とにかくお久しぶりです~❗
「今、リコリスが足りていないんだ。お前の身内の仕業でな。」
「……柚子が……ですか?」
あれだけ居るリコリスが足りない……?電波塔事件、真島の一件から東京のリコリスの数は相当なものの筈。地方のリコリスを減らしてまでも東京に多く集めていると聞いた。
「少し前の真島……だったか?の策略から着想を得たんだろうな。お前の妹は他のリコリス連中を他の場所に誘導しているんだ。」
「……柚子の居場所は分かっているんですか……?」
「東京郊外にある廃倉庫に居る事が分かった。そして奴は都心部付近に囮の人間を配置している。」
話しは大方分かってきた。数が足りないから、私が行かなければいけない。リコリスが不足している以上、このままではたきなのもとに加勢が行くことは無いだろう。
「クライさんと、水瀬さんはどうされるんですか……?」
「俺は囮を何人か捕らえてから廃倉庫へ向かう。お前は今からどうするんだ?」
……正直、私が行ったところで足手まといになるだけだと思う。
だけど、このままだとたきながどうなるかわからない。
━━私は、今、ここで死ぬべきじゃない。というか、そんな場合じゃない
きっとこの人はこれを伝えに来たんだよね。
身内がテロリスト側についたのだ。どちらにせよ、事が収まれば私は処刑されるだろう。
それなら、『今』どうするか。そう考えて立ち回るべきだ。
柚子を止めないと。
止めた後は隙を見て、何処かに逃亡させることも出来るかもしれない。たきなは納得しないだろうけど。DA本部なんてそれ以上に。
千束が『今』を大事にする理由が少しだけ分かった気がした。
どうしようもない出来事に抗うには行動するしかないのだから。
こんなに強い意思を持って行動するのはいつぶりかな。決意を再確認するように、私はクライさんの目を見た。
「私は千束とたきなの居る場所に、廃倉庫に行きます。今すぐに。」
私の言葉と強く真剣な表情を見て、クライさんは一瞬驚いたようだったけど、すぐに無表情に戻り背を向ける。
「ようやく戦士の顔になったな。」
「え?」
「行ってこい。俺もすぐ片付けて合流する。」
「ありがとうございます」
私はそう言いながら走り出した。
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【少し時は遡り……】
「はぁ…はぁ……し、正気かこのガキ……!」
「はい、正気ですよ?これが最善策です。」
犀羅ちゃんの言葉に悪びれる事もなく柚子ちゃんは言ってのけた。
「……ッ、ゆ、柚子ちゃん……私は君がこんなことをする理由が知りたい。君は理由もなく私達を拷問なんてしないよね?」
何が君をそうさせた?どんな目的があるの?
そもそもこれまで、リコリスからは柚子ちゃん程のテロリストは出たことがない。だってその可能性のある子は訓練を受ける前に『間引かれる』から。
私は柚子ちゃんが悪意だけでこんなことをするとは思えない。だから聞かせて欲しい。
「……私はちょっと特殊な経緯でリコリスになったんです。」
「は?柚子の特殊な経緯?」
「私は……両親をリコリスに殺されました。」
「え……?」
柚子ちゃんの両親がリコリスに……?
「私と菫は無事でした。犯罪行為に関わっていなかったから。そして私はその時に楠木さんとある『契約』をしました。」
「契約……?」
「 」
私が聞いた契約の内容。それは驚くものだった。そして分かってしまった。このままだと……
菫までが危ないと。
お次もおそらく千束と犀羅が閉じ込められた時の話になると思います!
お楽しみに~