アイドル、ポケモン世界を歌う! 〜ポケットモンスターTen Colors〜 作:十二の子
シンシュー地方に転生した日本のアイドル、言祝アリア。賊のイーブイと強化アイテム「GXマーカー」を奪い、スパイと間違われエクリプスタウン公安に捕まっていたところ、戦乱の英雄「歌姫」に救われた。
歌姫に案内された先、言祝アリアはエクリプスタウンを創り上げたウルトラマッドサイエンティストと、カナサシジム(カナサシおみや)にて湖底の伝説ポケモンを崇めるジムリーダー兼だいぐうじツクバネ・モリヤに会い、歌姫からもアシマリをもらう。
ツクバネからの「シンシューの10のジムを制覇せよ」という要求に考え込む言祝アリア。一方カナサシおみやに、時ならぬ騒動が…?
ー*ー
静謐で神聖な空気が漂うカナサシおみやに、その声は突然響いた。
「公安統監部である!全員その場を動くな!」
ガヤガヤと、仮面で顔を隠した男たちが叫ぶ。傍らにはグラエナ、ヘルガー、マスティフ…
それを聞いて、おみやにいた人々がフリーズするかというと、さにあらず。
「来い、モココ!」「行け、パルスワン!」「レアコイル、GO!」
「ええい!大人しく両手を上げろ!」
仮面の公安隊がイライラと叫べば、神官たちも睨み返す。
「科学者どもの回し者め!」「誰かモリヤだいぐうじと歌姫様を呼べ!」「参観者を西鳥居へ逃がせ!巫女隊は本殿へ!」
今にもワザが飛び交いそうな緊迫した正門鳥居。そこへ、涼やかな声と、軽やかな足取りが、ゆっくりと降りてくる。
神官たちが左右に道を開ける中、参道の真ん中を堂々と、歌姫が歩いてきた。
「…呆れた騒ぎね、公安統監部。エクリプスタウンの治安の守護者も、タダのポチエナに成り下がったの?」
「…残念ながら、それが上の判断でして、ね。
歌姫様、アリア・コトホギとともに、来ていただきたい。」
「拒否する、と言うことを望んでいるのでしょう?呼び出し工作なんていくらでもできるのにそうしないんだから。」
「そう言われたら、こうせよと、命令されています。
スコヴィラン、かえんほうしゃ。」
炎弾が、双頭のポケモンから放たれ、カナサシおみやの神域を示すとされる御柱を突き倒した。
ー*ー
「ウルトラマッドサイエンティスト、これは、なんのつもり?」
怒りを隠せるはずもなく、歌姫は仮面の男たちに尋ねる。
「どうせ、どこかにいるんでしょう?姿を見せなさい。」
歌姫の影から、歌姫や神官たちと異なり冷静さを保てていた言祝アリアがひょっこり顔を出して、タブレット端末を叩く。
「/Outputあの、どうして皆さん、科学者たちの仕業と決めつけて…?End」
「…いくらエクリプスタウン公安でも、私に弓引いたりしないはずだわ。それをしそうなのは、『歌姫殿』と呼んでいた…私と併立すると思ってる、神秘と同等の立場にあると不遜にも思い上がっている…」
続く返答は、仮面の男たちの後ろからのっそりと現れた白衣の男によってなされた。
「併立?同等?否!
わたくしたちの科学力は!神秘を引き剥がし!可能性を導出します!
そのためにこそ!わたくしたちの実験に!科学の発展のために!あなたがたには!犠牲になってもらいたい!
二人のアリア殿!実験室まで!来ていただきましょうかァ!」
(二人の…?確かに、歌姫さんは私に、名乗らなかったけど…)
「…その名前は、捧げられたことになっているわ。」
「神秘の領域ではそうなのでしょう。科学の領域では違いますね。それに、もしアリアという存在が神に捧げられたとしても、貴女が戦うのをやめてから異世界という本当の神秘からもう一人のアリアがやってきたということが、何の可能性も示さないというわけがありません。
そう!可能性!
異世界から来た2人目のアリア!どんな可能性を与えてくれるのか!実験したい!示唆したい!きっとそれは!この世界に!わたくしたちに!わたくしたちの科学に!理論に!新たな可能性の天地を!見せてくれることでしょう!
さあ、マテリアルに!なるのです!」
「/Output何を、そんな。ありえません!あなたのために、あなたなんかのために、
イーブイ!アシマリ!力を貸して!End」
「…そうね。神秘とか科学とか、それ以前の問題だわ。
貴方に屈するなんてありえない。そうでしょう…おいでサーナイト、メガシンカ!」
【サーナイトEXは メガサーナイトEXへ メガシンカした!】
「…滑稽な…本当に滑稽なことです歌姫アリア。それでは、力づくでご協力いただくしかない!」
「…滑稽?やれるものならやってみなさい。」
歌姫のいっそシニカルな返しに、ウルトラマッドサイエンティストたる男は不敵に嗤って、総銀色のボールを取り出した。
「いいでしょう。
少し前、北のユキコシに面白い人物がいましてね。世の中のあらかたのことは『代替』できる、そんな思想の持ち主でした。
私も彼に倣い、『代替』してみようかと。ご紹介しましょう!科学のたまもの!」
パチン!指を弾く音。
【マッドサイエンティストの バックレアが 勝負を 挑んできた!】
「カモン!
「Write、Writing…」
それはポケモンと呼ぶには気味が悪く、そして闇の深いボディをしていた...錆一つない金属光沢の豹体。口元からは凍気を伴う折れた剣が突き出している。
「/Outputポケモンの、ロボット…?End」
「ロボットを超えた、レプリカですよ!器、剣、木簡、勾玉に負の思念が宿り生まれたポケモン…!ならば!レプリカを!もってすれば!再現は!容易!」
カナサシ湖に眠る伝説の神格ポケモン、その権能を模造したEXエディッションプレートの開発者たちは、今度は厄神の模造に辿り着いていたのだ。
「人の叡智は!科学の真髄は!神の位階に!手が届きます!」
「なんてマッドな…サーナイト、ムーンフォース!」「/Outputアシマリ、みずでっぽうです!End」
【メガサーナイトEXの ムーンフォース!】
【アシマリの みずでっぽう!】
「やりなさい!パオジアン!」
【CC:パオジアンEXの CC:ヘイルブレード!】
月の力を込めた、フェアリータイプ最強クラスの一撃…それを、CC:パオジアンEXは無数の氷剣に斬り裂かせることによりいとも容易く弾いてみせた。みずでっぽうのほうには痛痒の素振りも見せない。
無数の氷剣が、メガサーナイトEXと歌姫めがけ殺到する。
【メガサーナイトEXの サイコキネシス!】
【CC:パオジアンEXの CC:ふいうち!】
サイコパワーで空中に固定された氷剣の間をしなやかに縫い、鋼製の氷豹はメガサーナイトEXの真後ろに躍り出て、その鋭い剣牙をメガサーナイトEXへ突き立てた。
「サーナイト…っ!?」
歌姫の驚く声、ぐらりと倒れるサーナイト…
…そして、サイコキネシスが解除され、氷剣が一斉に落下し。
「…あっ…」
数kgの氷剣の腹が脳天へと直撃し、歌姫は白目をむいてひっくり返った。
CCシリーズ、転生ポケモン令嬢に於けるCopied_Legendシリーズと同じ、伝説模造枠です(あちらと違ってれっきとしたロボットだけど)。
CC:パオジアンEX(あく/こおり) 特性 CC:わざわいのつるぎ/CC:わななくれいき
わななくれいき:冷気を自分へとあつめることで氷タイプのワザを強化し続ける。
| HP | 攻撃 | 特攻 | 防御 | 特防 | すばやさ | 計 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| パオジアン | 80 | 120 | 90 | 80 | 65 | 135 | 570 |
| CC:パオジアンEX | 168 | 128 | 192 | 160 | 120 | 136 | 912 |
EXワザ:ヘイルブレード
冷気で生み出した氷の剣を降り注がせるワザ。剣の数を変えることで自在に連続攻撃を行う。