水着ネムガキ...そのサンダルにバッジみたいなの付けてカスタマイズするやつかわいいねぇ!
ふと見たら日刊ランキング10位に居ました!?
みなさんとネムガキのせいです。ありが!
「クリア!」
道中のカイザーを無力化しながら突き進む。
予想通り、局内の人員の半分以上は既にカイザーと入れ替わっていた。
追放された職員は外か、もしくは矯正局でしょうか。
ともかく数を減らさないことにはどうにもできません。
「手榴弾、投擲します!」
曲がり角、カイザーの姿を確認した後手榴弾を投擲。
それはカイザーに命中────
することなく。狙撃によって真反対──
つまり、こちらに弾かれた!
「っ!」
「ミヤコちゃんっ!」
すぐさま狙撃が私の背後から飛び込み、再度手榴弾をあらぬ方向へ弾き飛ばす。
「な、なんだ!?」
「襲撃か!?」
視界を覆い尽くす煙に紛れて物陰に身を潜める。
「助かりました、ミユ。しかし今の狙撃は...」
手榴弾の芯を射抜かず、かつそれを私に側に弾き飛ばした...
「...っ!」
突如背後に怖気が走る。
全力で横っ飛びをして別の部屋に転がり込み、すぐさま体勢を整えた。
「あれ...気づかれちゃった。やっぱ有望だね。ミヤコちゃん。」
「ニコ先輩...!」
袋小路となった会議室にユキノ先輩、ニコ先輩が入ってくる。
FOX小隊...!
「あの時狐坂ワカモに変装していたのは...月雪小隊長、君だな。」
「......」
FOX小隊の隊長、ユキノ先輩が確信を持った声でそう言った。
たった数発、彼女たちの銃撃を回避したその動作だけでバレてしまうとは。
これは...全てが終わったら変装、潜入の訓練が必要ですね。
「君だけで...いや、霞沢隊員もどこかに居るな?しかし2人だけでどこまでできる?」
「......」
姿は見えませんが...ミユ同様、クルミ先輩もどこかに隠れているのでしょう。
「君はあの時新生したSRTに戻った。思考する不安定な力でなく、ただ武器としてあることで最大の力を発揮するSRTに。」
「...ええ、確かに私は戻りました。」
あの時、先生が意識不明となった日。
苦しくて、泣きたくて。
ただ、誰かについて行きたかった。
心臓に絡みつくこの後悔を、誰かに祓って欲しかった。
「私は結局、何が正しかったのか分かりません。子ウサギ公園での籠城も、あの日の選択も...この戦いも。」
「それは当然だ。私たちは武器であり、命令に従うことで正しい力を発揮できる。正しい考えとは...上の命令そのものなのだから。」
もう随分と懐かしい記憶。
ご飯がない。弾薬がない。シャワーを浴びたい。何をしたらいいか分からない。
何であんな辛いことをわざわざしたのでしょう?
「知っていますか?不知火カヤ連邦生徒会長代行は、既にカイザーによって追い出されているらしいですよ。」
「...確定した情報じゃない。それにカヤ代行は、カイザーにも従うよう命令を出していた。」
何故あんなことをしたのか。
それは...
SRTでありたかったから。
私が昔テレビで見たあの姿です。
どの組織にも与せず、自らの正義の元戦う組織。
「すみません先輩方。今のSRTは...私が憧れたSRTではないのです。」
「...っ」
そうだ。命令に従うだけの武器になれるのであれば、そもそもヴァルキューレ警察学校への転入を拒んだりはしない。
あそこにはミユが居て、サキが居て、モエが居て。
側から見ればSRTだなんて到底思えないような生活をする私たちを、後押ししてくれる先生もいた。
私たちRABBIT小隊の共通点なんて、大したものはない。
ただ、SRTが消えるのが嫌だから集まった4人。
「先輩方もSRTが消えるのが嫌だったんですよね。だから、武器になることを選んだ。」
「......」
根本は変わらないのです。ただ、選んだ道が少しずれただけ。
でも、だからこそ。
戦わなければ。
ザザッ───
「RABBIT小隊は...私たちの思うSRTのために、戦います。」
『3、2、1...』
通信の通りに、FOX小隊の方を向いたまま足を2歩運ぶ。
後ろ手で窓を開放すると、タイミングを測ったかのように何かが飛び込んできた。
「!全員屈めッ!」
─────────────────
「あーッ!やめなさい離しなさい!私をいったい誰だと思っているのですか!?カイザー如きが私をーッ!」
「流石に無理ね...」
部下に押さえつけられながらもジタバタと暴れるカヤ代行を見下ろす。
所詮はろくな武器も持たない行政官2人、何が出来るというわけではない。
子供は騙しやすいものだと常々思ってはいたが、この少女はかつてないほどの度を超えた騙しやすさだった。
「とりあえず牢屋にぶち込んでおけ。後の処分はゆっくりやればいい。」
「このような横暴、連邦生徒会長が戻って来たらどうなると思っているのですか?」
1代前の連邦生徒会長代行が口を挟んでくる。いや...プレジデントが就任されるのだから、もう2代前か。
それにしても...この期に及んで連邦生徒会長だと?くだらん。
「連邦生徒会長か。ふふ、戻ってくると思うか?逃げ出したのだよ奴は。お前たちはあの女に見捨てられたのだ。」
連邦生徒会のトップに立ち、その超常的な才でD.U.のみならず他学区にまで大きな影響を及ぼしていた女。あれがまだ居たのであれば、我々の戦いも困難を極めていただろう。
しかし1年前に行方不明になって以来、音沙汰はない。
「違います。」
「ん?」
七神リン元代行が、こちらをまっすぐ見つめながら声を上げた。
「連邦生徒会長は私たちを見捨ててなどいません。彼女は連邦生徒会を、キヴォトスを、誰よりも思慮深く見ていた人です。」
「ふん...今ここに居なければ、何の意味もあるまい。」
理想を追い求め、盲目的に信じる。子供がよく陥る症状だ。
「精々信じて待つことだな。おい、とっととそいつらを放り込め。」
「は、はい!」
さて...後はプレジデントと合流し、カイザーコーポレーションが連邦生徒会を手に入れるための最後の仕事をするだけ────
「どうも〜、お疲れ様でーす。」
「...ん?何だ貴様は。」
気の抜けた声が聞こえ、振り返る。
「あの方は...?」
「...!こ、公安局長!?遅いですよ!私が連絡を入れてからどれだけ経っていると思ってるんですか!早く助けてください!」
カヤ行政官が吠える。
公安局長?ああ、あの『狂犬』の後釜か。
カイザーグループが指名し就任させた生徒で、極度のサボり魔だと聞く。
「何の用だ?まさか、コイツらを助けに来た...とでも言うつもりじゃないだろうな。」
「まさか。私は真面目に仕事をしに来ただけだって。」
少女はのんびりとした口調を崩さず、私の方にポンと手を置いた。馴れ馴れしいやつだな...何だこいつは?
「仕事だと?何の仕事だ。」
「何言ってんのさ。矯正局に仕事しにくるんだから、決まってるじゃん。」
待て。
コイツが来た暗闇の方から、誰か────
「凶悪犯を収監しにきたんだよ。」
「......」
闇を裂いてゆらりと...狐の面が、現れた。