とある少女たちが選び取った結末は。   作:アメオンナチャン☔

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過去回想編なり〜
今回いつもより長めですヨ!


実験

その次の日の夕方―――

 

「よう。行くぞ菫。」

 

私無しでやるのに、どうして来る意味があるの。怪しく思った私は、犀羅さんの挙動を注意深く観察する。私はこうやる事で、ある程度人の感情を見抜ける。本当は昨日から表情も結構見ているがこちらから見抜くのは中々厳しそうだ。

 

そんな感じでしばらく歩いていると、目的地に着いた。そこは何年も前に封鎖された道路のトンネル前だった。

 

私たちは木裏に潜み、足を止めた。どうやらまだターゲットは来ていないようだ。

 

続けて犀羅さんを再び注意深く観察する。と、その時わずかに空気が張り詰めた。まずいと思い、臨戦態勢に入るが、犀羅さんの姿が消えていた。

 

――と思っていた。しかし、実際は私の後ろに回り込んでいた。慌てて逃げようとするが、もう遅かった。

 

ガチャリという音をさせながら、私の腕につけたのは―――

 

「手錠をつけた。おもちゃの奴だけど結構しっかりしてるから外せないよ。足には別のをつけとくね。」

 

犀羅さんはそう言いながら、私の足も拘束していく。

 

一体何をするつもりなんだろうか。こんなことがバレたら、彼女はタダじゃすまないんじゃないの?

それに……犀羅さんのさっきの動き……彼女はおそらく、他人の意識外の場所に回り込む事に長けているんだろう。

 

考え込んでいると、今度は私の指に何かが挟まれた。

 

犀羅は続けて小型のタブレットを取り出し、何かを見ていた。

 

「酸素濃度98%、心拍数87。心拍数高いな。あ〜…いきなり拘束したからか。」

 

指に挟まれた物の正体はこれ……か。

 

「……犀羅さん。な、何するつもりですか?」

 

私の問いには答えない。タブレットをバックにしまい、拳銃に持ちかえる。

 

「何をするでしょうか〜?」

 

口調とは裏腹に無表情のまま、私の頭に銃口を向ける。

 

私の身体と表情がこわばる。冷や汗が流れた気がした。

 

「……やっぱり……大方あたしの予想通りっぽいな。」

 

そう呟くと、銃を私から離した。

 

「菫。あたしが何をするか……って質問、答えてあげる。」

 

「実験……てところかな。」

 

ぞわりと身体に悪寒が走る。先程銃を向けらた時よりも怯えた表情をしていたと思う。その様子を犀羅さんは無言&無表情で見つめていた。

 

「現状解決には痛みを伴うこともあるんだよ?」

 

今の言葉で確信してしまった。この人が今からする事を。

 

「あ。来たか。」

 

計ったような絶妙なタイミングでターゲットらが現れる。

 

「んじゃあまずは……」

 

バァン! 犀羅さんはわざと空に向かって発砲した。その音に気づいたターゲットらは犀羅さんに向かっていく。

 

その1人の足に犀羅さんの銃が放った弾が命中する。

 

「ウガァァァ!」

 

ターゲットの男は痛みに悶えた。それと同時に私の昨日の記憶がフラッシュバックする。

 

「ひっ。……や、やめて……」

 

頭の中が恐怖に満たされる。今回、自分は何もしていない。そのはずなのに、なのに……こんな……

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

犀羅は、なるべく撃っても死なない箇所、後遺症の残らない箇所を狙って撃っていく。多分、菫もその事を分かってない訳じゃない。だけど……菫はずっとあの調子だ。

 

あそこまでのものだったとはあたしにとっても想定外だった。一刻も早く終わらせて菫をどうにかしないといけない。

 

その場にいたターゲット全員を拘束し終えると、駆け足で菫の元に向かう。

 

「おい!菫無事か……いや。そんなわけないな。」

 

なにかぶつぶつと言っていて、顔は真っ青だし、過呼吸になりかけている。

 

「菫!ゆっくり息を吸え!もう終わったから大丈夫だ。」

 

ぴくり、と肩を震わせると、菫の不安げな瞳があたしを見据えた。しばらくすると、過呼吸は落ち着いたようだ。けど、表情を見るととても大丈夫そうでは無かった。流石にやりすぎてしまった。さっさと帰った方がいいな。そう考え、あたしは菫を支えつつ、立ち上がった。その時……

 

「犀羅さん!!後ろ!」

 

その声が聞こえたと思った次の瞬間、左太腿に強烈な痛みが走った。

 

「―ッ……」

 

こいつ(菫)の前で悲鳴を上げてはいけないと思い、慌てて口を押さえ、声を噛み殺した。

 

まずったなと思った。さっきは焦っていて気づかなかったが、捕らえたターゲットの数は4。しかし、事前情報でのターゲットの数は5。おそらく1人、どこかに隠れていたんだろう。いや、こんなことを考える場合じゃない。

 

止血もしないといけないのだが、この程度の相手ならすぐにやれる。

 

銃で相手の顔面を殴ろうとした。しかし、

 

「ぅぐっ……!」

 

結局痛みに耐えきれず、右足を地面についてしまった。急速に身体の力が抜けていくのがわかる。

 

それもそうだ。ちょっとかすった程度なら良かったのだが、ガッツリ銃弾は太腿を貫通していた。加えて止血を後回しにしたのもまずかった。出血量が多いせいで、既に立つことなどできなかった。

 

あたしは歪みかけた視界に抗うように相手に発砲するが、こんな状態で当たるはずもなく、逆に自分に攻撃が来る。

 

菫は何とか無事なようだが……精神的には大丈夫じゃないな。さっきより酷いかもしれない。

 

その1発が、自分の右肩に当たる。かすったくらいで先程の太腿ほどでは無いが、さらに出血したことで状態は悪化し、力無くその場に倒れ込んだ。

 

これが因果応報って奴か?ってらしくもない事が頭に浮かんでしまう。

 

視界が黒く染まる直前、ターゲットの脳天に銃弾をぶち込んだのは意外すぎる人物だった。

 

 

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