【地球防衛軍6】2人のライカ   作:イエローケーキ兵器設計局

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 ライカ少佐が……死んだ。私達を置いて。衝撃波はシェルターのドアを激しく揺らし、物資の山を大きく揺らした。


閑話休題 生存者

 

「隊長……。」

『少佐……そんな……。』

 この極東系パイロットは名前をヒロセレナというらしい。TACネームもレナ、だという。

『これもまた、EDFか……。』

「裏切られた……。」

『ハハハッ……!』

「何が面白いんですかッ!」

 殴打。腹に響くとても良いパンチである。(多分、内臓が傷んだと思う)

『イタタ……人類の運命は私達に託された。この基地は地図から抹消され、また目覚めるまで眠りに就くんだ。』

「隊長が……死んだというのに……!」

 振り下ろされた拳を掴んで一言。

『少佐もEDFもきっと、また灰の中から起き上がるだろう。』

 キョトンとした顔にもう一言。

『その日まで……私達は備えなくては。』

 

 基地が蒸発して1年経った。外は何も変わらない。相変わらず高レベルの放射線源が溜まっている。先月、リンダが死んだ。感染性の病気ではなく持病だったらしい。研究の方は順調で、降下翼兵たるウイングダイバーの武装研究が進んでいる。レイピアの射程とサンダーボウガンの射程を埋めるランス系の武装は実地試験を待っている。まだ屋内では撃てないから試す機会は無いけれど。

 

 2年経った。電力はあっても医療体制は素人に毛が生えた程度。たまにやってくるアウトローで恥知らずな不法侵入者をセントリーガンで追い払うくらいしか私たちにできることはない。昨日はデネブが死んだ。研究は順調。シェルターに眠っていた3Dシミュレーションどおりなら今作っている長距離用電撃銃"ライジン 試作型"だって使い物になるだろう。

 

 

 基地が蒸発してさらに時間が経った。もはや何年経ったかなんて覚えていない。唯一の生き残りであるレナと少佐について話をした。外を銀色のクラゲのような空中艦隊が移動している。3Dプリンターで出力した武器は想像以上の出来である。

 

「ペリスコープで外を覗いても少佐は帰ってきませんよ。」

『確かに、それはそう。でも、これを見て。』

「これは……何?」

『敵対勢力の空中艦隊だとおも……あっ。』

「えっ……空が……赤く……。」

『私が外に出る、貴女はそこで待って。』

「博士!私が出ます!」

 

 押し問答の末に二人共々、シェルターを出てきた。どうせ生き残ったのはこの二人だけ。不法侵入者も誰も居ないこの静かな世界で留守を守る理由も無い。

 

『プロフェッサー君……君はまだ生きているのかい?』

 


閑話休題(1) 婿養子


 

 前置いて言っておくが、私はまだ初めてすら知らない。

 


 

「そういえば、少佐の青春ってどんな感じだったの?」

『うーん?青春かぁ……。』

「うん、青春!私達には縁もゆかりもなかったから……。」

 私にそんな事を聞いてくるのは赤い髪の少女、アリビナだった。

『私には無かったね。』

「え〜!」

『色恋沙汰には興味が無かったし、第一、私にとって空が彼氏だったから。』

「空が彼氏……へ〜、詩的〜。」

「ということは……ずっと空を飛んでたの?」

『え?あっ……うん。私が死んだのが2024年で……生まれが1992年……かれこれ12,3年は乗ってたと思うよ。うん。』

「空は……好き?」

『そうだねぇ……妹と飛べるから好き、かな。』

 

 

『〜♪』

 シャワールーム。ありもしない記憶にかなり悩まされてお風呂に入れない自分がいる。

 


『こら、何をするのよ!』

 お風呂に入っている間に入ってきて、あろう事か私の身体を触ろうとした不埒者(おとうと)の頭に拳骨を落とす。

「ご、ごめんなさい、姉さん……。」

 

「僕は姉さんの事が引き取られた時から好きなんだ!」

『順番が逆!未遂とはいえ襲ってから言うな……んっ……!んんん……はぁ……はぁ……返事は……待って、ね?んっ……。』


 

 孤児として引き取られた血の繋がらない弟くらいに思っていた男が、実は婿養子として父に引き取られた男の子だと知ったのは、弟が行方不明になってからだった。何も説明せずに唇を奪いやがって。周囲への説明とか妹への説明とか、初めてのキスだったこととか、(婿養子と知らなかったとはいえ)姉としてどういう心境だったと……。

 

 

 私が相棒と出会ったのは妹をプライマーの侵略よりも前の紛争で失ってから。丁度、弟が行方不明になって数ヶ月経ってからだった。彼を撃ち落とした日から私はプライマーの侵略まで空に上がれなかった。

 

「少佐、大丈夫?お肌痛まない?」

『ん?あぁ……ごめん。』

 シャワーを出したまま止めずにずっと頭から浴びていた。何も考えたくない時や逆に何か考えるときはこうなってしまう。

『弟と妹の事を思い出してしまってね。』

「そっかぁ〜。元気……じゃなさそうだね。ごめん。」

『良いよ、妹はこれから助けに行くから。弟は……探さないとね。』

 妹を戦闘機ごとモスボールしたなんて言えない、な。




解説
 ライカ少佐が、電脳化され戦闘機OSになった妹を戦闘機ごとモスボールしたのは2022年(EDF1〜EDF5までは確定事項?)。約40年近くの年月をライカ少佐の妹は地下で過ごしている。参考までにアッシュアームズ×溶鉄のマルフーシャコラボにおけるスネジンカのランドアイアンクラッド内で過ごした時間は凡そ30年。
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