魔界の神と魔界神の息子と魔法協会   作:koth3

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題名からご想像ください。


魔界神と息子と境界と九尾のお姉さん

 ガラリと教室の扉が荒々しく開かれる。

 

 「おはよう。珍しいな、リデルが遅刻しそうになるなんて」

 「ああ、おはよう。今日はちょっとな」

 

 少し、汗をかいているリデルにクラスの男子は珍しいこともあると思いながら、挨拶する。それに答えながらリデルは自身の席である窓側の席に座る。

 

 「最初の授業は何だっけ?」

 「現国だよ」

 「ああ、そうだった。宿題はないし結構楽だな」

 「そりゃ、おまえだけだ。俺たちがどれだけテスト前が大変か!!」

 「わかった、分かったから騒ぐな。こっちは疲れているんだ」

 

 そんなことを話しているとHRが始まり、今日の予定を言われて終わる。退屈なだけの時間だがリデルにとって今は安らぎを得る事ができる貴重な時間だ。 

 

 そんな折一時間目の開始のチャイムが鳴り、現国の先生が現れる。はずだった。

 

 「……」

 

 ポロッ、という音が聞こえそうな風にリデルは授業のために手に持っていたペンを落とす。

 

 「はーい。初めまして」

 「だ、誰だ! あの金髪美人!?」

 

 そこにいたのは紫色のスーツに身をくるんだ金色の髪を持つ美しい女性がいた。

 

 「皆様初めまして。わたくし八雲紫と申します。今日から皆さんの現国の教師をいたします。それとそこにいるリデル君の婚約者よ(ウソ)」

 「な、何~~~~~!!? 貴様、ザジちゃんだけじゃなくあんな綺麗な紫先生も毒牙に手をかけていたのか!」

 「んなわけあるか!! 誰が悲しくてあのばば―」

 ―ヒュン

 

 そこまで言った瞬間何かがリデルのほほの横を通り過ぎ、ぱっくりと傷がついた。

 

 「うおっ!? 大丈夫かお前? いきなりほほから血が出ているぞ」

 「だ、大丈夫だ。乾燥してひび割れていたんだ」

 「いや、今春なんだけど」

 「気にしたら負けだ!!」

 「あ、ああ。そうか」

 

 リデルが強引にごまかしたあと、こっそりと誰にもばれないように後ろを見るとそこには血でできた文字が書かれている手紙があり、その手紙のふちにはリデルの血が付着していた。

 

 『殺すわよ?』

 

 内容を見るとただ一言。それだけが書かれており、顔を真っ青にしてリデルは何とかこの場を抜け出そうとする。

 

 「先生! いきなりけがしたので保健室へ行っていいですか!?」

 

  今までになく必死なリデルだったが残念ながらそれは紫自身の手によってそれはかなわなかった。

 

 「絆創膏ならあるのでそれを貼っていてください。リデル君」

 

 手渡される絆創膏には『逃げられるとは思わないことね』と小さく書かれており、ぬけ出すことをあきらめるしかなかった。

 

 「では、まず最初に教科書を開いてください」

 

 リデルの予想と違ってまともな授業が紫の手で行われ、リデルは少しだけ安心する。安心するべきではなかったというのに。

 

 「紫様? 結界のことでご相談が」

 

 教室に突然開いた何か(・・・)。そこから出てくるのは九本のしっぽをもった女性だ。頭にはピエロがつけるような帽子をつけ、道教(タオ)の服を着ておりその顔は絶世の美女である。先ほどクラス中が騒ぎにった紫と比べてもそん色ないほどの完璧な女性であり、クラスは一瞬で騒ぎになる。

 当たり前だ。突然訳の分からん現象が目の前で起き、しかも、そこから見たこともないほどの美女が出てきたのだから。

 

 「ふぉぉおおおおおお!! 狐っ娘来たーーーーーー!!」

 

 一部は違う意味で暴走しているが。

 

 「む! リデルじゃないか。ここはどこなんだ? 紫様は何やら訳の分からん姿だし。一体ここでお前たちは何をしているんだ?」

 「「「またてめえか! リデル!!」

 

 その女性が発した不用意な言葉で一瞬でリデルがクラス中から敵意ある視線にさらされた。だが、リデルはそれを気にしている余裕はなかった。

 

 「あう、あうあうあう」

 

 顔を真っ赤にして口をパクパクと開き、ある記憶を思い出しているからだ。リデルはこの女性だけは苦手である。正しく言うと恥ずかしすぎて顔を見れないのだ。この女性は気にしていないがリデルはいまだにそのこと(・・・・)を気にしている。

 

 「おい? リデル?」

 「あう……」

 

 とうとう処理落ちしてリデルは頭から湯気を出して気絶してしまった。この後のことを知らなかったのはある種幸せだったのかもしれない。

 

 

 リデルが気絶した瞬間、教室のドアを吹き飛ばし、一人の女性が飛び込んでくる。言わずもがなそれはリデルの母親である神綺だ。

 

 「リデルちゃん!?」

 

 倒れたリデルを抱きかかえ、それからキッとその女性の方を向くと、

 

 「この女狐! 私のリデルちゃんに何をしたの!」

 「いや、今は何もしていないんだが? というよりなぜ神綺殿がここに? それに私は狐だが女狐じゃない! 私の名前は八雲藍だ!!」

 「そんなことどうでもいいわよ! またあの時のようにリデルちゃんを誘惑しようとしているんじゃ」

 「いやいや! 違うぞ、神綺殿。あの時は酔っぱらっていたのとストレスがたまっていたため理性的な行動をとれる状態じゃなかったのだ!!」

 

 ここで言う誘惑とはかつてリデルが幼い時(百歳の時、今は千三百歳くらい)、幻想郷に遊びに行って宴会に参加したのだ。その時に百歳とはいえ魔界人にとっては子供。疲れ果てたことと初めての酒で酔って眠ってしまい、それを宴会の最中に知った藍はリデルを抱えて一度家に帰り布団に眠らせたのだ。

 そこまでなら優しいお姉さんで終わっただろう。しかし、その当時藍は疲れていたのとストレスがたまり自身でも気づかないほど酒を飲みすぎて眠くなってしまった。そして目の前には布団で眠る幼い子供。子供なら一緒に寝ても別にいいかと考えて一緒に寝たのだが、そんな藍の悪癖の一つに、酔っぱらった時に眠るといつの間にか服を脱いでいるという癖がある。

 藍は妖獣と呼ばれる存在で本能的な訴えが強い。動物的な行動を時折してしまう。

 考えてほしい。朝起きたら目の前には全裸の女性がいたら? リデルはいきなりのことに混乱して泣き叫び、恥ずかしい姿を見せてしまった。さらにはいまだに藍の裸を覚えてしまっているのだ。記憶力がよいためにいまだに忘れることができず、藍の姿を見かけるたびにこうなってしまう。

 

 「あの、あれって」

 「気にしないで大丈夫よ。すぐに収まるから」

 

 藍と神綺が騒ぐ中、後ろでは紫と生徒たちが話していた。

 

 「とはいえ、さすがにここまで来たら当初の予定と離れすぎちゃったし、魔法協会とやらに見つかっちゃうわね」

 

 紫はそこまで言うと腕を横に振るう。腕が振り終わると教室の中にいるすべての生徒が崩れ落ちていた。

 

 「ふう、全員眠らせて記憶もいじり終わったわ。それにしても藍、空気を読みなさい。今度やったら油揚げぬきよ」

 

 いまだに神綺と口げんかしている藍には聞こえなかったが、いうだけ言うと満足したのか紫は空間を広げて藍を回収する。紫の能力である『境界を操る程度の能力』によって空間と空間の境界をいじり、移動することができ、その力を使うことで藍を回収したのだ。

 

 「それじゃあね、神綺。久方ぶりに楽しかったわ♪ リデルは……気絶してるわね。まあいいわ。ではまた今度会いましょう」

 

 不穏すぎる言葉を残し、紫は去っていた。

 

 「リデルちゃん!! リデルちゃん!!」

 

 自身の息子を介抱する神綺を残して。 

 

 




ネタが出てきましたので投稿。
次回予定は未定です。
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