「…私は…どうしたらいいの…。」
昨日の好天からは想像もつかないほどの大雨の東京。その一角の路地。私の問いに答える者はいない。
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(時は遡り…)
「たきな、菫、とりあえず座れ。」
私とたきなの二人は今回の件について話すためDAに来ていた。
「まさか千束が失踪…とはな…。」
楠木さんもDA 最高戦力である千束が連れ去られる事は想定外であり、痛手であるようだった。
「司令!千束…千束の連れていかれた場所を絞り込めませんか!?」
たきなは居ても経ってもいられないといった様子で楠木さんに尋ねる。
「幾つか候補はあるものの…特定しきるにはまだ時間がかかりそうでな…。」
「そんな…。」
その後も結局、決定打になり得る情報は出ず、私たちのどうしようもないという焦りは募っていくばかりだった。
DAの建物のドアを開け外に出ると、今朝はまだ曇りだった空は黒い雲に覆われ、雨が地面を叩きつけていた。
傘を差し、会話ひとつもなく帰路につく。DAから少し離れた人通りの少ない路地へ差し掛かった時、たきなはおもむろに口を開いた。
「…今から千束を探しましょう…。」
「…えっ!?」
まだ千束の居場所も分からず、状況も何一つ分からないというのにそんなことを言うたきな。私は一瞬自分の耳を疑った。でもたきなの目から本気なんだとわかってしまった。
「ど…どうやって…?」
「先ほど司令に聞いた場所。それを回っていけば見つかるはずです。」
「そ、それはそうかもしれない…けど…!」
何の援護も情報も無く、誰にも知らせない状態で探そうものなら、たきなも危ない目に遭いかねない。そんな事になってほしくない。
「何が『けど』なんですか!」
たきなの声が怒りを帯びてくる。その声に私は肩を跳ねさせた。
「千束を見捨てろと?どんな目に遭っていても知らないと?」
「ち、違う…!そんなこと言ってな…」
「いいえ!何が違うんですか?助けに行かないとはそういう事ですよ!?」
たきなの表情、声色、言葉の全てが怒りと私への非難、千束を案ずるものだと示していた。
自分の不甲斐なさを理解してしまって、私は反論も出来ず、俯いた。その様子を見た、たきなは
「もういいです。私一人で行きます。元々、あなたが行きたくないならそうしようと思っていましたし。」
「た、たきな…待っ…て」
たきなは私の消え入りそうな呼び掛けを無視し、駅へと歩き去って行った。