脳筋はゴリラ廻戦にて最強   作:藍嵐

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投稿が速いなんて…作者じゃないみたいだ

まあ物語的にはほぼ進展ないんですけどね


頭が良い脳筋てほぼきんに君じゃねーか

少し前に自分に向けられたものより数段速く、強力な呪力の塊が紫の光を放つ。

この数か月。少し目を離したすきにさらに強さを手にした五条の切り札をー

 

 

「だから!そうはならねぇだろ!」

 

 

夏油の出した呪霊が一切の余波を残すことなく飲み込んだ。強いなあの呪霊。

 

 

「おいおい何を言ってるんだ悟。私の呪霊が悟の茈を飲み込むところを見ていなかったのかい?」

 

 

「ちげーよ!さらっと俺の切り札を飲み込むなって言ってんの!お前が飲み込んだのは!五条家の!秘伝の技だって言ってんの!」

 

 

「さらっとなんかしてないさ。ほら、呪霊を完全顕現させてるじゃないか。野良の一級呪霊相手なら部分顕現で対処できたんだが、流石悟。」

 

 

夏油を風呂にぶち込んだ日。上層部からの呼び出しとかで夏油は連れていかれた。まあ失敗すれば呪霊操術の強みを捨てる行為だったから。勝手な行動をするなと釘を刺したかったのだろう。

問題はすでに夏油が、五条レベルの術師になっていたことだ。上層部の連中はさぞ驚き怯えたことだろう。誰が抑え込めるんだこんな奴ら。普通にその日中に帰ってきた。

 

 

夏油が新たに使役する六体の呪霊。その一体、一貪(ひたん)。術式は分からないがおそらく放出された呪力に対して優位性を発揮する術式。五条の茈でさえ侵食し我が物にするとは。

 

 

呪霊に目を向けてみる。直哉と共に説明を受けたとき、蟲毒において核にする予定の呪霊は聞いていた。しかし体に纏う呪力が膨大すぎて判別ができない。まあ600体もの呪いをその身に凝縮すればそもありなん。

 

 

今まで特級呪霊との戦闘経験はある。でもあれほど強い個体は見たことない。そんなのを六体同時に操ることができ、なおかつ本人も蟲毒で核心を掴んだのか反転術式を回しながら突っ込んでくる。特級の看板に偽りなし。恐ろしい術師になった。

 

 

「げとうさまーがんばれー!」  「がんばれー!」

 

 

「夏油様…」 「ウケる。」

 

 

 

すっかり元気になった枷場改め、夏油美々子と夏油菜々子。あんな強大な呪霊を目にしても泣かないあたり随分たくましくなった。特級親バカの訓練の賜物だ。つい最近出身の村の人間が一斉逮捕されたニュースが報道された時も、表情一つ変えなかった。

ただ信頼している人間は夏油と私と梢子ちゃんと、あと夜蛾先生くらい。五条とはこの前お菓子の取り合いしてた。泣かせて夏油がぶちぎれてた。

 

 

新呪霊のお試し会もこれで四回目。どいつもこいつも尖った性能をしている。しかし真に恐れるのは夏油の方だろう。六体の特級呪霊を同時に操る頭の良さとセンス。そして、それでもガス欠にならない呪力量。話を聞くにどの程度顕現するかを制御できるらしい。継戦能力も問題ないときた。そして極めつけはー

 

 

「領域展開!」 「領域展開」

 

 

「あーらら」 「え、ちょっとまずいんじゃ」 

 

 

お試し会って言ってたのにやっちゃったよ。まあ五条も四回もボコられたらキレるか。

五条の領域展開。無限量の情報を相手の頭に叩き込みオーバーヒートさせるものだと聞いた。そんなものいくら梢子ちゃんが反転術式をアウトプットできるとはいえまともに食らえば治せない。

 

 

普通に考えれば夏油の方が不利だ。領域の押し合いはどれほど呪力の核心に近づけているかで決まる。つい最近黒閃を経験し領域を習得した夏油と、一年前からコツコツ積み上げてきた五条では勝負にならないと考えるのが自然だ。

 

 

ただ、それは並みの術師ならだ。自分の腹の中で蟲毒を行うなんてイかれた奴が並みなんて言葉で表現できるわけがない。

 

 

なぜ領域が同時に存在できないのか。それは領域を構成する呪力が違うからだ。赤と青のインクが水中で混ざるように、違う性質を持った呪力は同じ空間に存在できない。しかし夏油なら。今展開された領域は三つ。五条と夏油と、夏油の使役する呪霊。

 

 

閉じる前、夏油の領域と呪霊の領域が混ざるのを見た。つまり構図は一対二だ。例えば、夏油の領域が必中効果など持たず、外殻硬度と呪霊の領域のサポートに特化した領域ならば。夏油の笑みが領域の押し合いに対しての絶対的な自信からくるものであれば。

 

 

一瞬拮抗した白と黒の領域は、気づけば黒一色に変わり。それから約三分後、領域が崩壊する。そこにあるのは二本の足でしっかり立つ夏油とその片割れに佇む呪霊、そして倒れ伏す五条の姿。これに関しては持った方だと五条をほめるべきだ。

 

 

「悪いね悟。端からこれは勝ち戦なんだ。」

 

 

今確かに、条件は違えど術師としては夏油傑が五条悟より先にいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

主から与えられた命令はいたってシンプル。

対象に対して悪意を持って地近づくものを排除しろ。それだけ。

しかしその呪霊は賢かった。そこに隠れている真意を正しく理解していた。

 

 

もともと術式の影響もあってか知性はあった。対象との距離を固定する術式。攻撃力のない術式だ。これでどうやって人を食うのか。それだけを考えてきた。

 

 

呪いを感知できない人間相手なら簡単だった。術式を発動して追い込んでいくだけ。恐怖させ、逃げ惑わせ、そうして体力がなくなったところを襲う。楽な狩りだった。追い詰められる餌を見て笑うのもとても楽しかった。

 

 

呪いを宿した人間相手は大変だった。姿を現せば自分はあっさり殺されるという確信がその呪霊にはあった。だからひたすら隙を待った。同士討ちを狙った。奇襲を狙った。人質を使った。同族を使ったりもした。

 

 

大変な分殺せた時の達成感も一入だった。その肉を食らうと格段に強くなった。気づけばただの餌は狙わなくなり強敵と見定めたもののみ狙うようになった。そうして力をつけ、餌の言葉を使えるようになったころ。大量の同族に襲われ、そしてそれを操る人間に食われた。

 

 

食われたからの記憶はあいまいだ。ただどこか謎の空間に捕らわれ顎で使われる日々。そんな日々に何の違和感も抱かないような空虚な日々だったが、突然終わりを告げた。

 

 

気が付けば自分は赤い大地に立っていた。あたりを見渡せば同じような様子の同族の姿。そして、殺し合いが始まった。自分もまた多くの同族に狙われたが闘う気なんて全くない。術式を発動し距離を取りながら、誰かの殺した同族の死体を漁った。

 

 

食えば食うほど力が湧いてきた。同時に術式も強化され複数を対象にすることができた。そうしてまた死体を食らい、操れる距離が延びればまた新しい死体を食らった。

 

 

しかし死体漁りに夢中になりすぎて背後から迫る同族に気づけなかった。明らかに自分より格上の呪い。闘う術を持たない自分は、ただその時が来るのを待つしかなかった。

 

 

そうして、いつまでたってもその時が来なかった。いや違う。確かに目の前の呪いは自分に対して攻撃している。しかし、その爪は、拳は、あらゆる干渉は自分の体に一切の変化をもたらさなかった。どうやら同族の、その甘美な味に夢中で己の変化に気づけていなかったらしい。そこからは速かった。

 

 

まず目の前の同族を頭から食らいつき、嚙み砕いた。自身で命を刈り取る感覚。満足に咀嚼もせず近くの同族に襲い掛かった。久々の高揚感に体を支配されていた。術式なんて使わず、爪と牙だけで一体の同族を殺した。既に餌としか認識していなかった。

 

 

そうして奪うことに酔っていたら、同族の数は五体に減っていた。そしてそこに現れる、己を食らった人間。殺そうと思った。強くなれたのはこの人間のおかげと分かってはいたが、そんなものに支配される己ではない。

 

 

ただ、面白いとも思った。ここはこの男の生得領域。得た知識と知性で、この男がやったことはかなりぶっ飛んだことだと分かった。人間に対して一喜一憂するなど馬鹿げている。でもこの男の思想は、行動はかなり呪い寄りだった。

 

 

まあ理由なんて大したものはいらない。呪いのように生きるこの男が、人の世で何を為すかが気になっただけ。どうせこの先この男よりも生きるのだ。せいぜい愉快な終わりであってくれ。悲劇ならなお良い。そうして、目の前の男に従うことにした。

 

 

獲得した知性は消えず、そのまま人間の護衛に当たることになった。この体の奥底で人間への悪感情が叫んでいる。現状を覆せと怒っている。

 

 

しかし、それほど悪いものでもない。あの人間はよく分かっている。俺の術式が優れているから選ばれたのではない。他の同族と俺が違うことに気づいているのだ。だから俺だけ知性を奪われなかった。俺からすればもう人間か呪いかなんてどうでもいい。

 

 

暇つぶしに同族を齧っていると、妙な動きをする人影。数は四。全てが術師。狙いなんてまるわかりだ。五条悟ほどの力を得た男の首輪が欲しいのだろう。しかし本人には勝てないので、こうやって身内の奴を狙ったわけだ。

 

 

さあお仕事の時間。既に術式の効果範囲に入っている。四人まとめて一キロ上空へご案内。そうして俺も移動しながら人気のないところまで転移を連続で発動させ引っ張っていく。

 

 

近くに人のいない場所まで来たら、ある程度加速した体を、地表すれすれのところへ転移。急転直下。ぐしゃり。

 

 

いい音がした。まだ距離に余裕があると思って体を強化するのを怠ったな。術式の範囲内にいることが分かっていたのに二人も死ぬなんて。間抜けにもほどがある。他の奴もだ。なんとか一命をとりとめただけの奴となんとか防御が間に合った奴。やり甲斐のある奴はいないらしい。直接とどめを刺す必要もなさそうだ。

 

 

そうゆうことならまた上げて、落とす。上げて、落とす。この繰り返し。

 

 

ぐしゃり。ぐしゃり。ぐしゃり。ぐしゃり。ぐしゃり。ぐしゃり。ぐしゃり。ぐしゃり。ぐしゃり。ぐしゃり。ぐしゃり。ぐしゃり。ぐしゃり。ぐしゃり。ぐしゃり。ぐしゃり。ぐしゃり。ぐしゃり。ぐしゃり。

 

 

なんと、まだ息のある奴がいる。なんだそうなら言ってくれればいいのに。目の前に転移してご対面。うわー痛そう。高そうな服が真っ赤っかだ。骨も、折れてないものを探す方が大変だ。

 

 

なんか言ってる。そうだね、肺に骨が突き刺さってるから息が吸えないね。さっきから隙間風みたいな音しか出てないよ。あ、目が合った。酷く怯えてるけど大丈夫?ふふ、そうだよね。身長が二倍以上違うからね。委縮しちゃうよね。それとも口かな。全力で開けば君の足より長いよ。

 

 

それにしても、随分変わったもんだ。人間をいじめて楽しんでたのは昔からだがこんなに考えながらは初めてだ。思考パターンも、生得領域で誰かのを植え付けられたかな。まあそこまで興味もないが。

 

 

俺からすれば人間か呪いかなんてどうでもいい。ただ、俺の暇つぶしの相手とおやつになってくれれば。そこら辺を分かってたから、知性を奪われた他の呪霊じゃなくて俺なんだろうな。

 

 

排除しろなんて言い方、俺に任せるって言ってるのと同じじゃん。俺の欲も満たしてくれるなんて、なんて良い主人を持ったんだ。

 

 

なんてことを考えながら仮想怨霊「送り狼」、改め二忌(ふぎ)は目の前の餌に食らいつく。彼が去った後には、どす黒い染みしかなく、しかしそこに残る呪力が特級術師の逆鱗に触れた愚者の結末を明確に示していた。




次は伏黒恵との対面と卒業式かなー

速く0に入って乙骨くんを魔改造したい

真依について

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