脳筋はゴリラ廻戦にて最強   作:藍嵐

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毒親に向かってロケットパンチ

泉家は御三家ほどとは言わないまでも、歴史を持つ呪術師の家系だった。

 

 

呪具を作成する相伝術式を持ち、それを売り込むことで富を築いてきた。

作成した術師本人はその呪具を使えない等の縛りによって強化された呪具はその素材を選ばない、その必要時間の短さ等の利点から前線に立つ術師に重宝された。

 

 

この頃だったか、当時の当主が術式の名前を「栄華呪法」に変更したのは。

 

 

文字通り栄華を極めた当主は後継の育成にも尽力していく。

多くの分家を作り、その子孫から最も呪力量の多い者を当主の正妻として嫁がせた。そうして相伝を持ちかつ呪力を多く持つ後継者を作り出すことに尽力した。

そのうち相伝を持たないものは呪具を作り出すための呪力タンクとして、呪力量が不足しているものは分家へ嫁がせ相伝を持つものかそれに類似した術式持ちが生まれるようにした。

 

 

人道的にどうかという話を無視するならば、当主の行動は正しかったといえる。

相伝を持つものは増え豊富な呪力を呪具作成にすべてつぎ込んだ泉家は、この一部門とはいえ御三家を完全に凌駕した。

 

 

ただその栄華にも陰りが見え始める。相伝を持つ後継が少しづつだが生まれずらくなっていったのだ。これまで血を混ぜてきた影響で生まれてくる子の術式は呪具作成に直接関係はしなくともそれを補助するものとなっている。しかし、それらの術式からも少しづつ呪具の側面が抜けていく。これまでまともに戦闘した経験がなかった泉家は選択を迫られることになった。すなわち、これまで通り相伝を持つ後継が生まれるのを待つか、栄光ある歴史を全部投げ捨て新しい術師として立つか。

 

 

その当時の当主は前者を選んだ。過去の栄光を捨てられなかったともいえる。

 

 

分家を吸収合併し、過去の相伝術師が作った呪具を売って過去に縋りつく日々。誰もが泉家はもう駄目だと考え、その蓄えられた呪具とその作成ノウハウをどう奪うかを御三家を中心にたくらんでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

分家の数が最も多かったころから半分以下のなった頃、――彼女が生まれた。

泉宝火。泉家の全員が望んだ栄華呪法を持ち、これまでの当主の誰よりも豊富な呪力を持った娘。三歳の時に発現した術式を確認した父である当主とその母は大変喜んだ。これで、過去の裕福な暮らしができると。

 

 

この時になると泉家はもはや修復不可能の域に達しており、宝火の両親もそのことを正しく認識していた。なので、彼らは自分の娘と家そのものを、丸ごと売り込むつもりだった。呪具も、ノウハウも、召使いも、自分らの娘でさえも、どうぞご自由にと売り飛ばし、術師などやめてその金で一生遊んで暮らすというのが両親の秘密の計画だった。

 

 

両親の犯したミスはは二点ある

一つ目は禪院家が売り込み先の筆頭宝庫だったことである。「禪院家に非ずんば呪術師に非ず 呪術師に非ずんば人に非ず」のどと人目をはばからず宣う連中である。最盛期の当主ならばまだしも、どうやって自分たちの立場を守るかしか考えてこなかった人間が駆け引きや裏工作で勝てるはずもない。仮に禪院家に売ってしまえば、呪力量に目をつけられて呪術師を量産する種馬と胎に永久就職することが確定していた。

 

 

二つ目はその計画を宝火に聞かれてしまったことである。自身を身を飾る宝石程度しか考えていない両親に、宝火は速いころから見切りをつけていた。自身に押し付けられる運命を覆そうと力を磨く宝火と両親の差は確実に縮まってきているのだが、両親は気づくそぶりもない。ありえない夢で頭がいっぱいなので。

 

 

そうして牙を磨き続けてきた宝火は異常に気づく。齢八歳にして、家の誰もが彼女より弱かったのだ。

 

 

一応宝火の計画では、見合いと評された品評会の場でその場にいる全員をボコボコにするつもりだった。保身しか考えられないクズで腐った両親でも一応は先輩の術師。そう簡単には勝てないだろうというのが予想であった。

 

 

家の人間が思ったよりも弱かったのか?その疑問は経験として同行した任務にて氷解することとなる。

 

 

弱いのだ。先輩風を吹かせる術師も、初めて見た二級呪霊も。あらゆる面で宝火の下だった。

からかっているのかと胎の中で呪力の練り上げる中、宝火はついに気づく。

 

 

あ、これ私が強いのか

 

 

任務後、その事実に気づいた宝火はその足で両親の寝室に殴り込む。

次の日、史上最年少の当主が生まれたと、呪術界に激震が走った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何か懐かしい夢を見ていたなと、宝火は目を覚ます。目の前にはニタニタと此方を笑う一級呪霊。

ハメられたなと思うと同時に下手人について考えを巡らせてみる。

 

 

駄目だ、あの両親しか思いつかない。寝室に殴り込んだ日からおびえるような目で見ていたのに最近何か企んでんなと思っていたが。精々食事に毒を入れる程度と思っていたのに。

 

 

体を起こして調子を確かめる。右手は無事だが左手は肩から動かない。六本の腕を持つ、関節部などの特徴からして人形をもとに生まれた呪霊。触れた肉体の操作権を奪う術式といったところか。

 

 

持ってきている武具は両手で持つ金砕棒。宝火の呪力量ならすぐにでも一級呪具にできるが両手で振るわなければ祓うほどの威力は出ない。耐えられてもう一度触れられればゲームセットだ。どうにかして足りない分の火力を補わなければならない。ならばどうするか――

 

 

ぶっつけ本番だが使うしかないようだ。今構想中の栄華呪法の拡張術式を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




全編後編ぽくしてます


五条悟て学生の時点で五条家当主だったんでしょうか
青春をエンジョイするため押し付けてるというのが作者の意見です

真依について

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