【地球防衛軍6】2人のライカ   作:イエローケーキ兵器設計局

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『ここは……。』


1.漂着

 知らない天井……蛍光灯の光が眩しい。

「兄さん!彼女が目覚めました!」

 色白の少女が視界に乗り出してくる。少しやかましい。それと同時に懐かしさを感じてもいる。私にも似たような仲間が居た。もう……居ないが。

 

「こんにちは。君の事について幾つか聞くけれど……構わないかい?」

 これもまた、色白の今度は少年の発言。

『ええ。構わないわ。』

「一応伝えておくと、黙秘権が貴女にはあるし、喋らなかったからと言って不利益を被る心配はないつもりだから……まあ、答えてくれるとありがたい。構わない?」

『ええ。』

「では……貴官の氏名と所属は?」

『ライカ。階級は少佐。所属は……答えなくても構わない、と聞いたけれど答えた方が良さそうね。』

 少女の表情が一瞬険しくなったように見えたから。

『地球防衛軍……私達はEDFと呼んでいるのだけれど……その様子だと存じ上げなさそうね。』

 この兄妹は面白い。表情がころころ変わる。至って真面目に答えているだけなのに。

「え、えーと……あのEDF……?」

『そのEDF以外にあるなら逆に聞きたいわね。』

「まずい……まずいぞ……アトラス……。」

「兄さん……。」

『……殺されるのかしらね。』

「いえいえ、殺したりなんか……。でも、そんなことあり得るの……?」

「えーとその……大変申し訳ないのだけれど……僕達の共通認識として、EDFは単なるビデオゲームだったんだ。貴女のような兵士が出てきて、地球の為に敵に立ち向かって……。」

「だからその……ビデオゲームの世界から人が出てくるなんて思わなかったんだ。」

『なるほど…………教えてくれる?そのビデオゲームの方のEDFはプライマーに勝った?』

「う、うん……オペレーション・オメガで生存者のほとんどが死んじゃったけれど……。」

『そう……やっぱり正史なのね。』

「その後を描いた続編があって……。」

『地球は死の星になった?』

「ループを繰り返して敵もEDFも強くなって最終的に被害を抑えてプライマーを消滅させたんだ。」

『そう……。』

『プロフェッサー君、ストーム1……やり遂げたのね。』

「プロフェッサー……ストーム1……!」

「貴女が……!?兄さんやっぱり……!とりあえずグリフィンに連絡する……!?」

「そうしよう!急げ!」

『何がどうなってる……の?』

 走ってどこかへ行く2人。周りを見るとなるほど、ここは病室や医務室ではない。兵器の格納庫だ。

『あっ……さっきの……。』

 灰色の戦車。そして……。

『あった……ライジン……。』

「そこで何をしている!」

 背後から声、3人以上居たのか。素直に両手を挙げておこう。

『……まだ何も。』

「ゆっくりとこちらを向け……そうだ、ゆっくり……手は下ろすな!」

 振り返ってみれば知らない顔。確かに3人以上居るようだ。

『お名前は?』

 首を傾げてきょとんと尋ねる。まだ通用する歳のつもりだ。

「お、俺か?俺は……おっと!いいか?良い子ちゃんだからその武器は降ろせ!な?」

 まんまと引っかかるもんだなぁ。ライジンを取って構えてしまえばもうこっちのもの。

『貴女のお名前は?』

「エ、エクスキューショナーだ!頼む!撃たないでくれ!」

『ここはどこ?』

「2062年のソ連。ライカ少佐、エクゼ姉さんを解放してあげて。」

 さっきの兄妹が戻ってきたようだ。

「ライカ少佐、貴女の処遇が決まったわ。貴女はPMC"グリフィン&クルーガー"の指揮官として配属されるの。ここから……。」

 

 一日休んだあと、私はPMCの本部に向かう事になった。この兄妹たちはグリフィン&クルーガーとは本来、敵対しているPMCらしく途中までは戦車に乗せてくれたけれど、ヴォルガ川からは一人で行くように言われてしまった。

 

『お世話になりました。』

「お達者で。」

「うぅ……交戦したくねぇ……。」

「いつかまたお会いできたら……お会いしましょう!」

 

 

 数日掛けて飛行と着地を繰り返し続けて、日が沈んだら瓦礫に隠れて休んで……途中、ゾンビのような何かが居たのでスパークバインで感電させて頭部を潰して切り抜けて……ようやく辿り着いた。

 

『……こんにちは、小さな門番さん。元地球防衛軍所属のライカ少佐と申します。』

「確認するわ、待っていて頂戴!あと、小さいは余計ね!」

 これは失敬。可愛い門番さん、よろしくね。




 孤独、不安、殺意。
 空も地も纏まることはない。
 人々が纏まらないのだから。
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