スタクルの旅に同行していた男が青春の世界に飛ばされる奇妙な話 作:最近ジョジョ好きになった一般人
――これは君の運命の暗示でもあり、スタンド能力の暗示でもある
――『――』のカード! そしてこれは……!!
――どうしたッてんだよアヴドゥルさん? って、お前……
――……これは君自身に名前を付けてもらおう。そのスタンドもその方が嬉しいようだからな。
――……ったく、わぁったよ。俺の言うことを聞きゃしねぇ「じゃじゃ馬」なお前の名は――
――『トムボーイ』!
「へ、へへへっ……ようやっと一泡吹かせてやったぜ……! ガフッ!?」
「譲司! しっかりしろ! 君のおかげでやっと分かったんだ! 奴の能力が!」
「ぐっ、こ、このクソにも劣るようなドブネズミがぁ……!! 我が『
懐かしいモン……いや、今から一か月とちょいとなら懐かしくもねぇな……。
花京院……そんな泣きそうな顔すんなよ……ちッとばかし腹に風穴空いただけだっつぅの……こんなの飯食って寝てたら治る……胃袋ぶち抜かれたからそれも無理か……。
「ジョージ! い、一体、何が起こったんじゃァ!?」
「ジョースターさん! 奴は! 『DIO』は
「な、何じゃとォオオオオオオオオオ!?」
「! お、おのれぇええ……!!」
俺がこいつらと出会って、勉強もできねぇバカなりにこの長い長い旅についていこうとした……。
すべては、この目の前で立ち上がろうとしている王様気取りのクソッタレた吸血鬼が原因……。
コイツを倒せば、この旅も終わる……。
「! 譲司をこっちに渡せ花京院!」
「すまない! 頼んだぞジョジョ!」
そんなバカがここまでやれたんだ……悔いもねぇ……。
「ジョージ君! こ、これは……!?」
「腹から背中までぶち抜かれちまってる……! 血もぶっ壊れた蛇口みてぇに止まろうとしねぇ……どうすんだよアヴドゥル!」
「まず傷口を抑えるしかない……だが、だが! 今から病院へ向かおうとしても、彼の精神力がいかに強靭だったとしても! 彼の肉体が限界を迎えるのが先になってしまう!」
「アウゥ! アウゥ!」
……いや、悔いはあるな……。
この旅路を最後まで見届けられなかったって「悔い」が……。
「譲司……」
「承太郎……プッ……しけたツラしてんじゃねぇよ……それが俺のダチ名乗ってる奴のツラか……? まぁ、心配してくれてるってのは……ちょっぴり嬉しいがな……」
「…………」
「だがな……まだあのドグサレ野郎は生きてるみたいだぜ……?」
「……あぁ」
承太郎、花京院、ジョースターさん、アヴドゥル、ポルナレフ、イギー、奇妙な縁で知り合った仲間達。
DIOを倒すっていうこの旅路、まだその目的は達成できてないんだ。
俺のことを考えるのは全部終わった後でいい。
だから……
「――ぶちかまして来いよ。てめぇのラッシュ。俺の分も含めてな……」
「――あぁ。てめぇも死ぬんじゃねぇぞ」
「――やれるだけやってやるよ」
俺の言葉に対する承太郎の返事は、まるで大地のように静かで、力強い怒りを纏っていた。
「……あぁ、こうなるんだったら吐くほど食ってから挑みたかったぜ……」
力が抜けていく……考える力すらバラバラにほどけていく……これが、死ぬってやつなんだな……。
1989年……エジプトにて、一人の男が散った。
名は「
親しい人からはときたまあだ名で呼ばれていた男の愛称は、運命の悪戯なのか奇妙なことに「とある血」を受け継ぐ者達の愛称と同じであった。
その男は仲間のため、強大な敵に挑みその腹をぶち抜かれて死亡したという。
そしてその男の奇妙な縁によって紡がれた物語はそこで幕を閉じた……
――はずだった。
「バタフライエフェクト」という言葉がある。
世界のどこかで起こった蝶の羽ばたきのように小さい出来事が、これまた世界のどこかで嵐のように大きな出来事を発生させるほどの現象が起こり得る「可能性」を考えた表現である。
何故それを今更になって話し始めるのか、そう思った者も多いだろう。
しかし! これは実際に起こっているのだ!
本来であれば、あの場にいた者の大半は命を落としていたのが『運命』であった。
だが、「ある者」の活躍によりその運命は大きく捻じ曲げられることになる。
そのある者とは「城ケ島譲司」!
蝶でさえ嵐を引き起こしうるかもしれないと考えられるこの世の中!
『
そう、彼はあの瞬間にこの現象を引き起こしたのだ!
そして天に昇るはずだった彼の「魂」は別の世界へと流れつく!
「……ここ、は……天国、ってやつか……?」
――『学園都市キヴォトス』へと!
こうして、奇妙な冒険はまた幕を開けた。