沢山貰ったに違いありませんね。
目が覚めると保健室の天井が見えた。
どうやら鞘が運んでくれたんだろう。
「目が覚めましたか?」
声の方向に振り向くと鞘が立っていた。
「ん、大分寝てたと思うんだがどれくらい寝てたんだ?」
「そうですね....10分位だと思いますよ」
ありゃま、そんなに寝てなかったな。
「ただのサイオン酔いよ」
「あっ、遥さん」
ああ、ここは保健室だから遥さんがいるのか。今まで気付かなかった。
「サイオン酔いですか....それなら良かった」
「ただ、油断しちゃ駄目よ。いつ『例の症状』が起きるか分からないんだから」
「分かってますよ。もし、起きたとしてもここには頼れる人が沢山いますから大丈夫ですよ」
「そう....なら良いけど」
話が落ち着くと遥さんは保健室を出て行った。
「兄様が倒れた後は摩利さんと達也さんは風紀委員会本部へ行きました。生徒会メンバーは生徒会室にいます」
「そうか....悪いがもう暫く寝る。お前も生徒会室に行ってこいよ」
「ですが、兄様に何かありましたら....」
少し不安気な表情になる鞘、今回はいきなり倒れたからそうなる理由も分かる。
だが、あんまり俺のことばかり考えて損させるのも嫌だ。
「いいから行ってこいよ」
少し力強く言ってみると安心したようで保健室を出て行った。
「....そこに居るのは紅蓮か?何しに来やがった」
「おやおや、折角お見舞いに来てやったのに一体どういう仕打ちだね?」
窓から入ってきたのは久しぶりに会う
だが、身長は前に会った時と変わっていなかった。
「今、失礼な事を言われた気がするのだが?」
「そんなことは考えていないよ。それより、用事があるならさっさと終わらせてくれ。こっちは疲れてるから寝たいんだよ」
「なーに、ちょっとだけ用事があっただけだ」
そう言うといきなり腰に付けている剣を抜き俺に突き立ててきた。
「....いきなり何しやがる」
「お前さんが本当に『例の症状』を起こしてないかの確認だよ」
紅蓮の突き立てる剣は100センチほどの直剣だ。だが、その剣は彼女用に加工されていて約五千度の熱に耐えると言われている。
紅蓮がそれを持ってきたということは本気ということだ。
「見ての通り、剣突き立てられて反撃しないってことは起こして無いんだよ」
「ふむ、確かにそうみたいだね。これは失礼した」
そう言うと剣をしまい、風のように窓から消えていった。
とりあえず、これでゆっくり寝れるな。
ベッドの布団を被り眠りにつく。
「ふう、兄様には何か丸く抑え込まれている感覚がありますね」
保健室を出て行った鞘は生徒会室に行くための廊下を歩く。
途中、前からある男がきた。
「十文字 克人....こんな所で何をしているんですか」
前から来たのは十文字 克人。あの大男だ。
「今から太刀の見舞いに行こうかと思ってな」
「兄様は寝ているのでそれは迷惑だと思いますよ」
「....今日倒れた理由は何だったんだ?」
「ただのサイオン酔いのようです」
「そうか....」
暫く沈黙が流れる、両者は一歩も動かないままだ。
「もし、太刀が『例の症状』で暴走してしまった場合、お前は太刀をーーー殺せるか?」
「....私は兄様から暴走してしまった時は殺せと命令されています」
「それがお前の真意か?」
「そんなことはどうでも良いです。私は兄様の為に動きます。それ以外のことでは動きません。....時間が押しているので失礼します」
少し早歩きで歩いていく鞘の後ろ姿は克人には何処か悲しげに見えた。
ちなみに、私は義理チョコが三つです(ドヤァ)