こちら、世界征服推進部ソロモンである   作:兵隊

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 0068復刻、ドレスサッちゃんに脳を焼かれました!
 ドレスサオリ実装おめでとうございます!

 時間軸はVol.2とVol.3の間くらいです


0068 天上院は二度死ぬ

 

 オペラハウス。

 歌劇場とも呼ばれる施設。

 それは、オペラ及びバレエの上演を目的とする劇場のことを指す。

 

 歌唱を主としているためか、劇場の造りは音響特性の大変複雑な建築となっており、劇場の天井は高く、しかし客席の一部の床を低くする、といった造りとなっていた。

 

 

 オペラハウスの外観は立派なもの。

 ならば内観の作りもまた、大層な見た目をしていた。

 

 

 ワタシとしては、オペラとか縁遠い。

 多分、見たり聞いたりしても、途中で寝ちゃうかもしれない。いいや、見たこともないけど。

 

 それよりも────。

 

 

「なんと、無粋な……」

 

 

 オペラハウスに似つかわしくない爆発。

 ビリビリと建物は揺れて、窓ガラスなんて今にも割れそう。立派で荘厳な外観が張りぼてに見えてくる。

 

 けど、仕方ない。

 爆音ならまだしも、耐爆性までオペラハウスに求めるのは、酷と言うものだろう。

 

 

「殿下」

 

 

 どうしたものか、と考えるワタシに話しかけるのはサオリだ。

 

 いつもの戦闘服ではない。

 ワタシ達はオペラハウスに溶け込めるように、ドレスを着ていた。

 

 ワタシは薄い桃色のドレス、サオリは純白なドレス。

 それぞれ着ていた。というよりも、ワタシ達が自前で用意したものではない。今回の仕事、つまりはアリウスに依頼された護衛任務のため、依頼主より用意されたもの。

 

 しかし、ドレスを用意するなんてなんて気前の良い人なんだ。

 誰だったか。ドン・アッチーノさんだったっけ? その人を護衛する仕事なんだけど────。

 

 

「殿下、いかがなさいましたか?」

 

「あぁ、いいや」

 

 

 返答がないワタシに、サオリは首を傾げる。

 

 うん、正直に言うと、見惚れたんだよねサオリに。

 いつもはカッコいい感じだけど、今のサオリは美人さんだ。白いドレスがビックリするくらい似合っている。

 

 顔も良いし、スタイルも良いからだろうか。

 凛々しくて美人とか、反則だと天上院思うわけ。

 

 

「ククッ、いいや、すまぬな。貴様に見惚れていた」

 

「で、殿下。お戯れを……!」

 

「戯れなものか。サオリよ、貴様は麗しい。ムードにかけるが、赦すが良い」

 

「勿体無きお言葉でございます……!」

 

 

 サオリの白い肌が、紅く染まる。

 頬は紅潮し、視線はワタシの方を向いてくれず、俯くばかり。

 

 んー、シャイなのだろうか。

 褒められ慣れていないのかもしれない。今度からたくさん褒めて、慣れさせてあげよう。

 

 それはそれとして。

 

 

「サオリよ」

 

「はっ!」

 

「我らの仕事は、ドン・アッチーノの護衛であったな?」

 

「殿下、ドン・アランチーノです」

 

「そう、それ。それの護衛であったな?」

 

「はっ」

 

 

 で、あるか。

 それから直ぐに再び爆発。連続する乾いた音、つまりは銃声が聞こえる。怒号が聞こえて、鈍い音が聞こえて、再び爆発によってオペラハウスが頼りなく揺れ始める。

 

 護衛、護衛かぁ。

 

 

「敵、多すぎじゃない?」

 

「……はっ」

 

 

 ワタシ達はオペラハウスの廊下を歩く。

 

 喧騒は鳴り止まない。

 逃げる一般人とすれ違う事もあれば、銃器を持ったドン・アランチーノさんを狙う刺客らしき人までいる。

 

 ソレを見て。

 

 

「サオリ」

 

「はっ!」

 

 

 ワタシの言わんとすることを汲み取ってくれたサオリは、直ぐに愛銃を抜いて刺客を撃つ。

 さすがの腕前。放たれた弾丸は頭部へと命中し、刺客の意識を刈り取った。

 

 

「ククッ、相も変わらず良い腕よ」

 

「ありがとうございます」

 

 

 凛とした言葉とは裏腹に、どこか嬉しそうに可愛らしく笑みを浮かべるサオリ。

 なるほど、これがギャップですかそうですか。ワタシには一生出来ないものです。

 

 それはそれとして、これからどうしたものか。

 ワタシ達以外にも、ドン・アランチーノさんは護衛を雇っていた筈だけど、これじゃやられたと考えてもいいだろう。

 

 だからといって、そうですか、仕方ないですね、とはならないよね。

 

 前金は貰っているし、ドレスは買ってもらったし、綺麗なサオリは見れたし、最低限のことはしてあげたいのが人情。

 

 

「サオリ、ドン・アランチーノさんの居場所はどこか分かるか?」

 

「確認します」

 

 

 サオリは胸から取り出した端末を操作して。

 

 

「控え室付近のようです。いかがしますか?」

 

「愚問だな。こうなれば、是非もなし。後手に回っているが、ドン・アランチーノさんの護衛を続けるとしよう」

 

「はっ、お供します殿下!」

 

 

 しっかりお金貰ってるしね。

 前金と後金で、アリウスの皆に美味しいものを食べさせるためにも、ワタシは頑張らないとならないのです。

 

 それに、護衛ってことは他者とも闘えるということ。

 ワタシとしては、闘えるし、そのついでにお金貰えるしで、一石二鳥なのです。

 

 

「では、往くとしようか。護衛する相手が倒されては目も当てられぬ」

 

「承知しました。ですが……」

 

「どうした?」

 

「愉しそうですね、殿下」

 

「ククッ、わかるか。黙したところで抑えきれぬな。やはり、闘争は悦楽の一つよ。スキップでもしたい気分だがどうか?」

 

「殿下、足を挫きますので、ご自重くださいませ」

 

「ククッ、是非もなしかも」

 

 

 確かにね、スキップ危ないもんね。ヒールだからね、足首挫くと痛いものね。

 

 サオリの言葉に従います。闘いでの傷なら兎も角、こういう日常での痛みはいつだって慣れないモノなのです。

 

 そんな浮かれていたワタシ。

 でも直ぐに、冷や水をぶっかけられた気持ちになるのは言うまでもない。

 

 そう。

 刺客側に見知った顔がいたから。

 それも、便利屋68のみんなが────アーちゃんとムーちゃんがいたのだから。

 

 

 




 続かないのでよろしくお願いします
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