ゲヘナの気高き碧い猛獣   作:吠えろ青春!!

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執筆する時間が足りないよ………
そして今回は投稿するのが遅かった上に短い。申し訳ない。


似た者同士

 

彼との最初の出会いは、ゲヘナ学園の入学式が終わった途端に全力ダッシュで私の元に彼が来たのが始まりだった。

 

 

「────空崎ヒナ!俺と青春を掛けた熱い勝負をしないか!!」

 

 

そんな突拍子もない事をいきなり言われて、当時の私はとても困惑した記憶が新しい。

 

 

「────空崎ヒナ!前回は軽くいなされてしまったが、今回こそ俺と青春を掛けた熱い勝負をしようじゃないか!!」

 

 

彼はキヴォトスで滅多に見る事のない男性。だけど私が想像していた物とは180度も違うような男性だった。

 

 

「────我がライバルよ!前回はじゃんけんで負けてしまったが、今回はそう上手くいかんぞ!!全身全霊を掛けた青春の熱い勝負をしようじゃないか!!」

 

 

最初は面倒なことになるのが嫌で、彼を軽くあしらっていたが、それでも彼は何度も何度も私の所に来て勝負を仕掛けて来ていた。今思うと私はこの頃から彼に気を許し始めていたのかもしれない。

 

 

「────何!ゲヘナの情報部に入る!?風紀委員会ではなくてか?」

 

 

彼はゲヘナ学園の一年の中では特に異端な存在として周りから認知されていた。そしてそんな私も彼の事は最初は変人だと認識していた。

 

キヴォトスでは珍しい男性だからというのもあるだろうが、全身緑色のタイツにゲヘナ学園の学ランを上に纏うだけのその奇抜な格好と絵に描いたような熱血漢だといのが要因だろう。

 

 

「────それがお前の決めた道だと言うのなら俺はとやかく口出しはしない。だがもし他に何かに興味が出たとしたら風紀委員会に来い。俺はいつでも歓迎するぞ、友よ」

 

 

最初は鬱陶しく感じでいた彼との会話は、今は何故だかほんのちょっぴり楽しさを感じ、僅かだが自然と笑みを溢せるような関係にいつの間にかなっていた。

 

 

「────何!?2年生になったら風紀委員会に所属する!?………オォ!俺は嬉しいぞ!!またお前と青春を掛けた熱い勝負が出来るなんて………!!」

 

 

彼はヘイローを持たない人間だ。私たちなら銃弾一発なんて擦り傷で済むが、彼は違う。彼はその銃弾一発が自分の死に繋がってしまうのだ。

 

普通の人ならそんな死の恐怖に立ちすくんでしまうだろう。だが彼はそんな不利を埋めてしまおうとばかりに努力を重ねていた。

 

 

「────ようこそ風紀委員会に。そして早速仕事だ。ゲヘナが支持している飲食店で暴動が発生した。それの鎮圧に向かうぞ」

 

 

私はいつの間にか彼の強い後ろ姿に少しの憧れを感じでいた。

当時の私はそんな彼への憧れに自分の事ながら気付きもしなかったが、今ならハッキリと言える。

 

 

彼は間違いなく『ゲヘナの気高き碧い猛獣』……とね。

 

 

 

▼▼

 

 

 

 

ビルのとある屋上にある二人の男女が居た。

 

 

「────近くの大通りで暴動が発生しているとアコから通信が入ったわ。行ける?」

 

漆黒の冠のようなヘイローを頭に浮かべている少女、空崎ヒナが右耳のインカムからの情報を悠々とした様子で隣に立つ男に伝える。

 

「ああ………勿論バッチグーだ……!」

 

それに答えるように、ガイ(偽)が力強く頷き、その白い歯をキラリと光らせて笑う。

 

「また新たに青春の一ページを深く心に刻もうとしようじゃないか!!」

 

「毎回思うのだけれどその喋り方は何とかならないの?」

 

艶のある黒い髪を風で揺らしながら、いつものように『青春』という言葉を出した彼はにこやかに笑う。

 

普段のその調子と気持ちは一体何処から来るものなんだろうかと、彼女は心の中で密かに思う。自分の場合は面倒くさいとしか感じないが故に、彼女にとってガイのその明るすぎるモチベーションは不思議だった。

 

「我が永遠のライバルよ。ここで一つ提案なんだが、どっちが先にこの暴動を鎮圧出来るか勝負をしないか?」

 

「………貴方もこりないわね」

 

「ははは!青春に後ろ向きはないからな!!」

 

また何時ものようにガイは彼女に勝負を挑む。この流れはもはやテンプレートと化しており、何時もガイが負けて何かしらの罰を自分で課すというものだ。

 

彼女は最近ガイの事を一種の特別な性癖を持っているのではなのかと疑っている。

 

「では先に行くぞ!」

 

彼女がそんな事を考えていると、「トゥッ!!」という掛け声と共にガイがビルから飛び降りる。

 

「ハァ………」

 

そんな彼女も後に続くようにしてビルから飛び降りる。

彼女のふわふわとした銀色の美しい髪は、下への急降下により激しく揺れ動き、それと共に彼女の普段は畳まれている翼がバサリという音と共に勢いよく開く。

 

「面倒くさい………」

 

彼女は落下と翼による飛行操作により、全力で走っているガイを一気に抜かして暴動が起きている場所へと向かうのだった。

 

 

 

▼▼

 

 

 

「────また負けた」

 

ガイは悔しさによって地面に膝を付いていた。

 

ガイが暴動が発生した地点に着くともう既にそこはヒナの手によって決着が付いていたのだ。そして今回の敗北によりガイは記念すべき300回目の敗北である。

 

『ハァ……貴方も本当に飽きないですよねえ』

 

そんな中、サポート用のドローンから一人の少女がホログラムで映し出される。その少女は手枷やカウベルといったアクセサリーを身につけており、横乳が丸見えといった風紀委員とはまるで思えない少女だ。

 

「何を言っている。我が永遠のライバルとの勝負に俺が飽きるはずがないだろう?」

 

『永遠のライバルって言っておきながら、ヒナ委員長に一回も勝ててないじゃないですか』

 

ガイは痛い所を突かれたと言わんばかりに「ウグッ」と顔を顰める。

 

『大体貴方はもう少し考えて行動とか出来ないんですか?毎回毎日ヒナ委員長に迷惑を掛けて………』

 

「お前だって突っ走って仕事を増やしたりしているじゃないか。それにお前が一番風紀委員なのに風紀を乱しているって言われてるし………」

 

『はあああーー!?貴方だってゲヘナの珍獣だとか言われたりしてるじゃないですか!!それにこの服装は────』

 

「アコ。そのくらいにしておきなさい」

 

アコとガイの口論がヒートアップすると感じた彼女はそれを遮る為に、アコとガイの間に割って入り、二人の口論を中断する。

 

『ヒナ委員長!あの青春馬鹿が!!』

 

アコはヒナの声が聞こえた瞬間、彼女はすぐに先程のガイの発言を告発する為に声を上げる。

 

「ハァ………」

 

そんなガイやアコを見て、密かに彼女は似た者同士だなとため息混じりで思うのだった。

 

 

 

 

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