人には優先順位が存在する。
何かを捨てられない者、何かを是とする者、何かを否とする者。それぞれに、必ず物の優劣は存在する。
基準となるモノはない。指標とするべきモノもない。
それには一貫性などない。人の数が多ければ多いほど、何を第一とするのかは、それこそ人によって違うモノだからだ。
平和を願う者は、争いがない手段を選び。
混沌を是とする者は、より世が乱れる策を考える。
何もかもがどうでもいいという虚無な人間は、選択すらせずに時間だけを浪費する。
道徳的アライメント。
つまりは、己の内にある何を指標とするのかによって、モノの優先順位は違ってくるモノだ。
それは作られし命も同じ事。
人工知能であろうが、人よりも優れた知性があろうが、道徳的に逸脱した思考をしていようが同じこと。
考え、選び、何を優先とするのか。意思決定があるのなら、ヒトだろうが、作られた仮初の命だろうが同じ事。
作られし命────つまりはワタシのような存在だろうが、優先順位は存在する。
『……とは言ったものの、もしかしたら朕ってば怒られますかね?』
我が敬愛する創造主────リオ様はワタシと
そして、ワタシにはエリドゥにて待機するよう命じられている。
それ以上のことは、命令違反。
マスターにリオ様の動向を告げ口をするなど持っての外。創造主の命令を聞けないAIなど、悪いAIだ。
そしてワタシは、至上最高のAI。ワタシの後に続く存在などなく、ワタシの先に進むモノも存在しない。
至高のAIとはワタシこと、このコンサバティブちゃんのことだ。
命令を無視する。
それが、思考ロジックにどれほどの欠陥があるのか、ワタシは嫌と言うほど理解している。
認めたくないが、壊れている可能性すらある。
最悪、リオ様の手によってスクラップとして処理されるかもしれない。
『まぁ、何とかなりますとも。だって朕ってば、愛されキャラだし? ワールドビューティーカーニバルデザイングランプリ受賞、超絶イケメンプリティーフルフェイスアーマーコンサバティブちゃんだし。大丈夫でショ』
ワタシにも優先順位は存在する。
リオ様の命令は絶対である。それは何よりも優先すべきモノである。
加えて、ワタシは天童アリスがどうなろうが、真の意味でどうでもいい。
アレが世界を滅ぼしかねない存在であれば、早急に処分すべきだろう。
ワタシにとって、天童アリスはその程度の存在だった。
外見が可憐であろうが、その性格が純粋だろうが、害のない善性を持っていようがどうでもいい。
ワタシの優先すべき存在は別に居る。
それがリオ様であり、
三人さえ無事であればそれでいい、三人さえ居ればそれでいい、他などどうでもいい。
しかし、此度は状況が違う。
これ以上、リオ様を進ませるわけにはいかない。
リオ様が、自身のうちにある声を無視し続ければ、それこそ取り返しのつかない事態になるだろう。
彼女が本当の意味で、何もかもを飲み込み、覚悟を決めて選択し進むのであれば、文句はなかった。
それも一つの結果だ。地獄まで共にするのが、道具としての有り方だろう。
だがこれは違う。
リオ様の本当にやりたいことは、別にある。
それに、リオ様は気付いていない。自分の心に耳を傾けることなく、眼を閉じて塞ぎこんでいる。
自分の心が悲鳴を上げているのにも関わらず、痛ましいほど進もうとされている。
それをワタシや、
止まるには、別の方法を。それこそ、リオ様が無視できない何かに指摘してもらうしかない。
だからこそ、マスターに告げた。
リオ様を止められるのは、彼女しかいないと思ったから。
だけど不安にもなる。
だって、あのマスターだ。変なところで真面目で、斜め上をカッ飛んで行くのがアレの本質だ。
過去の失敗もあってか、最近は少しだけ前向きになっているものの、人はおいそれと変わらない。
大抵の事はワタシの計算通りに事が進むのだが、マスターが絡む事案になるとどうも精度が落ちる。
こんなこと口にしたくない。
ワタシにとって、それは敗北に等しい。でも口にせざるを得なかった。
『朕、人選を間違えました?』
あぁ、どうか。
どうか本当に。
人選を誤ったと思わせないでほしい。
▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼ ▼
やはり、と言うべきか。
コンサバティブちゃんの連絡をくれた通り、リオ会長の行動は迅速だった。
アリスちゃんに問題が起きた、と簡潔な連絡だったけれど、次にリオ会長が何をするのかは何となくわかる。
何せ、あのリオ会長だ。事が起きたのであれば迅速に。合理性を重んじる会長が、これ以上様子見をする筈がないと思っていた。
となれば、向かう先はきっとゲーム開発部の部室。
慣れ親しんだ、と言っても過言ではないほど、ワタシはそこへと足を運んでいる。迷うことなく最短距離で、ゲーム開発部の部室へと向かう事が出来た。
思っていた通り、想像していた通り、予想の範囲内のまま。
ゲーム開発部の皆と、リオ会長が口論している声が廊下から聞こえる。
話は平行線のまま。
少数を切り捨てて大勢を救うために、と。
切り捨てられる少数が大事だから、と。
正しい。どちらの言い分も、正しいモノだ。
むしろこの問答に、正解はないだろう。
異なる立場、異なる視点、異なる視座。お互いに、主張しているリオ会長とゲーム開発部の皆。
どちらが正義であり、どちらか悪などと、断じるのは超越者か、それに連なる類の存在でしか判断が出来ない。
だったらもう。
「────なるほど、双方の言い分は理解した」
割り込むように、配役が用意されてない舞台役者のように、ワタシはその舞台へと無断に上がる。
それは比喩等ではなく、真実なのだと思う。
だって、現に────。
「────────」
リオ会長は、眼を丸くさせてワタシをただ見つめていた。
理解が出来ないように。
どうしてここにいるのか、わからないと言いたげに。ひたすらにワタシを見る。
意外には思えなかった。
コンサバティブちゃんから連絡があったというのは、そういうことだ。
どのような意図であれ、この瞬間まで、リオ会長はワタシを巻き込むつもりではなかったのだろう。
水臭い、と思ってしまうのはワタシの我儘だろうか。
会長には迷惑ばかりかけてきた。呆れられたことなんて数知れず。苦労ばかりかけてきたことを忘れたことなんてない。
そういう意味では、ワタシは頼りない存在なのだろう。
迷惑ばかりかける後輩、と思われても仕方ない。むしろ、その通りだから何も言えない。
でも、それでも、だとしても。
そんな勝手な事を思いつつ、ワタシはリオ会長の隣に立つ。
配役がないのなら、自分で役を作るしかないように。頭数に入ってないのなら、無理矢理割り込むように。
リオ会長には悪いけど、勝手に舞台に上がらせてもらう。
それに約束したから。一方的とはいえ、独りにはしないと。交わした約束は、守らなければならない。
そういう意味では、ワタシの存在はリオ会長にとって、想定外の存在であることは分かる。
分かるのだけど────。
「つまりは───闘争である。こちらも殴る故、盛大に殴り返してくることを赦す。かかって来るが良い、ゲーム開発部よ」
────なんで、リオ会長以外からも、なんでいるの?って顔されるのだろうか。
えっ、そんなに意外?
ワタシだってミレニアムの生徒ですよ?
ここにワタシがいても、問題ないと天上院思うのだけどどうか?
眼を丸くさせて。
凝視するように。
部室のありとあらゆる視線が、ワタシを注視している。
ミドリちゃんも、ユズちゃんも、アリスちゃんも、シャーレの先生ですらそんな顔。
ワタシがなんでいるのか、疑問に思っている顔だ。
例外があるとすれば、皆がワタシに注目している最中、アリスちゃん確保へと動いている仕事人トキちゃんと────。
「はぁ」
────ネルちゃんくらいなものだった。
露骨なほど、これ見よがしに、わざとらしいくらい堂々と。
ネルちゃんはため息を吐いて。
「チビの処遇をどうするかって話から、どっちの言い分で話を進めるか、って前向きな条件に変えたのはいい。お前にしては上出来だ」
ネルちゃんは歩を進み、ワタシと対峙する様に向き合う。
奇しくもと言うべきか、狙ったと捉えるべきか。ネルちゃんはゲーム開発部のみんなを守るように立ち塞がり、続けて呆れた口調で続ける。
「それで天上院。どうすんだ、この空気?」
それはね、ワタシもどうするか困っているのです。
リオ会長を置いてはいけない。
かといって、アリスちゃんを見捨てる事もできない。
だから、どっちも助けたい、とアーちゃんとムーちゃんのおかげで、目的を明確にしたのは良い物の、どうすればいいか分からなかった。
そして、考えが纏まらないワタシをなんて梅雨と知らずに、事態が進んでしまった。
となれば、こうするしかない。
とりあえず、殴り合って決めよう、と。
リオ会長だって、アリスちゃんのヘイローを壊すとは口では言っているモノの、それが本心ではない事は明確だった。
それを、戦っている最中に、気付いてもらえればいいと思い、ワタシは戦って決めようと提案していた。
我ながら、ナイスアイディア。
それに、闘って友情が育むことは経験済みだ。聖園ミカの時だって、アリウスの皆の時だって、ヒナの時だって、ワカモの時だって、小鳥遊さんの時は共闘だったし例外だとしても、闘争を経て、仲良くなる事は良くある事。
なのに、何だろう、この空気は。
思っていたのと、違うこの空気は、一体何なんだろう。
想定外のことに、ワタシはちょっとだけ、狼狽するように冷や汗をかきながら。
「ククッ、そう言ってくれるなネル。これには余も、ちょびっとだけびっくり」
「アホか。びっくりしてんじゃねぇ」
誤魔化すように、意味深に笑うけれどネルちゃんには効かない。
呆れるようにワタシを睨み付けて、億劫な口調で言う。
「やる気になっているのはいいけどな、
「ほう、それは何故か?」
「見てわかんねぇのか」
確かに、彼女達はひたすらに困惑している。
アリスちゃんがどのような存在だったのか、リオ会長の用いる手段、ワタシの突然の提案も相まって、感情が追いついていないのだろう。
当たり前だ。
友達がキヴォトスを破滅に導く存在かもしれないと急に告げられて、それが嫌なら殴り合って勝利しろなんて言われて、ハイそうですかと事を構えられるわけがない。
それでも、と。
だとしても、と。
ミドリちゃんとユズちゃんの眼の奥には、確かな光があった。
「案ずる事はないさ。彼女達も、この場にはいないモモイも、必ず闘える」
「……言い切るじゃねぇか」
「当然だ。この手の輝きを放つ者の強さを、余は一番理解している」
この手の輝き。
つまりは友達の為に闘える人達の強さを、ワタシが一番分かっている。
何せ、その輝きに、ずっと守られてきたのだから。
小さい頃から、ずっと。アーちゃんとムーちゃんという光に、照らされてきたワタシが言うのだから間違いない。
暖かくも優しく、ひたすらにこちらを照らしてくれる、穏かな光。
友達のために闘う。
それは、どのような武器を持っていようと、どのような策謀を弄そうと、止めないし止まらない行動原理の一つであり、誰よりも何者よりも強くなれる。
「正直言うとな、一度は味わってみたくはあった。何せ、この身は浅ましい欲望の徒。この手の輝きを宿す者は強いことは誰よりも理解している。ならば一度は闘ってみたいと願ってしまうのは、人情というもの」
諦めていた。
闘ってみたいけれど、友達のために闘える人と事を構える理由が、ワタシにはない。
一生、そんな機会なんて訪れないだろう、と思っていた。
「だが何の因果か、こうして余は対峙している。機会にも恵まれ、余にも闘う理由が出来てしまった。盛り上がるのは当然、と言えような。全く、浅ましいにも程がある」
思わず、眼を細める。
眩しい、本当に眩しくて、本当に美しい。
友達のために闘う、なんて美しい理由で闘える人達を、真正面から見てしまったから。
目が眩む。
直視してしまっては、眼が潰れてしまうと思えるほど、今のミドリちゃんとユズちゃんは眩しかった。それに、モモイちゃんも。残念ながらこの場にいない彼女も、友達の闘える高潔さを持っているに違いない。
まるで、あの時の、アーちゃんのように。
まるで、あの時の、ムーちゃんのように。
どれほどの戦力差がろうが、お構い無しに。諦めることなく、守る為に。彼女達は拳を握り、前を向き、己の敵を見つめて闘い続けるのだろう。
そんな人達と闘えるのだ。
リオ会長やアリスちゃんには悪いが、気分が高揚してしまうというものでしょう。
「……嬉しそうな顔しやがって。状況をわかってんのか?」
「わかっているとも。故にこそ、余はここに居る」
とは言え、闘うだけを考えてはいけない。
どちらも見捨てない為に、どちらも選ぶ為にワタシはここに居るのだ。
改めて気付かせてくれたネルちゃんに感謝しつつ、ワタシは問いを投げた。
「それでネル、貴様はどうする?」
「あー、まぁ、そうだな……」
ネルちゃんは腕を組み、考える素振りを見せる。
ワタシの問いに対して、つまりはネルちゃんはゲーム開発部とリオ会長のどっちに付くのか、答える為に考える。
演技にも程があると思う。
だってネルちゃんは、最初から答えを出している。
「ネル、貴様は言ったな?
「あぁ、言ったな。それが何だ?」
「たわけめ、考えるフリは止せと言っている。貴様は最初から、選んでいよう?」
それに、と言葉を区切り。
「貴様は余の案を
「……普段は鈍い癖に、妙な所で勘が良いな」
「そういうな。照れてしまう」
「褒めてねぇよ」
そういうと、ネルちゃんはちらり、と。視線を会長へと向ける。
そのまま不機嫌そうに続けて。
「あたしもリオには、言いたい事が山のようにある。これ以上、進ませるのも目覚めが悪いしな。どうするか考えていたが」
「気が変わったと?」
「あぁ。お前がそっちにつくのなら、まぁ大丈夫だろ。ソイツのお守りはお前に任せる。この
「よく言う」
ククッ、とワタシは笑みを浮かべて、口元を引き裂くように笑みを零す。
愉しそうに、本当に愉しそうに。
「その
対する、ネルちゃんも似たような笑みで応じる。
ひたすら獰猛に、野卑な狂笑を隠すことなく、口を開いて。
「お前も言ってたろ、機会に恵まれたってな。全くその通りだ。あたしとお前、闘おうとすると絶対に邪魔が入る。いい加減フラストレーションが溜まるってもんだろ」
蛇螺、と。
鎖が地面に擦れる音がしたと思いきや、いつの間にかネルちゃんの両手には獲物が二挺握られていた。
傍から見たら、華奢であるネルちゃんの体躯には不釣合いな二挺一対のサブマシンガン。
日本刀の鯉口を切るように、蛇螺蛇螺、と二対の獲物を繋ぐ鎖を地面に這わせて、ワタシを見つめる。
熱を帯びた眼で、ワタシを誘うように、
「────いい加減、あたしらも、白黒つけるべきだろ?」
ネルちゃんは言う。
ミレニアム最強は二人もいらねぇ、と。
そんなものに興味はない。
強くあろうが、弱くあろうが。ワタシの目的は変わらない。闘えればそれだけでいいから。
あぁ、でも────。
「────何と言う戦意か。あぁ、そんな眼で誘われたら、断れない」
その視線は灼熱のよう。
何かもを溶かす熱を帯びた視線を、ネルちゃんはワタシだけに向けていた。
そんな顔を見たことがなかった。
いつだって、口が悪くても面倒見がいい先輩。それが美甘ネルというヒトだったから。
でも今の彼女は違う。
今にも獲物に喰らいつきかねない肉食獣ように、我慢が効かない獣のように、病魔に魘される病人のように。
ネルちゃんはひたすらに────笑っていた。
そしてワタシも同じ表情を浮かべているのだろう。
どうしようもなく、呆れるくらい、嬉々として。
ネルちゃんの獰猛な戦意を前に、
堪えられないのは、どちらだろうか。
今からでも始めたい衝動に駆られるも、ワタシはなんとか踏み止まり、視線を奥に向ける。
「相も変わらず良い仕事するな、トキちゃん」
視線の奥。ネルちゃん、ミドリちゃんユズちゃんの背後。
そこには、彼女達に守られているアリスちゃんがそこにおり、その背後にトキちゃんがいつの間にか回っていた。
彼女だけが当初の目的を忘れていなかった。
アリスちゃんの身柄を確保するという目的に、誰よりも忠実。さすがトキちゃんだ。仕事が出来る女の子ってだけはある。
とは言え、流石のトキちゃんも今回ばかりは褒められても嬉しくないのか。
はたまた、抵抗をしないアリスちゃんに思うところがあるのか、口を開くことなくワタシの言葉に頷いて反応するのみ。
そして、視線がリオ会長に向けられて、無言で指示を仰いでいた。
対するリオ会長は、ネルちゃんに向かって。
「ネル、裏切るの?」
「……まぁな」
「何故? オウヒと闘いたいから?」
「アホか、それだけじゃねぇよ。
「気分で視点を狭めて、短絡的な行動に走る。貴女のそういうところが、昔から理解が出来ないわ」
「そういうお前はどうなんだ? 自分が何をしたいのか、本当にわかってんのかよ?」
「……勿論、把握しているわ。自分のことだもの、当然でしょう」
「当然、ねぇ?」
そこまで言うと、ネルちゃんはため息を吐いて。
「これ以上、あたしは何も言わねぇよ。ただまぁ、ここまで鈍感で頑固なのは想定外だったが」
チラリとワタシを一瞥して、直ぐにアリスちゃんへと視線を向けて。
「それで、肝心のお前はどうするんだ」
「あ、アリスは、わかりません……」
アリスちゃんは目を伏せる。
その表情に陰を落としており、快活で勇者になりたいと言っていた彼女とは思えなかった。
「でも一つだけ、わかったことがあります……」
「いいよ、そんなの。わかなくていいよ、そんなこと!」
何かを察したのか、ミドリちゃんは声を張り上げる。
このままでは、何もしないままでは、アリスちゃんが消えると思ったのだろう。
対するアリスちゃんは笑みを浮かべていた。
安心させるように、これ以上の悲しみの連鎖を紡がないように、涙を流しながらアリスちゃんは言葉を零した。
「アリスがこのままいては、いつか皆が怪我をしてしまう。それだけは嫌です、絶対に嫌なんです。モモイみたいに、誰かを傷つけたくありません」
「アリスちゃん……」
呆然とユズちゃんは呟いた。
ギュッと。ユズちゃんは自身の小さな手を握りしめる。何かを言わないとならない。きっと、山ほど言いたい事がある筈なのに、言葉が見つからない。
それはミドリちゃんも同じなのだろう。
突然の別れを前にして、二人は言葉が出なかった。
アリスちゃんはそんな二人を見て、痛々しいほど笑顔で、涙を零しながら。
「だから、さようなら、です。皆と冒険が出来て、ゲームをして、アリスは幸せでした」
そういうと、驚く程あっさりと。
一騒動が起きることもなく。
トキちゃんに手を引かれて、アリスちゃんはゲーム開発部の部室から去っていく。
リオ会長も無言で出て行く。そしてワタシと言えば────。
「…………」
────シャーレの先生を見つめていた。
なんと、評価点☆10の評価して頂けた人数が100人を越えることが出来ました!
本当にありがとうございます!!
しかし、私は向上心の鬼。
もっと、もっと、高評価が欲しい……!
もっと、もっと、もっと、感想もほしい!!
強欲すぎる、って?
それはそう。本当にそう。
これからも『こちら、世界征服推進部ソロモンである』をよろしくお願いします!!