・・・

 

ともえ おいおい嘘だろ!

 

こころ ましろ!これからよろしく頼むわね!

 

【世間は狭いね。知り合いの人だらけじゃないか】

 

「それだけじゃないです、はぐみさんやひまりさんも知ってます。知り合いの人しかいません」

 

【知り合いというと、宗三、薬研や長谷部はもう主を見つけてるんだよ】

 

「そうですか。あの魔王との縁は切っても切れませんね・・・さて、ましろさん」

 

「は、はい!」

 

「これからしばらくよろしくお願いしますね」

 

「こ、こちらこそよろしくお願いします。宗三さん!」

ましろは手を握りそう言ったのだった。




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