【地球防衛軍6】2人のライカ   作:イエローケーキ兵器設計局

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 視界を白い光に包まれたかと思ったら、私の知っているゴワゴワなベッドで目が覚めた。
「ここは……?」
『エノス……?』
「エノス、早く起きて整列しなさい!」
『……ベルカ?』
「はっ!申し訳ありません大尉殿!」
 私はなぜ見ず知らずの部下の名前を知っているのか。
「もうちょっと寝かせて……資料を読みすぎて頭が痛い……。」
『貴官は……もう少し寝てても……。1時間後に会議室Cまで。』


EDF6
11.転機


 ライカ少佐が戦闘機を降り、日本の研究所に出向して……1ヶ月。私が後任の隊長になっていた……カレンダーを捲る限りその時期に私は帰ってきたらしい。

「レナ大尉、お姉……ライカ少佐は、どこ……ですか?」

『エノス、覚えているんだね。隊長は1ヶ月前から日本の研究所に出向してるよ。』

「そう、ですか。」

『そう。溶鉄小隊はエノスとベルカ、あとは……。』

「ストレルカ、です。」

 ストレルカ……見ず知らずの人間の筈なのになぜか知っている。

「おやおや、殺人鬼はこれで揃い踏みですか。」

『司令官殿!第341飛行隊、整列完了です!』

 反抗的な目を、目前の嫌味な太っちょに向ける部下たちに内心笑いながら返答を返す。

「では、整備を済ませて1000には出撃準備を整えておくように。前線も交代制だからな。では、解散。」

 西部戦線異状なし、と言ったところかもしれない。出撃すれば飛行ドローンに捕捉され、大抵は消耗してしまう。隊長なら警戒していないポイントを的確に狙って通ったり、あの異次元機動について行ったりできるだろうけれど……私たちにそれは難しい。

 

「ベルカ、アレ取って。」

「……ベルカ、その工具、違う。」

『げっ……オイルが切れてる……エノス!どうしたの、顔中オイルまみれだよ!』

「もう!皆、一度に言わないでっ!」

 見慣れたはずが無いのに、見慣れてしまっている。

 

 

『あー……無線の調子は良好……?』

 今日はストーム1を保護した兵士、コードネーム"軍曹"が円盤型の輸送船を撃墜した日である。

「2番機から、1番機へ。4番機が遅れている模様。」

『ストレルカ、大丈夫……うわっ!』

「1番機!正面!エノス!ストレルカ!早く戦闘準備しなさい!」

 飛行ドローンのレーザーをギリギリで避けて、逸れている警戒状態の飛行ドローンに機銃を当てる。よし、壊れた。

「3番機、戦闘を、開始。」

「4番機、読書から戻る。」

 マイペースね……。

 

 翼や胴体に多少被弾したものの、戦闘には問題の無い程度であり、帰還許可も出たのでさっさと帰ることにする。

「おい、新人が輸送船を撃墜したぞ!」

「どうやら輸送船の弱点は下部のハッチの内側のようです!」

 無線機から前線の通信が聞こえる。どうやら新兵が弱点に気づいたらしい。

「隊長、どうやら輸送船が付近にいる模様。」

『了解、地上はどうなっている?』

「……!友軍が孤立してる!隊長!」

『了解、地上攻撃支援をお願い。』

 シュレーゲムジークなんて便利なものは無いので、失速状態で輸送船の下に潜り込もう。

『しっかり減速して……減速して……待機……待機……ハッチが開いた!今だ!』

 輸送船の下に潜り込んでコブラの姿勢。30mmと新型ロケットで攻撃!

「輸送船が沈む!隊長!早く!」

 地上を見れば孤立していた友軍はアリの残骸に包囲されていた。

 

 

「ご苦労だった、溶鉄小隊。」

 珍しく対外的に使う部隊名を使ってくる。

「レナ少佐、お疲れ様だった。」

『少佐?』

「君はこの地域のみならず全人類にとってとても大きな成果を上げた、当然の昇格だ。今日は全員をゆっくり休ませると良い。」

『はい?』

「明日からの健闘に期待しているよ。」

 

 

 親子丼を一杯煽りながら静かな食堂を見渡す。かつては数百人規模だったこの基地も20人も居ない程度になってしまった。

 

「各員、明日の作戦はきついものになる、ゆっくり休むように。では、おやすみ。」

 司令官はすごすごと帰っていく。下手に顔を出さない方が良いのに。唯一シラけた目を向けなかった給養員のおばちゃんと、シラけた私たちを置いて。

 

「おやすみ、なさい。レナ少佐。」

『ゆっくり休んでね。』




「はい、私です。ライカ中佐、昇進おめでとうございます。」
「はい、あー……はい。了解しました。そのように。」
「いえいえ、そんな。むしろ貴女のほうが大変ではないですか?」
「はい、はい。わかりました。ええ。失礼します。」



新型機は原作では全滅しましたが、今作では殺人鬼隊こと、溶鉄小隊機は健在のようです。

殺人鬼隊と呼ばれている理由
:少佐の鬼のような指導がまるで(温和な表面に冷酷な内面を持ち合わせる)殺人鬼を量産するようだったから。
 隊長が変わって、多少は訓練内容も優しくなったので殺人鬼隊と呼ぶのはあまり適切では無い、とレナ隊長は思っているが十分にエノス達にとってはハードワークのようである。
 元はライカ少佐が4個飛行隊(16機)を率いていたが、輸送船の増加に伴い、部隊を分散させた結果、新人指揮官であるレナ大尉の手元に残ったのは4機だけであった。もっとも、レナ大尉は戦績により昇格して(本人は知らなかったが昇格試験にはもとから合格していたらしい?)レナ少佐となった。
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