ウルフが求めてるもの···?
ウルフが別の時間軸から戻って来た翌日の事
星穹列車のロビー、そこにはウルフとヴェルトだけがいた
そこでウルフはヴェルトに右腕を見せていた
ウルフ「やっぱりわかんないか?」
ヴェルト「ああ、俺も初めて見る」
ウルフ「じゃあなんだってんだ?」
右腕の指を動かす、ウルフの腕が変異してから気になった事がある。この右腕は本当に自分の腕なのかという事だ
確かに動かしてる感覚はある、痛みも感じる。なのに心のどこかではこの右腕は自分のものではないと、そう感じていた
ウルフ「あ、それと、これも見てくれ。何か知ってる事があれば教えてくれ」
次に出したのはウルフが時間を飛び越え手に入れた2つの武器
ヴェルトはそれを見るや否や目を見開きウルフに問い詰めた
ヴェルト「これをどこで手に入れた!?」
ウルフ「落ちてたのを拾っただけだよ。なんだ?そんなにヤバい代物か?」
ヴェルト「ヤバいどころではすまない。これは「神の鍵」といっても俺の世界にいた「律者」を元に作った武器なんだ」
ウルフ「ふんー、で、名前は?」
ヴェルト「全く君は····まずこの双銃だが、名を「天火聖裁」と言う。全ての神の鍵の中で最も破壊力がある。そしてこっちの剣だが、恐らく「黒淵白花」だろう」
ウルフ「恐らく?なんだあんまり知らないのか?」
ヴェルト「いや、本来ならランスのはずなんだが」
ウルフ「んー、考えるとするならその時間軸では槍じゃなくて剣になっただろうな」
ヴェルト「ウルフ、その2つの神の鍵は持たない方がいい」
ウルフ「なんでだ?」
ヴェルト「まず「天火聖裁」だが、これはまだ双銃状態だから君がまともに運用できてるだけであって本来の姿で使用すると君の体はすぐに消し炭になる。そしてこっちの「黒淵白花」は持ち主は非業の死を遂げるという噂を聞いた事がある」
ウルフ「へえ、面白いじゃん」
ヴェルト「わかって言ってるのか?」
ウルフ「わかってるさ、それに·······この2つの武器はなんか手放した駄目な感じがすんだよ」
ヴェルト「どういうことだ?」
ウルフ「何て言えばいいのかぁ······なんか大切なものな感じがすんだよ。ずっと前から使ってたみたいな」
ヴェルト「・・・」
ウルフ「それにもう銃に至ってはホルスターを作っちまったし」
ウルフの体には合計で4つのホルスターがあり太ももの方に切り札とインポッシブル、そして腰に天火聖裁用のホルスターが付けられていた、相変わらず仕事が早い
ウルフ「それに一応対策はある」
ヴェルト「対策?」
ウルフ「そ、天火聖裁は体にステイシスを纏えばいい」
するのウルフの体にステイシスが纏わりつく、これはヤリーロⅥでウルフが使った「フロストアーマー」である
これを使えば多少なりとも天火聖裁の反動を軽減できる
ウルフ「そして黒淵白花は······知らん!どうにかなるだろ!」
ヴェルト「本当に君って子は····」
流石のヴェルトも呆れた
ウルフ「そんじゃ行ってくる」
ヴェルト「そうか、気をつけて」
今日もウルフは鏡流に稽古をつけてもらうことになっていた
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ウルフ「ぐぎぎぃ····せりゃ!」
剣と剣の鍔迫り合い、互いに力を入る
ウルフは剣を斜めにし受け流す様に鏡流の剣を流す
鏡流もそれをわかっていたのかスッと華麗に体を回転させウルフの方に向く
鏡流「いい判断だ」
ウルフ「ありがとうございます」
言葉を交わすが戦闘態勢は崩さない
緊張感があるように感じるが2人には特にそんなものはなく互いに楽しく感じていた
だが鏡流が思い出したかの様にあることを聞いてきた
鏡流「そういえば、お前は確か他の武器も手に入れたと聞いたが」
ウルフ「あ、これのことですか?」
ホルスターにある天火聖裁と黒淵白花を鏡流に見せる
鏡流「それか···一度使ってみてはどうだ?」
ウルフ「そうですね、一度は使ってみないとですね」
黒淵白花と天火聖裁、どちらを先に使うか迷う
1秒悩んだ結果、天火聖裁の方を使うことにした
ウルフ「こっちでいいか、剣の方も使ってみたいし」
銃を合体させ剣に変形させる
するの剣から炎が現れるウルフの腕に纏わりつく
ウルフ「うおアッツ!?」
鏡流「ウルフ!」
ウルフ「あれ?熱くない」
全くと言ってもいいほど熱くなかった、剣から現れた炎は徐々に消えていき、すぐに完全に消えてしまう
剣はスラッとしており振り回しやすい形をしている
やはり他の者から見れば両手で持つ物だと思うのたがやはりウルフの場合は片手で余裕に振り回している
ウルフ「行きますよ」
態勢を低く構え全身にアークを走らせる、そして鏡流も構える
ウルフ「!」
先に動いたのはウルフ、大剣を自分の体の様に振り回し鏡流に攻撃する
鏡流「いつもと戦い方が違う!?」
まるっきり戦い方が違うだけでここまで苦戦するのかと、鏡流は思ったが、すぐにそれが違う事に気づいた
何が違うのか、それは前のウルフと今のウルフの剣の錬度の差にあった
前まではただ振り回すだけであったウルフだが、今は鏡流自身に近づく程の剣の腕は上達した
ただ振り回すだけであった前と違い今のウルフにはどうやって剣を振るうのがわかっている、ただそれだけであった
ウルフ「ワン!ツー!」
大剣を逆手持ちにし鏡流のガードを崩す手前までに持っていき、すぐに順手に戻し、バット振るう様に両手で大剣を振るう
ウルフ「フィニッシュ!!」
鏡流「ぐっ!?」
鏡流の氷の剣は完全に破壊される、この日、鏡流はウルフに鍛練で初めて負けた日であった
ウルフ「やったー!初めて師匠に勝ったぁー!!」
子供の様にはしゃぐウルフを鏡流は静かに見ていた
負けたのにどこか嬉しい気持ちが鏡流の中にあった
鏡流「そうだな、初めてお前に負けてしまったな」
ウルフ「でも、まだまだだな」
鏡流「どういうこだ?」
ウルフ「いつも剣の師事をしてもらってるのにいきなり別の戦い方で勝つのはなんか違う気がするんですよ」
鏡流「お前自身のプライドか?」
ウルフ「プライドって言うよりかは流石にずっと同じ戦い方してるのにいきなり別の戦い方で勝つのはどうかなって。そりゃ敵なら別にいいけど流石に知り合いや仲間ってなると····」
鏡流「なるほど、つまりあの戦い方で我に勝つのがお前にとって本当の勝ちと言いたいのだな?」
ウルフ「うん」
鏡流「面白い奴だ」
そういってウルフの頭をワシャワシャと撫でる、それに対しウルフは懐かしさを感じた
昔、ケイドも同じ様にバンドキャノンの命中精度が上がったら頭をワシャワシャと撫でてくれていた
ウルフ「はは、少し、恥ずかしいな」
鏡流「·····顔が暗いぞ」
ウルフ「そんな事、ないとおもうけどな」
それは鏡流ですらわかった。ウルフは「親の愛」を受けずに育ったのだと
この世に生きとし生きる者たちには必ずしも「親」という存在がある、その親たちは絶対ではないが自身の子供に愛情を注ぎながら育てる
だがウルフの場合、それを受けずに育った、いや多少は受けて育ったのかもしれないが日常生活の時間よりも戦場にいた時間の方が圧倒的長い彼にとって、それは受けていないと同じと言ってもいい
鏡流「親は···どうしてる?」
ウルフ「····死んでる」
鏡流「すまない、辛いことを聞いたな」
優しくウルフを抱き締める、初めてすることだが今の彼には誰かに愛されてる事を知ってもらわなければならない、そうでもしないといつしか、彼は壊れてしまう
鏡流「時には誰かに甘えてもいいのだ」
ウルフ「・・・」
甘えていいものなのか、自分はガーディアンであり市民を守らなければならない。そんな者が甘えてもいいのか?
鏡流「お前は抱えすぎだ」
ウルフが抱えてる責任、それは人類や星、他の種族に加えて宇宙を守るという事
1人の少年が抱えていい責任を越えている
鏡流「だから、ここにいる間だけでも、お前が抱えてるものを下ろせ」
そして優しく頭を撫でる、ガシャンと武器を落とすが鏡流は気にしない、なぜなら今の彼は眠りについてるからだ
鏡流「····いるのだろ」
御空「・・・」
御空が隠れて様子を伺っていた、大方ウルフの様子が気になって見に来たのだろう
御空「·····いい顔で寝てるわね」
鏡流「ああ、可愛らしい顔も見せるのだな」
そんな暖かい雰囲気になるが、ウルフの電話が鳴り響く
本当なら見てはいけないのだが、この時2人は「女の勘」が働きスマホを見る、そこには「ゼーレ」という名が映っていた
ピッと電話に応答する
ゼーレ〈ウルフ、元気してる?〉
鏡流&御空「・・・」
ゼーレ〈ウルフ?·····アンタ、ウルフに何したの?!〉
鏡流「ウルフは寝ている。邪魔をするな」
ゼーレ〈はあ!?一体どういうこ──〉
ブチっと切り互いに見つめ合う
互いに顔は微笑んでいる(鏡流は目隠しをしてるためわかりずらいが)、だが、その微笑みはどこか恐怖を感じる
鏡流「絶対に譲らんぞ?」
御空「絶対に譲らないわよ?」
そしてウルフの腕を強く握る、メキメキと音がなるがそれに気づかないでいた
そしてゴーストは出たら出たで何をされるのかわからないため出たくなかったのである
要はウルフを生け贄に捧げたのである
「天火聖裁」
ウルフが持ってる2丁拳銃兼大剣の名前
本来なら大剣状態での使用では体が超低温体質ではないといけないのだがウルフは難なくクリアしている
理由としては、太陽と変わらない力である「ソーラー」の影響を直接受けていたために炎の耐性がある。要はウルフ自身、炎系のダメージはそんなに大したダメージは受けない
ちなみに大剣状態は見た目は崩壊3rdをそのまま、そして双銃はかなり変形しエボニー&アイボリーの形をイメージしたら早いです(本当は全然違う見た目をしてます。ただウルフが扱う天火聖裁はその様に変形すると思えばいいです)
「黒淵白花」
ヴェルトによれば本来ならランスであったが、別の時間軸のため剣になっているとウルフは考えている
そして白色と黒色の剣に分割して扱う事が可能、そのためウルフが使う時は基本的には分割して双剣として扱う事が多い
「天火聖裁」は基本、双銃として扱い高速連射し敵の動きを封じる事に使用する。もちろん大剣状態も扱う。大剣状態では大剣をトリッキーに扱い攻撃する
「黒淵白花」は双剣にし相手を素早く切るという使い方をする
「ブレードエンジン」は力任せに振り回す、という使い方をする
今回の章が終われば遂にピノコニー編に突入します
もう主人公の正体が分かる人はいる······はず!
まあヤリーロⅥに行く前に後1、2話を挟んで行きます
それではまた次回!