せめて原作突入まで書きたいところ、次回はキャラ紹介です
てかこのままだと主人公指食わなくね?
がんば羂索、お前にかかってるぞ
質問です、呪術師に最も必要なものは何ですか?
「才能じゃない?持ち腐れの連中もいるけど、生まれ持ったものをどう使うのかも才能だよね。」
「志かな。呪術界は芯がない人間が生きていけるほどやわな世界じゃない。自分も他人も納得させる理由が必要だ。」
「学やな。画一的な術式の使い方しかできん奴は弱い。え、才能?上見て足踏みする奴は端から興味ないねん、俺。」
「力。」
寄せ集めた意見を前に頭を働かせる。術師としての壁を破る予感がする。
術師の中でおそらくトップ5に入るであろう人たちに教えを乞う恵まれた環境での日々。今自分の前に立ちはだかる壁を、彼らも超えてきたのだろうか。
津美紀の呪いが解けた後、俺は中学を中退し、高専の早期入学生として呪いの世界に足を踏み入れた。もう二度と津美紀が呪われないように。いざとなったとき守れるように。
それからは怒涛の連続だった。五条先生に呪術師として必要なことを教わり、夏油先生に式神使いのオーソドックスな戦い方を教わった。教職ではなかったが泉さんと直哉さん(本人からそう呼べと言われた)に近接戦闘を教わった。
というか、泉さんの影響か、遠距離攻撃の手段がある五条先生も、呪霊を従わせている夏油先生も徒手格闘が相当強かった。呪力なしの動きを呪力強化した体で追えなかったし、ただの打撃で人が出しちゃいけないような音を出していた。
その恩恵は大きい。歴史ある大家の術師でもありえないスピードで俺は強くなれた。諸任務についてきてくれた二級の術師がドン引きするくらいには鍛えられた。それについては不満など一切ないが、問題は出てきた。
式神の動きが悪い。頭の中で思い描いた風景の、いつも後ろに式神達がいる。
術式で顕現した式神達のスペックは、俺の呪力量に依存する。他の術師と比べると俺の呪力は良く練られており量自体も多いらしいが、その成長曲線はゆっくりだ。
最近一体破壊されたことで生まれた玉犬「渾」のフィジカルと爪は優秀だが物足りないと感じる。どうしてここにいない?どうしてそこで退く?進めば殺せるのに。
そこで周りの強者と呼ばれる人たちに聞いて気付いた。式神に任せるからダメなのだ。狡猾な呪霊なら自身の死くらい偽装してくる。命の取り合いで人任せなどナンセンスだ。
一級術師の昇格試験。目の前の呪霊も術式を使ってくる以上あまり時間を掛けたくない。あの人たちの追いつくためにもこんなところで立ち止まるわけには行けない。
影が泡立ち体に纏わり付いていく。いつか式神達が理想に追いつくまで、歴代の使い手の記録にもなかったオリジナルの拡張術式。
「渾、
等級が変わろうと俺のスタンスは変わらない。俺は善人のために、不平等に人を助ける。
「扇の叔父さんの金やで?心なんか痛まんやろ。」
「まぁそうだけど…流石に十は貰いすぎな気が。」
私たちのことなど見えていない様に、楽しそうに話をする二人。いつか、目をつけられた日から厳しいところしか見てこなかったからか、自分が置かれている状況に現実味がない。
それとも、今からこの身に起きることのせいか。
「それ宝火ちゃんの服専用かと思っとったわ。指定の呪力に対する優位性の発揮とか、術式効果みたいなもんやん。」
「使いずらいけど右手でも左利き専用のハサミを使えるだろ?断言できるほどはっきりしたものじゃないんだ。今回はそこを利用するんだけど。」
落ちこぼれの私でもわかるほど、宝火とよばれた女性の呪力操作はよどみない。あの禪院直哉が女と仲がいいという噂を聞いたときはまさかと思ったがこれなら理解できる。
勝てない。この家にいる全員でかかっても間違いなく返り討ちに会う。
「赤い糸然り人の縁然り、たびたび人の関わりは糸で表現される。ならこの糸切狭で干渉できるはずだ。術式が分かったときから持ってたものだから、有する呪力も折り紙つきさ。」
「随分拡大解釈やな。拡張術式と目で補うとして足りるか?」
「あとは糸の太さによるかな。まあつまり、大事になってくるのは姉妹の愛だね。」
「気色わりぃこと言いながらこっち見んじゃねぇ。何ともねぇからとっとと始めろ。」
私をかばうように前にたっていた真希が離れていく。その背に手が伸びそうになるが、肩を掴まれ身動きができない。
「真依ちゃんはここに立っててね。真希ちゃんは真依ちゃんに背を向けて、そう。丁度心臓が一直線に並ぶように。」
「成功すれば真希ちゃんは完全な呪力ゼロになり、真依ちゃんは本来の呪力を取り戻す。いやー久しぶりに人のためにただ働きしたわー。」
なにが人のためだ白々しい。強くなった真希に勝って、真希の才能を否定したいだけのくせに。呪いを振りまくだけの人でなしのくせに。
別に力なんて欲しくない。私はただ、一緒にいられれば良かったのに。地獄の底でも傍にいてくれるなら、傷も呪いも目を瞑って忘れられたのに。
「――妖光、鏡壁、運命の振子」
言葉と共に年季の入った糸切狭に呪力が込められていく。鈍色から気づけば透明になった鋏を持つこの人には、私と真希の間に何かが見えるらしい。頭を支配する言葉にできない感情に吐き気がする。こんなこと私は望んでいなくて、でもこれは真希の夢のためでもあって、
「
一歩も動けない私の前で鋏が砕け散り、確かにジョキンと何かを断つ音がして。
目の前にいる真希が、もうどうやっても手の届かない場所に立っている気がした。
「お帰り真希ー。…うわ本当に呪力ゼロじゃん。」
「んだよその顔。まあ丁度いいか。付き合えよ馬鹿目隠し。早くこの体に慣れねぇといけねぇ。ついでだ、パンダと棘も呼ぶか。」
「…もうちょっとだ。もっと強くなって、あんな家ぶっ壊してやろうぜ、真依。」
真依について
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