ゲヘナの気高き碧い猛獣   作:吠えろ青春!!

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時間が少ないよ〜




原作開始
原作開始?


 

「────連邦生徒会の自治区で暴動?」

 

連邦生徒会長が姿を表さなくなって早数週間。今、このキヴォトスは混乱に陥っていた。

 

ゲヘナではただでさえ問題発生が多いのに、今回の混乱により問題の発生率は2000%以上という意味の分からないような異常事態になってしまっている。

 

風紀委員会は問題の解決に向かっているが、それには限度がある。風紀委員長である空崎に至っては三日とまともに寝てすらいない。

 

なのでそんな問題を発生させた原因となる連邦生徒会に、火宮が責任を追求しに行ったのだが………

 

「はい。矯正局から脱走した生徒が、連邦生徒会に恨みのある生徒を引き連れて暴動を起こしてるみたいです。しかもその脱走した生徒はあの『厄災の狐』みたいなんです」

 

「確かそこは火宮が向かった場所と近いと思うのだが…………。火宮は誰かを連れて行ったのか?」

 

「それが一人で行ったみたいです」

 

火宮は戦闘に向いているかと言えば彼女は戦闘に向いていない。どちらかと言うと彼女はサポートなどをするのが主な役目だ。

 

そんな彼女が七囚人である『厄災の狐』に遭遇すれば間違いなく彼女は危険な目に合う。

 

「すまないが俺は一旦抜ける。ここの仕事を任せてもいいか?」

 

「はい、分かりました!」

 

ガイは一旦、自分が管轄する場所を他の風紀委員に任せて、疲弊した身体を誤魔化す為に『開門』と『休門』を開き、火宮の元へと向かうのだった。

 

 

 

▼▼

 

 

 

「────ああもう!痛いってば!あいつら違法JHP弾を使ってるんじゃないの!?」

 

菫色の髪の少女、早瀬ユウカの声が辺りに響く。彼女は現在暴動を起こしている生徒の鎮圧に尽力していた。

 

「ホローポイント弾は違法指定されていない筈ですが?」

 

「うちの学校ではこれから違法になるの!傷跡が残るじゃない!」

 

「二人共、集中してください。今は先生を守る事が最優先。彼は弾丸一つで生命の危機に晒されてしまう可能性があるんですよ」

 

ハスミとユウカの会話をチナツが中断し、集中しろと喝を入れる。普段の彼女たちなら戦闘に各自集中して挑められるだろうが、今は状況が違う。

 

「ユウカ!シールドを展開して!スズミはユウカがシールド展開している間に閃光弾で目眩しをお願い!」

 

ユウカ、ハスミ、スズミ、チナツは、連邦生徒会長によって呼び出された連邦捜査部S.C.H.A.L.Eこと「シャーレ」の顧問である、『先生』の指揮の元、不良たちを鎮圧をしていた。

 

先生は連邦生徒会長に任命された初日でこのような事態に巻き込まれる中、即時に対応し、彼女たちを指揮し、暴動を鎮圧するという快挙を成し遂げようとしていたのだ。

 

その為か、彼女たちは普段のずっと戦いやすいといったような戦闘をする事が出来ていた。

 

「それにしても数が多いわね………!」

 

「このままでは此方がジリ貧でやられてしまいます!」

 

だがしかし、数の暴力というのは圧倒的で彼女たちは少しずつだが追い詰められていた。

 

「騒動の中心人物を発見!」

 

「あらあら連邦生徒会の子犬たちが現れましたか。お可愛らしいこと………」

 

そこに今回の暴動の中心人物であり、七囚人である『厄災の狐』が登場する。それにより状況は最悪と言える物に変化してしまう。

 

「このままだと先生を守りきれない……!!」

 

多少の量の敵なら彼女たちは『厄災の狐』が居ようとも、対処をする事が出来た。シッテムの箱を有している先生なら、今この状況を何とかする事が出来たかもしれない。

 

だが今の状況は異常な程に多い敵と、シッテムの箱を有していない先生。状況は正に絶望的と言えるものだった。

 

「────先生!!」

 

そんな中、一発の銃弾が先生の元へと目掛けて放たれる。彼女たちはそれぞれが敵の相手をしている為に、すぐに庇いに行く事が出来ない。

 

そしてそのまま先生の胸部に真っ直ぐと銃弾が直進し貫いてしまう……

 

 

 

「────助太刀に来たぞ。火宮」

 

……ことはなかった。

先生はとある男によって抱えられ、安全な場所へと移されていた。

 

「ガイさん!!」

 

「え、嘘!あの『ゲヘナのヤバい珍獣』!?」

 

「……………」

 

チナツから飛び出た名前を聞き、ユウカは驚愕の表情を浮かべる。そしてそれと対照にトリニティであるハスミとスズミは警戒の表情を浮かべるのだった。

 

「ねえ!彼って大丈夫なの!?私、変な噂しか聞いた事ないんだけど!!」

 

「ガイさんなら大丈夫な筈です。多分………」

 

「多分って何よ!!多分って!!」

 

チナツはガイの人柄なら大丈夫だろうと考えるが、普段のガイの行動を思い出してしまい、自信のない回答をしてしまう。そしてそれによりユウカは不安を抱えてしまったのか、困惑したような顔をしてしまうのだった。

 

「それよりも皆さん!敵が攻めて来ています!!」

 

ハスミの声掛けにより、チナツとユウカは意識をすぐに切り替えて武器を構える。

 

増援が来たからと言っても、状況は絶望的な事に変わりない。それでも最善を尽くそうと彼女たちは尽力する。

 

「おい!そこの太もも!」

 

「はあ!?誰が太ももですって!!……ってちょ!?」

 

「お前に先生を任せる!」

 

「なっ!そんな勝手な……!」

 

ユウカが敵に向かって行こうとした瞬間に、ガイが先生をユウカの元へと投げ渡す。ユウカはそれを慌てて抱き止め、ガイへと抗議の声をあげるのだった。

 

だがそれをガイは意に介さないように敵である不良共を見詰める。

 

「ちょっと待って!もしかして一人で戦おうとしてるの!?」

 

ユウカは今すぐにでも敵に突撃をしそうなガイに待ったを掛ける。よく見れば彼も先生と同じでヘイローがない。このままでは彼が危ないと判断したためだ。

 

「大丈夫だ。5分でかたをつける」

 

それにガイはそんな心配は不要だと言わんばかりに笑い、その白い歯をキラリと見せる。

 

そしてその瞬間に彼を纏う空気が変わる。

 

「まさか()()をするつもりなの……?」

 

「あれ………?」

 

チナツはガイが何をしようとしているのか予想出来てしまい、驚きの表情をする。彼のアレを見る機会なんてものは滅多にない。

 

チナツは目に焼き付けるようにガイをジッと見るのだった。

 

「先生、皆さん。しっかりと見ててください。……あれがうちの『ゲヘナの気高き碧い猛獣』です」

 

各々がガイを見守る中、ガイは己のリミッターを一気に三つ開くのだった。

 

「八門遁甲 第三 生門……開!!」

 

その瞬間にガイの身体が熱により赤くなり、緑のオーラのような物が身体の至る所から溢れ出す。

 

「なっ!?あれは何なの!?」

 

「私も初めてこの目で見ましたが、あれの話は聞いた事があります。確かあれは『八門遁甲』と言って身体のリミッターのような物を無理矢理外す技だと聞きました」

 

「それって大丈夫なの?」

 

「分かりません。私も詳しくは教えてもらえていませんので………」

 

「でも」と彼女は言葉を続けながらガイを真っ直ぐ見つめる。

 

「彼は約束を死んでも守る男なので、本当に彼は5分でかたをつけると思いますよ」

 

その瞬間にガイの姿が消え、数人の不良たちが宙に浮くのだった。

 

 

 

▼▼

 

 

 

 

「なんなんだよコイツは!?」

 

「やばいぞ!!次々に仲間がやられてる!!」

 

不良たちの阿鼻叫喚の声が辺りに響き渡る。

ガイが速すぎるが為に目で追えない彼女らでは、目に見えない何かによって次々と仲間がやられていく。

 

次は自分に攻撃が来るかも知れない。

 

そんな未知の恐怖が彼女たちを襲い、中には逃げ出す者すら居た。

 

「凄い………」

 

ユウカはそんな光景を見て思わず言葉が漏れてしまう。それは先生や他の面々も同じようで、ガイの戦闘に見入ってしまう何かがそこに合った。

 

「ってアレは!!戦車!?」

 

そんなガイを対処する為か、奥の方から増援で戦車とまた新たな不良数十名が此方に向かってやって来ていた。

 

「クルセイダー1号!?何故そんな物を彼女らが………」

 

「不法に流通した物に違いないわ!このままじゃあ流石に彼が危ない!私たちも助太刀を………!!」

 

ユウカがクルセイダーという名の戦車を見た瞬間に、ガイが危ないと感じ、助けに向かおうとする。

 

だがしかしそれを止める人物がいた。

 

「何故止めるの!?彼は同じ風紀委員会なんでしょ?彼がどうなってもいいって言うの!」

 

「いえ、そういう訳ではありません」

 

「じゃあなんで………」

 

「彼ならきっと大丈夫だからです」

 

チナツはガイに駆け寄ろうとするユウカを遮るように間に入り込み、ユウカの事を引き留める。

 

「何を根拠に────」

 

その瞬間、ドオオンと何か爆発したかのような轟音が鳴り響く。ユウカが咄嗟に音の聞こえた方に振り返ると、そこには戦車の砲塔部分をペチャンコに叩き潰したガイがその場に立っていた。

 

「嘘で、しょ……?」

 

「これは想像以上ですね……」

 

ユウカとハスミが驚愕の余りに互いに頰を引き攣らせる。最早ガイは本当にヘイローを宿していないのかと問い詰めたい気分だ。

 

「先生。残りの不良共も俺が片付けるのでここは任せてください」

 

そこに5分と掛からずに本当に不良たちを制圧したガイが、放心状態である先生に戦車から飛び移り声を掛ける。

 

「あ、ありがとうガイ」

 

ガイに声を掛けられた事により、先生は放心状態から戻ったが、何処か引き攣った笑みを浮かべながら、礼を言うのだった。

 

 

 

▼▼

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

 

 

 

 

 

 

その後、無事にガイの助太刀もあり、不良たちを制圧し暴動を鎮圧する事に成功した彼女たちは、現在、ガイを問い詰めていた。

 

「あの時は緊急事態だったから聞き流したけど、何が太ももよ!女の子に対して失礼だと思わないわけ!?」

 

「ガイさん。女の子に対して太ももというのは流石にどうかと思いますよ」

 

それはガイがユウカに向けて言い放った『太もも』という、当の本人からしたらデリカシーのカケラのない言葉に対する抗議だった。

 

「すまない。頭の中でお前を見たら太ももという言葉しか思い浮かばなかったんだ」

 

「はああああーー!!??それって私に対して喧嘩を売ってますよね!!いいでしょう!ミニレアムの誇る最高戦力であるC&Cを持って相手をしてあげますよ!!」

 

「いや喧嘩を売っている訳ではないんだ。………ただ俺の記憶の中にはお前が太ももという記憶しかなかったんだ」

 

「…………⚪︎す!!」

 

ユウカが怒りのあまりか握り拳を片手にガイの元へと向かおうとする。それは姿は正に鬼の如く勇ましい太ももだった。

 

「ユウカさん。落ち着いて!!……後でこの馬鹿はうちがしっかりと罰を与えておくので!!」

 

「いや本当に悪気はないんだ。だけど俺の記憶の中ではユウカ=太ももって何故だか覚えていたんだ」

 

「…………殺⚪︎!!」

 

ユウカは自身の愛銃を片手にガイの元に向かおうとする。その姿は正に龍が如くのような勇ましい太ももだった。

 

「いや本当に────」

 

「もう貴方は本当に黙ってください!!」

 

 

 

 

 





因みに『厄災の狐』ことワカモさんはガイの姿を見た瞬間に撤退をしました。過去にはガイに負けて捕まった事もあるしね。

それとガイの原作知識に至ってはキヴォトスに来てから約9年と経っているので、殆ど有りません。覚えていても少しくらいで、ユウカ=太ももとかこんな感じのやつですね。

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