【地球防衛軍6】2人のライカ   作:イエローケーキ兵器設計局

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 空が赤くなって3日。コロニスト(カエル)に基地を包囲されてしまった。


10.石の上にも3年

 

「大所帯ですねぇ……。」

『参ったもんだよ。』

「申し訳ない……。」

 プライマー達の尖兵、コロニストに囲まれた鉄血の基地からオケアノス指揮戦車がアトラス重戦車、配下の戦術人形たち1個大隊を地下トンネル経由で避難させてきたという。

「指揮官様、地下トンネルの封鎖成功を確認しましゅた。」

「ありがとう、45。」

 うちのMG42に服装以外(顔とか義体そのもの)は非常によく似ている戦術人形がオケアノスに報告する。

「あ、あれぇ!あたしがいましゅよ!?」

「こんにちは、MG42さん。私はMG45、よろしくお願いしすしゅね。」

「ひ、ひぇぇ〜!あたしじゃないあたしみたいでしゅ〜!」

「あら、不思議ね。」

「12、そんなに目を開いてどうしたんだ?」

「興味があるのよ、指揮官。」

 AK-12と呼ばれた戦術人形がMG42とMG45の取っ組み合いを無表情で見つめている。

「あまり本人の前で言うことではないぞ。」

『MG42、MG45、そろそろ取っ組み合いは辞めて。』

「取っ組み合いじゃないでしゅよ〜!」

「そうでしゅよライカ少佐、これは取っ組み合いではありましぇん。」

『怪我はしないでよ?』

「少佐。」

『どうしたの?エノス。』

「そろそろ……来る。」

『……警戒!防御配置!』

 

『レナ、エノス、貴女たちはAK-12と待機。オケアノスさん、1個小隊を借ります。』

 

 人員を割り振り、戦闘に備える。築城はこれまでの時間で下準備は済ましてあるが、そうは言っても時間が稼げれば御の字……多分、簡単に突破されてしまうだろう。

 

「こちらハンガーでしゅ!アリが突き破ってきましゅた!」

「42!左!左!」

「う、うわぁぁ!」

 電動ノコギリ様の銃声が無線越しに響く。

「ひぃ……ひぃ……ふぅ……!」

 

「宿舎です、カエルが、来ました。」

「エノスさん!撃って撃って撃って!」

「こうも的が大きいと外したときが笑えないわね。」

 各部門が攻撃を受けている……頼みます、アトラス。

「悪いカエルさんは……みぃつけた!」

 爆発。

「……四肢も頭も、もげてるわね。ちょっと好きじゃないわ。」

「兄さん!キャニスターなら殺せる!」

「いいぞ!その調子で頼む!」

 

『情報収集機、オンライン。偵察を開始。』

 推進式ドローンを射出、周囲を確認……うーん、籠城戦かぁ。

『各小隊、データリンクを行う。黒アリと赤アリとカエル。』

「う、うげぇ……。」

 宿舎に侵入を試みたカエルは死んだが、黒アリと赤アリがそれに反応して侵入を試みている。

「レナです!弾薬が不足しています!」

『よし!君!弾薬箱を担いで行ってらっしゃい!』

 ハンガーは……アリが開けた穴からカエルが銃を撃っている。

『ハンガー隊、状況を報告せよ。』

「こちらMG42でしゅ!死傷者無しでしゅが、制圧されて身動きできないでしゅ!」

『マルフーシャ、攻撃支援はできる?』

「了解、やってみます。」

 

 敵の残数が尽きたのか、もう攻撃してくるアリもカエルもいなかった。積み上がったのはアリ、アリ、カエルの死体と薬莢。

 

『あー……夕ご飯にしようか。』

 今後のことを考えると食料も場所も流石に足りない。一人当たりがかなり貧相になる。

「よーし、各自、運んできた食料を供出してくれ。」

『え?良いのかい?』

「どうせ、すぐにここも陥落するんだ、最期くらい美味いものを。」

『わかった。動ける者、料理の経験のある者は集合。』

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

『ホットドッグ、肉じゃが、ハンバーガー、海鮮丼にたこ焼き……よく海鮮系の素材が見つけられたな……野菜炒め、ラーメン、カツ丼……その他諸々。しっかりと味わうように。』

 

 増援のお陰でなんとかリクエスト通りに全員分を作り終えた。私も休憩をもらおう。

『エノス、私はちょっと寝る。』

「わかり、ました、おやすみなさい。」

 

 

 頭の下、そして顔の上で柔らかい感触を感じる。私が男なら興奮していたのかもしれないが、私にそんな趣味は無い。

「手のかかる妹でごめんなさい。」

 エノス……私は君を妹と思ったことはない。私の妹はアンナ、部下はレナ……まあ、エノスは実質的な妹とも言える……し、ある意味血の繋がらない妹か。

「手がかかると愛しい。勝手に育つのは楽で良い。」

 

 

 

「……!」

 窓の外から差し込む強烈な光。全てが……消えた。

 

 

EDF restart




なぜ彼はここが陥落するとわかっていたのか……それは私にはわからない。




「これを見ている、ということは見つけてしまったようだね、観測者君。」
「私は……CENSORED。あの時代を記述した者だよ。」
「私はあの時代を記述して、ずっと見守ってきた。だから……あの時代から来訪者(=娘たち)が来ると知っていた。」
「エリザ様にはご心配をお掛けしてしまった。妹にも。」
「……来訪者達はあの時代に翻弄されながらも記述通りに死んで生きて……あらかじめ設計された運命なんて存在しないのかもしれない。あの"2人のライカ"は意図せずにイレギュラーを起こしたし。」
「本当は成り行きに任せる消極的な補助役のつもりだったが……気がつけば積極的に補助をしていた。まあ……大丈夫だろう。参考にした方の"アトラス"も本の中に閉じ込められていたしな。」
「そろそろ次の周回が始まる。」
「彼女たちの受難は私が記述した通りに9周目の大団円で終わる……と良いんだが。そうなるとは限らないのが怖いところだ。」
「ここまで聞いてくれてありがとう、観測者君。君の時代がここよりも平和である事を願うよ。あぁ、別に君の時代に興味があるという訳ではないから安心して欲しい。誰も怖がらせなくて済むような時代に……。」



アトラス
:ゲーム「MYST」に登場する主要人物「アトラス」及び神話上の巨人の名前であり、空を支えるアトラスからCENSOREDが名前を取った。

記述
:ゲーム「MYST」シリーズに登場する、本に特殊な記述をする事で世界(作中では「時代」と呼ばれる)を創作する技術、及び手法を指す。CENSOREDはこの技術を研究している。

CENSORED
:ドルフロ世界でEDF6を記述した張本人。まさか設定上の登場人物や敵等が時代の垣根を越えて出てくるとは最初の周回(初代EDF)では思わなかったらしい。この間のハッキングではアイガイオン計画というキーワードを鉄血のサーバーで調べていた。

記述を習得した理由
:エリザ様達を避難させる比較的平和な世界を求める為に研究するも、手探りな為にどう書けばどのようになるのかを調べている。なお、ある"時代"(代理人をDOLLSが殺す作品)の「マキシム・ゴーリキー」ことANT-20も似たような技術を習得しており、こちらの方は加筆がその都度必要ではあるものの使いこなしているようである。
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