意識が覚醒する。ああ。生きてたか。あの状態ならどっちに転んでもおかしくなかった。
あまり他人に感情が湧かないのがあたしだが、あれは……流石に菫には酷いことをしたと思う。とりあえず謝りに行っておくか……。と思って身体を起こした。
「いっっっだぁ!」
痛みは覚悟していたが声に出てしまった。まあ今は誰もいないからいっか。しかし……これじゃまともに動けなさそうだな。
ベッドのサイドテーブルに置いてあったスマホを取り出して電源を入れる。ロック画面で日付を確認すると、丸二日が経過していた。
ガラガラと、扉が開く。するとそこにいたのは、自分が今会いに行こうと思っていた相手、菫だった。
「菫、一昨日?は悪かったな」
「い、いえ、今は落ち着きましたし……。あ、の……犀羅さん……怪我は、大丈夫……ですか?」
「これが大丈夫に見えるならおめでたい頭だなお前。」
あたしはこんな大怪我をしたのが初めてだったが、足がめちゃくちゃ痛くてひとつも動きたくない。という事で、本来ここで言うことでは無いが伝えないと行けないことがあった。
「あの日、あたしはお前にただ嫌がらせをした訳じゃない。お前がああなる条件を知りたかったんだ。」
「条件……ですか?」
「ああ。現に成果は得られた。」
あたしはタブレットの画面を見せる。
「あ……!これ、心拍数とかの……」
「まず最初。お前に銃向けた時だが……思ったより心拍数普通だな。ほんとに自殺願望あったのか?」
「ち、違いますよ!普通に……怖かった…ですけど……」
「それ以上の恐怖を知ったからか……。」
――――――――――――――――――――――――――――――――
あの時、犀羅からは大体の事を聞いた。
私はどうやら、あのような現場にいるだけでも過呼吸を起こしたらしい。攻撃するのが自分では無くても。そして、それは銃を使っていない時もだった。相手の生死とかも多分関係ない。
だから、犀羅は私にこう言った。正直言ってリコリスを続けられないと思う、と。
では、どうして今私がリコリスを続けているのか。それは犀羅の二つ目の提案の内容である。
私は戦いの終わりの仕事と、スタンガンだけの戦いで誤魔化すというものだ。最初はそんなの無理があると思ったけども、これが意外と効果的だった。
銃を持った相手にスタンガンだけで戦うなんて無謀すぎると思った。いや、今でも思うけど。
事前のターゲットの戦闘スタイルを頭に叩き込み、行動パターンを予測して戦った。感情を読むことが得意だった私の能力はさらに上がった。本当に危ない時は犀羅がどうにかしてくれていた。
だから、ここに来ることが少し不安だったんだ。
だけど、今。この二人が私に寄り添おうとしてくれている。その事実は私の心を温かくしてくれた。
ちょいと分かりにくくなったかも。ほぼ今回も過去回想。