ネムガキ...今更な不安感ですがもうオリキャラに片足を突っ込んでいやしないかという恐怖に苛まれています。
これはぜひ『合歓垣フブキ(公安局)』を実装し、公式の解釈で私にトドメを刺していただきたい。
「くうっ...!みん、な...っ」
「FOX2!くっ...誘導ミサイルか!?」
室内が爆風に飲まれる。
窓から飛び込んできたミサイルによって巻き起こされた煙が充満し、私の姿を覆い隠していく。
「ニコ!...はっ!?」
「隙あり!」
爆発から2人を庇ったニコ先輩が倒れ、クルミ先輩に
『みんな...!すぐに支援を...ってうわ!?』
『すみません、動かないでください...』
通信から、ミユがオトギ先輩の動きを止めたのを確認する。
煙が晴れ、立っていたのは私とユキノ先輩だけ。
そして...懐かしいような、見知ったような影が、クルミ先輩を押さえつけていた。
「くっ...サキ...!」
「久しぶりだな、先輩。」
不意の襲撃...流石にあれだけ不在だった2人の急襲を対処するのは、FOX小隊でも難しいでしょう。
「今の誘導ミサイルは、風倉モエか。」
「ええ、その通りです。」
残った2人。
1対1で、正面から対峙する。
「彼女たちはSRTを脱退したはずだが...ずっと隠していたのか?」
「...いえ、私も驚いています。怖くて消せずにいた連絡先にメッセージ1つ送るだけで...2人とも、すぐに来てくれた事に。」
1歩ずつ、距離を詰める。
この場を支配するのはこの戦いを制した者だけ。
ミユもサキも、加勢しようとすればたちまち有利なポジションを奪われるでしょう。
「良いだろう、月雪小隊長。これで決着をつける。」
「......」
2歩、3歩と歩き...もう既に、銃など外しようのない距離だ。
立ち止まって、もう一度手に持った銃を握りしめる。
開いた窓から風が吹き込み...
散乱したペンの1本が床に落ちて音を立てた。
「...っ!」
「...」
それが合図と言わんばかりに2人は銃を────
「...なぜ、銃を向けない。」
「ユキノ先輩。私たちと共に、戦ってください。」
銃口がこちらを向く。それでも私は銃を下に向けたまま、さらに1歩近づいた。
「...私たちは武器だ。そうでなければ、SRTは生き残れない...!」
「諦めないでください、先輩。」
あの日。誰が見ても無謀なデモを、止めることはしなかった先生。
「SRTに戻ってきてください。先輩。」
理想を押し殺して生きるのは、きっと『大人』だけれど。
でもそれは、『今』やるべきことじゃない。
『子供』である私たちには。
「先輩!」
「っ......!」
だったら私はまだ足掻きたい。
卑怯でも、みっともなくても...きっとそれが大人になった時、大事な宝物になるって...先生なら言ってくれると思うから。
「助けてください!私たちを...SRTを...!」
「......」
「ユキノちゃん。もう...」
いつのまにか目を覚まし、起き上がったニコ先輩が声をかける。
「...ああ。」
ユキノ先輩は...困ったように笑って、銃を下ろした。
「後輩に頼まれては...仕方が、ないか。」
──────────────────
「ふ、ふざけているのか!?」
私の背後から姿を現した彼女...
『狐坂ワカモ』は、優雅に銃の先をジェネラルへと向ける。
「覚悟は、よろしいですか。」
カイザーPMC基地で手に入れたシャーレ襲撃事件の証拠を見せてから、彼女は目に見えるほどの怒りを滲ませている。
「う、撃て!」
カイザー共が先制攻撃を喰らわせるも、微動だにしない。
「疾く死になさい。」
狭い矯正局の中で、辺りの被害など気にすることのない...災厄の狐の大暴れが始まった。
「今開けるね〜。」
「あなた、どうやって七囚人を此処に...?」
いやぁ...ダメ元で呼びかけてみたんだけど、まさか本当に来てくれるとは思わなかった。
あの時渡した警察無線、よくまだ持ってたよね。
「私、使えるものは何でも使いますので。」とのこと。
「は、早く開けてくださいよ!って...痛っ!!掠りました!というか彼女今私を狙ってませんでした!?」
こんな状況であっても、カヤ行政官はいつも通りだ。
ワカモ騒動でてんやわんやな時、彼女からのメッセージを見た時も驚いた。
単身侵入するなんて、勇気なのか無謀なのか...
いや、こうやって捕まってるのを見るに後者だね。元気そうでなにより。
「公安局長。私たちはこれより、行政権の奪還に向かいます。力を貸していただけますか?」
「もちろん。そのために来たからね。」
よし開いた。とりあえずこの鍵束で連邦生徒会制服を着ている人の牢屋を開けられるだけ開けて、本館へと急ごう。
「あの、財務室長...さっき弾が掠ってから私の頭上にお花が浮かんでいるのですが、これが何かご存知ですか?」
「知らないけど少し離れておくわ。」
─────────────────
「うわぁっ!?に、逃げろ...!」
D.U.の端、他の学区と境界を設けるその場所は...
「カイザーの兵士!?いやでもなんか違うような...痛たた!」
「おい、あの遠くに見えるのは何だ...?日食...?」
無差別な破壊。無機質な暴力。
『聞こえますでしょうか!?
今D.U.外郭において、カイザーのような装備の兵士やシスター服の集団、丸い機械のような何かなどが無差別に襲撃を...あれ?電波が...へ、ヘリが...!?」
終焉の足音。
そしてその最中、ただまっすぐに進み続ける少女の姿。
彼女の目からは見えないほど遠くにあるはずの、ある病院を見つめる。
「見えた。」
『見えた。』
「あれを消し去れば。」
『あれを消し去れば。』
「ようやく終われる。」
『ようやく始まる。』
崩壊は、すぐそこに。
──────────────────
「サキ...」
「...ミヤコ、その...悪かった。なにも言わずに...」
久しぶりの再会に、彼女は照れくさそうに頬を掻いた。
「本当です。私がどれだけ悩んだことか。」
「...あの日、私もどうしたら良いか分からなくなってさ。RABBIT小隊から離れたって、それは変わらなかった。」
サキは携帯端末を取り出す。
「でもミヤコのメッセージを見た時、思い出したんだ。やっぱり私たちは、RABBIT小隊は...廃校に反対して公園を占拠した、やりたい放題する集団だって。」
酷い言われようですが、事実なので仕方ありません。
「そうです。これからも...私たちと一緒に、そう在ってください。」
RABBIT小隊は...これで復活ですね。
「...モエは?」
『私はほら、銃火器の規制されちゃったら戦闘も発生しなくなるし、武器をバンバン使える機会も減っちゃうから。』
......
『冗談だって...私は信じてたよ。いつかこの日が来るってね。
どうせカイザーはそのうちSRTにだってまともな装備渡さなくなりそうだから、回収される前に色々集めてたの。最新鋭の装備もいっぱいあるよ〜?』
「...モエは変わりませんね。」
別フロアから、ミユとオトギ先輩が降りてくる。
「ミヤコちゃん...!みんな...良かった...!」
「ミユ、あなたにも心配をかけましたね...」
仲間が、揃う。
1度手放したからこそ分かる大切さを、ひしひしと感じる。
「 RABBIT小隊再結成!って感じかしら?」
「...ああ。」
「はぁ...居ないものだと考えていたとはいえ、後輩に簡単に制圧されちゃったし、もっかい鍛え直さないと。」
「ねぇ、ミヤコ小隊長を部屋に追い込んだ時にはもう私の背後にミユがいたんだって。どう戦えばいいと思う...?」
『─...あれ?んんっと...』
「...?モエ、何かありましたか?」
通信越しから、モエの困惑した声が聞こえた。
『──電波が────通─妨害─?』
「モエ?通信が...」
モエからの通信がぷつりと切れる。
こちらの端末は特に異常は見られません。外で何が...?
「...小隊長!あれを見ろ!」
ユキノ先輩が双眼鏡を差し出してくれる。
「...!?なんですか、あれは...?」
D.U.市街地のあちこちから煙が上がっています...
ボールのような機械に、シスター...?
外で一体、何が起きて──?
──────────────────
「お、合流できた。」
「...!公安局長、来てくださったのですね。」
行政官を連れて矯正局から本部へと戻ってくる最中、RABBIT小隊とFOX小隊を見つけた。
やり合っていないところを見るに...和解できたのかな?
「SRT!私があれだけピンチの時に何をしていたのですか?さっさとカイザーをぶちのめしんむむっ!?」
「うん、カヤ元代行はちょっと黙ってようね。」
どこまでもマイペースな彼女の口を塞ぐ。
「それで、そっちも上手くいったのかな?」
「はい。しかし局長、あちらの方角を見てください。」
差し出された双眼鏡を覗いてみる。
...何だあれ。カイザーっぽい兵士もいるけど、他にも...これもアイツらの施策 ...?
「あれが何かは分かりませんが、放っておくことはできません。」
「次から次へと...」
ザザッ───
『あー、ミヤコ聞こえる?』
「モエ!無事でしたか...報告をお願いします。」
モエとの通信が復旧する。声色からして無事なようですが...
『通信機器が急に動かなくなってさ。
外の騒動見た?その中にいる丸いボールみたいな機械...あれが妨害電波かなんか出してるっぽい。
あれから離れて連邦生徒会に近づいたら復旧したし。』
「それは...厄介ですね。とりあえず攻撃を受けないような距離を保ちつつ、警戒をお願いします。」
カイザーは...上の階かな。
上を制圧して行政制御権を取り返すのも大事だし、こうしている間にも下では被害が広がっている。
「...ここは二手に分かれたほうがいいね。」
「ならば、私たちは地上に向かい奴らを食い止める。カイザーの捕縛には...我々ではなくRABBIT小隊が向かうべきだ。」
FOX小隊が名乗りを上げる。
「では、私たちと行政官は上階に向かい行政権の奪取へ。公安局長は...どうされますか。」
「私は...地上でアレの相手してくるよ。」
双眼鏡でチラッと見えた...見知った集団を思い出す。
私は地上の方に行くべきだ。
「では、作戦開始です。各自できる限りの定期報告を!」
「「了解!」」
私とFOX小隊、RABBIT小隊と行政官の二手に分かれて走り出す。
この数ヶ月間随分と長く感じたけれど。
どっちに転んでも、終わりが近いのは分かる。
...見ていてよ、2人とも。
面倒だけど、私も最期まで戦うからさ。