アイドル、ポケモン世界を歌う! 〜ポケットモンスターTen Colors〜   作:十二の子

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♪40 レックウザ 依代は此方なり

ー*ー

 

 極彩にして暗黒、虹色にして漆黒、カラフルにしてモノクロ、明輝にして絶闇。色彩という概念を否定する矛盾したオーロラが、湖面から天空へと突き刺さっている。

 

 オーロラ、光の筋、そう呼ぶのも躊躇われる代物の根元は、凍りついたカナサシ湖のヒビ割れであった。すなわち、凍結湖面にできた氷のヒビ割れ、ヒビ割れから反り上がった氷の山脈…「御神渡り」が、宇宙へとこのオーロラを発しているのだ。

 

 「…来るかの。おひだりさま…」

 

 プロバビリティ・タワー最下階、湖底の竜神様の御神力を吸い上げる機械のモニターの前で、ツクバネ・モリヤは表情のうかがいしれない顔で呟いた。

 

 「今更、おひだりさまなんぞ、御せるわけがないぞえ。

 

 この世にアレを心から信じ崇拝する者などもはやおらんからの。」

 

 下界の民草どものことを、まつろわぬ神は気になどしない。ゆえに、神を御するには、神をこの世のヨスガに繋ぎ止める…神を(まつ)ろわれる神にしておくべきなのだ。

 

 誰もがアルセウスの名前を忘れたのなら、アルセウスは人々の願いに応える要なとなく、人々の知らぬところで、人々の望まぬように、好き勝手世界を作り変えるかもしれない…神と呼ばれるポケモンとはすべてそういうものだ。

 

 おひだりさまにはそれがない。誰も信仰しない神など、ただの野生ポケモンでしかない...もっともリングマなんぞとは比べるのもおこがましい。莫大な権能を以て暴れ回る史上最凶の野生ポケモン、まさしく邪神ポケモンというわけである。

 

 「ご先祖様も、面倒な神格を遺していった…否、もう遺していくしかなかったのじゃな…進化してしたまおうては。」

 

 かつては、おひだりさまと言えど、暴れ神でもなく邪神でもなかった。むろん暴れ癖に満ちていたけど、同時に人々を慈しむこともする…ホウオウやルギアと同様、そんなどこにでもいる土着神だった。

 

 進化。

 

 神格としての進化。

 

 それが、ツクバネの祖先がおひだりさまを信じられなくなった理由であり、竜神様が宇宙から飛来しておひだりさまを封印した理由であり、そして、モリヤ家が手に負えないおひだりさまをそれでも祀らないといけなくなった理由であり。

 

 「おひだりさまであって、おひだりさまではもはやない…

 

 …御左神(ミシャグジ)様…!願わくば…」

 

 願わくば、その怒りを疾く鎮め給え...

 

 心からの信仰に応えるかのように、オーロラを裂いて、一筋の光が立ち昇った。

 

ー*ー

 

 オーロラを裂いて天へと昇るその龍は、純白の身体を持っていた。

 

 「龍神様!」

 

 プロバビリティ・タワーの最上階、自らの巫女であるアリア・カナサシからそう呼ばれたのは、純白の細長い体躯に赤い目を持つ、アルビノのレックウザ。しかしその白い身体のあちこちに、赤い血のスジが痛々しく刻まれている。

 

 「畏くも貴き龍神様よ、ここに、人の世との絆の結縁を奉り申し上げます!」

 

 掲げしは、一粒の勾玉。翡翠ではなく鉄でできたそれの由来が何であるか、考えるまでもないー隕鉄、すなわち、隕石(レックウザメガストーン)

 

 「人の願いに、応え給え、龍神レックウザ!」

 

 そして、神は人と絆を結んだ。

 

 【レックウザ(アルビノ)は、メガシンカした!】

 

 刃状に広がった顎と角からは、後方に金色の御幣のようなヒゲが長く伸びている。

 

 赤い目元から後ろへ、七支刀のように枝分かれする黒いラインが白い身体に彩を添えている。

 

 滑らかに輝く白い身体の胴部にはいくつもの赤い宝玉が輝き、何がしかの力を地上へ分け与えていた。

 

 「まことに畏れ多くも、悪なる神、簒奪と渇望と外来を行いとし、光爆と可能性を司る旧き神の力を献上し奉ります。

 

 龍神様、EXオーバーラップ!」

 

 ”「■■■■■■■■(気にするな巫女よ)■■■■■■■■■■(毒を以て毒を制するぞ)!」”

 

 敵対する邪神由来の力であっても、龍神様は躊躇せず受け入れた。御幣のようなヒゲから乱気流が渦巻き、純白の全身から覇気とともにドラゴンエネルギーがあふれ出す。

 

 その時だった。

 

 凍結した湖面の下から、矛盾した色彩を放つオーロラの中から、青空の向こうから覗く宇宙の向こうから、怒りに満ちた声が、背筋に鉄杭を打ち込まれたかのような冷たい恐怖をもたらした。

 

 メガレックウザがまとう覇気が、エネルギーが、霧散する。

 

 【メガレックウザ(アルビノ)は オーバーラップに 失敗している…!】

 

 自らの権能をよりにもよって仇敵に使われかけたことが、邪神の怒りを頂点まで高め、封印を解く最後の一息となった。

 

 凍り付いていたはずのカナサシ湖面が、ヒビ割れでできた氷の山脈を基点に両側へと裂け、無数の氷片を噴水のように打ち上げて、全域を氷から解放する。

 

 湖面から宇宙までを貫いていたオーロラが、湖面の下へと「落下」する。

 

 「く、来る...っ!」

 

 氷が砕け散った湖面の、数キロある全域が渦巻く。

 

 渦の中央が光を失い、真円形の闇となる。

 

 【メガレックウザ(アルビノ)の ガリョウテンセイ!】

 

 待ちきれぬとばかりに、龍神様は純白の槍と化して、湖面へと、湖上の闇へと突撃した。

 

 「龍神様っ!」

 

 闇が、閃光する。さっきまでのオーロラと同じ、虹色かつ漆黒の光で。

 

 【?????の プロバビリティゲイザー!】

 

 光の奔流が、龍神様を迎え撃った。

 

 あまりの光に、アリア・カナサシが目を覆い、頭を押さえ座り込む。

 

 ”「■■■■■■■■(間に合わなんだか)」”

 

ー*ー

 

 >ウルトラホールの完全開口を確認。

 

 >該当座標はカナサシ湖上空8.00m。

 

 >ウルトラホールからの「並行可能性の流出入」確認。

 

 >大規模な並行可能性の併存が発生します。

 

 >矛盾する並行可能性の併存、「イエスでありノー、白であり黒」現象発生。現実強度が低下します。

 

 >成功と失敗の併存、選択しうる全可能性の同時選択、同時同所の複数存在等の発生が懸念されます。

 

 >関係各位は不意の現実強度低下に備えてください。

 

 >並行可能性の収束を確認。

 

 >神学的記号「可能性」「吸収と発散」「光爆」「黒ずみ」「失われた信仰」「未分化の龍」「可能性の翼」を確認。

 

 

 >敵対神格「UB00 LEFT」顕現します。

 

 

 >伝説級ポケモン暴走警報「ケース・レッド6」発令。エクリプスタウン管区全域に緊急避難命令自動発令。

 

 >繰り返します、敵対神格「UB00 LEFT」顕現します。

 

 >関係各位は不意の閃光・衝撃・現実性低下に耐えてください。

 

 >繰り返します、関係各位は不意の閃光・衝撃・現実強度低下に耐えてください。

 

ー*ー

 

 湖畔に辿り着いた時、ちょうど、言祝アリアはそれを目の当たりにすることとなった。

 

 湖面に、時空に穴が開いているかのような深淵が、ぽっかり開いている。

 

 深淵の向こうから顕れたのは、既存のポケモンのどれとも似つかない、異質な存在だった。

 

 肌はガラスのようであり墨のようであり、プリズムのようであり鏡のようであり。そのシルエットは鋭角と直線でできているようであり鈍角と曲線をなしているようであり。そして色合いは極彩にして漆黒、満天の星空にして宇宙の暗黒。

 

 (ネクロ、ズマ...?)

 

 最初に抱いた印象は、それだ。真っ暗なウルトラビースト、ネクロズマと、燦然としたウルトラビースト、ウルトラネクロズマ。その2者の特徴を併せ持つかのように、言祝アリアには見えた。

 

 だが良く見れば違う。ウルトラネクロズマとは、光の翼を持つ龍だ。けれどアレは龍と呼ぶには少しばかりシンプルな身体をしていて。そして、その翼はあらゆる色彩を持ち、光であり闇である…輝きの翼というよりは、むしろ、本来両立しえないはずのあらゆる可能性を宿す、そう「可能性の翼」。

 

 (ネクロズマよりも...もっと強大で、獰猛で、得体が知れなくて、ポケモンとすら思えない...)

 

 龍と呼ぶにはシンプルな未分化の存在。…言祝アリアの世界では、龍/ドラゴンとは鯉が滝を登って成る者だとか、ゴビ砂漠の恐竜化石から想像されたのだとか、もともとはオオトカゲやマチカネワニのことだったなどと言われているが、それ以上に有力な起源が存在する。

 

 インドなどではナーガと呼ばれ、哺乳類に本能的な恐怖をもたらし、古来より神と崇められた生物。諏訪の土着神ミシャグジ様の正体ともされる…

 

 (蛇…!

 

 ウルトラネクロズマって龍になる前の、光を失いネクロズマに堕ち、ソルガレオとルナアーラを得て自らを龍として復元する前の、蛇!)

 

 未分化であるということは、自らのあり方、可能性が固定されていないということだ。無限のエネルギー、この世に存在しないマテリアルだって、無限の可能性の中に内包している。ゆえにウルトラネクロポリスにとってのかがやきさま、古代モリヤ家にとってのおひだりさまであり、しかし今では誰の神様でもない。

 

 (名前を付けるとしたら、そうだ、きっと...)

 

 ウルトラビーストの中のウルトラビースト。ゆえに言祝アリアは、ポケモンとしてのおひだりさまに、奇しくも科学者たちと同じネーミングをした。

 

 「『UB00 LEFT』...」

 

 「おひだりさま」、「ミシャグジ」、「UB00 LEFT」...いくつもの名を持ちながら誰からも崇拝されることのない神が覚えているのは、ただただ、猛烈な怒り、そして、飢え。

 

 生贄に飢えた古代の邪神の目の前にはちょうど、長い間自らを封印した相手であり、そして信仰によって魂の格と神としての格を高めた存在、アルビノのレックウザが、浮かんでいた。

 

 【UB00 LEFTは 自分の可能性を 重複させている…】

 

 GXオーバーラップ、そう呼ばれる、自らの並行する可能性、コインの表と裏を同時に現実世界へ汲み上げる技術…可能性を司る神ならば、自由自在だ。

 

 【メガレックウザ(アルビノ)の りゅうのまい!】

 

 【UB00 LEFT_GXの のろい!】

 

 ズシっと、その時カナサシ湖周辺にいたすべての人とポケモンが、「重さ」を感じた。伝説のポケモンの「のろい」ともなれば大怨霊の祟りのようなものだ。霊障をまき散らすに等しい。

 

 仮にもカナサシの地の守り神である龍神様が、この暴虐を黙って見ているわけがなかった。

 

 巨大なデルタ型の顎が、ドラゴンエネルギーを宿して強く輝く。

 

 【メガレックウザ(アルビノ)の エメラルドブレイク!】

 

 衝撃波。エネルギーの爆裂が、空気をプラズマへと還元して赤熱し、大気中を駆け抜ける。

 

 カナサシ盆地を囲む山々からその様子を見れば、デルタ型の赤熱したラインが空中の一点から突如として出現し、あっという間に数十キロのサイズまで拡大しながら湖へと突き刺さったように見えただろう。

 

 衝撃熱波が直撃した湖畔は大きくえぐれ、湖面は水蒸気爆発して、爆裂音が盆地を満たす。

 

 白煙が線上に漂う中、煙の中で明るく光る邪神めがけ、龍神様は鎌首をもたげるような姿勢をとったかと思うと、突撃。

 

 【メガレックウザ(アルビノ)の ガリョウテンセイ!】

 

 純白の槍が、音速の壁をはるか置き去りにし、カナサシ湖へと突き刺さった。

 

 水柱、いや茶色い土砂柱が、カナサシ湖の上空高く噴き上がる。面積が13㎢もあるくせに水深はたかだか7mしかないので、伝説ポケモンが本気で攻撃しようものなら水底を突き破ってしまうのだ。

 

 空中から降り落ちる土砂をものともせず、龍神様は空へと舞い上がり...人間臭く首を振った。

 

 「効いてない!?そんな馬鹿な!」アリア・カナサシが、湖畔のタワーの最上階で手すりを殴る。

 

 邪神が、虹色かつ漆黒、暗黒かつ極彩の閃光を放つ。

 

 【UB00 LEFT_GXの プロバビリティゲイザー!】

 

 明らかに、当たればヤバいであろうレーザー。龍神様は当然、空を自由に駆けてこれを避け...そして外れた光線が、盆地を囲む山の一つを穿った。

 

 キノコ雲、爆発ーそういう、わかりやすい現象が発生したのなら、どれほど気が楽だったか。

 

 閃光はただ、着弾と同時に、山肌の木々をえぐるように消滅させたのだ。その攻撃は、爆発や衝撃のような「破壊の過程」を無視し、対象に対して「破壊されているという可能性」を現出、現実へと出力していた。

 

 見れば、再び、邪神は閃光を放とうとしている。それも今度は、湖上から下向きーすなわち、市街へとモロに着弾する照準で。再びプロバビリティゲイザーが着弾すれば、鉄筋コンクリートなどひとたまりもない。

 

 今度は、龍神様は避けようとはしていなかった。こちらも純白の全身にドラゴンエネルギーをみなぎらせ、迎え撃つ気満々だ。

 

 「龍神様、街を、護ろうとして...!」

 

 アリア・カナサシの瞼から、涙が一筋...そして彼女は、マイクを手に取った。

 

 (私の現人神としての力は、歌声の力は、元はと言えば龍神様の力...!

 

 これがあれば、逆転の目もあるはず...!)

 

 カツカツ、階段をゆっくり上る音がして、ツクバネ・モリヤがアリア・カナサシの後ろに立つ。

 

 「龍神様に御神力を返せば、ミシャグジ神を倒すことができる...そう考えておろうな?」

 

 ツクバネ・モリヤの服はところどころ血に汚れていたが、どうやら戦うつもりはないようだった。アリア・カナサシも、この婆が野暮で無駄なことをするはずもないと察しているから、振り返るつもりはない。

 

 「…かつて、龍神様はおひだりさまを一度鎮めてる。今度もそうなるわよ。」

 

 ...だったらツクバネ・モリヤはそれを止めるため、アリア・カナサシの歌を妨害すべくバトルを仕掛けるだろう。ツクバネに戦うつもりがないということは、アリア・カナサシの予想は間違っているーそのことをアリア・カナサシ自身が理解している。

 

 「かつての封印の時でさえ、相打ちじゃぞ。まして、龍神様はすでに弱っておる、封印もできぬほどにな。吾とバックレアがそうした。

 

 そなたが覚悟を決めようが、無意味な抵抗に過ぎんぞえ!」

 

 「やってみなきゃわからないわよ?

 

 …私に託された力、お返し申し上げます。

 

 応え給え、龍神レックウザ!」

 

 マイクの電源を入れ。

 

 「届いて。」

 

 そして、アリア・カナサシの身体は半人半神に、アリア・カナサシの声は神の言語になった。

 

 「■■■■■■■ ■■■■ ■■■■■~♪!」

 

 【メガレックウザ(アルビノ)は 祝歌状態に なった!】

 

 【UB00 LEFT_GXは 呪歌状態に なった!】

 

ー*ー

 

 カナサシ湖の龍神:レックウザ(アルビノ) ドラゴン/エスパー 特性:ドラゴンギフト/デルタしんか→デルタストリーム(メガシンカ中)

 

 

HP攻撃特攻防御特防すばやさ
レックウザ105150150909095680
メガレックウザ105180180100100115780
レックウザ(アルビノ)1701601609595100780
メガレックウザ(アルビノ)220180180100100100880

 

 ドラゴンギフト:自身がワザを使うたび、自身と味方のすべての能力を2段階上げ、相手のすべての能力を2段階下げる。龍神の恵みであり天罰。

 

 デルタしんか:このポケモンは顕現と同時にメガシンカする。メガシンカ中はデルタストリームに変化。

 

 カナサシ湖の湖底にておひだりさまを鎮め続けてきたと言われる、龍神の正体。宇宙を長い間駆け続けてきた、アルビノでは防げないはずの宇宙放射線をものともしない、レックウザの中でも別格の個体。ドラゴンエネルギーを気流に乗せて操り龍脈として分け与える。沈んでからはカナサシ家の巫女に力を託してきた。

 

 専用ワザにはガリョウテンセイの他にドラゴンバースト(メガシンカ時、エメラルドブレイク)を持つ。これはドラゴンエネルギーで裂いた空気を真空刃として敵を断裂させるワザ。

 

 

 

 UB00 LEFT(おひだりさま)/ミシャグジ神/ネクロズマ??

 

 ゴースト/エスパー 特性:EXマルチタイプ/マルチバースシフト

 

 

HP攻撃特攻防御特防すばやさ
ネクロズマ971071271018979600
ウルトラネクロズマ971671679797129754
ミシャグジ979797167167129754
ミシャグジGX1913793791631632331508

 

 EXマルチタイプ:EXオーバーラップ時のみ、自由にタイプを切り替えることが可能(GX時は不可能。またアルセウスと異なりプレートは不要)

 

 マルチバースシフト:このポケモンは通常状態とポケモンEX、ポケモンGX状態をアイテムなしで自由に切り替えられる。またこのポケモンが顕現している限りポケモンEX、ポケモンGX状態にオーバーラップできない。

 

 カナサシ湖に沈み続けていた神格。ネクロズマに似ており、古代モリヤ氏はおひだりさま/ミシャグジ様と呼んでいた。宇宙に穴を開け、並行世界の可能性を摂取しているらしい。

 

 専用ワザはプロバビリティゲイザー→めつぼうのひかりGX。性能はネクロズマの「フォトンゲイザー→てんこがすめつぼうのひかり」におおむね同じだが、相手の特性に影響されないのではなく特性をなかったことにしている(存在しないという可能性を引き出している)らしい。

 

ー*ー

 

 歌声に、ミシャグジ神はうなり声を発した。

 

 【UB00 LEFT_GX(呪歌)の プロバビリティゲイザー!】

 

 カラフルにしてモノクロ、矛盾した色彩のビームが、迸る。

 

 ”「■■(力が)■■■■■(みなぎるわ)...!■■■■■■■■■■■(余の力を授かりし下々は)■■■■■■■■■■(斯様な気分であったか)...!」”

 

 【メガレックウザ(アルビノ)(祝歌)の ガリョウテンセイ!】

 

 ドラゴンエネルギーを全身に纏い、龍神は一筋の光槍と化して、音速の壁を破りソニックブームすら置き去りにして突撃した。

 

 矛盾した可能性でできた閃光へ、神たる槍が突き刺さり、そのままビームを裂いて突き進む。

 

 キノコ雲が、カナサシ湖の上空に噴き上がった。




 参照:諏訪地域の歴史

 諏訪地域は縄文時代から守矢氏がミシャグジ信仰の司祭として統治しており、諏訪氏は弥生時代以降に侵入してこれを制圧したものと考えられている。一方で諏訪氏の家伝では、タケミナカタの依代として選ばれた男児が諏訪氏の始祖とされている。

 諏訪神話では、ミシャグジ神は諏訪氏の祀るタケミナカタに敗北し、仕えることになった。これは、タケミナカタを祀る外来勢力である諏訪氏に、ミシャグジ神を祀る土着勢力である守矢氏が服属したことを示すとされている。なお、古事記ではタケミナカタは、こののちに天照大御神への国譲りを拒否したためタケミカヅチに殺されかけ、諏訪から出ないことを誓う(日本書紀・諏訪神話には記されていない)。

 諏訪地域では、諏訪氏の若い男児を諏訪大社の最高位神官大祝(おおほうり)とし、これがタケミナカタの依代たる現人神とされた。この大祝を補佐して神事を行っていたのが守矢氏である。

 しかし、大祝が諏訪地域を出た場合に神罰を下すのはミシャグジ神であるとされたこと、守矢氏による大祝就任式を充分に行わないと神罰が下ること、依代が必要であるから大祝に憑りつく神は霊体であることから、諏訪氏のタケミナカタ信仰には守矢氏によるミシャグジ信仰が混合していたと考えられる。

 古代氏族の金刺(かなさし)氏を由緒とするとされる諏訪氏は(みわ)氏を称し、守矢氏に祭祀体制を補助されながら武士団を形成して信濃に宗教的・武力的支配を確立した。しかし甲斐の武田信玄によって滅亡させられ、武家・社家を分離して再興することになる。



 SCP-3834-JP(http://scp-jp.wikidot.com/scp-3834-jp)を読んだことある方なら、「諏訪家は守矢氏にいいように利用されているのかもしれない。」の一文で、この物語のカナサシおみやを巡る物語のタネにお気づきだったかもしれません(というかこの物語のインスピレーション元のひとつです)。
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