アイドル、ポケモン世界を歌う! 〜ポケットモンスターTen Colors〜   作:十二の子

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♪31.5 シンシューの国、コーシューの国

ー*ー

 

 シンシュー地方唱歌「シンシューの国」(作詞作曲:フジナド大学音楽科)

 

 1

 

 シンシューの国は四州に(シンシューの国は4地方に) 境連ぬる地方にて(境界を持つ地方で)

 

 聳ゆる山はいや高く(そびえる山はとても高く) 流るる川はいや遠し(流れる河はとても長い)

 

 フジナドキナリコウジジンザモ 四つの平は肥沃の地(4つの盆地は肥沃な土地である)

 

 海こそなけれ物さわに(海こそないが、様々な産物を産し) 万ず足らわぬ事ぞなき(およそ足りないものはない)

 

 2

 

 四方に聳ゆる山々は(東西南北にそびえる山々は例えば) オンタケクラミネウマガタケ

 

 アサマは殊に活火山 いずれも国の鎮めなり(どれもシンシュー地方を形作り守っている)

 

 流れ淀まずゆく水は(流れよどむことなく流れる川は) 北にヨシノ川ワカナエ川

 

 南にワスレナ川ウスモエ川 これまた国の固めなり(これもまたシンシュー地方の礎である)

 

 3

 

 ワスレナの谷にはくさ茂り(ワスレナの谷間にはくさポケモンが栄え) カナサシの湖にはうお多し(みずポケモンが多く住んでいる)

 

 民のかせぎも豊かにて(人々も豊かに暮らせて) 五穀の実らぬ里やある(食べ物の育たない土地はない)

 

 しかのみならず桑とりて(それどころか飼料を育て) むし飼いの業などにて(マユルドに代表されるポケモンを友とし)拓ちひらけ(開拓してきた)

 

 太きよすがは軽からぬ(ポケモンとの太い絆は軽くはない) 国の命を繫ぐなり(シンシュー地方の命運を支えてきたのだから)

 

 4

 

 尋ねまほしき(訪ねたい名所と言えば)ソノハラや(ジョウト人が訪れた景勝地ソノハラなど) 旅のやどりのネザメの床(ネザメの床で野宿するのも一興である)

 

 ワスレナの桟かけし世も(現代ではワスレナ谷には架け橋が) 心こころしてゆけ(ヨシノ川にはクメジ橋があるが、)クメジばし(険道は用心せよ)

 

 くる人多きウツクシの湯(フジナドのウツクシ温泉には多くの人が訪れ) 月の名にたつ(月の名所である山の名は、)ポケステやま(捨てられたポケモンの哀話にまつわっている)

 

 しるき名所と風雅士が(これらの名所は文化人に愛されて) 詩歌に詠みてぞ伝えたる(文学音楽によって伝えられてきた)

 

 5

 

 東はやとし英雄も(カントーを治めた英雄が、亡き妻を悲しみ) 嘆き給いしウスイやま(嘆いたというウスイ山)

 

 穿つトンネル26(今や山々を26のトンネルが貫き) 夢にもこゆる(ライドギアさえあれば越えられてしまう。)ライドギア(夢を超えたかのような時代だ)

 

 みち一筋ひとすじに鍛えなば(自分のみちを一筋に鍛えたなら) 昔の者にや劣るべき(どうして昔の人・ポケモンに劣ろうか?)

 

 古来山河の秀でたる(古来から自然に恵まれたシンシューは) 国は神話のある習い(神話に語り継がれる偉大な地方になるだろう)

 

ー*ー

 

 「御屋形様!」

 

 コーシュー地方、ナデシコシティ。地方の中心に拡がるコーシュー盆地の中央部に位置するこの大都市を守るため、北端のヨウガイやまの中腹には山城が設けられている。ヨウガイやま館だ。

 

 このヨウガイやま館の主の名を、コーシュー四天王の一人、ドラゴンタイプつかいのジャグランスはすがるように呼んだ。

 

 布団に横たわる、腹がでっぷりと膨れた男ー不健康そうな外見ながらも、コーシュー地方の王はその黄色い目を爛々と光らせ、ジャグランスの筋骨隆々とした身体を見つめる。

 

 彼は、ジャグランスの後ろに控える四天王バイティス、ピリュスの姿を確認すると、苦しそうに身を起き上がらせた。

 

 「いけませぬ御屋形様!お身体に障ります!」

 

 「よいのだ...どうせ、そう、長くはない...」

 

 3人の四天王は、息を呑む。

 

 「…マルスは...あ奴は何処だ...?」

 

 この場にいない4人目の四天王の名前を、彼はかすれた声で口にした。

 

 「彼はシンシュー、ロクショウタウンに、まだ。」「クソッ、何をしてやがるマルス...」「今にでも呼びにまいりましょうか?」

 

 「…ならばよい。あ奴はもはや信じられんからな…」

 

 コーシュー地方のトップ、ポケモンバトル最強にして権力の頂点たる彼が、四天王の一人を疑っている…四天王3人に静かに衝撃が奔る。

 

 「…倅はまだ若い。ゆえに、そなたらが倅と、そしてこのコーシューを支えねばならん…」

 

 「わかっており申す、御屋形様!」「オレにできることならなんだってする、だから」「弱気なことを言わないでください、御屋形様。」

 

 「わかるのだ、自分の死期はな。

 

 儂は己をコーシュー最強だと…いや、シンオウからホウエンに至るまでこの列島で最強だと思うてきた…だが、病にだけは敵わなんだ...」

 

 3人の四天王は、自分の力が及ばない悔しさにぐっとこぶしを握り締め。

 

 「ジャグランス、ピリュス、バイティス、最期の命令じゃ。」

 

 コーシューの王が取り戻した覇気に、背筋を強制的に引きしめさせられた。

 

 伝説ポケモン級のプレッシャーに、館のまわりのとりポケモンが飛ぶことを忘れ落下する。

 

 「コーシュー地方は山だらけで貧しく、儂をも殺す風土病に満ちておる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ゆえに儂らコーシュー人の生きるみちはシンシュー地方ただ一つ!」

 

 それは、侵略と征服と混沌を司る最強の漢が、命を引き換えに放つ、最凶の断末魔で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「いかなる手を使っても、倅とともに、シンシュー地方を攻め落とせ!」

 

 四天王3人の目から、涙がしたたり落ちる。

 

 「我が墓前に、歌姫アリア・カナサシとその仲間メロエッタの首を供えるのじゃ!」

 

 「「「はっ!仰せのままに!」」」




 
 (浅井洌(1899).信濃の国.長野県師範学校附属小学校郷土唱歌.JASRAC:039-2595-1 ※著作権失効済)を基に作成。

 聞いた話ですが、「長野県はマジで10広域で仲悪いけど、いざという時にいきなり「信濃の国」歌って団結する」らしいですね。
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