『世話の焼ける妹達だこと。』
「お姉ちゃん?」
『はいはい。』
『エノスは飛行ユニットのテスト、フェンリアは……。』
「アンナです。」
『アンナは単独飛行テスト。』
私は技術支援として待機。滑走路に座って待ってよう。
「手伝ってくだ、さい。うまく、固定ができない、のです。」
『どれどれ……。』
『これでどう?軽く吹かしてみて。』
「うわ、うわ、うわぁぁ!」
『飛び過ぎ!飛び過ぎ!出力落とせ!落ち着け!』
掴まないと!
『はい、キャッチ。どう?空を飛んだ気分は。』
「と、飛んでる!」
「良いなー、よいしょっと。」
『あっ!ちょっと!勝手に飛ぶな!うわっ!あっつ!』
横を掠めるように垂直上昇する妹に怒りながらゆっくりと降りる。
「にひひー!遅い遅い!」
『飛行許可も無しに飛んだ悪い子は今日のカレーは無しです。空気でも食べてください。』
「がーん……私のカレー……。」
『知りません。エノスは食べて良いよ〜。』
腕の中で微笑む少女を下ろし、出来過ぎで不出来な妹を迎えに行く。
「カレーがぁぁ……。」
『反省。』
「わん。」
『犬じゃないんだから。ほら、ゆっくり降りるよ。』
今日の朝食はカレーライス。チェリー達は今週2度目のカレーになってしまうのでちょっと申し訳なく思う。
「本当にお皿だけ……。」
「ま、まあ……自業自得かと……。」
「ストリンガーまで……しゅーん。」
『では、日本人(イポーニャ)の素晴らしき伝統に従って……各員、胸の前で合掌。したな?では、続けて言って。』
『頂きます。』
「頂きます。」
今回のチキンカレーは多めに作ってあるが、勝手に飛んだ規則違反者の分は無い。
「うめ、うめ……。」
「ダイナ、毎回それしか言わないな。」
『おかわりもいいぞ。しっかりと食え。』
昔読んだ"狂四郎2030"という漫画にも似たようなカレーライスの一幕があった。まあ、漫画と違って私は酷な事はしない。毒ガスなんて用意してないからね。
「グウェン、食わないのか?」
「漫画で見た展開……。」
「おい、まさか……。」
『チェリー、グウェン、誤解無きように言っておくと毒ガス等の準備はしてない。安心して。これはただの食事。』
「ほっ……。」
「紛らわしいなぁ、もう!」
食事中に失礼。
「ひもじい……。」
「残念ね、少佐の妹さん。」
「パンツァービュクセは良いよなぁ、しっかり食べられて。逃げようとしてるMG42も。」
「ば、ばれてましゅたか……。」
妹の肩を後ろからトントン。
「なに?今、忙しいのだけど。」
『恐喝は更にご飯抜きだぞ♡』
「ね、姉さん!?」
とりあえず反省するまで机にめり込んでいて貰う。
『さ、食べて食べて。このペースだと昼食もカレーになっちゃうから。』
アンナ以外ほぼ全員が満足して各部屋に散った頃。
「ぐ〜っ……。」
「ひ、ひもじい……姉さん、反省してるから許してぇ……。」
『本当に?』
「もう勝手に飛ばないから!」
掴みかかってくるあたり、本当にお腹が空いているらしい。
『てい。』
CQCは私の方が上手。やはり経験の差、だろうか。
『10分後に厨房に集合。場所はわかる?鼻使っておいで。』
約束の時間……の5分前。もう既に来ていた。早い。
『おにぎりの具は何が良い?カツオ?』
「しゃけ。」
『そこに座って。』
大型炊飯器の前に座らせる。手を濡らすボウルに、塩と、具材とを用意しておいた。
『自分で作りなさい。私は皆の分を作るから。』
「あっつ!あっつ!熱い〜!」
「よっ、ほっ……!」
『そうそう、そんな感じ。』
要領は悪くない。流石、私の妹である。
「うーん……。」
『なんというか……うん、私が作ったほう食べる?』
「食べる……。」
昼。封鎖作戦に出かける。
「フェンリア、スタンバイ。」
物資供給の阻止作戦。まずは……通信妨害をしてくる電子戦車両を攻撃する。
『フェンリア、やれ。』
「了解。移動と銃撃、開始。」
『全車破壊確認、次は輸送車両群を攻撃。』
「ひーっ……!ひーっ……!と、飛んでも……?」
『飛行許可はまだ出さないよ?』
「うわぁーっ!」
「はぁ……はぁ……ね、姉さん!終わり……。」
『じゃあ後は……あの戦車だねぇ。』
「もういやーっ!」
『飛行許可、出すよ。』
「えっ……?」
飛行許可を出して作戦を続ける。おや、バックアップのMG42とPzB39が何か言ってるな。
「お、鬼……。」
「しーっ、本人に聞こえてる。」
『MG42、パンツァービュクセ、私はオニだよ。身内に厳しく、自分に厳しく……対外的にも厳しく。プライドを打ち砕いて兵士に仕立てる……1回は経験したはずなんだけどな……。』
「経験した?」
『実家が厳しくてね……狩猟シーズンに向けての猛特訓が辛かった……。』
「まさか、これよりも……。」
『森の中で1ヶ月過ごしたり……無人島に冬の間流されたり……。3人だったから乗り越えられた。』
「姉さん!戦車の破壊完了です!」
『よくやった……よし、残敵無し……作戦終了。お疲れ様、今夜は親子丼だ。』
「親子丼……!?やったぁ!」
「鬼も時に甘いなぁ……。」
帰還中、アリの大群に遭遇。どこからこんなに……。
「指揮官様!撤退しましゅよ!」
『いや、ここで逃がすともっと増える!潰せ!』
「指揮官!」
「了解、射撃開始。」
「うんわぁ……アリがあっという間に溶けていく……。」
「弾薬費が怖い……。」
『うぐっ……予算問題は気にしないことにしていたのに……。』
この日の経費はカリーナさんに怒られるほどに嵩張った。
狂四郎2030
:内容に関してはwikipediaやpixiv百科事典、ニコニコ大百科等の解説記事に任せるが、カレーライスを少年兵育成施設の職員が振る舞うシーンが存在する。作品の内容上ただの食事ではなく……。
親子丼
小さく切った鶏肉とタマネギを甘いだしで煮込み割った卵でとじて白飯の上に乗せた丼料理。あの伝説のMiG-25乗りも食べたという。
持ち出し禁止資料
グリフィン急進派及び鉄血"穏健派"の連名でアイガイオン建造計画が進行中
完成すれば新ソ連軍に対抗できる見込み
VM-Tの再建計画:停滞
アイガイオン構想
人形をコアとする陸上巡洋艦構想。鉄血のオケアノス計画、アトラス計画に影響を受けた構想であるがランドアイアンクラッドに多少似ているところがある。鉄血のジュピター砲台の自走化から構想が発展した。
オケアノスがハッキングを仕掛けたのはこれを鉄血側から探る為(妹とは違い、きな臭さを感じていた)
ライカ少佐のVM-T
エアレイダーの支援要請の範囲で使用可能な最大火力であるテンペスト超大型ミサイルをVM-Tに積載、空中発射母機となる計画及び構想。EDF5ではテンペストの発射基地である軍事基地バレンランドが陥落しなかった為、計画のみで終わったが、積載可能にする為の研究(実験などを含む)は行われた模様。
EDF1,2ではノヴァヤゼムリャ空軍基地が破壊され、EDF3,4では……