真剣で私に恋しなさい!!S -四神の王-   作:慶次

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幼年期 ―○○○―みたいな感じで続き書こうと思ったけどやめました。
早く原作入りたいんで。
じゃあ何でこんなの書いてんだよって?
もっともです。返す言葉もございません。
そんなこと言ったってしょうがないじゃないか!
書きたいんだもの!
では、どうぞ。


成長期 ―『納豆小町』との出会い―

Side 黄眞 龍一

 

 

 

 

 

雲ひとつない快晴の空の下、俺とヒュームはお互いを見据えて相対していた。ここは九鬼のビルから5kmほど離れたところにある縦・横10kmほどの広大な広場で、武術家の中でも『壁を越えたもの』と呼ばれる人たちは、一撃一撃が致命傷になりかねないし、拳を突き出しただけで車を吹き飛ばす衝撃波を生み出す。

そんな人外スペックを持つ俺。そして対戦相手で師であるヒュームにとってはこの程度では思い切り戦えず狭く感じるのだ。

なぜこんなことになったかというと、俺の言葉が発端だった。

 

 

 

回想―――――――――――

 

 

 

鍛錬の休憩中、前々から思っていたことを口にした。

 

 

 

 

 

龍一「なあヒューム、俺さこれから日本を含め世界中を回ってみたいんだ」

 

 

 

ヒューム「なんだいきなり」

 

 

 

龍一「驚くのはしょうがなさ。初めて人に話したし。でもさ、これは前から思ってたんだ。今俺は   日本という国で暮らしている。だけど日本と一言で言っても全てがわかる訳じゃない。方々   の地方によって主義主張も変わってくる。そのところどころでたくさんのものを見て聞いて   学んでいきたいんだ。まずは日本。その後に世界にでる!!」

 

 

 

ヒューム「なるほど。それが理由の半分か」

 

 

 

龍一「あり?やっぱわかっちゃう?」

 

 

 

ヒューム「当然だ。俺を誰だと思っている。もう半分はまだ見ぬ強者、ついでに人材の発掘。ダイ     ヤの原石探しといったところか」

 

 

 

龍一「正解。強者うんぬんはぶっちゃけ二の次だね。いい人材は早いうちに唾付けとかないとすぐ   いなくなるからね。強者に関しては揚羽やヒュームクラスじゃないと満足できないからな    ~。あ、でも将来有望そうなのは引っ張ってくるよ」

 

 

 

ヒューム「なにが『満足できないだ』今まで一度も全力などだしたことないだろう」

 

 

 

龍一「まあね。いつでも万全の状態で戦えるわけじゃないし、鍛錬中肉体にリミッターをかけて試   行錯誤してたんだよ。俺の正体(オリジナル)に引っ張られたのか、いくつか技も思い出して   試したし」

 

 

 

ヒューム「そうか。旅の件は帝様と局様の判断を仰ぐことになる。そんなに時間はかからんと思う     がな。それよりも『正体(オリジナル)の技』と言っていたな。面白い。死合いで見せて     みろ」

 

 

 

龍一「いいの?俺としては願ったり叶ったりだけど」

 

 

 

ヒューム「たった今クラウから連絡が入った。帝様と局様はお前の旅を許可したそうだ。お前なら     心配いらないないだろうが、まあ願掛けだ」

 

 

 

クラウディオ「ではその死合い、私が立ち会いましょう。よろしいですかヒューム?」

 

 

 

 

 

そう言って音もなく現れたのは『クラウディオ・ネエロ』九鬼家従者部隊序列三位の人物だ。俺もクラウにはよく世話になったし、今もこうして見守ってくれる。ありがたいことです。

 

 

 

 

 

ヒューム「わかった」

 

 

 

龍一「ありがとうクラウ。それから帝様と局様への連絡も」

 

 

 

クラウディオ「ふふ、簡単なことでございます」

 

 

 

龍一「じゃあ立会いよろしく」

 

 

 

クラウディオ「畏まりました。龍一様」

 

 

 

 

 

―――――――――――

 

 

 

 

 

そういうわけで俺はヒュームと死合うことになったのだ。俺も男だ。自分の力を試したいという思いはある。

 

 

 

 

 

ヒューム「龍一、全力で来い!」

 

 

 

龍一「わかってるよ!ヒューム!」

 

 

 

 

 

声と同時に互いが氣を開放させる。そしてクラウディオの開始の声が上がる。

 

 

 

 

 

クラウディオ「それでは…はじめ!!」

 

 

 

 

 

声と同時にお互いの距離がなくなる。最初に攻撃を仕掛けたのはヒュームだ。ヒュームは右足で袈裟懸けに首を狙ってくる。俺はそれを左腕で受け止めすぐに腕を返し右足を掴み自分に引き寄せつつ、右膝蹴りを放つ。しかし、それはヒュームの左手に遮られる。俺は曲げていた脚を伸ばし、腹に前蹴りを喰らわそうとするが、ヒュームは膝の上に乗せていた左手に力を込め飛び上がり、左足で俺の右側頭部を狙ってきた。俺は左手に力を込め、掴んでいたヒュームの右足を上に振り上げた。そのとき、迫ってきていたヒュームの左足は俺の頭上を通過した。そして足を持ったまま体を捻り

 

 

 

 

 

ヒューム「ムッ!!」

 

 

 

龍一「ダラァッ!!」

 

 

 

 

 

勢いよく後ろに投げ飛ばし、追い討ちをかけるように右手から氣弾を数十発撃ち込んだ。その衝撃であたりには砂埃が俟っている。不意に後ろから気配を感じ、無意識に屈みさっきまで頭のあった位置をヒュームの右拳が通過する。

 

 

 

 

 

ヒューム「チッ!!」

 

 

 

龍一「っぶね!!んなろ!!」

 

 

 

 

 

俺は屈んだままヒュームの腹に肘打ちを三発決めた。

 

 

 

 

 

ヒューム「ガッ!?」

 

 

 

 

 

ヒュームは怯み顔をしかめ、バックステップで距離をとろうとするが俺はそのスキを逃さず、連撃を仕掛ける。

 

 

 

 

 

龍一「ハァァアアアアアラァァァアアアア!!!!!!」

 

 

 

ヒューム「ガァァァァアアアアアアアアアアア!!!!!!」

 

 

 

 

 

顔、首、右腕、左腕、胸、腹、右足、左足、水月、肝臓、あらゆる急所に拳を蹴りをあびせていく。腹への一撃で10mほど上に打ち上げた龍一は呟く。

 

 

 

 

 

龍一「俺の勝ちだ。ヒューム」

 

 

 

ヒューム「ああ、見せてみろ……お前の根源を」

 

 

 

龍一「蒼龍氣功、光・龍・弾!!」

 

 

 

ヒューム「ガハッ!?」

 

 

 

 

 

龍一の掛け声と共に、白く光る四つの玉が龍一を囲むように現れ、そのうちの一つが輝き一瞬で4mほどの青龍の姿になり、ヒュームをその身で貫いた。

ヒュームが力なく落下していくのを、クラウディオが目に見えないくらい細い糸で絡めとり、ゆっくりと降下させていく。

 

 

 

 

 

龍一「ありがとう、クラウ」

 

 

 

クラウディオ「簡単なことでございます。龍一様、いかがでしたか?ヒュームの全力は?」

 

 

 

龍一「ああ。やっぱスゲーわ、一瞬のキレに氣のコントロール、そして隠密。俺も見習うところは   たくさん在った」

 

 

 

クラウディオ「それはなによりでございます」

 

 

 

龍一「戦闘中にギアが上がっていくんじゃ甘いと思うしね」

 

 

 

 

 

俺はまだまだ自分に伸びしろがあることに内心喜びながら、クラウをみた。するとクラウの後ろの方から着地したヒュームがこちらに歩いてきた。ヒュームの執事服はどこもボロボロである。

 

 

 

 

 

ヒューム「俺の目に狂いはなかったな。……やはりお前は俺より強い」

 

 

 

龍一「ありがとヒューム。けど、だからって俺は油断も慢心もしないよ?」(バシ!)

 

 

 

 

 

ヒュームは喋りながら拳を放ってきたので、俺はそれを難なく掴む。

 

 

 

 

 

ヒューム「俺に勝ったのだからもしやと思ったが……。ふ、安心した。それに簡単に負けてもらっ     ては俺も立つ瀬がないからな。……それであれはどれくらいだ?」

 

 

 

龍一「最終的には5割程度かな。てかよくわかったね?全力出してないの」

 

 

 

ヒューム「俺を誰だと思っている……と言いたいが、はっきり言って『勘』だな」

 

 

 

龍一「勘かよ。なんですか?どこぞのマフィアの跡取りですか?まったく。ま、いっか。そんじゃ   あ先戻るわ」

 

 

 

 

 

そう言って俺はその場を後にした。あ、みんなに旅にでること言わないとな~。まあ泣いたりはしないよな?そんなことを考えながら九鬼のビルに向かっていった。

 

 

 

 

 

Side out

 

 

 

Side ヒューム・ヘルシング

 

 

 

 

 

奴を見送った後、クラウの準備した新しい執事服に着替え、先ほどの死合いについて考えている時、クラウが話しかけてきた。

 

 

 

 

 

クラウディオ「今回はあなたも酷くやられましたね?」

 

 

 

ヒューム「奴ならば当然だ。この俺が認めているんだからな」

 

 

 

クラウディオ「これから彼が旅に出ると聞いたら、彼女達が寂しがりますね」

 

 

 

ヒューム「奴らだけでなく、揚羽様もかもしれんが……まあ大丈夫だろう。他は俺達が手助けすれ     ばいいだろう」

 

 

 

クラウディオ「そうですね。では、私はこれで」(シュン!)

 

 

 

 

 

 

クラウディオは音も無くその場から消え、広場にはヒュームが一人残った。

広場を見ると端の方に2~3mほどのクレーターが十箇所以上できたいた。龍一が放った氣弾でできたのである。ヒュームは「これで5割りか」と呟き、これからあいつが世界中を旅して何を思い、何を得、戻って来た時どう成長しているのか?弟子の顔を思い出しニヤリと笑った後、業者に広場の整備を依頼しその場を去った。

 

 

 

 

 

Side out

 

 

 

Side 黄眞 龍一

 

 

 

 

 

俺は学校から帰って来たみんなを迎えに行き、夕食を食べ義経の部屋に集まり、くつろいでいるところに「話がある」と切り出し注目を集める。

 

 

 

 

 

清楚「どんな話かな?龍君」

 

 

 

龍一「実はしばらくの間、世界中を旅しようと思ってるんだ」

 

 

 

清楚・義経・弁慶・与一「「「「ええッ!?」」」」

 

 

 

弁慶「そんな!龍は私達を捨てて他に女をつくる気なんだな!そんなに私達に魅力がないか!?」

 

 

 

龍一「全ッッッッ然違う!弁慶涙目になるな!清楚も!義t「ウワァアアアアン!?龍兄行っちゃ   ヤダァ~~!!」ってこっちは手遅れだった!?」

 

 

 

清楚「う~、どういうことかちゃんと話してくれる?」

 

 

 

 

 

俺は三人をなだめた後、旅に出る目的を話した。世界中の国の考え方、人材発掘、おまけだがまだ見ぬ強者との出会い。

 

 

 

 

 

龍一「俺と清楚は中学三年の年、お前らも中学二年にあたる。これからは自分で考えて行動してか   なきゃならない。要は自立だな」

 

 

 

弁慶「それは解るけど……やっぱり龍と離れたくない!」

 

 

 

義経「ひっく、よ、義経も一緒に行く」

 

 

 

清楚「私も……一緒にいたいな……」

 

 

 

龍一「ありがとう三人とも。こんな美少女達に想ってもらえて嬉しいよ」

 

 

 

弁慶「なっ!?気づいてたのか?」

 

 

 

龍一「あったりまえだろ!10年も一緒にいるんだ。気づかん方がおかしい。抱きついてきたり、手   をつないだり、アピールがみんな露骨すぎ。な?与一」

 

 

 

与一「まあ、あんだけ見ればな~」

 

 

 

清楚・義経・弁慶「「「////////」」」

 

 

 

龍一「俺もお前達のことは大好きだ。だからそんな顔すんな。『武士道プラン』が実行されるとき   は帰ってくるから」

 

 

 

義経「それでも龍兄がいなくなるのはヤダ~」

 

 

 

 

龍一「ありがとう、義経。しかし困ったな……そうだ!俺が帰って来たらお詫び代わりに、一つお   願いを聞いてやろう!」

 

 

 

清楚「なんでもいいの?」

 

 

 

龍一「俺のできる範囲でなら」

 

 

 

 

 

そう言うと女三人はなにやら相談を始める。そして……

 

 

 

 

 

清楚「決まったよ!」

 

 

 

龍一「別に今決めなくても……ま、いいや。それで?」

 

 

 

弁慶「三人で話し合ったんだけど、龍が帰って来たら私達の……『初めて』をもらってほしいん    だ////」

 

 

 

 

 

俺様フリーズ……え?ハジメテって言った?三人とも顔が赤い。あ~、つまりこれはそーゆーことですね。

 

 

 

 

 

龍一「……俺でいいんだな?」

 

 

 

清楚・義経・弁慶「「「コク////」」」

 

 

 

龍一「…わかった。その時にありがたく頂こう。で、与一は?」

 

 

 

与一「俺は別にいいよ。普通にお菓子とかその国の土産でいい。警戒はするがな(ボソッ)」

 

 

 

龍一「そっか。わかった(なにを警戒するんだ?)」

 

 

 

弁慶「いつ出発するんだ?」

 

 

 

龍一「準備もあるし三日後にしようと思ってる」

 

 

 

義経「最初はどこに行くんだ龍兄?」

 

 

 

龍一「まずは国内だな。それからアジア、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカ大陸かな」

 

 

 

弁慶「そっか。帰って来たら驚くなよ~龍。私達すっごい、いい女になってるからね」

 

 

 

清楚「そうだよ龍君。あんまり待たせるとすぐに蝶は飛んでっちゃうんだからね。じゃあ、この話   はここでお終い。次はなにしようか?」

 

 

 

清楚が話を打ち切り、後はいつも通りに遊んだり、くっちゃべったりして過ごした。

そして荷造りに、仕事の引継ぎ等をしていたら、あっというまに三日が過ぎ俺は義経達に見送られながら旅にでた。

 

 

 

 

 

Side out

 

 

 

Side 葉桜 清楚

 

 

 

 

 

私達は想い人の旅立ちを見送った。彼を思うだけで胸が締め付けられる。いつの間にか私の中にいた愛しい人。彼にしばらくの間会えなくなるのは寂しいけど、でも約束もしたし必ず私達のところに帰って来てくれるよね。

 

 

 

 

 

清楚「じゃ、戻っか。義経ちゃん、弁慶ちゃんすっごく綺麗になって龍君を驚かしちゃおう!」

 

 

 

義経「そうだな。義経は頑張るぞ弁慶、与一」

 

 

 

弁慶「主も龍にゾッコンだね~。こればかりは主でも負けないよ」

 

 

 

義経「そうだな。こればっかりはフェアにいこう」

 

 

 

清楚「ふふ、私だって負けないよ。一番最初は私がもらうね」

 

 

 

義経・弁慶「「いいや!義経・私だ!」」

 

 

 

清楚「むう~、私だよ~」

 

 

 

 

 

誰が一番だと言い争い始めたのを見て与一は

 

 

 

 

 

与一「こんなの俺に押し付けていくなよ。ハア~、恨むぜ兄貴」

 

 

 

 

 

言い争っている女達を見ながらまた「ハア」とため息をついた。

 

 

 

 

 

Side out

 

 

 

Side 黄眞 龍一

 

 

 

 

 

俺が旅に出てから3ヶ月がたった。あれから東北、北陸と周り、俺は今関西にいる。太陽は真上に上がり、セミの鳴く音が響き夏真っ盛りである。

 

関西某所のメインストリートを歩いていると、甘味処があったので店に入った。餡団子とカキ氷(いちご練乳シロップ)とウーロン茶を頼み満員ぽかったので外の席にいるといい席に着いた。この甘味処は外にも席がありちょっとした出店になっているのだ。注文した団子とカキ氷を食べていると「納豆~、松永納豆はいらんかね~」と聞こえてきた。

 

声のする方に顔を向けると、おなじ年齢くらいの女の子が声を上げて納豆を売ろうとしている。目は大きく、顔立ちもいい。髪は黒く背中の中ほどまである。うん、普通にかわいい。気になったのでウーロン茶のおかわりついでに店員さんに聞いてみることにした。

 

 

 

 

 

龍一「すみません。ちょっといいですか?」

 

 

 

女店員「はい、なんでしょう?」

 

 

 

龍一「あそこで納豆を売ってる女の子ですけど、いつもあんなことを?」

 

 

 

女店員「お客さん地元の人じゃないんですね。彼女は西では有名ですから」

 

 

 

龍一「はい。俺は東から来たので。しかしなぜ有名なんです?」

 

 

 

女店員「彼女の名前は『松永 燕』ちゃんって言ってね、自家生産している納豆を広めるために、    納豆ソングを歌ってCDを作って売り出したりポスターなんかもあったね。西じゃ『納豆    小町』って言われてるよ」

 

 

 

龍一「へ~そうなんですか。ありがとうございます。あ、ウーロン茶のおかわりください」

 

 

 

 

 

「畏まりました」と言って店員さんは店の中に入っていった。彼女の方に目を向けると一人の男が彼女に近づいていく。何度か話した後二人は一定の距離を取り、向かい合った。どうやら男が勝負を挑んだようだ。どういうことか店員さんに聞いてみると、彼女は武道にも通じているらしく、たまに勝負を挑まれるらしい。周りはちょっとしたギャラリーに包まれている。

 

 

 

 

 

燕「せいや!」

 

 

 

男「グッ!?このぉ!」

 

 

 

燕「ふふん♪あたらないよん、ちょいさ!」

 

 

 

男「グヌッ!?ハア!!」

 

 

 

 

 

俺は勝負を見物し考察しながらカキ氷を口に運んでいく。

 

 

 

 

 

龍一「(へ~、結構やるな。全然実力だしてないし、揚羽と同じくらいか?それに動きに迷いが無   い。拳が来たらこう、蹴りが来たらこうと事前に知ってる感じだ。こりゃあ相手のこと完璧   に調べつくしたね)」

 

 

 

 

 

カキ氷を食べ終わり最後の餡団子を食べようとしたら、俺の方に彼女が吹き飛ばしたのか、男が飛んで来た。俺は気配で察知し、座ったまま右足を高々と上げ、俺に当たる直前に振り下ろし男を地面に叩きつけた。周囲も俺に当たると思っていたようで、口を開けポカンとしている。

 

 

 

 

 

龍一「あむ、んまんま。ゴクリ。まったく人の至福の時間を邪魔した罪は重いぞコノヤロー」

 

 

 

 

 

そう言って踏みつけている男と彼女を見た。

 

 

 

 

 

Side out

 

 

 

Side 松永 燕

 

 

 

 

 

燕「納豆!松永納豆はいかがですか!」

 

 

 

 

 

ん~、今日も売れ行き順調順調。おとんの借金もまだあるけどこれなら十分やっていける。松永が有名になって借金も返したらおかんも帰って来るかもしれない。

納豆を売りながら周りを見ると170cmくらいの筋肉質な男が近づいてくる。

お、来たね。ふ~ん、彼が今日の相手ね。私は武術をしているので、噂を聞いた人がたまに勝負を挑んでくる。

 

 

 

 

 

男「失礼。君が松永 燕かい?」

 

 

 

燕「そだよん。あなたが挑戦者?」

 

 

 

男「そうだ。さっそくお願いしたい。場所はどうする?」

 

 

 

燕「この場でオッケーだよん。いつも会った場所だし」

 

 

 

男「了解した。……では始めよう」

 

 

 

 

 

道の中央に移動した後試合を開始した。そんなに多くはないがギャラリーに包まれている。相手の戦闘スタイル、技に動き方なんかはばっちり調べ上げた。今までそうやって勝ってきたし、やるからには負けたくないしね。それにしても情報通り。この人は対戦相手のことを調べたりしないのかな?……ま、いっか。楽ちんだし。

ふふん♪そんなの当たってあげないよ。

 

 

 

 

 

燕「せいや!」

 

 

 

男「グッ!?このぉ!」

 

 

 

燕「ふふん♪あたらないよん、ちょいさ!」

 

 

 

男「グヌッ!?ハア!!」

 

 

 

 

戦いは私が圧倒していた。顔の来た右ストレートを左側に傾けてかわし、相手の後頭部に左足の上段蹴りを当てふらついたとこに腹に拳を入れる。しかし相手はガードし、左足で上段蹴りを放ってきたが、しゃがんで回避し、相手の左足を払いバランスを崩し、胸に前蹴りを入れた。そのおかげで少し距離が開いた。

 

 

 

 

 

燕「(最後は突進からの飛び蹴りで来るはず……!!来た!?)」

 

 

 

男「うおおおおおおお!!!!!!」

 

 

 

 

 

想像していた通り、突進からの飛び蹴りが来た。……なんかここまで想像通りだとなんか哀れに思えちゃうよ。っといけない。集中しなきゃ。私は飛び蹴りを右に飛び回避し、相手が着地し、振り返ったとこに回し蹴りを肋骨あたりに当て、足を振り抜き、吹き飛ばした。

 

 

 

 

 

燕「(ふぅ~、これでおしま……ってやば!?ぶつかる!)」

 

 

 

 

 

私が飛ばした方向に、甘味処の外の席で男の子が団子を食べようとしているのが見えた。彼はこちらに気づいていないのか、団子を口にしようとしたところで、座ったまま右足を上げ、飛んで来た男が自分に当たる直前に、足を振り下ろし、男を地面に叩きつけた。私や周りの人もポカンとしている。

 

 

 

 

 

???「あむ、んまんま。ゴクリ。まったく人の至福の時間を邪魔した罪は重いぞコノヤロー」

 

 

 

 

 

そう言って踏んでいる男と私を見た。

 

 

 

 

 

Side out

 

 

 

Side 黄眞 龍一

 

 

 

 

 

食事の勘定をし、気絶した男を医者に任せた後、松永 燕のほうに向かった。

 

 

 

 

 

龍一「勝負すんのはいいけど他の人に迷惑かけんなって親に言われなかったのかコノヤロー」

 

 

 

燕「うっ…すいませんでした」

 

 

 

龍一「わかればよろしい。次からはちゃんと場所を選んでやれよ」

 

 

 

燕「ん、了解。それより君すごいじゃん!相手を見ないであんな行動がとれるなんて。君もなんか  やってるの?」

 

 

 

龍一「ん?まあ、武術をね。君だってなにかしらやってるんだろう?」

 

 

 

燕「ま、一応ね。これでも今のところ負けなしなんだよ」

 

 

 

龍一「へ~そりゃすごい。ところで松永納豆を試したいんだけどいいかな?ついでにご飯もあると   いいんだけど」

 

 

 

燕「ありゃ?もしかしてこの辺りの人じゃないの?」

 

 

 

龍一「ああ。東から来てここには着いたばっかでさ、松永納豆のこともさっきの甘味処で聞いたん   だ」

 

 

 

燕「そっか。う~ん、東の方にはまだ知名度が高くないのかな~?結構有名になったと思ったんだ  けどな~」

 

 

 

龍一「まあそれも、こうやって俺みたいに旅行者を捕まえたりすれば口こみで広がったりもするか   もね」

 

 

 

燕「そうだよね。着実にやってかなきゃ」

 

 

 

 

 

そんな会話をしながら納豆の置いてある場所に着く。においは納豆。問題は味だが…判断は食ってからだ。

 

 

 

 

 

龍一「納豆だけでもいいがやはりご飯がほしいな。白米はあるかい?」

 

 

 

燕「アピールするために納豆に合いそうなのは一通り用意してあるよん」

 

 

 

龍一「さっすが。商魂たくましい」

 

 

 

 

 

俺は白米に納豆をかけ食べてみた。

 

 

 

 

 

龍一「あむ、もぐもぐ。ゴクリ。…へぇ、確かに今まで食べてきた納豆の中じゃ一番だな。なん    だ?製造中に手間をかけてるとしか思えないが?」

 

 

 

燕「ふふん♪それは企業秘密だよん」

 

 

 

龍一「まあそうだよな。ところで気になったことがあるんだがいいか?」

 

 

 

燕「ん?何かな?今後の参考のために忌憚のない意見をお願いするよ」

 

 

 

龍一「いや、納豆のことじゃないんだ。聞きたいのは君のことさ」

 

 

 

燕「私のこと?ハッ!?これって新手のナンパ?」

 

 

 

龍一「いやちがうから!確かに君がかわいいのは認めざるを得ないけど!」

 

 

 

燕「えっ?そんな…君みたいにカッコイイひとにかわいいなんて言われると照れちゃうよ///」

 

 

 

龍一「なんか全然照れてる風にみえないんだけど?話を戻すよ。気になったのは、なぜ君が納豆ソ   ングのCDを売り出したり、ポスターに乗るほど勢力的に活動してるのかってことさ。『松   永 燕』さん」

 

 

 

燕「な~んだ名前知ってたんだ。う~ん……君ならいっか。実はね、おとんが株で失敗して大量の  借金作っちゃってね。おかんも愛想つかして出て行っちゃってさ。それで副業の納豆生産に目  をつけて盛大にアピール!CDやポスターはそのためって訳。軌道に乗っていい感じだからこ  こが踏ん張りどころなんだ」

 

 

 

龍一「おふっ……。なかなかにヘビーだな。ごめん、ずうずうしく聞いて」

 

 

 

燕「いいよいいよ、気にしなくて。もうほとんど自虐ネタだし」

 

 

 

龍一「そっか…、強いんだな松永さんは」

 

 

 

燕「そんなことないよ。最初は私もだめかと思ったもん」

 

 

 

龍一「でも今まで頑張ってきたんだろ?それだってすごいことだよ。う~ん、通信販売とかはして   ないの?これだけ美味しいならやってもいいと思うんだけど」

 

 

 

燕「そうしたいけどまだいろいろとコネがね。扱ってくれる企業や、通販だったら運送会社にもル  ートを作らないといけないし…」

 

 

 

龍一「あ~、やっぱその辺が問題になってくるよなあ。……!!(ピン)来た!閃いた!これで勝つ   る!」

 

 

 

 

 

とっさに閃いた俺はボールペンとメモ帳を取り出しある企業の電話番号を書き出し松永さんに手渡した。

 

 

 

 

 

燕「ん?これはどこの番号?」

 

 

 

龍一「それは掛けてみればわかるよ。その時に俺の紹介だって言えば……そういえば自己紹介して   なかった」

 

 

 

燕「あ、そういえばそだね。じゃあ、あらためて私は『松永 燕』またの名を『納豆小町』私のこ  とは燕でいいよん」

 

 

 

龍一「俺の名前は『黄眞 龍一』15才。今は見聞を広めるため各地を旅行中だ。俺のことは好きに   呼んでいい。よろしくな燕」

 

 

 

燕「あ、同い年なんだ。よろしく!龍一君!」

 

 

 

龍一「龍一君…」

 

 

 

燕「あ、いやだったかな?」

 

 

 

龍一「いや、そんな風に呼ばれたのは初めてだからちょっと驚いただけだ。燕の呼びやすい形でい   い」

 

 

 

燕「ありがと、龍一君」

 

 

 

龍一「どういたしまして。じゃあ、そろそろ行くわ。ついでといっちゃ何だが、このあたり…い    や、西で有名な武道家や人材が集まる場所とか知ってるか?」

 

 

 

燕「ん~、もう少し西に行くと『天神館』っていう学校があるよ。武道も盛んで若い世代の人材育  成にも積極的だって聞いたことがある」

 

 

 

龍一「『天神館』か…。わかった、ありがと燕。さっき渡したメモ、一つはある企業の番号だけ    ど、携帯とアドレスは俺のだからいつでも連絡していいよ。じゃ、またな燕」

 

 

 

燕「うん、わかった。またね、龍一君」

 

 

 

 

 

燕に別れをつげその場を後にした。あ、納豆買うの忘れたと思い戻ろうとしたが、そのうちまた会えるかと思い直し、町の喧騒にまぎれていった。

これが『納豆小町』松永 燕とのファーストコンタクトであった。

 

 

 

 

 

Side out

 

 

 

 

 




お待たせしました。次は原作突入です。
駄文ですが精一杯頑張ります。
戦闘がムズイ。
感想おまちしています。
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