~ソロモンちゃんねる~
ヒヨリ「このビーフカレー美味しいですー!」
アズサ「そうか。なんの肉なんだ?」
ヒヨリ「多分チキンです!」
サオリ「私はポークだと思う」
ミサキ「何で誰もツッコミいれないのよ……!」
オウヒ「(それな、という顔)」
アツコ「(楽しそうでいいな、って思っている顔)」
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私達が騒がしいことは、いつもの事だ。むしろ、大人しくしていたことの方が少ないのかもしれない。
騒がしくなる理由も些細な事。
ムツキが煽り、アル社長が見栄を張り大言壮語を言うと、ハルカが真に受けてそれ以上の事をしでかそうとする。私はそれを呆れながら止める係。でも別に苦ではないし、辛いと思ったことなど一度もない。むしろ割と好きだ。
アル社長は見ていて放っておけないし、ムツキの悪戯も邪悪なものでもなく、ハルカも良い子だから。
自分でもびっくりするくらい、便利屋68という居場所は心地良いものだった。
無駄な喧騒から離れたかった筈なのに、一人で静かに過ごしたくて学園から離れた筈なのに、どういうわけか行き着いた先がやっぱり騒がしい集団。仕事内容も些細な事が中心だし、スマートに解決したことがあまりない。現場で文字通り爆発することだって頻繁にある。とても騒がしい日常、それなのに居心地が良いと感じている自分がいる。
最初は戸惑ったけど、アル社長達と過ごしていくうちに、今の状況も悪くないと思えるようになった。
……口には出さない。だって恥ずかしいから。ムツキに聴かれたら、からかわれるに決まっているし。
騒がしいのはいつものこと。
でも、今日はその
「…………」
「――――」
アル社長とムツキ。
どういうわけか、二人はにらみ合うようにして、対面していた。
私が路地裏にいた猫の様子を見に出掛け、帰ってくるまでの間に、何が起きたのだろう。
ここで初めて、二人の様子を窺っていたハルカが私の存在に気付いた。
助けを求めるように、私の顔を見るや否や、脱兎の如く私の元へと駆け寄ってきて。
「か、カヨコ課長……! あの、これは……!」
「……うん、ハルカ。落ち着いて。気持ちはわかるけど」
そう、気持ちはわかる。
ハルカが泣きそうに縋るように私を見るのも無理はない状況だ。正直言うと、私も驚いている。
アルとムツキは幼馴染。つまりは私やハルカよりも付き合いが長い二人だ。アルがムツキの悪戯の被害を受ける事は日常的だし、アルもそれに対して気を悪くさせることなんて一切ない。それが二人の長年培われてきたコミニュニケーションのようであり、余人である私達にはわからない繋がりを感じる。
それに、見栄を張りがちなアルの意図を最初に読み取るのもムツキだ。読み取った上で煽るのがムツキらしいが、それでもお互いを信頼し合っているといっても過言ではない。
そんな二人が、だ。
こうして対峙しているかのように、対面している姿を見るのはハルカではなくても動揺してしまう。
ふざけている、わけではない。
二人の雰囲気がいつもとは違う。
剣呑とまではいかないものの、二人ともどう見ても不機嫌なそれ。アルもムツキも普段では見せない顔になり、そんな空気を便利屋68の事務所内に充満させている。
何が原因なのか、何に対して不満なのか、どちらに非があるのか。
先ずは話を聞かないと前には進まない。私は二人に事情を聴こうと口を開くがその前にムツキが口を開いていた。
「だからさぁ、私言ってるじゃん。早くヒーちゃんを迎えに行こうって」
「まだダメよ」
ぴしゃり、と。
有無を言わせないようにアルは言った。
何度か聞いたことがあるヒーちゃんという単語。
それは二人のもう一人の幼馴染――――天上院オウヒのことを言っていることは直ぐに察することができた。
突然現れ、アリウスを掌握し、キヴォトスでその名を示し頭角を現した生徒。
一度暴れると、その地はぺんぺん草も生えないと言われるほどで、ついた異名が『アリウスの王』。それが傍から聞く天上院オウヒの生徒像。
でも私の場合は少し違う。巷で噂のアリウスの王と、二人が語る幼馴染の天上院オウヒ。どうにもその実像はかけ離れすぎており、会ったことも話したこともない私としては、どちらが本当なのか正直判断ができない。
度々、二人が話題に出すオウヒの人物像を思い出していると、むっ、とした様子でムツキが口を開いて。
「一応聞くけど、どうして?」
「だって、その……」
アルは言葉に詰まるように言い淀む。
私もムツキほどではないが、アルとは付き合いが長い。あの様子は本当に言葉にし辛い、といったことなのはわかった。いつもは空気を読んでスルーするのだが、今回のムツキはそうではないようで。
「どうせ釣り合ってないって考えてるんでしょ?」
「ヴっ……!」
鋭い口調でアルの図星を突いていた。
呆れているものの鋭い口調。それだけ、ムツキが本気である事がわかる。つまりそれは、オウヒを迎えに行くということに他ならない。
秘めた自分の感情を言い当てられぐうの音も出ないアルに、ムツキは続けて。
「というか、ヒーちゃんが強かったのなんて、今更でしょ?」
「わ、私知らなかったわよ! あの子、虐められてると思ってたし……」
「それは間違ってないよ。実際、トリニティとかのヤツらにイジメられてたし。それで、なんでアルちゃんはヒーちゃんを迎えに行きたがらないのさ?」
「そんなこと思ってないわよ! ただ、その、あの子、アリウスの王って呼ばれるようになったでしょ?」
「うん。それが?」
「私達じゃ釣り合わないというか、幼馴染なら対等でありたいというか、オウヒに失望されたくないというか……」
「なにビビッてんのさ。ヒーちゃんが私達に失望するわけないじゃん」
「そ、そんなのわからないじゃない!」
「いや、わかるでしょ。ヒーちゃんだよ? そんなだからアルちゃんは――――」
「そ、そういうムツキだって!」
アルは遮るように、感情のまま続けて言う。
「なんでそんな焦ってるのよ。今までいっぱい話し合って、オウヒを迎えに行くのはまだいいって、言ってたじゃない!」
「焦るに決まってるでしょー! 早くヒーちゃんを迎えに行かないと、他の誰かに取られちゃうかもしれないでしょ!」
「そ、そんなこと……」
「あるよっ! 私、嫌だからね。私達を忘れて誰かと遊んでいるヒーちゃんを見るの!」
「オウヒが私達を忘れるわけないわよ」
「わからないでしょ! だから早く迎えに行こうって言ってるの!」
「それはまだダメ! 私達が有名になってから、カッコよく迎えに行きたいのよ!」
むー! と、頬を膨らませて睨むムツキに。
んもー! と、我儘を言う子供のように愚図るアル。
二人の言い合いを見守ってきたが、どうやら本気の喧嘩じゃないみたいでホッとしている。対してハルカは言い争っているのだと勘違いして泣きそうになっているが、悪いけど放置しておく事にする。今は兎に角、この不毛な言い争いをやめさせることが先決だ。
簡単に両者の言い分を纏める。
どうしても直ぐにオウヒを迎えに行きたいムツキと、対して今は彼女に釣り合ってないから会うのが気不味いアル。
どこかムツキは焦りすぎている節もあるし、アルも考えすぎだと私は思う。
幼馴染なのだから、普通に会いに行って、普通に遊べばいい。要はそれだけの話だ。何もそこで二人が言い争いをすることでもない。
私はいつものように、これまでのように、騒がしい日常に溜息を吐いた。それに呆れ半分、大事じゃなくてよかったといった安堵半分。
仲裁に入ろうとするが、ムツキはアルにべーと舌を出して、拗ねた口調で。
「アルちゃんのバカー! カッコつけー! いいもん、私一人でヒーちゃんに会いに行くから!」
「ちょ、ムツキ!? 待ちなさい、待って!」
アルの必死な静止を無視して、ムツキは便利屋の事務所を飛び出して行った。
「か、カヨコ課長。お二人が、どうしたら……」
「落ち着いてハルカ。大丈夫だよ」
「でも、ムツキ室長が……」
「うん、私はムツキを追うよ。ハルカはアルをお願い」
簡潔に言うと、私はムツキを追って事務所を出た。
ぶっちゃけ、追うまでもないことだと思う。
ムツキの行き先は、オウヒの元なのは明らかだし、彼女と会って、会話して、満足したら戻ってくるだろう。
私が行くのは、実の所興味本位だ。
いつも飄々として、私達をからかう小悪魔のような性格のムツキが、あそこまで個人に固執しているのは見たことがない。それは、アルの方針にまで異を唱え飛び出すほど。
私も少し、会ってみたくなった。あの二人が言い争うほどの人物。
アリウスを暴力で平定した暴君、『雷帝』を彷彿とさせるほどのカリスマを持ち、覇道を突き進むミレニアム生徒、そしてアルとムツキの妹のような扱いの幼馴染。
相反する評価。
その真実を確かめたく、私はムツキを追いかける――――。
――――そうして、現在に至る。
私の前を歩くのは、困ったように笑うムツキと、泣き止んでスンスンと鼻を鳴らすオウヒの姿。二人は手を繋いで歩いており、どこか微笑ましく見える。
だがそれまでが大変だった。
喧嘩したとムツキが言うや否や、大声で泣き始めてしまうオウヒに、私達は大慌てで全力で機嫌を取ろうと右往左往。私は兎も角、あんなに慌てるムツキを見るのは初めてで、どこか面白かった。もしかしたら、今日はそういう日なのかもしれない。
それから数分後、泣き止んだオウヒは未だに涙目ではあるものの、安心するようにムツキの手を握っている。
その姿に暴君要素なんてどこにもない。『アリウスの王』と呼ばれて畏怖されている生徒と同一存在とは思えないほど、アルとムツキが大好きで仕方ない、普通の女の子だった。どうやら噂は噂でしかなかったみたい。
暴君なわけがない。
それを証拠に、目の前の娘は嗚咽混じりに。
「それじゃ、二人は、喧嘩、してない、の?」
「してないしてない。全然してないよ」
「ほんと?」
「本当だよ。ねぇ、カヨコっち?」
私に振られても困るんだけど、それ以上に困っているムツキを見て、何も言えなくなる。
二人に視線を向けられた私は頷いて、なるべく安心させるような口調で、事実だけを述べた。
「うん、大丈夫だよ。喧嘩なんてしてないし、気にしなくていいと思う」
「そうですか。ありがとうございます、カヨコっちさん」
おずおず、と私の様子を観察しながらオウヒは言う。
怯えられている、というわけではない。多分、この娘人見知りなんだ。もし私を恐がっているのであれば、視線すら合わせないけど、この娘は視線は合うものの、直ぐに逸らしてしまう。その仕草は、どこかハルカを思い出させる。
そして素直だと思う。
それを証拠に、ムツキが私を紹介した際に、カヨコっち、と言ったが未だに彼女はそう呼んでいる。しかもさん付けで。
なんて素直、そして律儀な娘だろうか。その素直さが少しだけ心配になりながら、私は自分の名前を改めて名乗る事にした。
「カヨコでいいよ、オウヒさん」
「わかりました。ワタシもオウヒって呼んでください」
余所余所しい私達だが、それが当たり前だ。
だって、私達はこれが初対面なんだから。第一印象はお互い、変な感じだったけど。
ムツキはそんな私達が面白かったのか、くふふ、と笑みを零して。
「安心してよ、ヒーちゃん。カヨコちゃん、優しい娘だから。怖い顔してるけどね♪」
「一言余計だよムツキ」
私は反射的に、思わず苦言を漏らす。
対してオウヒは首を傾げて。
「怖い顔なんてしてないよ。ムーちゃんと一緒になってワタシを慰めてくれてたし、優しくて綺麗な人だと思うけど?」
「――――――」
思わず眼を丸くしてしまう。
言われ慣れてない言葉。それが自然と口にされ、それが私に向けられたものだったから。
私は綺麗じゃないし優しくもないよ、と口にしたかったが言われ慣れてないもんだから、思考が纏まらず面を食らってしまった。
「カヨコちゃん、これがヒーちゃんだよー? どう、素直で面白い子でしょ?」
「……なんでムツキが自慢気なのさ」
搾り出すように照れているのを隠すようにムツキに指摘するも、どうやら彼女には見透かされていたみたい。大して気にしてないようにムツキはご機嫌な調子で笑みを浮かべて、オウヒはいまいちわかってないように首を傾げるも、直ぐに、ハッ、と何かを思い出したようにムツキに疑問をぶつけていた。
「そういえば、アーちゃんとの間に何か問題があったの?」
「ヒーちゃんのことで、ちょっとね」
「え、ワタシ?」
そうそう、とムツキは頷いて。
「私達、会社作って働いてるって言ったでしょ? その会社にヒーちゃんを誘おうって言ったんだ」
「本当!?」
「うん。でもアルちゃんはダメだって言うんだー」
「え……?」
その言い方は不味いよムツキ。オウヒには凄く誤解されていると思う。
それを証拠にオウヒは立ち止まり、絶望したかのような真っ青な顔で、全身が震え出している。
「……別にアルがオウヒをどうこうって思っているわけじゃないよ。でしょムツキ?」
「えっ? もちろんそうだけど――――あぁ、ごめんヒーちゃん! 違う、違うから! 原因はアルちゃんの見栄だから!」
「……そうなの?」
そうそう、とムツキは必死になって頷いて。
「ほら、ヒーちゃんって最近『アリウスの王』ってなったでしょ?」
「うん、名乗ったつもりはないけど、どうしてかそう言われているよ?」
「それに見合うほど有名にならないと、ってアルちゃん頑張っててさー。カッコよくヒーちゃんを迎えに行きたいみたい」
「アーちゃんは常にカッコいいのに……」
「カッコいいかは兎も角として、変な所にこだわるよねアルちゃん」
ムツキは溜息混じりに、やれやれ、と両肩を竦める。
そんなところがカッコいいよ、と言いつつオウヒは申し訳なさそうに自信なさそうに言う。
「でもワタシなんかがアーちゃんの会社に入って、役に立てる事あるのかな?」
「アルはオウヒを秘書にする、って言ってたよ」
「言ってたねー。でもどうして秘書なんだろ?」
「ムツキは聞いてないの?」
「知らなーい。教えてくれなかったんだよねー。カヨコちゃんは聞いてる?」
ムツキの問いに、私は首を横に振って答える。
というか、ムツキにも教えてないのだから、私がわかるわけなどないと思う。
でもオウヒは違うみたい。
彼女は嬉しそうに、クスクス、と鈴の音がなっているかのように綺麗な声で笑みを零している。
それを見ていたムツキは首を傾げて。
「ヒーちゃんは知っているの?」
「うん、知ってるよ。やっぱりアーちゃんはカッコいいね」
そこまで言って、オウヒはポツリポツリと懐かしさを噛み締めるように言葉にしていく。
「アーちゃんと昔、『アウトローでクールなカッコいいカタログ辞典』っていうの作った事があったんだ」
「あぁ、作ってたねそういえば。二人だけで夢中になって、私なんて放置だもん」
酷いと思わない? と、ムツキは私に同意を求めてきたが、悪いけど私はそうは思わなかった。昔からアルは独自の美学を持っていたようで、らしいといえばらしいと思ったし、それをオウヒと二人で語り合ってたと考えると、どこか微笑ましく見える。
でもムツキにとってはそうではないようで、思い出して拗ねてしまった。
オウヒはそんなムツキを見て、困ったように笑みを浮かべて。
「社長を名乗るのなら、秘書をつけるのがクールだって言ってんだよねアーちゃん」
「アルらしいね。でもそれがどうしてカッコよく思ったの?」
「カッコいいよ。アーちゃんは昔から理想のために頑張ってる。諦めずに今も、ずっと頑張っている。だからアーちゃんはカッコいいんだよ」
そういうと、オウヒは満面の笑みで、照れている様子もなければ、お世辞を言っているわけでもない。本当に正直な気持ちで、堂々と包み隠さずに、自分のことのように誇らしげに、己の気持ちを口にする。
その姿が私には――――輝いて見えてしまった。
このキヴォトスでオウヒのように、真っ直ぐな気持ちを、自分の心のまま、言葉に出来る人がいるだろうか。きっと片手で数える程度しかいないと思う。少なくとも、私は初めて出会った。
人は成長すると共に、自我が形成され、羞恥を覚えていく生き物だ。何が好きだとか、思ってはいても素直に口にする事は難しくなっていく。
でも、オウヒは違った。彼女の口ぶりは素直なそれ。ムツキを可愛いといい、アルをカッコいいといい、そして――――私を綺麗だという。その姿は全てが本音であり、本気で言っている事がわかる。
自分の心のまま、素直に言葉に出来る彼女が、私には少しだけ羨ましく、輝いて見えた。
同時に、アルとムツキが彼女を大事にする気持ちもわかってきた。オウヒは光、なんて表現は仰々しいけれど、二人にとってはオウヒは汚してはならない存在なのだろう。
気持ちはわかるかもしれない。まだ知り合って短いけど、オウヒにはアルとはベクトルが違う放っておけない何かを感じる。
ムツキがいう誰かに取られる、と焦る気持ちも。
アルが秘書として傍にいて欲しい、と願う気持ちも。
今の私にはわかる。
オウヒは笑顔のまま、朗々とした口調でムツキに問う。
「そういえば、ムーちゃん達の仕事ってなにやってるの?」
「んー、お金もらえればなんでもやってるよ」
「何でもって文字通りの意味で?」
「内容次第ってところもあるかな。アルが乗り気じゃなかったら、私達も手を出さないって感じ」
私がそう答えると、オウヒはなるほど、と頷いて。
「最近、何か恨みを買うようなこととかやった?」
「えっ、どうだろう。特に爆破もしてないけど。ムツキは心当たりある?」
「私もないよー。どうかしたヒーちゃん?」
「えーっと、ね」
そう口にすると、ガラリ、と。
オウヒの雰囲気が変わった。今までの太陽の笑顔から、凍てつく剣呑な雰囲気へ。
怒りに燃えている、というには凪のように穏かであり。
冷静に静観している、と表すには一触即発な気配を纏ってる。
一体どうしたのか。
そんな簡単な問いすら投げかける事が出来ない。
オウヒは極めて穏かな口調のまま。
「ムーちゃんを見ている気配があるんだよね」
呆気に取られている私とは対照的に、ムツキは気にする事無くオウヒの変化を認めたまま問う。
「いつからー?」
「ワタシ達が会ってくらいから、かな?」
「結構前からじゃん!」
「ごめんね。ワタシの気のせいだと思ってたけど、そうじゃないみたい。この視線には
「何人くらいなの?」
「20人。いいや、もっといるかなこれは――――」
そういうと、いつの間にかオウヒの両手には大型の拳銃が握られていた。
白銀と黒金。とても人が片手で持つ代物ではない得物を持ち、オウヒは軽い口調で言う。
まるでコンビニに行くような気軽さで、忘れ物をしたから取りにいく程度の他愛ない調子のまま、オウヒは軽く言った。
「――――そろそろ鬱陶しいし、ちょっと黙らせてくるね」
△鬼方カヨコ
便利屋68の課長。
いつも冷静な人。顔は怖いけど優しい娘、とはムツキの言葉。
泣いていたのを必死になって励ましてくれていたので、オウヒには優しくて綺麗な人としか思われていない。
オウヒの幼馴染達に対する心のまま絶賛する姿に脳を焼きかけた。眩しい的な意味で。
恐ろしいほど素直な娘というのが、オウヒの第一印象。
ムツキに敵意を持つ集団の出現で、暴の者な顔を見たことから情緒がグチャグチャになる。
△便利屋68の秘書
オウヒのこと。まだ採用されてないけど。気が早いアル社長。
△アルとムツキの喧嘩
実は喧嘩していなかったという真相。
ムツキは焦りから。
アルは見栄から。
△一度暴れると、その地はぺんぺん草も生えないと言われるほど
また変な尾ひれがついている。
またしても何も知らない天上院オウヒ(15)
△『雷帝』を彷彿とさせるほどのカリスマ
※そんなものはない
△「だからアーちゃんはカッコいいんだよ」
ここにも、アルちゃん社長に脳を焼かれた者が一人。
可愛いとかじゃなく、カッコいいと常に言っている辺り、意図せずにアルちゃん社長にパーフェクトコミュニケーションをとり続ける女。
△「――――そろそろ鬱陶しいし、ちょっと黙らせてくるね」
暴の君スイッチオン。
ムーちゃんに敵意を向けたな? ならば死ぬがよい、という理不尽っぷり。