ドアホンが鳴る、恐らく達也と深雪さんが来たのだろう。
真由美が明るく歓迎の辞をドアホン越しに返す。
入ってくる兄妹の姿は兄妹というよりも主従関係のように見えた。
(ただの気のせいか?何かを警戒しながら入る仕草のように見えたが....)
「いらっしゃい。遠慮しないで入って」
深雪さんがご丁寧にお辞儀をしている。
それはまるでお手本かのような洗礼された礼儀作法だった。
「えーと....ご丁寧にどうも」
あーちゃんとリンちゃんは雰囲気に呑まれている。
摩利を少し見てみると、
(あいつ、無理してるなぁ。わざわざポーカーフェイスを保たなくて良いのに)
「どうぞ、食事をしながら話しましょう」
達也が俺の隣に座り、その隣に深雪さんが座る。
食事は司波兄妹は精進料理を頼んでいる。
「太刀くんはどうするの?」
「俺は要らねえよ、つーか知ってて聞くな」
司波兄妹が驚いているようだ。
当たり前か、先輩相手に普通にタメ口使ってるからな。
「あの、会長と太刀の関係はどんな関係なんですか?」
「私と太刀くんは友「ただの護衛だ」....そう、太刀くんは私の護衛なの。私が敬語嫌いだから太刀くんは敬語使ってないだけ」
危ない危ない、友達とかいったら更に面倒くさいことになりそうだからな。
そこから適当に真由美が生徒会役員を紹介していく。
「で、ここには居ないけど副会長のはんぞーくんと、会計の鞘ちゃんを加えたメンバーが、今期の生徒会役員です。」
「私は違うがな」
「そうね。摩利は別だけど。あっ、準備が出来たようです」
ダイニングサーバーのパネルが開き料理が出てくる。
合計で5つ。
摩利がおもむろに弁当箱を取り出す。
「摩利は弁当なのか。お前、料理出来たんだな」
「あまり馬鹿にするとしばくぞ?」
「ごめんなさい」
物凄いスピードで謝ったと自分でも思うほどの速さだった。
「わたしたちも、明日からお弁当に致しましょうか」
深雪さんのさりげない一言
「深雪の弁当はとても魅力的だが、食べる場所がね....」
「あっ、そうですね....まずそれを探さなければ....」
二人の会話はまるで恋人のようだった。
「....まるで恋人同士の会話ですね」
リンちゃん、それは爆弾発言ではないか。
「そうですか?血のつながりが無ければ恋人にしたい、と考えたこともありますが」
はあ?よく聞こえなかったな。あーちゃんが顔真っ赤だよ。
「....もちろん、冗談ですよ」
「冗談だったのか、なら、人前でイチャつくな」
「イチャついているつもりは無かった」
「面白くない男だな、君は」
つまらなそうに評する摩利。本当につまらなそうだな。
「自覚しています」
「はいはい、もう止めようね摩利。そろそろ本題に入りたいからね。」
本題....恐らく司波兄妹を生徒会に入れるという話だろう。
「当校は生徒の自治を重視しており、生徒会は校内で大きな権限を与えられます。これは当校だけでなく、公立高校では一般的な傾向です。」
「そうだったのか!初めて知ったぜ!」
「太刀くんは黙ってて」
いや、マジで初めて知ったんですが。
ショックでうつ伏せになりぼーっとしている。
なんか色々話してるけど気にしない。
「ーーーで、風紀委員の教師枠は立花太刀が選ばれた」
ムクリと起き上がる。
「いま、なんて言った?」
「だから、教師枠として選ばれたのは実技試験一位のお前だ」
「馬鹿!それを言うなよ!」
「あっ....」
空気が重くなる。
「聞いていいですか?」
「どうしたの深雪さん?」
「今年の実技試験は私が一位と聞いていたんですが....」
「一科生の中ではね。けど、全体を含むと太刀くんが実技試験一位で筆記試験最下位が太刀なの。」
「あとは、さっき言った通り司波が生徒会枠な」
「あのですね!俺は実技試験の成績が悪かったから二科生なんですが!」
あっ、達也も巻き添えならいいか。
「構わんよ」
「何がですっ?」
「力比べなら私がいる....っと、そろそろ時間だな。あとの話は放課後で構わないか?」
良し、放課後までの間に風紀委員にならない方法を考えよう。
感想など待ってます。